【お酒】308.賀茂緑 上撰 グリーンカップ [33.岡山県の酒]
丸本酒造株式会社
岡山県浅口市鴨方町本庄2485
原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分:15度
200ml
(以上、カップの印刷事項より転記)
このお酒のカップには、このお酒が特別栽培の岡山米を使用して造られていることが記されています。
その米作りについて、蔵元さんのWebsiteによれば、「私たちの考えでは、粒の外見よりも、そのお米の「育ち」の方が重要だと考えています。栽培方法こそ、お米の成分を左右するからです。育ちが明確になる自家栽培が酒造りにおいて重要になると考えています。 」と紹介されています。
お米造りは信頼できる農家さんに任せて、蔵元さんは酒造りに専念するという考え方も、当然ありだと思います。
しかし、お米の品質を納得いくものにするためには、自家栽培しかないという考え方もまたありなのでしょう。
たしか、天の戸の浅舞酒造さんや、秋鹿酒造さんも同じような考え方だったと思います。
そんなこだわりのお米を使用した丸本酒造さんのお酒について、ある雑誌では「醸される酒は、雑味の少ないきれいなテイスト。いずれもふっくらしたお米の味が伝わる旨口の酒へと仕上がる。」と紹介しています(※1)。
はたしてそのこだわりは、カップ酒にするような普通酒でも感じ取ることができるのでしょうか。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
一口いただいくと、お酒の香りを感じます。
酒臭さとはちょっとちがう、甘い香りです。
ああ、そういえば、これって同じ岡山の加茂五葉をいただいたときにも感じた香りですわ。
うまみは濃くはないですが、かなりしっかりしています。
酒臭さはひかえめで、むしろやわらかいうまみです。
酸味は弱めですが、はっきりしています。
すっぱさを感じる酸味です。
甘みも弱めですが、はっきりしています。
クドさのない、サラッとした甘みです。
酸味と甘みとの調和がちょうどよい、やや甘口のおいしいお酒でした。
こういう甘口のお酒には、酒臭いうまみよりもやわらかいうまみのほうが合うように思いました。
(※1)OSERA オセラ 晩秋号(2013年11-12月号)vol.66 p.44
【お酒】306.櫻室町 純米吟醸生貯蔵酒 雄町米でつくったおいしいお酒 300ml [33.岡山県の酒]
室町酒造株式会社
岡山県赤磐市西中1342-1
アルコール分14.0度以上15.0度未満
原材料 米(岡山県産)・米麹(岡山県産米)
特定栽培雄町米100%
精米歩合58%
仕込水 名水百選雄町の冷泉
酸度 年間平均1.6
アミノ酸度 年間平均1.4
日本酒度 +2(優雅辛口)
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
このお酒は、岡山県が生んだ酒米、“雄町(おまち)”を100%使用しているそうです。
雄町については、かつてこちらでまとめております。
雄町は、山田錦の先祖であるだけでなく、五百万石の先祖でもあるそうです。
ということは、雄町の発見がなければ、今日の酒造り、特に吟醸造りは成り立たなかったかもしれませんね。
このお酒の蔵元である室町酒造さんについて、ある文献では以下のように紹介されています。
「使用する酒米の、八〇パーセント以上が雄町米。岡山市瀬戸町の栽培農家と契約し、最高の酒米を使った贅沢な酒造りが身上。」
「仕込み水は「日本の名水百選」のひとつ「雄町の冷泉」。かつて池田藩の御用水であり、深みのある、やわらかい口当たりが特徴の軟水である。」(※1)
特上の雄町米を軟水で仕込めば、きっとやわらかい味わいのお酒になることでしょう。
実際に、このお酒のラベルには、酸度が低めの“優雅辛口”である旨の表示がなされています。
想像はこのくらいにして、さっそくいただいてみたいと思います。
純米吟醸酒ですし、生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
ほんのりと、吟醸香を感じます。
華やかさはありませんが、奥ゆかしい感じがします。
うまみは濃くはないですが、かなりしっかりしています。
お米の味のおいしいところだけが、そのままお酒の中に溶け出している感じがします。
酒臭さはまったく感じません。
それに、吟醸酒らしい苦みを、やや強めに感じます。
酸味はほとんど、いや、まったく感じませんね。
甘みはほんの少し感じる程度です。
これも、お米由来の甘みでしょうか。
お米のうまみを、苦みが引きしめる、やや淡麗でやや辛口のおいしいお酒でした。
一口いただくだけで、お米のうまみを堪能することができます。
酸味を感じませんが、苦みがそれを補って、お酒の味を調えているようです。
吟味して造られたことがよくわかる、吟醸酒を名乗るにふさわしいお酒だと思います。
(※1)OSERA オセラ 晩秋号(2013年11-12月号)vol.66 p.37
【お酒】91.加茂五葉 上撰 [33.岡山県の酒]
先日、私の、岡山のポット酒への想いを書きました。
しかし、関東から岡山へはそう簡単には出かけることができません。
それに、ポット酒は多人数でお店へ入ったときに供されるものらしいので、たとえ岡山で出かけたとしても、私一人でお店へ入ったのでは、ポット酒を出してもらえないのです。
それでも、いつか必ず成田家さんへお伺いして、ポット酒をいただこうと思っています。
ですが、その日がいつになるのか、まったく見通しが立ちません。
そうやってポット酒への想いをつのらせていたところ、とうとうポット酒が夢に出てくるようになってしまいました。
そのことをある知人に話したら、
「そんなに飲みたいんだったら、家でやればいいじゃん!」
とのこと。
そうか!
