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【お酒】2056.九州菊 純米吟醸 小倉祇園太鼓 180ml [40.福岡県の酒]

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林龍平酒造場
福岡県京都郡みやこ町犀川崎山992-2

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合60%
アルコール分15度
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)




平成筑豊鉄道田川線の崎山駅。
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そこから南へ500mほど歩いたところにある、今川沿いに建つ蔵。
これが九州菊(くすぎく)を造る林龍平酒造場さんの蔵なのでした。
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今日いただくこの九州菊は、純米吟醸なんだってさ。
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純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ごくかすかでした。
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上立ち香はないですね。
含むと、かすかにフレッシュで、かすかに接着剤香を感じます。

うまみは濃いめ!
米のうまみに厚みをしっかりと感じます。
吟醸酒にありがちな苦みがあって、軽めですが鋭さを少し感じます。
熟成感はなく、酒臭さも感じません。
キレはそれほどでもないね。

酸味はややひかえめ。
すっぱさはわかるが、弱めです。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはひかえめ。
かなり弱めです。


濃醇ちょい苦旨辛口のおいしいお酒でした。

香りはないものの、米のうまみで勝負する吟醸酒でした。
しかも辛口で、キリッと引き締まっておりました。

“風が語りかけます”
“うまい!、うますぎる!”
関係ないだろ!

食事とバッチリのおいしい純米吟醸でした。


それにしても、福岡ではお酒(清酒)も辛口が好まれるのかな?
宮崎や熊本では、辛口酒は焼酎の守備範囲で、清酒はむしろ甘口酒の役割を担っていたように思います。

【お酒】1245.有薫 原酒 オンザロック 300ml [40.福岡県の酒]

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有薫酒造株式会社
福岡県久留米市城島町内野330-9

アルコール度数 21度
原材料名 米・米麹・醸造アルコール
国産米100%使用
300ml
(以上、ラベルより転記)




九州屈指の銘醸地である城島に蔵を置く“有薫”。

 「有薫」(ユウクン)の銘は、明治三十年ごろ、首藤家と取引きのあった大阪の醸造用品問屋・辻村栄助商店が一般から公募した一等入選作。
 さらに、かつての七卿落ちの一人東久世通禧(みちよし)が明治四十二年八月城島を訪れた際、首藤家に立寄り、“梅花長有薫”と揮毫した。通禧は、当時、名筆家としても知られた人。いまも、この書は家宝として、首藤家に保存され、また、この賛は、商標の中にも生かされている。」(※1)とのこと。
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今日いただくこのお酒は“オンザロック”と銘打たれた、普通酒の原酒でした。
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21度ってのは、清酒の中ではかなり高い度数ではないでしょうか。
多めのアル添によってもたらされた度数か、あるいは発酵を限界ギリギリまで進めた成果でしょうか?


“冷や”か“オンザロック”で飲めと書いてありますので、まずは冷や(常温)でいただきます。 
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お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
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アルコール香はあるものの、それほどツンとはこないみたいです。

意外にも、うまみはやや淡めですね。
米のうまみが舌の上にふわっと乗っかる感じがします。
軽い苦みがほんの少しあるみたいですが、嫌味がありません。
雑味を感じず、しかもキレはよいみたいです。

酸味はひかえめです。
すっぱさをほんの少しだけ感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。


米のうまみがふわっと広がって、軽い苦みが引き締める、辛口のお酒でした。
ふわっとしたうまみがありましたが、お酒、それも原酒にしては薄めのように感じました。
でも、軽い苦みはあるものの、他に雑味がなくてきれいな味わいでした。



ここで、オンザロックにしてみましたよ。
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ああ、なるほどな。
ナルホドナルホド、なるほどな!(原西さんより)

氷で冷やされたからでしょうか、冷や(常温)よりも口当たりがよいみたいです。
でも、苦みに少し鋭さが出て、より一層引き締まった感じがいたします。
オンザロックのほうがキリッとしていて、おいしいかもしれません。


そういえば、このふわっとした薄めのうまみと軽い苦みとは、かつて球磨焼酎の白岳をいただいた際に感じた味わいに似ているように思います。
白岳をいただいた際に感じた焼酎の味わいってのは、舌の付け根から鼻腔の入口にかけての辺りで感じ取る“香るような味わい”でしたが、このお酒の味わいはそれに似ているように思いました。
酸味や甘みを抑えてあるところも、まるで焼酎のようでした。
この味わいと度数、そして焼酎を愛飲なさる諸兄が少なからずいらっしゃるであろう福岡県のお酒であることなどから推察するに、もしかしたらこのお酒は、焼酎の風味に近づけた清酒なのでしょうか?

