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【お酒】480.獺祭 純米大吟醸 50 300ml [35.山口県の酒]

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旭酒造株式会社
山口県岩国市周東町獺越2167番地4

アルコール分16度
原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)
精米歩合50%
300ml
(以上、ラベルより転記)



私がここでどうのこうのと書く必要がないくらい、有名なお酒です。
だったら書かなきゃいいじゃないか!

ラベルには、“獺祭”(だっさい)という名前の由来が記載されています。
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ところでこの獺祭ですが、雑誌の日本酒特集では常連といってもよいくらい、頻繁に紹介されていますね。
その一例として、ある雑誌では以下のように紹介されていました。
1984年に現社長(中略)が3代目となった時、旭酒造は廃業寸前にまで追い込まれていた。酒造りにも売り方にも問題があると考えた社長は、それまで造っていた普通酒「旭富士」を捨て、純米大吟醸のみに製造を転換。「本当に美味しい酒」を目指し、酒造りの根本から見直して造り上げた『獺祭』を携え、東京の市場に打って出た。
「東京でよい結果が得られ、さあ次は?となったとき、私たちが目指したのが海外でした。今までよりも厳しい状況に挑戦していかなければ、『獺祭』というブランドを磨き、成長していくことはできないと考えたからです。また、国内では人口の減少もあり、需要を海外に求める必要があったのです。
『獺祭』は、現在世界22カ国で販売され、海外での売り上げは全体の10%を占めている。」(以上、※1)

普通酒をやめて純米大吟醸だけにするなんて、地元の人たちに毎日の晩酌で飲んでもらうことをまったく考慮していないということでしょうな。
もっとも、東京や海外への販売を目的にしているのであれば、地元の人たちに支持されなくても痛くも痒くもないのかもしれませんね。
しかし、そういったお酒は、もはや地酒とは言えないでしょう。

それに、上記雑誌では海外進出の理由を国内人口の減少による需要減にあるように書いています。
これは私の推測ですが、昨今の地酒ブームの下では、国内で本当に美味しいお酒を求める人たちは昭和の頃よりもかえって増えているのではないでしょうか。


また、別の雑誌では、以下のように紹介されていました。
山田錦を使った純米大吟醸酒のみという思い切った商品設計と、“作家性”を排除したブレのない品質。」(※2)

作家性を排除するということは、杜氏の勘や経験に頼った酒造りではなくて、すべてのお酒を均一に製造できるように全工程を数値化・機械化するということだと思います。
地方の蔵元さんのみならず、大手蔵でさえ伝統的な手法に回帰する傾向がある昨今において、あえて数値化・機械化にこだわるなんて、よほど酒質に自信があるのでしょうな。

しかしそれはもはや、酒造りというよりも、むしろ工業製品の製造というべきではないでしょうか。


ところで、獺祭シリーズのラインナップについて、別の文献では以下のように紹介していました。
醸造するのは、すべて純米大吟醸。精米歩合50%を底辺とする稀有な商品群には目を見張らずにはいられない。」(※3)

今日いただくこのお酒は精米歩合50%ですから、このお酒こそが、獺祭の“底辺”に位置するお酒なのでしょう。
底辺といっても、このお酒、300mlで642円もしたのですよ!
そんな獺祭の底辺に属するこのお酒を、社会の底辺どころかはみ出し者のこの私がいただいて、はたしてその味を正確に理解することができるのでしょうか?


文句ばかり言っていてもしかたがありません。
たとえどのような方針で製造・販売されていたとしても、実際にいただいてみるまではお酒の味を正確に理解することはできません。

純米大吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
その前に、このお酒ですが、色はほぼ無色です。
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うわぁ。
吟醸香がプンプンします。
花のような香りです。

たしかにうまみは濃いめです。
お米のうまみを凝縮したようなうまみです。
それに、吟醸酒らしい苦みもはっきりしています。
でも、酒臭さや熟成感、雑味は感じません。

酸味はけっこうはっきりしています。
すっぱさが豊かですが、乳酸由来でしょうか?
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめながら、けっこうはっきりしています。
甘みとして独立して感じるのではなくて、陰に隠れてうまみを支えているような感じです。


吟醸香とお米のうまみとが豊かな、やや濃醇で旨辛口のお酒でした。
さすが純米大吟醸を名乗るだけあって、お米のうまみを堪能することができるお酒でした。
その一方で、まるでワインのように吟醸香が豊かでした。
外国へ売り込むためには、こういった風味のほうがよいのでしょうか?
私としては、一日の終わりにこのお酒で一杯やっても、決してホッとはしないと思います。
蔵元さんだって、オマエみたいな貧乏人には飲んでもらいたくないだろよ!


あー、キクマサ飲みてぇ。


(※1)一個人 2015年3月号(No.178) p.38-39(KKベストセラーズ)
(※2)dancyu 2014年3月号 p.15(プレジデント社)
(※3)pen 2013年12月1日号(No.349) p.63(阪急コミュニケーションズ)
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あ~酒臭かった! 37

酒くさコメント 8

kurakichi

貴兄の獺祭に対する評価説明まさに納得です。
獺祭を飲む機会は何回かあったのですが 飲まなくてよかった~。
by kurakichi (2015-02-21 21:02) 

skekhtehuacso

kurakichiさん、いつも読んでいただいてありがとうございます。
このお酒は私の好みには合いませんでした。
それでも、日本のお酒にはいろいろな味があるということを知ることができたのは収穫でした。
by skekhtehuacso (2015-02-21 21:30) 

hypo

獺祭ですか…、貧乏人の僕も飲めませんというか飲みません。
by hypo (2015-02-22 10:40) 

ojioji

キクマサが切れたので地元の量販店に買いに行ってもらったところ、
置いてなかったとのこと。
店の人が代わりにと、白鶴マルを勧めたそうです。
上撰・生酛・男の辛口の代わりが白鶴マルに務まるとは思えないのですが。
by ojioji (2015-02-22 17:36) 

skekhtehuacso

hypoさん、同じ値段を出すのであれば、もっとおいしいお酒はあると思います。
まあ、今回は、それがわかっただけでも収穫でした。
by skekhtehuacso (2015-02-22 21:29) 

skekhtehuacso

ojiojiさん、菊正宗と白鶴とはもとをたどれば同じ嘉納家に由来する親戚どうしですが、造るお酒の味はちがうと思います。

というか、白鶴まるって酒は、糖類・酸味料添加の三増酒です。
大手の酒で、ラベルやパッケージのデザインが赤色のものには注意を要すると思います。
by skekhtehuacso (2015-02-22 21:35) 

やまびこ3

獺祭、飲んだことありません。この値段ならためしに飲んでみようと思う私のようなものもいるので、入門編といったところでしょうか。
by やまびこ3 (2015-02-23 18:24) 

skekhtehuacso

やまびこ3さん、コメントありがとうごさいます。
今回いただいたやつは、獺祭シリーズでも一番安いものですので(それでも純米大吟醸ですが)、比較的入手しやすいと思います。
一度試してみるのもアリかと思います。
by skekhtehuacso (2015-02-23 23:14) 

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