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【お酒】2265.都美人 冷酒 生麗(きれい) 300ml [28.兵庫県の酒]

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製造者 都美人酒造株式会社
兵庫県南あわじ市榎列西川247

品目 日本酒
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
アルコール分 13度
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




淡路島に蔵を置く都美人酒造さん。
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もともと島には40件ほどの酒蔵がありましたが、1945年に南部10蔵が志を一つに合併し、「都美人みやこびじん」が誕生したそうです。」(※1)とのこと。

いわゆる戦時統合かとも思いましたが、それにしてはやや遅すぎ。
むしろ戦後の復興を一蔵ごとにやるのではなく、10蔵合同で力を合わせて復興しようという合併であったと考えたほうがが至当と認められますね。

その都美人さんのお酒は「純米、本醸造はすべて『山廃』。普通酒も『山廃』と『速醸そくじょう』を併用し、ブレンドしておりますので、厚みのある、奥行き深い味わいが特徴でございます。」(※2)なんだってさ。

今日いただくこのお酒は、“生麗(きれい)”なる冷酒。
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“冷酒”ってのは、包括的というか、あいまいな表現ですね。
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生貯蔵酒の場合もあるし、そうでなくて火入れしてあるけれど貯蔵期間を廃止あるいは短くしたもの(しぼりたて)なんて場合もありますからね。

手元にあった文献では、以下のように紹介されておりました。
 清酒は一般的に燗をして飲む場合が多いが,夏に冷やして飲むのも格別で需要が増えている.冷用酒は,元来,夏に冷やして飲むように工夫された清酒で,一般酒にくらべてアルコール添加量の少ない,酸味のある程度きいたものとか,甘味の残るように工夫されたものなど種々のタイプのものであった.冷蔵庫で10℃前後に冷やして,またオンザロックでのどごしの軽快さが楽しまれていた.しかし,最近では清酒の多様化,差別化、本物志向がで生まれた,しぼりたての風味が生かされた生酒,生貯蔵酒が冷やして飲む清酒の主流となった.
(中略)
一般に冷やして飲む清酒を冷酒と呼んでいる.」(※3)

品質表示はこちら。
特定名称の表示がなく、かつ精米歩合の表示もないことから、おそらく普通酒でしょう。
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“13度台”とは、アル添普通酒にしては低めでしょうね。
20度にも達するほどの醪を搾った直後のお酒に多めの加水を施すことで、口当たりを軽くしているのでしょうか?
それとも上記文献の記載のとおり「一般酒にくらべてアルコール添加量の少ない,酸味のある程度きいたものとか,甘味の残るように工夫されたもの」(※3)なのでしょうか?

それを確かベめるべく、いただいてみたいと思います。
普通酒ですが冷酒のため、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ごくかすか。
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上立ち香はなし。
含むと香りはないものの、フレッシュな風味をほんのりと感じます。

うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
米のうまみに厚みがあって、淡めなりにどっしりとしています。
苦みがあって、少し強めで鋭いね。
酒臭さはなく、熟成感もなし。
重さも全く感じません。
キレはよいですね。

酸味はややはっきり。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを感じます。
スーなし、ピリもなし。

甘みはややはっきり、否、ちょいはっきり。
べとつかずさらりとしており、それほど強くはないものの、幅を少し感じます。


ちょい爽快のやや淡麗でちょい苦ちょいすっぱ旨ちょい甘口のおいしいお酒でした。

フレッシュな風味がありましたが、しつこくなくてちょうどよい感じでした。
うまみがやや淡めながらもしっかりしており、飲み応えを感じました。
ちょい苦でちょいすっぱでしたが、それが味を引き締めるとともに、甘みとちょうどよく調和しておりました。
この酸味は山廃酛の乳酸に由来するものかな?

うまいね。
13度なのにけっして薄くは感じませんでした。
ということはきっと、アル添量が少ないのかもしれません。

夏向きで、地の魚に合うのではないでしょうか。


スイスイと行けてしまい、あっちゅう間でございましたとさ。
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その都美人冷酒生麗と合わせた今日のエサはこちら。

栃木県産の島豆腐。
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温奴。
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不思議だよね。
豆腐も調味料(赤味噌+醤油)も大豆を原料とするのに、こんなにおいしいだなんてさ。
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アメリカ産の安い豚肉。
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在庫のネギを全部使用。
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豚肉とねぎの炒め物。
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中華のだしを使ったことで、味に深みが出ました。
でもやっぱり、アメリカ産豚肉は固かったわ。
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ごちそうさまでした。
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(※1)白井操『兵庫の酒がつなぐ30の物語-その土地に、米と人あり-』p.34(2019.4 NHK出版)
(※2)(※1)p.35
(※3)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.256-257(1997.10 灘酒研究会)