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【お酒】1064.御前酒 辛口蔵出冷酒 180ml [33.岡山県の酒]

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株式会社辻本店
岡山県真庭市勝山116

原材料名 米・米こうじ・醸造アルコール
(原料米はすべて国産)
アルコール分15度
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




昨日いただいた御前酒の佳撰Pカップに引きつづき、今日も辻本店さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒も普通酒ですが、こちらは“冷酒”と銘打たれております。

普通酒ですが、ここは素直に冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
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お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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一口含むと、フレッシュな風味がほんの少しあることがわかります。
けっしてクドくはないですね。
もしかしたら、生貯蔵酒なのでしょうか?

うまみはやや淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみほんのり、香ばしさほんのり、といったところでしょう。
でも、それらが口の中でパッと広がりますね。
それにキレがよく、苦みや雑味はありません。

酸味はややひかえめです。
すっぱさがほんの少しだけあるみたいでほとんど目立ちませんが、冷やしているからでしょうか。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはやっぱりひかえめです。
弱めですが、ぜもゼロではないみたいです。


飲みやすいけれどしっかりしている、やや淡麗で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
淡めで口当たりがよいものの、うまみに広がりがあるので物足りなさはないですね。
しかも辛口で、食事と合わせやすいと思います。
でもね、“辛口”と銘打たれてはおりましたが、私としては佳撰Pカップのほうがより辛口なのではないかと感じました。

【お酒】1063.御前酒 佳撰 Pカップ [33.岡山県の酒]

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株式会社辻本店
岡山県真庭市勝山116

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
内容量180ml
(以上、カップより転記)




辻本店は三浦藩二万三千石の城下町に蔵を構えておよそ二百年になる老舗蔵元である。藩主に献上する酒を醸したことから「御前酒」の酒銘を頂戴した。」(※1)という由緒正しき酒銘を名乗るこのお酒を、今日はいただきます。

普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お殿様から拝領した由緒正しき酒銘を名乗るだけあって、たとえ普通酒であっても糖類や酸味料といった余計なものは添加されておりませんでしたよ。
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お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみと共に、香ばしさが豊かです。
軽い苦みがほんのわずかにあるみたいですが、まったく気にはなりません。
それでいてキレがよく、スッと引いていきます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないのですが、鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じません。


キリッと辛口でキレがよいものの、飲み応えのある、旨辛口のおいしいお酒でした。
辛口でキレがかなりよく、スッキリしています。
それでも、切れていく前に酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)と香ばしさとが口の中にパッと広がります。
酸味にちょっと鋭さがありますが、それもまたいい塩梅だと思います。
これは普段の食事に合わせやすいでしょうね。

(※1)山陽新聞社出版局編集・岡山県酒造組合連合会協賛『岡山の酒』p.98(1997.5 山陽新聞社)

【お酒】1058.加茂五葉(かもいつは) 上撰 300ml【追記あり】 [33.岡山県の酒]

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翌日になって手元のノートを読み返してみたところ、感想が一部抜けていることがわかりました。
お詫びして追記させていただきます。
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合資会社多胡本家酒造場
岡山県津山市楢69

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15度以上16度未満
300ml
(以上、ラベルより転記)




昨日の加茂五葉 五葉カップに引き続き、今日も多胡本家酒造場さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒には上撰の小印が付けられておりますので、かつての級別制度下における一級酒相当のお酒であると推察いたします。

実は、加茂五葉(かもいつは)の上撰は、かつて四合瓶をいただいております。
今回いただくこのお酒はもちろんこれと同じ中身でしょうが、津山で酒集めをした際に300mlを見つけてしまい、五葉カップとのちがいを確かめるために購入してしまいました。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
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うまみはやや淡めですが、けっこうしっかりしています。
やわらかいうまみそのものでしょう。
しかし、喉を通るときに、後から酒臭い(←ほめ言葉です)香りがちょっとだけ鼻に伝わってくるみたいです。
苦みや雑味はまったくありません。