それにしても、21度の原酒ですからね。
飲み終わった後で、かなり回ってきてしまいましたよ。

(※1)『「酒」<九州の灘・城島>』p.127(1967.11 毎日新聞社)

【お酒】1239.萬年亀 純米冷酒 300ml [40.福岡県の酒]

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萬年亀酒造株式会社
福岡県久留米市三潴町草場68-4

原材料/米(福岡県産)・米こうじ(福岡県産米)
精米歩合/68%
アルコール分/14度以上15度未満
300ml
(以上、ラベルより転記)




萬年亀(まんねんかめ)という酒銘のお酒です。
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マンネンガメではなく。マンネンカメとにごらない。もちろん“不老長寿”をひっかけている。もともとは「萬亀」(よろずかめ)といっていたそうだ。」(※1)という記述が、手元の文献にありました。


このお酒は、福岡県産のお米を使用して造られた、純米の冷酒なのだとか。
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冷酒と銘打たれておりますので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
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フレッシュな風味が少しだけあるみたいです。
まったくしつこくないですね。

うまみは淡めですが、淡いなりにしっかりしています。
米のうまみがフワッとひろがります。
苦みや雑味はまったくなく、しかもキレもよいみたいです。

酸味ははっきりしています。
鋭さが少しあるものの、酸味自体に深みを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
ゼロではなくてちょっとあるみたいですが、前に出て来ず、しかもさらっとしています。


淡いけれども米のうまみと酸味の深みとを味わうことができる、淡麗ちょいすっぱ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
フレッシュな風味があるものの、しつこくなくてちょうどよい感じでした。
もしかしたら生貯蔵酒なのでしょうか?
淡めなのに、薄くはなくて、米のうまみが効いています。
しかも酸味がちょっと効いていて、味を引き締めているようでした。

冷酒っていうと、フレッシュな風味がしつこくて、しかも甘ったるいものも少なからずあると思います。
ですがこのお酒はそんなことはなく、口当たりはよいものの味のしっかりしたおいしいお酒でした。

(※1)『「酒」<九州の灘・城島>』p.159(1967.11 毎日新聞社)

【お酒】1230.鷹正宗 上撰 トップテン カップ [40.福岡県の酒]

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鷹正宗株式会社
福岡県久留米市大善寺町黒田297

アルコール分 13.0度以上14.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




このお酒ですが、上撰の小印が付されてはいるものの、まことに残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
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そういえばこの蔵元さん、かつて“寒梅”の商標権をめぐって本家本元から訴えられたことがあったはず。
その判例は公開情報ですから、ここで言及しても問題ないでしょう。

しかもお値段たったの100円(税込108円)と破格の安さでした。
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三増酒で、13-14度台で、しかも100円ですから、その味はだいたい予想がつきますね。
その“だいたい”を確認すべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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ああ、やっぱり。
うまみは淡めというか、薄めです。
添加された味わいのクドさを感じますが、薄いので気にはなりません。
ですが、苦みが少しはっきりしています。
キレはそれほどでもなく、クドさと苦みとがちょっと残ります。

酸味はひかえめです。
ほとんどわからない程度です。

甘みはややはっきりしています。
とろみをかすかに感じますが、これも薄いためか気にはなりません。


うすちょい苦やや甘口のお酒でした。
これは私の推測ですが、焼酎文化の影響が少なからず及んでいると思われる福岡県では、このような(焼酎の水割り/お湯割りのような)淡い味わいのお酒も受容されるのでしょうか?
私としては、物足りなく感じました。

【お酒】1223.比翼鶴 カップ [40.福岡県の酒]

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比翼鶴酒造株式会社
福岡県久留米市城島町内野466-1

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15度
180ml詰
(以上、フタより転記)




昨日に引き続き、比翼鶴酒造さんのお酒をいただきます。
昨日いただいた蔵カップには上撰の小印が付けられておりましたが、こちらにはありませんでした。
ということは、こちらは佳撰クラス(かつての級別制度下における二級酒相当)なのでしょうか?


