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【お酒】371.清澄辛口本醸造 鳥海山 300ml【追記あり】 [05.秋田県の酒]

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天寿酒造株式会社
秋田県由利本荘市矢島町城内字八森下117

アルコール分/14度
原材料/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合70%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)



天寿酒造さんのお酒は、かつて天壽精撰カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は本醸造のようです。

このお酒のラベルには、“瓶火入冷温貯蔵”と書いてあります。
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この言葉のうち、“瓶火入れ”という部分は、二回目の火入れを瓶燗(お酒の「品質を損なわないために、瓶詰めしてから加温する方法」(※1))でやっているという意味でしょう。
そして後半は、瓶燗した後で、瓶詰のまま冷温で貯蔵したお酒という意味でしょう。
追記:蔵元さんにお伺いしたところ、これで合っていると解答をいただきました。
(追記2:火入れについては、かつてこちらで触れていますので、ご覧ください。



☆★☆★【2016/10/23追記】☆★☆★

この記事を書いた後で、火入れを一回だけとして二回目の火入れを省略する手法があることを、以下の文献の記述から知ることができました。

また、最近では「瓶貯1回火入れ」の商品も増加しています。瓶貯とは瓶詰め貯蔵のことで、できあがった日本酒を火入れしてからすぐ瓶に詰め、その後瓶のまま貯蔵します。瓶貯1回火入れは、先に瓶詰めすることで殺菌のために行う2度目の火入れを省略でき、吟醸酒などで行う冷蔵貯蔵がしやすいというメリットがあります。生貯蔵酒や生詰め酒と同様に、フレッシュさが感じられる味わいです。」(※2)

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



瓶燗したお酒を冷温貯蔵すると、はたしてどんな味になるのでしょうか。
おいしいお酒であることを期待しつつ、本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。


うまみはやや濃いめです。
お米本来のやわらかいうまみです。
酒臭さはまったくありません。
しかも、苦みや雑味がなくて澄んだ味わいです。

酸味は弱めです。
わずかにすっぱさを感じる、清涼感のある酸味です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みは弱めですが、けっこうはっきりしています。
そのため、お酒の味にコクが出ています。


お米のうまみを堪能することができる、やや濃醇で旨口のおいしいお酒でした。
“辛口”と名乗っていますが、甘みははっきりしていますし、刺激もないので、辛くは感じませんでした。
雑味のないきれいな味わいなので、“清澄”の名にふさわしいお酒だと思います。
それでいてうまみが濃いなんて、きっとかなり丁寧に造ってあるのでしょう。
本醸造ですが、吟醸香のない吟醸酒のような、きれいな味わいのお酒でした。
もしかしてこれが、瓶火入れ冷温貯蔵の効果なのでしょうか。


(※1)篠田次郎『日本酒ことば入門』p.204(2008.7 無明舎出版)
(※2)公益財団法人日本醸造協会/日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)監修『日本酒学』p.119(2016.6 洋泉社)
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あ~酒臭かった! 28

酒くさコメント 5

hanamura

瓶火入冷温貯蔵?・・・生貯蔵酒ですよね。
1.お酒は基本、火入れする。
2.お酒は基本、貯蔵する。

by hanamura (2014-10-26 23:41) 

skekhtehuacso

hanamuraさん、生貯蔵酒って、一回目の火入れをせずに貯蔵してフレッシュ感を残したことが売りですよね。
ということは、(生貯である旨の表示は任意ですが、)生貯だったらその旨を表示すると思うのです。
しかし、このお酒の表示からは、一回目の火入れをしてあるのかどうかを読み取ることはできません。

hanamuraさんがおっしゃるとおり「お酒は基本、火入れする」「お酒は基本、貯蔵する」わけです。
それ故、「一回目の火入れとタンク内での貯蔵はしてあって、瓶詰めしてから二回目の火入れをし、出荷前に瓶ごと冷温で再度貯蔵したお酒」という意味に解釈するのが適当かと思ったわけです。

ですが、もしかして私が知らないだけで、「瓶火入冷温貯蔵=生貯蔵酒」というのはアタリマエのことなのでしょうか?

素人の私がいくら考えても、正確なところはわかりません。
この件は、蔵元さんに問い合わせてみることにしました。
by skekhtehuacso (2014-10-27 23:34) 

hanamura

いやぁ~ホント私も、まるで、分からないのです。
「瓶詰め火入れの後で、冷温貯蔵!」蔵元さんが、言ったのですね。それは、よく分かりました。
通常の瓶詰め後の「貯蔵酒」は有りますし、古酒も味わい深いです。
当品のラベルの製造年月日14.09.FF(なのかな?推測です。)
「瓶火入→→貯蔵」・・・瓶に入れて、貯蔵して、平成14年から12年冷温貯蔵なら、300mlでも、超高級品(?)それとも、2014.09(?)だとすると、貯蔵とは(?)
まぁ、こういう謎も、酒に関するロマンかなぁ~。美味しそう!
by hanamura (2014-10-28 23:40) 

skekhtehuacso

hanamuraさん、コメントありがとうございます。

このお酒の製造年月は西暦(2014年)であって、元号(平成14年)ではないと思います。
というのも、国税庁の酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達の86条の6の、2(3)ロ(イ)には、「特定名称の清酒であって、容器に充てんし冷蔵等特別な貯蔵をした上で販売するものについては、その貯蔵を終了し販売する目的をもって製品化した日を製造時期として取り扱う。」と書いてあるからです。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sake/8-09a.htm

要するに、製造年月は、醸造を終えて貯蔵を開始した時点を起算点とするのではなくて、貯蔵を終えて市場へ流通させた日ということでしょうね。
それに、このお酒の味わいは、10年古酒の味わいではありませんでしたしね。
by skekhtehuacso (2014-10-29 00:15) 

hanamura

後から出荷前にラベルを貼るのですね。
いろいろ勉強になって、たのしいです。
by hanamura (2014-10-29 10:22) 

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