酸味はややはっきりしています。
弱めではあるものの、酸味自体に深みを感じます。
またさわやかさも少しあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとつかない甘みをほんのりと感じます。


やわらかいうまみと深みのある酸味とに、さらっとした甘みがコクを添える、やや淡麗でやや甘口のおいしいお酒でした。
五葉よりも酸味が穏やかで深みがあって、しかもうまみがしっかりしているみたいです。
それでいて雑味やクセがまったくなく、きれいな味わいに仕上がっています。
これは私の好みに基づく独断的評価ですが、五葉よりもまちがいなくこっち(上撰)のほうがおいしいと思います。
口当たりがよいせいかスイスイと飲んでしまい、あっという間になくなってしまいましたよ。

成田家田町店さんで供されていた加茂五葉は、むしろこちらに近いのではないかと思いました。
でもなぁ、そのお酒のラベルは、五葉のものだったんだよなぁ。

【お酒】1057.加茂五葉(かもいつは) 五葉 カップ [33.岡山県の酒]

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合資会社多胡本家酒造場
岡山県津山市楢69

〈原材料〉米・米麹・醸造アルコール
原料米:すべて国産
〈アルコール分〉15.0度以上16.0度未満
200ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




多胡本家酒造場さんのお酒は、このブログの草創期に加茂五葉の上撰四合瓶をいただいております。
今日いただくこのお酒は、蔵元さんのWebsiteによれば、“五葉”という小印が付けられた旧制度下における二級酒相当のお酒なのだとか。

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ネット上には糖類添加ありとの情報もあったのですが、その旨の表示はありませんでした。
もしかしたら、近年になって糖類添加を廃止なさったのでしょうか?


ところで、加茂五葉かもいつは)”という酒銘について、文献では以下のように紹介されておりました。

「酒はだんぜん加茂五葉」のキャッチコピーで知られる多胡本家酒造場。門前には江戸記の創業時に植えられたという樹齢三百年の五葉の松が白壁の塀に映え、見事な姿を見せる。代表酒銘の「加茂五葉」は蔵のほど近くを流れる加茂川と、五葉の松に由来する。」(※1)


ネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、無色透明でした。
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おや?

うまみは淡めです。
やわらかいうまみを穏やかに感じます。
苦みや雑味はまったくなく、香りもそれほどありません。

酸味ははっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
べとつかない、さらっとした甘みをほんの少し感じる程度です。


やわらかいうまみに酸味が効いている、淡麗ちょいすっぱ口のお酒でした。
淡めできれいな味わいですが、酸味が効いているので、飲み応えがありますね。

でもね、この酸味が効いた味わいは、私が成田家田町店さんでいただいた加茂五葉とはちょっとちがうように感じました。


(※1)山陽新聞社出版局編集・岡山県酒造組合連合会協賛『岡山の酒』p.105(1997.5 山陽新聞社)


2020/04/30
また飲んでみました。

【お酒】878.喜平 本醸造 300ml [33.岡山県の酒]

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平喜酒造株式会社
岡山県浅口市鴨方町鴨方1283

アルコール度数15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 65%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




昨日いただいた純米酒の喜平は静岡平喜酒造さんが造ったお酒でした。
今日いただくこの本醸造の喜平は、その親玉である岡山県の平喜酒造さんで造られたお酒でした。
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平喜酒造さんのお酒はかつて秀作新婚グイカップをいただいております。
秀作新婚グイカップも、そして今日いただくこのお酒も、いずれも静岡で入手したものです。


本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、透明でした。
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これも香りがちょっとあるみたいです。
でも、純米酒ほどはっきりしてはいませんね。

うまみはやや淡めです。
やわらかいうまみをほんのりと感じます。
キレはよく、苦みや雑味はありません。

酸味はややはっきりしています。
さわやかさを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしています。
さらっとしていますが、けっこう前に出ていると思います。