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、これも少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみは同じですね。
しっかりしてはいるもののキレがよく、深みがほしいところです。
酸味も同じく、すっぱさが少しあって鋭さをちょっと感じます。

ただね、ほんのかすかですが、こっちのほうがアルコール香がハッキリしているように感じました。
また、甘みもこっちのほうがちょっとはっきりしているかもしれません。

でもなぁ、もしかしたら、同じお酒かも。
昨日飲んだお酒と比較するだけなのですが、同じなのかちがうのか、自信をもって判定できません。
オイラもまだまだだな。

【お酒】1222.上撰 蔵カップ [40.福岡県の酒]

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比翼鶴酒造株式会社
福岡県久留米市城島町内野466-1

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分14.0度以上15.0度未満
180ml詰
(以上、フタより転記)




比翼鶴酒造さんのお酒は、かつて比翼鶴耶馬寒梅 特別純米カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、上撰の小印が付けられた普通酒です。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめです。
酒臭さ(←ほめ言葉です)と熟成感、それに香ばしさが少しあります。
それでいて、苦みや雑味はありません。
それにキレがよく、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少しあって、鋭さも感じます。
アルコール由来と思われるさわやかさも少しあるようです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
かなりさらっとし甘みをちょっとだけ感じます。


しっかりしているがキレのよい、やや濃醇でやや辛口のお酒でした。
しっかりしているにキレがよいのは、もしかしたら多めのアル添の効果でしょうか?
それでいてアルコール香は感じませんでしたが、これは14-15度に抑えてあるからかもしれません。
ただ、キレがよい反面、うまみに厚みというか、深みが少ないように思いました。
私としては、その厚み・深みがもう少しほしいところでした。

【お酒】1221.萬代(バンダイ) 上撰カップ [40.福岡県の酒]

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株式会社小林酒造本店
福岡県糟屋郡宇美町宇美2-11-1

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




萬代と書いて、まんだいではなくて“バンダイ”と読むそうです。
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福岡県は宇美に蔵を置く蔵元さんが造ったお酒でした。
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宇美と聞くと、あたしゃどうしても宇美駅(上記地図の右下あたり)のことを思い出してしまいます。
子どものころに、鉄道に関するふしぎなことばかりを紹介している本(書名は忘れてしまいました)を読んで、この宇美駅のことを知ったのです。

それによれば、宇美駅には国鉄の香椎線と勝田線とが通っていたものの、両線は同じ場所で接続しておらず、それぞれが離れた場所に別々に宇美駅を設置してたとのこと。
双方の宇美駅は100mほど離れていて、乗り換えるためにはいったん改札を出てしばらく歩かなければならなかったそうです。
そうなったのは、もともとは別会社だった両線が別々に宇美駅を設けた後で、国鉄が両線を買収したからなのだとか。

その後、昭和60年に勝田線が廃止されたことから、今の宇美駅はJR香椎線だけの駅となっています。
大人になったら自分で稼いだ金で出かけて両宇美駅の間を歩いてみたかったところでしたが、この件は私が大人になる前に夢物語となってしまいました。


ネタがないことをごまかしたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、ややはっきりしておりました。
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アルコール香が少しあるみたいです。

うまみは濃くはないですね。
やわらかさと酒臭さ(←ほめ言葉です)とを少し感じますが、うまみに厚みがあるようです。
苦みや雑味はまったくありません。
またキレがよく、スッと引きます。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強めで、鋭さが少しあるようです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌触りを少し感じます


酸味が効いた、すっぱやや甘口のおいしいお酒でした。
酸味が効いておりますが、これが魚臭さや脂っぽさなんかをサッと流してくれそうです。
それでいて甘みがうまく働いて、酸味の鋭さを緩和してくれているようでした。
一方、苦みや雑味がなく、それにクセもなく、またキレがよいことから、飲みにくさはないと感じました。
私としては、食事に合う良酒ではないかと思いましたとさ。

【お酒】1215.旭菊 上撰 フラワーカップ [40.福岡県の酒]

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旭菊酒造株式会社
福岡県久留米市三潴町壱町原403

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml
(以上、フタより転記)




このお酒ですが、上撰の小印が付されて、“幸福の酒”なる表示がされているにもかかわらず、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少しはっきりしておりました。
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うまみはやや濃いめです。
酒臭いというよりも、ウィスキーのような風味が少しはっきりしています。
また、渋みも少しはっきりしています。
それでいてキレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややひかえめです。
ほとんど目立たないくらいです。

甘みははっきりしています。
とろみのような舌触りが少しあって、べとついた感じもします。


やや濃醇でちょい渋甘口のお酒でした。
かなりしっかりしているものの、キレがよいせいか、しつこさを感じません。
また風味が独特ですが、クドさはないみたいです。
透明感を少し感じることと、酸味がややひかえめであることとから推察するに、これらは多めのアル添の効果でしょうか。
ただ、私としては、甘みと渋みとが気になるところでした。

【お酒】1211.若波 純米酒 300ml [40.福岡県の酒]