加茂五葉を買って、それをポットに入れて、自分の家でドボドボやればいいんだ!。
というわけで、蔵元から通販でこの酒を取り寄せました。
加茂五葉 上撰
合資会社多胡本家酒造場
岡山県津山市楢69
原材料名:米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分:15度以上16度未満
720ml
(以上、ラベルより転記)
実は、成田家さんで供される加茂五葉は、この上撰ではないようなのです。
確認はしていませんが、ラベルのデザインからして、どうやらもう一つ下のランクのお酒のようです。
しかし、そのお酒を通販で購入するためには、一升瓶か一升パック酒、あるいはカップ酒6個セットのものを選ぶ必要がありました。
そこで、四合瓶でも購入できるこのお酒を選びました。
このポットは、この日のためにポット酒専用のポットとして購入したものです。
先日の記事に対してS様がくださった「そのポットは、お酒のにおいがついちゃうでしょうから、他のものを入れることはできないでしょうね。」というコメントを参考にさせていただきました。
購入直後は、新しいポット特有のケミカルなニオイがしていました。
そこで、毎日朝晩に、熱湯をポットに注いで、それを捨てて洗浄するという作業を10日ほど繰り返しました。
その結果、完全は除去できませんでしたが、ほぼ問題ないレベルにまでニオイを抑えることができました。
では、お酒を熱燗にして、このポットに入れます。
そして、これをポットからドボドボと注ぎます。
雑誌で見たポット酒と比べると、私が買ったポットから出るお酒の量は、かなり少なめでした。
ドボドボではなくて、むしろジャーッといった感じでした。
あーあ、ドボドボを期待していたのに、ちょっと残念でした…。
それでも、ポットからお酒を注ぐと、お酒の甘い香りがふわーっと伝わってきます。
たまりませんなぁ。
それでは、いただいてみたいと思います。
グラスに口を近づけて、ズズーッと音を立てて空気と一緒にお酒を吸います。
そして、空気だけを鼻からスーッと抜くと、お酒の甘い香りを味わうことができます。
雑誌には、「飲む時に鼻に「くん」と来る香りがたまりません。」と書いてありました(※1)。
この「くん」は、ズバリこの甘い香りのことでしょう!!。
うまみはけっこう濃厚です。
酒臭いうまみではありません。
お米本来のうまみでしょうか。
広島の吟醸酒のような、まろやかなうまみです。
このお酒、甘みがけっこうあります。
しかし、けっしてくどい甘みではありません。
口の中に広がった後で、スーッと消えていくような甘みです。
酸味もちょっとだけあるようです。
この酸味が、うまみと甘みとを際立たせているような気がします。
まろやかなうまみと、やさしい甘みとで仕上げられた、濃醇やや甘口のおいしいお酒でした。
私はこれまで、甘口のお酒は苦手でした。
しかし、このお酒は、私が知っていた甘口のお酒とは違いました。
むしろ、こういうやさしい甘さのお酒こそが、本当の甘口のお酒なのかもしれません。
おいしかった。
それにしても、ポット酒は、最後まであたたかいお酒をいただけることがわかりました。
これは、寒い日にゆっくりとお酒をいただく際には最適だと思います。
そういえば、私の先日の記事に対して、H様が「ポット酒ステキです!大人数で、外で飲む時に重宝ですね。 」というコメントをしてくださっていました。
大人数はさておき、こういうあったかいお酒を寒い日に外でいただくと、さらにおいしいかもしれません…。
やってみようかなぁ。
(※1)OSERA オセラ 晩秋号(2013年11-12月号)vol.66 p.29
しかし、関東から岡山へはそう簡単には出かけることができません。
それに、ポット酒は多人数でお店へ入ったときに供されるものらしいので、たとえ岡山で出かけたとしても、私一人でお店へ入ったのでは、ポット酒を出してもらえないのです。
それでも、いつか必ず成田家さんへお伺いして、ポット酒をいただこうと思っています。
ですが、その日がいつになるのか、まったく見通しが立ちません。
そうやってポット酒への想いをつのらせていたところ、とうとうポット酒が夢に出てくるようになってしまいました。
そのことをある知人に話したら、
「そんなに飲みたいんだったら、家でやればいいじゃん!」
とのこと。
そうか!