やわらかいうまみに酸味が効いた、やや淡麗でやや甘口のお酒でした。
甘みがありますが、純米酒ほど香りが立っていないので、食事とあわせやすいと思います。
軽快な口当たりに仕上がっているのは、きっとアル添の効果でしょう。
私としては、ちょっと甘いかなと思いました。

【お酒】873.天下の鬼ころし カップ [33.岡山県の酒]

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平喜酒造株式会社
岡山県浅口市鴨方町鴨方1283

原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール、糖類
アルコール分/13度以上14度未満
容量/180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




平喜酒造さんのお酒は、かつて秀作新婚グイカップ(糖類添加あり、酸味料添加なし)をいただいております。
今日いただくこのお酒は、“鬼ころし”と名付けられた、これまた糖類添加の三増酒です。
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秀作新婚グイカップと同じく酸味料は添加されていないみたいですが、こちらほうがアルコール度数が2度ほど低いようです。
なお、“鬼ころし”の意味については、かつてこちらでまとめておりますので、ご参照ください。


ところで、これは岡山県の蔵元さんが造ったお酒ですが、入手したのは静岡市駿河区のスーパーでした。
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岡山の平喜酒造さんと静岡との関係については、かつて秀作新婚グイカップをいただいた際に考察しておりますので、ご参照下さい。


そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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うまみはかなり淡めというか、薄めです。
やわらかいうまみをわずかに感じます。
苦みや雑味はまったくありません。

酸味はひかえめです。
すっぱさとさわやかさとをほんのわずかに感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはやっぱりはっきりしています。
べとついた感じはそれほどでもないみたいですが、それでもけっこう甘いですね。


淡麗甘口のお酒でした。
秀作新婚グイカップをちょっと淡くしたような味わいでした。
淡いことと、それと酸味料が添加されていないためか、クドさはなくて飲みやすいと思います。
鬼ころしと銘打たれてはおりますが、これはきりっとしたこくの深い辛口の酒ではなく、また鬼をも殺すきつい酒でもないと思います。

【お酒】768.嘉美心(かみこころ) カップおかやま 200ml [33.岡山県の酒]

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嘉美心酒造株式会社
岡山県浅口市寄島町7500-2
(以上、ラベルより転記)

原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分14.0度以上15.0度未満
200ml
(以上、フタより転記)




おとといいただいた三光ひのくち しぼりたて生原酒とともに、岡山駅の新幹線構内で入手したお酒です。
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岡山の蔵元さんを紹介した雑誌では、嘉美心酒造さんのことを以下のように記述していました。
いつの世も旨口酒は廃れず」との信念で、(中略)昭和末期の辛口全盛期にも、米由来の独特の優美な旨口を貫き、熱烈なファンから「反骨の甘口美酒」と称された。糖質などに頼らぬその上品で豊かな甘さは唯一無二。真の旨口酒造りを目指し続けている。」(※1)

今日いただくこのお酒はおそらく嘉美心酒造さんのお酒の中でも最も安いものでしょうが、はたしてこのお酒からも「反骨の甘口美酒」の味わいを感じ取ることができるのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからないくらいでした。
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うまみは淡めです。
酒臭さはなくて、やわらかいうまみをほんのりと感じる程度です。
淡いためか、苦みや雑味は感じません。

酸味はややはっきりしています。
ちょいピリで、すっぱさが少しはっきりしています。

甘みはややはっきりしています。
べとつかないさらっとした甘みをちょっと感じます。


全体的に淡めではあるものの酸味の効いた、淡麗ちょいピリやや甘口のお酒でした。
淡いものの、甘みがコクを添えているようでした。
ちょいピリが気になるところでしたが、これはおそらく燗よりも冷や(常温)でいただいたほうが気にならなかったかもしれません。
実際に、燗が冷めるにつれて酸味がおだやかになってきました。

もしかしたら、甘口だけれどもちょいピリというところが、「反骨の甘口美酒」の味わいなのでしょうか?
たぶんちがうだろうな。
もう少し上のクラスのお酒もいただいてみたいところです。


