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〔泡盛〕37.宮之鶴 30度 100ml [9947.沖縄県の泡盛]

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製造者 仲間酒造株式会社
沖縄県石垣市字宮良956

品目 泡盛
琉球泡盛
原材料名 米こうじ(タイ産米)
内容量:100ml
アルコール分:30度
(以上、ラベルより転記)




先週飲み切った、“石垣島の泡盛ミニチュアセット”
石垣島の蔵元さん5軒の泡盛を少しずつ試飲できる商品でした。
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しかし石垣島には、この5軒以外にもう1軒、泡盛を造る蔵元さんがあるのです。
それが今日紹介する、仲間酒造さんの“宮之鶴”。
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酒造所唯一の銘柄は「宮之鶴」。創業当時と変わらぬ3羽の鶴がたわむれるラベルだ。」(※1)
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ではなぜ、この“宮之鶴”は、“石垣島の泡盛ミニチュアセット”に含まれていなかったのでしょうか?
これについては、下記の記述が参考になると思われます。
1948年の創業以来、(中略)昔ながらの製法で泡盛造りを続けている、両親と息子夫婦の家族4人で年間4万リットルの宮之鶴を生産その殆どが石垣島内で消費されており」(※2)

4万リットルということは、一升瓶で2万2千本ほど。
これを家族4人で製造しているわけですから、ミニチュアボトルを用意することができても、それを“石垣島の泡盛ミニチュアセット”へ一定量を継続して供給することができないのかもしれませんね。

それでも、この宮之鶴は、石垣島宮良地区の皆さんにとっては欠かせない泡盛なのだとか。
石垣島は芸能の島とも呼ばれ、昔から島に伝わる祭りがおこなわれる際には、仲間酒造所で造られる『宮之鶴』がふるまわれ、宴を盛り上げます。民謡を唄い、踊りを舞う席に欠かせないこの「宮之鶴」は、島の人々の日常の酒といってもよいほど地元民に愛されています。」(※3)


話のネタが尽きたところで、いただいてみましょう。

まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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盃に注ぐと、上立ち香をかすかに感じます。
少しひねたような香りです。
でも、含むと消えました。

米の風味がしっかりしており、甘みにも幅を感じます。
それでいてちょいスーちょいピリ。
でもキレがよく、後味はスッキリしています。
重さやクセは、香りではかすかに感じたものの、風味にはないみたいです。
黒麹の香ばしさは、かなり弱めです。


次に、ちょい水足しの水割りで(泡盛:水=8:2)。
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上立ち香は残り、かつ含むとそれが口の中で広がりました。
それ故、ひねたような独特の香りを風味として感じますが、弱めでしつこさを感じません。

米の風味は少し引く(うすまる?)。
甘みも然り。
一方で、黒麹の香ばしさは少しはっきりしてまいりました。

苦みは少しだけ出るみたいですが、キレがよいせいか気にはなりません。


独特の香りをほんのり感じつつも、風味豊かでかつキレのよい、おいしい泡盛でした。

クセはあるかと聞かれたら、ごくかすかに感じる程度と答えるべきでしょう。
生(き)のほうが、米の風味と甘みをしっかりと感じることができました。
ちょい水足しの水割りにすると、独特の香りを風味として感じるもののしつこさはなく、むしろその香りが深みをもたらしてくれているようでした。

うまいね!
手作業での少量生産とのことで、ガツンと来る風味を期待しておりましたが、正反対でした。
むしろ少量生産のほうが、製品の出来具合に目が行き届くからよいモノを製造できるのでしょうか?


(※1)沖縄県酒造組合連合会監修『決定版 泡盛大全』p.81(2000.12 株式会社主婦の友社)
(※2)田崎聡『泡盛王国』p.96(2006.8 有限会社食の王国社)
(※3)日本酒類研究会編著『知識ゼロからの泡盛入門』p.170(2008.6 幻冬舎)