【お酒】694.日高 かわせみの里 300ml [11.埼玉県の酒]
長澤酒造株式会社
埼玉県日高市北平沢335
アルコール分 15.0度以上16.0度未満
米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール
精米歩合 65%
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)
このお酒について、ネット上では、日高市の市制施行を記念して造られた酒である旨の情報がありました。
しかし、それが正確かどうかを確認することは出来ませんでした。
ラベルには、“特撰本醸造”である旨の表示があります。
特撰本醸造という特定名称はありません。
特別本醸造のことかとも思ったのですが、品質表示を見る限り特別本醸造の基準には該当しておりませんでした。
この“特撰本醸造”である旨の表示って、ルール違反(※1)ではないのでしょうか?
このお酒について、文献には「本醸造に吟醸酒をブレンドしたかわせみの里もある。」との記述がありました(※2)。
本醸造に吟醸酒をブレンドして販売することは制度として認められており、その際に吟醸酒ではなくて本醸造の特定名称を名乗ればよいだけです(※3)。
しかし、ラベルのどこを見ても、吟醸酒をブレンドした旨の表示はありません(混和した旨の表示は義務ではないので、表示がなくても問題はないと思います)。
それに、蔵元さんはWebsiteを開設していらっしゃらないみたいですので、上記文献の記述の当否を確認することはできませんでした。
もし吟醸酒をブレンドしているのであれば、口当たりのよいお酒に仕上がっているのではないかと推察し得ると思います。
そういうお酒は、きっと冷やして飲むことを前提につくられているのではないでしょうか。
ということで、本醸造ではありますが、今日は冷やしていただくことにいたします。
お酒の色は、無色でした。
口に含むと、かすかにではありますが、フルーティーな風味を感じます。
うまみは淡めです。
酒臭さはなくて、やわらかいうまみをちょっと感じた後で、パッと消えていきます。
苦みや雑味はありません。
酸味ははっきりしています。
さわやかさがはっきりしていて、すっぱさもちょっと感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはひかえめですが、ほんのりと感じます。
べとついた感じはなく、さらっとしています。
淡くてさわやかな、淡麗爽快なお酒でした。
飲み応えは全くないですが、酸味のさわやかさを味わうことができると思います。
それでいて、雑味がなくてきれいな味わいなので、スッと入っていきます。
これは冷酒でいただいて正解でした。
夏の暑い日にいただけばおいしいのではないでしょうか。
(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)6(3)
(※2)津波克明『ぶらり地酒紀行-関東の酒蔵御案内』p.68(1996.5 けやき出版)
(※3)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準 2(2)イ(二)A
「特撰本醸造」って検索すると何個かヒットするみたいですね。
特撰=本醸造、上撰、佳撰=普通酒と表示されているからでしょうか?。
by エクスプロイダー (2015-10-17 22:17)
エクスプロイダーさん、それについては“本醸造・特撰”や、“特撰・本醸造”といったように、分けているものが多いのではないでしょうか。
少なくとも大手では、法的リスクを回避するためか、特撰本醸造という銘柄は見当たらないようです。
by skekhtehuacso (2015-10-17 23:32)