(※1)OSERA オセラ 晩秋号(2013年11-12月号)vol.66 p.44(株式会社ビザビリレーションズ)

【お酒】766.三光ひのくち しぼりたて生原酒 200ml [33.岡山県の酒]

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三光正宗株式会社
岡山県新見市哲西町上神代951

アルコール分20度以上21度未満
200ml詰
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
(以上、缶の印刷事項より転記)




岡山駅の新幹線構内で入手したお酒です。
三光の名は、広島県との県境にそびえる三光山に由来するようです。


このお酒は、生原酒とのこと。
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生酒についてはこちらを、そして原酒についてはこちらを、それぞれご参照下さい。

その一方で、品質表示を見ると、特定名称酒ではなくて普通酒であることがわかります。
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アル添量が多い(と思われる)普通酒ですから、原酒の状態では20度超なのでしょう。
20度超って、焼酎とほぼ同じ度数ですよ。
これは注意していただかないと大変なことになりそうです。


原酒ですし、生酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからないくらいでした。
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アル添の原酒だけあって、アルコール香がちょっとはっきりしていますね。

うまみは濃いめで、けっこうしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみに、お米のうまみをわずかに感じます。
熟成感はないものの、嫌味のない苦みがちょっとあるみたいです。
それでいて、キレはよいみたいです。

酸味はひかえめで、ほとんど感じないくらいです。
当然ながら、刺激やピリピリ感はありません。

甘みもひかえめです。
ですがほんのわずかにあって、コクを添えています。


うまみ豊かで苦みが味を引き締める、濃醇辛口のおいしいお酒でした。
しっかりした味わいですが、味にクドさや角がないですね。
甘みが少なく、それに苦みがちょとあるので、味がキリッと引き締まっています。
それでいて、ドライな感じはしませんでした。

おいしいお酒ですが、20度超の原酒だけあって、やっぱり後から来ますね。
飲み終わって立ち上がったところ、ちょっとふらついてしまいましたよ。
これを新幹線の車内でいただくのは、いささか危険なのではないかと思います。

【お酒】559.秀作 新婚グイカップ [33.岡山県の酒]

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平喜酒造株式会社
岡山県浅口市鴨方町鴨方1283

アルコール分/15度以上16度未満
原材料名/米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール、糖類
180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)




岡山の蔵元さんが造ったお酒です。
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ですが、これを見つけたのは静岡県内のスーパーでした。
しかもこのお酒、私が立ち寄った静岡県内のスーパーで、必ずと言っても過言ではないくらい頻繁に見かけました。

岡山の蔵元さんのお酒が、なぜ静岡でこれほど普及しているのでしょうか?


それを知るための手がかりはないものかと思い、蔵元さんのWebsiteを読んでいたところ、あることに気づきました。
どうやら、“株式会社平喜”という、この蔵元さんの関連会社が静岡に本社を置いているようなのです。
この株式会社平喜さんのWebsiteをあたってみたところ、静岡県内でお酒の卸売を手掛けている会社であることがわかりました。

これは私の推測ですが、今日いただくこの岡山のカップ酒が静岡県内で広く普及している理由は、きっと株式会社平喜さんの営業努力があってのことではないでしょうか?


でも、なぜ岡山の蔵元さんが、静岡で酒の卸売に注力なさっているのでしょうか?
そう思いながら、岡山の蔵元さんを紹介している雑誌を読み返してみました。
すると、平喜酒造さんの記事に以下の一文を見つけました。

昨秋、四五年ぶりに発祥の地の静岡県内に『静岡平喜酒造』を復活。」(※1)

そうか!
もしかして蔵元さんは、その発祥の地である静岡で自社のお酒を流通させたい、という想いが強かったのでしょうか?


