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《焼酎》92.千鶴(ちづる) 100ml [9946.鹿児島県の焼酎]

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神酒造株式会社
鹿児島県出水市高尾野町大久保239番地

本格焼酎
原材料/さつまいも・米こうじ(タイ産米)
アルコール分/25%
内容量/100ml
(以上、ラベルより転記)




“千鶴(ちづる)”という名前の焼酎です
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そういえば、かつて金子信雄が東ちづるさんを「ちじゅる!」って呼んでいたっけ。
関係ないだろ。


話を焼酎へ戻しましょう。
“千鶴”という銘について、文献には以下のような記述がありました。
 明治五年創業の神酒造は、県内酒造所でも老舗中の老舗と言えよう。昭和三三年、主要銘柄名を「神焼酎」から蔵所在地、高尾野町が鶴の飛来地であることにちなんで「千鶴」と変更した。北薩の焼酎には鶴由来の銘柄名やラベルが多く、農閑期に訪れる稀少で優雅なこの鳥が、この地域の人々のアイデンティティーに大いに影響を与えていることが窺える。」(※1)
ちなみに明治五年(1872年)といえば、日本で最初の鉄道である新橋-横浜間が正式開業した年ですぞ。

麹米には、タイ米が使用されているようでした。
焼酎の麹造りにはタイ米が適していることは、かつてこちらで触れております。
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肝腎の味わいについては、同じ文献で「この焼酎は、ふくよかな甘味と引き締まった辛味が前面に出た伝統的な味わいを持っている。地元の焼酎飲んごろがお湯割りでダイヤメすることを念頭に仕込んだ製品と推察するが、燗付けのみならず、生でもまたロックにしても濃醇な芋本来の旨味が遺憾なく引き立ち、焼酎を愛でる喜びを再認識させる。(以下略)」(※1)と紹介されておりましたよ。

はたしてこの評価はそのとおりなのでしょうか?
それをたしかめるべく、いただいてみたいと思います。
地元の焼酎飲んごろがお湯割りでダイヤメすることを念頭に仕込んだ製品」(※1)ですからね、お湯割りでいただいてみましょう。
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お湯割りにすると、芋の重い香りがフワッと漂ってまいりましたよ。

一口含むと、芋の風味がしっかりしていることがわかります。
ふっくら感とともに、重さもしっかりと感じます。
甘味は穏やかに効いているようです。
また酸味が少し強めに出ているようですが、これはお湯割りにしたからでしょうか?
でも、それでいて苦みや雑味はまったくありませんよ。


ふっくらどっしりのおいしい芋焼酎でした。
たしかにこれは飲みやすさを追求したものとはまったく異なった、いたって伝統的な味わいの焼酎でしょう。
しかしその伝統的な味わいがどっしりと構えていて、何もかも包み込んでくれるような味わいでしたよ。
それでいてクセがなく、後味はすっきりしておりました。

これさ、かなりうまいんじゃないの!
これはあくまでも私の勝手な想像ですが、どっしりと構えてなにもかも包み込んでくれそうなこの焼酎の味わいってのは、あたかも薩摩の人々の心にあるお母さんの姿に通じるところがあるのではないでしょうか。
それ故に、まさしくダイヤメ(ダレヤメとも。「ダイヤメとは鹿児島の方言で晩酌のことである。一日の締めくくりにダレ(疲れ)を癒す・ヤメ(止める)ことに由来する。」(※2))に最適な焼酎だと思いましたよ。

機会があれば大きい瓶を入手して、いろいろな飲み方で試してみたいところでした。


(※1)『庶民価格でうまい! 芋焼酎はこれで決まり』p.37(2005.5 洋泉社ムック045)
(※2)鹿児島県本格焼酎技術研究会『かごしま文庫(62) 鹿児島の本格焼酎』p.148(2000.6 春苑堂出版)
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