【お酒】2229.奥の松 純米吟醸 缶(ICHI-GO-CAN)【訂正追記あり】 [07.福島県の酒]
製造所:東日本酒造協業組合
福島県二本松市休石167
販売者:株式会社Agnavi
神奈川県茅ケ崎市本村2丁目2番18号
加工所:埼玉県比企郡小川町大字青山字木ノ下1581-1
品目:日本酒
●原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)
●精米歩合:60%
●アルコール分:15度
●内容量:180mL
(以上、ラベルより転記)
先週末にいただいた【お酒】2227.磐城壽 純米酒 缶(ICHI-GO-CAN)に引き続き、今日も同時に入手したものをいただきます。
今日いただくのは、
“奥の松”の純米吟醸酒。
“奥の松”は、これまでに以下のものをいただいております。
【お酒】218.奥の松 純米吟醸 180ml
【お酒】515.奥の松 本醸造辛口酒カップ
【お酒】516.奥の松 超カップ200
【お酒】1414.奥の松 サクサク辛口 180ml
【お酒】2019.奥の松 あだたら吟醸 カップ(東北MONO)
“東日本酒造協業組合?”
奥の松酒造じゃなかったの?
最近になって、協業組合化したのかな?
いいえ、
そうではありませんでした。
東日本酒造協業組合と奥の松酒造さんとの関係について、文献には以下のような記述がありました。
「 昭和四十九年八月二十二日に二本松市から西方、約七キロの同市休石百六十七番地に設立された。組合員は八名。理事長は奥の松酒造(株)社長の遊佐栄一氏。出資金は一億五、〇〇〇円である。
(中略)
中小企業の酒造業者が経営の近代化と体質改善をはかるため、全国でも非常に珍しい清酒製造の協業化を行なった八名の業者は、奥の松酒造(株)(二本松)、(株)岩城屋酒造店(福島)、開運酒造(株)(本宮)、沢緑酒造店(二本松)、櫛田酒造(資)(いわき)、豊仙酒造(資)(いわき)、大錦酒造(石川)などである。
(中略)
協業して製造した清酒は、組合員が各自の銘柄でばらばらに販売したのではテレビなどの宣伝も効果的に行なうことができないし、組合員間の販売競争も行なわれるので、組合員の銘柄は次第に少なくして統一銘柄により積極的に販売することになった
そして、新しい銘柄とすることも初めは考えられたが、いろいろと検討した結果、現在、既に一般によく知られている“奥の松”の銘柄により組合員の総力を結集して販売することを申し合わせた」(※1)
奥の松酒造さんのWebsiteでは、「時が流れ、奥の松以外の醸造元は継続または休止されました。」とあり、かつ「昔も今も、奥の松のお酒は東日本酒造協業組合で醸されて、奥の松ブランドで販売させて頂いておりました。」とありました。
これはきっと、
“組合員には奥の松酒造以外の蔵元はもういない(?)けれど、組合自体は存続しているので、コンプライアンスの観点から東日本酒造協業組合を製造者(製造所)として表示するようになった。”
と、お察し申し上げます。
コンプライアンスと言えば・・・・・、
これは東日本酒造協業組合のせいではないでしょうけれど、
【お酒】2227.磐城壽 純米酒 缶(ICHI-GO-CAN)と同じく、
このお酒も、缶のどこを見ても、製造年月の表示見つけることができませんでした。
★☆2024/03/26追記★☆
ルール(清酒の製法品質表示基準(平成元年11月22日国税庁告示第8号))を確認したところ、製造年月の表示は任意的記載事項(同5(10))とされていました。
どうやら令和4年の改正で、同5年から任意になったみたいでした。
私が勝手に表示が義務だと思っていただけだったみたい。
お詫びして、訂正させていただきます。
それではいただきましょう。
純米吟醸ですので、今日もぬる燗でいただきます。
なお今日は、浅草にあるグラスファクトリー創吉さんにて衝動買いしたグラス(400円ちょっと)を使っていただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
香りがありますね。
上立ち香は、かすかにフルーティー。
でも含むとそれがパッと一気に広がります。
缶に記載されていたとおり、バナナのような香りでもありますね。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみに厚みを少し感じます。
酒臭さ(ほめ言葉です)も少し感じます。
熟成感もかすかにあるみたいです。
苦みがあって、強くはないものの鋭いことがわかります。
キレはまあまあ。
酸味はややひかえめ。
すっぱさは弱めで、鋭くもない。
でも酸味由来と思われる深みをちょっと感じます。
スーなし、ピリもありません。
甘みははっきり。
前に出ては来ないものの、幅をしっかりと感じます。
芳香やや濃醇でちょい枯ちょい苦ちょい深旨甘口のおいしいお酒でした。
香りがはっきりしておりましたが、香りにケバケバしさがなく、しつこくは感じませんでした。
米のうまみとともに酒臭さや熟成感を程よく感じてうまみに厚みがありました。
かつ酸味由来と思われる深みも少しあるみたいでした。
甘口でしたがしつこくはなく、苦みがいい感じに引き締めてくれているようでした。
うまいね。
華やかで甘口だけれども、奥ゆかしい感じがしました。
まあでも、きっと10年前だったら、やれ香りはいらないとか、やれ甘すぎだとか、吟醸造りなのに苦みがあるとかケチを付けつつ、けっして“おいしいお酒”だとは評さなかったことでしょうよ。
歳のせいか、オイラもずいぶんと丸くなったもんだぜ。
(※1)『公害を防止し環境を保全しよう 密閉発酵と無雑菌仕込み 公園工場の東日本酒造協業組合』p.78-79(財界ふくしま 創刊9周年特別記念9(8) p.78-80 1980.08 株式会社財界21)
こんにちは。
東日本協業組合と奥の松酒造さんとの関係ですが・・・
「統一銘柄により積極的に販売することになった」なる程です。
また「これはきっと・・・」の解読文字列?スバリ正解の様な気がします。
ところで「製造年月の表示」のないモノ?多い感じですね!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2023-11-28 23:11)
Boss365さん、こういうことは調べてみないとわからないものです。
安易に予想で言って後でたたかれる可能性もありますしね。
その点、文献に書いてあることを根拠にすれば、間違っていたとしても言い訳できますし。
製造年月の表示がない件は、問題だと思います。
加工者の責任でしょうけれど、企画にはJR東日本も絡んでおりますから、責任の波及はやむを得ないかもしれません。
by skekhtehuacso (2023-11-29 20:43)