また、上記の“静岡平喜酒造”を紹介している静岡県酒造組合のWebsiteを読んで、以下のことがわかりました。
★平喜酒造さんは、明治の頃から掛川や静岡市内で酒造りをしていた。
★しかし、温暖な静岡県での酒造りに限界を感じ、また良質米の確保も難しかった。
★そこで、1967年に岡山県へ移転した。
★酒造りの条件を克服できるようになったので、2012年に“静岡平喜酒造”にて酒造りを再開した。

流通だけでなくて、静岡での酒造りも再開するとは、静岡への想いいれが深いのですね。



そんな岡山の蔵元さんが造ったこのお酒ですが、まことに残念ながら、糖類添加の三増酒でした。
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添加されているのは糖類だけで、酸味料は入っていないみたいですね。


そんな静岡で広く普及している岡山のお酒をいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色透明ですね。
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うまみは淡めですが、酸味料を添加していない糖添の割にはしっかりしています。
酒臭さはないですが、やわらかいうまみを感じます。
それでいて、苦みや雑味はありません。

酸味はひかえめです。
すっぱさとさわやかさとを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

糖添だからでしょうか、甘みはかなりはっきりしています。
クドさやべとついた感じはそれほどしないものの、けっこう強く感じます。
これは残存糖類のせいでしょうか?


やわらかいうまみにほどよい酸味、そして甘みがはっきりしている、淡麗甘口のお酒でした。
味わい自体は、糖類添加の三増酒にしてはなかなかのものではないでしょうか。
しかし、私にとってはやはり、“甘い、甘すぎる!”
この味わいならば、糖添を止めたほうがよりいっそうおいしくなるのではないかと思いました。


(※1)OSERA オセラ 晩秋号(2013年11-12月号)vol.66 p.43

【お酒】454.極聖(きわみひじり) 純米吟醸 雄町米 カップ [33.岡山県の酒]

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宮下酒造株式会社
岡山市中区西川原184番地

アルコール分/15.0度~16.0度
原材料名/米(岡山県産)・米こうじ(岡山県産米)
原材料の品種名/雄町米(岡山県産)100%
精米歩合/60%
日本酒度/+3
180ml詰
(以上、ラベルより転記)


今日は、岡山県産雄町100%使用の純米吟醸酒をいただきます。
雄町発見の経緯については、簡単にではありますがかつてこちらで触れておりますので、ご覧下さい。
また、雄町と似て非なるものに広島雄町という酒米があることについては、こちらでまとめておりますので、ご覧下さい。

このお酒のラベルにも、雄町を紹介する記述が印刷されています。
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え!、そうだったのか!!
“雄町”という名前は、地名に由来するものだったのですね。

手元にある文献を確認したところ、「「雄町」系のルーツは、岡山県高島村雄町(現在の岡山市)の民間育種家岸本甚造(1789~1866)が育成したものが、「備前雄町」として広島県内へ伝播した。」との記述がたしかにありました(※1)。

私はこの記述を完全に見落としておりました。
自分の調査のいいかげんさを、お酒に教えられました。
お酒に対する感謝の気持ちと、勉強不足についての自戒の念とを込めて、このお酒をいただきたいと思います。
だったら、酒を飲まないで勉強すればいいじゃないか!


純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。


うまみは濃いめで、しっかりしています。
お米のうまみが豊かですが、少し酒臭さ(←ほめ言葉です)も感じます。
これはもしかして、熟成させてあるのでしょうか?
また、吟醸酒らしい苦みも少し感じます。

酸味は弱めですが、はっきりしています。
さわやかさを感じる酸味です。
当然ながら、刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめですが、ほんのかすかにその存在を感じました。
そのためか、ドライな感じが抑えられているように思いました。


お米のうまみとさわやかな酸味とを感じることができる、やや濃醇で爽快やや辛口のおいしいお酒でした。
うまみは濃厚というわけではないですが、吟醸酒にしてはしっかりしているほうだと思います。
それに、ひかえめだがさわやかな酸味は、きっと吟味して醸造した成果なのでしょう。


(※1)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.37(2000.3 養賢堂)
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