加茂五葉を買って、それをポットに入れて、自分の家でドボドボやればいいんだ!。
というわけで、蔵元から通販でこの酒を取り寄せました。
加茂五葉 上撰
合資会社多胡本家酒造場
岡山県津山市楢69
原材料名:米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分:15度以上16度未満
720ml
(以上、ラベルより転記)
実は、成田家さんで供される加茂五葉は、この上撰ではないようなのです。
確認はしていませんが、ラベルのデザインからして、どうやらもう一つ下のランクのお酒のようです。
しかし、そのお酒を通販で購入するためには、一升瓶か一升パック酒、あるいはカップ酒6個セットのものを選ぶ必要がありました。
そこで、四合瓶でも購入できるこのお酒を選びました。
このポットは、この日のためにポット酒専用のポットとして購入したものです。
先日の記事に対してS様がくださった「そのポットは、お酒のにおいがついちゃうでしょうから、他のものを入れることはできないでしょうね。」というコメントを参考にさせていただきました。
購入直後は、新しいポット特有のケミカルなニオイがしていました。
そこで、毎日朝晩に、熱湯をポットに注いで、それを捨てて洗浄するという作業を10日ほど繰り返しました。
その結果、完全は除去できませんでしたが、ほぼ問題ないレベルにまでニオイを抑えることができました。
では、お酒を熱燗にして、このポットに入れます。
そして、これをポットからドボドボと注ぎます。
雑誌で見たポット酒と比べると、私が買ったポットから出るお酒の量は、かなり少なめでした。
ドボドボではなくて、むしろジャーッといった感じでした。
あーあ、ドボドボを期待していたのに、ちょっと残念でした…。
それでも、ポットからお酒を注ぐと、お酒の甘い香りがふわーっと伝わってきます。
たまりませんなぁ。
それでは、いただいてみたいと思います。
グラスに口を近づけて、ズズーッと音を立てて空気と一緒にお酒を吸います。
そして、空気だけを鼻からスーッと抜くと、お酒の甘い香りを味わうことができます。
雑誌には、「飲む時に鼻に「くん」と来る香りがたまりません。」と書いてありました(※1)。
この「くん」は、ズバリこの甘い香りのことでしょう!!。
うまみはけっこう濃厚です。
酒臭いうまみではありません。
お米本来のうまみでしょうか。
広島の吟醸酒のような、まろやかなうまみです。
このお酒、甘みがけっこうあります。
しかし、けっしてくどい甘みではありません。
口の中に広がった後で、スーッと消えていくような甘みです。
酸味もちょっとだけあるようです。
この酸味が、うまみと甘みとを際立たせているような気がします。
まろやかなうまみと、やさしい甘みとで仕上げられた、濃醇やや甘口のおいしいお酒でした。
私はこれまで、甘口のお酒は苦手でした。
しかし、このお酒は、私が知っていた甘口のお酒とは違いました。
むしろ、こういうやさしい甘さのお酒こそが、本当の甘口のお酒なのかもしれません。
おいしかった。
それにしても、ポット酒は、最後まであたたかいお酒をいただけることがわかりました。
これは、寒い日にゆっくりとお酒をいただく際には最適だと思います。
そういえば、私の先日の記事に対して、H様が「ポット酒ステキです!大人数で、外で飲む時に重宝ですね。 」というコメントをしてくださっていました。
大人数はさておき、こういうあったかいお酒を寒い日に外でいただくと、さらにおいしいかもしれません…。
やってみようかなぁ。
(※1)OSERA オセラ 晩秋号(2013年11-12月号)vol.66 p.29