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若波酒造合名会社
福岡県大川市鐘ヶ江752

原材料 米(国産)米麹(国産米)
精米歩合70%
アルコール分14度
300ml
(以上、ラベルより転記)




“若波”という酒銘について、手元にあった文献には以下のような記述がありました。
 蔵元の、若波酒造は有明海に近い大川市鐘ヶ江にある。だから有明の朝日、夕日に輝く金波銀波を、そのまま銘とした。」(※1)

でも、蔵元さんのWebsiteには「大正11年創業。蔵の傍を流れる筑紫次郎(筑後川)のように「若い波を起こせ」と銘々されました。」とありましたよ。

蔵のある場所から推察するに、後者のほうが適切といったところでしょうか。




実は私、このお酒を一度いただいているのです。
筑後国で酒集めをした際に、久留米にあった文化街さくら屋さんで選んだお酒がこれでした。
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その楽しいひと時のことを思い出しながら、いただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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おお、これこれ!
盃に注いだだけで、酒臭い(←ほめ言葉です)香りがフワッと漂ってまいりましたよ!

うまみはやや濃いめですね。
酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがかなりしっかりしています。
それに米の風味もちゃんとありますね。
しかし、こんなにしっかりしているのに苦みや雑味はまったくなく、熟成感もありません。
しかもキレがよく、口の中でパッと広がってスッと引いていきます。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが強めですが、鋭さはそれほどでもないみたいです。
というか、かなり深みを感じる酸味です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとつかないさらっとした甘みを感じますが、前には出てこないみたいです。


酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみと深みのある酸味との、ちょい濃醇でちょいすっぱ旨口のおいしいお酒でした。
酒臭くて(←くどいようですが、ほめ言葉です)深みのある酸味が効いているのに、雑味や角のない味わいでした。
重さは多少あるかもしれませんが、キレがよいせいかクドさを感じません。

これはあくまでも私の好みによる評価ですが、このお酒、かなりおいしいんじゃないの!
けっして飲みやすくはないものの、飲み応えのあるおいしいお酒でした。

(※1)『「酒」<九州の灘・城島>』p.27(1967.11 毎日新聞社)

【お酒】1208.比翼鶴 耶馬寒梅 特別純米 カップ [40.福岡県の酒]

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比翼鶴酒造株式会社
福岡県久留米市城島町内野466-1

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
アルコール分 15度以上16度未満
精米歩合 55%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




九州の酒処である筑後国の城島に蔵を置く蔵元さんのお酒です。

“比翼鶴”(ひよくつる)という酒銘のお酒です。
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蔵元さんのWebsiteでは、この酒銘について、以下のように紹介されておりました。
比翼鶴とは蔵元の先祖、柳川の蒲地氏が使用した家紋です。
比翼鶴は、鎌倉将軍から賜った紋で、雌雄二羽の鶴がクチバシを阿吽に喰い合う比翼連理を准えた図柄で表わされます。

なお、比翼連理ってのは「「比翼の鳥、連理の枝」の略」であって、「男女の深い契りのたとえ。」(※1)なのだとか。

またこの比翼鶴については、「めでたい鶴の商標を使いはじめたのは、明治三十年ごろ。初代・周助の創業が同じ年だから、創業から一貫して使ってきたことになる。めでたい。」(※2)と文献で紹介されておりました。


ネタがないことをごまかしたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
これまでの経験からして、特別純米には香りを特徴とするものがありましたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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香りは少しあるみたいです。
フルーティな香りがちょっとあって、酒臭い(←ほめ言葉です)風味もこれもちょっとありますね。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
米のうまみがしっかりしていて、しかもうまみに幅を感じます。
醸し出された酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみもちょっと感じます。
それでいて、苦みや雑味はまったくありません。
それに純米ですが、キレはよいみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さをちょっと感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとつかないさらっとした甘みですが、甘み自体に幅を感じます。


米のうまみに幅があって、甘みがコクを添える、旨やや甘口のおいしいお酒でした。
この幅があるものの雑味のないうまみは、山田錦を使用したお酒で感じたことがありましたよ。
雑味がないものの、それでいて酒臭さ(←くどいようですが、ほめ言葉です)もあって、飲み応えを感じました。
また、甘めではあるものの、酸味がうまく効いていて甘ったるさを感じませんでした。
特別純米を名乗るにふさわしいお酒だと思いましたとさ。

(※1)広辞苑 第五版(電子辞書)
(※2)『「酒」<九州の灘・城島>』p.137(1967.11 毎日新聞社)
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