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【お酒】2166.スクウェア・ワン 純米酒 750ml【翌日追記あり】 [20.長野県の酒]

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製造者 株式会社桝一市村酒造場
長野県上高井郡小布施町807

内容量 750ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
(美山錦100%)
アルコール分 16.5度
精米歩合 59%
保存方法 涼しいところに保管し、お早めにお召しあがりください。
(以上、裏に貼られたラベルより転記)




親類からのもらい物です。
普段はカップ酒や少量瓶しか紹介しないこのブログですが、たまにはこういうのも面白くてよいでしょう。

造っているのは、桝一市村酒造場さん。
栗の産地で名高い小布施に蔵を置く蔵元さんです。
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なんでも、「小布施は、世界的な評価を受ける浮世絵師、葛飾北斎が晩年を過ごした町。」(※1)で、「かの葛飾北斎(1760~1849)も嗜んだという酒を醸すのが小布施町の桝一市村酒造場だ。晩年の北斎を招いたのは地元の豪商、市村家当主の高井鴻山(=市村三九郎、1806~83)だった。」(※2)のだとか。

今日いただくこのお酒は、
“スクウェア・ワン”(“桝一”ってこと?)
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このスクウェア・ワンについて、文献には以下の記述がありました。
「(前略)昭和の終わり頃には酒造業からの撤退を検討した時期もあった。
 そんな流れを変えたのは、現在同社の取締役を務める米国人女性との出会いである。長野オリンピックのボランティア・スタッフとして来日した女性は、日本の伝統文化に触れたいと考え、歴史ある酒蔵に就職。様々なアイデアを検討する中で、陶器製のビンに詰めて販売することでそのまま熱燗にできる「スクウェア・ワン」が生まれ、大ヒット。さらに、木桶を使った昔ながらの酒仕込みを五〇年ぶりに復活させた。」(※3)

そんなスクウェア・ワン。
長野県が誇る酒米“美山錦”を100%使用しているんだってさ。
内容量や精米歩合も個性的で面白いね。
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栓はいわゆる“器械栓(器械瓶)”でした。
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気が済んだところで、いただいてみたいと思います。
燗も面白いかと思ったのですが、冷蔵便で配送されてきたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し黄色がかっていて、透き通っておりました。
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上立ち香はないですね。
含むとフレッシュな風味を少し感じます。

うまみはやや濃いめ。
米のうまみは厚みはないものの、舌の上全体にふわりと乗っかって来るようです。
酒臭さ(ほめ言葉です)もはっきりしていますが、熟成感はないかな。
木桶仕込みとのことですが、木香はわかりませんでした。
キレはよく、透明感がバッチリです。

酸味はややはっきり。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
酸味自体の深みもちょっとだけあるかな。
ちょいスーですが、ピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめ。
前に出て来ませんが、存在はわかります。


ちょい爽快のやや濃醇でちょいすっぱちょいスースッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。

フレッシュな風味がありましたが、弱めでちょうど良い感じでした。
うまみは米のうまみと酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)とでかなりしっかりでしたが、それでいてキレがよく、かつアル添酒みたいな透明感があってスッキリしておりました。
酸味は突出することなく、かつ深みをちょっとだけ伴っていていい感じでした。
甘みは前に出てくることなく、陰ながら味わいを和らげているように感じました。

うまいね。
ちょい爽快で、飲み応えバッチリで、かつキレよくスッキリ。
アル添酒を好むワタクシといたしましては、こういうキレよくスッキリした純米酒は願ったり叶ったりでございました。


(※1)川崎史郎・小林敬一『酒蔵で訪ねる信州』p.50(2008.5 信濃毎日新聞社)
(※2)朝日新聞長野総局編著『信州の日本酒と人』p.28(2018.10 川辺書林)
(※3)『ようこそ日本酒の國へ』p.022(2014.5改訂 合同会社デザインファームアンドリゾート)



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翌日、

燗で試してみました。
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上立ち香はなし。
含むとアルコール香が鼻へ抜けます。

うまみはやや濃いめ。
酒臭さ(くどいようですがほめ言葉です)が前に出てきました。
木香のような風味も弱めながらにわかります。
米のうまみはやはり舌の上にふんわりと乗っかる感じ。
キレはよいですが、透明感は消えました。

酸味ははっきり。
すっぱさは強くはなくて角もなし。
でも、酸味自体の深みがはっきりしてまいりました。
スーもはっきりですが、ピリはなし。

甘みはやや、いやちょいはっきりかな。
幅はそれほど感じないものの、やや前に出てくるみたいです。


燗にすると、やや濃醇で深スー旨口のおいしお酒になりました。

燗にすることで酒臭さが前に出て、かつ酸味に深みが出て飲み応えバッチリでした。
木香のような風味も感じましたが、これは木桶仕込みに由来するものかな?
甘みはちょいはっきりでしたが、しつこくなくていい感じでした。


これはまちがいなく燗がうまい!
私が大好きな剣菱のような味わいでした。
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酒くさコメント 4

あとりえSAKANA

瓶が素敵☆
by あとりえSAKANA (2022-08-30 00:27) 

newton

容器がお洒落ですね。美山錦は好きな酒米なので、飲んでみたいです。

by newton (2022-08-30 15:10) 

skekhtehuacso

あとりえSAKANAさん、それも売りの一つかと思います。
ただ、陶製故に瓶のリサイクルに出せないのが悩ましいところでございます。
by skekhtehuacso (2022-08-30 20:09) 

skekhtehuacso

newtonさん、まちがいなく燗がうまいと思います。
出会ったら是非お試し下さい。
by skekhtehuacso (2022-08-30 20:10) 

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