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04.宮城県の酒 ブログトップ
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【お酒】1010.澤乃泉 本醸造 300ml [04.宮城県の酒]

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石越醸造株式会社
宮城県登米市石越町北郷字中沢108の1

アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール
精米歩合65%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




昨日は澤乃泉本醸造の生貯蔵酒をいただきましたが、今日は貯蔵前と瓶詰め前と2回火入れされた本醸造をいただきます。
なお、石越醸造さんのお酒は、これらのほかに澤乃泉の上撰カップ伊豆沼白鳥(糖類添加)と、澤乃泉の特別純米酒カップとをこれまでにいただいております。

本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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うまみはやや淡めです。
お米のうまみをほんのりと感じます。
また、軽い苦みがちょっとだけあるみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは、強くはないものの少し際立っていて、ちょっとだけ鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
かなりさらっとした甘みをほんのりと感じます。


やや淡麗でちょいすっぱやや甘口のおいしいお酒でした。
酸味と軽い苦みとがあることで味が引き締まって、食事と合わせやすくなっているのではないかと感じました。
私としては、生貯蔵酒よりもこちらのほうがおいしいと思います。
というか、糖添三増酒なんかよりも、これをカップ酒にしていただきたいところです。

【お酒】1009.澤乃泉 本醸造 生貯蔵酒 300ml [04.宮城県の酒]

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石越醸造株式会社
宮城県登米市石越町北郷字中沢108の1

アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 65%
内容量 300ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)




石越醸造さんのお酒は、これまでに澤乃泉の上撰カップ伊豆沼白鳥(糖類添加)と、澤乃泉の特別純米酒カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、本醸造生貯蔵酒です。
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生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほぼ無色でした。
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生貯蔵酒らしいフレッシュな風味を感じます。
ちょっとはっきりしていますね。

うまみはやや淡めです。
お米のうまみを感じます。
苦みもちょっとあるみたいですが、強くはなく、しかも軽い苦みです。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めですが、弱いなりに鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとつかない、さらっとした甘みです。


軽い苦みと酸味、それに甘みのバランスがよい、やや淡麗でやや甘口のお酒でした。
苦みはあるものの、嫌味がなくて落ち着いていると思います。
その一方で、フレッシュさがちょっと目立つかもしれません。
まあでも、クドくはなくて飲みやすいでしょう。

【お酒】927.蒼天伝(そうてんでん) 純米酒 150ml [04.宮城県の酒]

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株式会社男山本店
宮城県気仙沼市入沢3番8号

内容量150ml
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
アルコール分 16度
精米歩合 60%
宮城県産米(蔵の華)100%使用
(以上、ラベルより転記)




男山本店さんのお酒は、かつて陸前乃大吟醸 陸前男山豊香淡麗辛口南部流伝統仕込み 300mlという長い名前の大吟醸と、糖類酸味料添加の三増酒だった陸前男山カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、“蒼天伝(そうてんでん)”と名付けられた純米酒です。
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この蒼天伝について、ある文献では蔵元さんの話を以下のように紹介しておりました。
「以前から端麗な酒は難しいと感じていました。一歩間違うと端麗の場合、薄っぺらく感じてしまう。味がやせてしまうんですね。その点、芳醇な酒は粗が出にくい。とはいえ、芳醇一辺倒だと、気仙沼の食材を食べながらいっしょに飲むには重すぎる。この兼ね合いが難しいんですね。端麗なのに味わいがある酒。そんな酒が私の目指す酒です」
(中略)
華やかな花の香りから入って、しばらくうまみと甘みなど、複雑に味が絡み合って、最後は切れ味するどくスパッと消える。こういう酒を造りたかったのです。」
「(前一部略)「青い海、青い空などの素晴らしい気仙沼の自然環境を表現し、蒼天のような爽やかで澄んだ香りと味わいのある酒として、『蒼天伝(そうてんでん)』と名づけました。」」(以上、(※1))

今日いただくこのお酒は吟醸造りではない純米酒であって、蒼天伝シリーズでは最も廉価なお酒のようですが、果たしてこのお酒にも上記のような考え方は反映されているのでしょうか?


ところで、いただく前にもう一つ触れておきたいことがございます。

このお酒は、“蔵の華”なるお米を使って造られているのだとか。
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この蔵の華は「宮城県古川農業試験場において、中生の酒造好適米品種を目標に、「山田錦」を母とし、「東北140号」を父として1987年に交配し、さらに同年「東北140号」を母、前期のF1を父として戻し交配を行った。」のちに、幾度かの選抜を経て、「1997年宮城県で奨励品種に採用され、「蔵の華」(水稲農林351号)と命名登録された。」(※2)とのこと。

もともと宮城県では、美山錦を奨励品種としていたそうです。
しかし、「この地帯は気象環境が厳しく「美山錦」では耐冷性、耐倒伏性が不十分で作柄が不安定なことから、作付けは伸び悩んでいた。一方、酒造業界からは宮城県独自の酒造好適米品種が要望されていた。」(※3)とのこと。

おいおい。
そういえば、秋田の秋田酒こまちも、それに山形の出羽燦々も、たしか美山錦の倒れやすさを克服することが、育成開始の契機の一つになっていたはずですよ。
美山錦って、どんだけ倒れやすいんだよ!

というか、美山錦の育成過程で、どうして倒伏防止のために長稈を克服しなかったのでしょうかね?
美山錦が育成された長野県は、長稈の水稲でもめったに倒れることがないくらい夏季の気候が穏やかなのでしょうか?
言いたい放題だけれど、どうせ調べていないんだろ!


この“蔵の華”なる酒米で造られたお酒の味については、手元にあった文献に以下のような記述がありました。
製成酒はアミノ酸の少ない“すっきりとした味で澄んだ香りを持つ酒質”に仕上がることが期待され、南部杜氏の流儀に適した酒造好適米であると思われる。」(※4)

この酒質は、上記で紹介した“蒼天のような爽やかで澄んだ香りと味わいのある酒”という考え方に合うみたいですね。
果たしてこのお酒は、蔵の華の特性を活かした味わいに仕上がっているのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。

蔵元さんのWebsiteでは“冷や(15℃)”を推奨しているようでした。
この時期の常温では15℃を上回ってしまうでしょうから、今日は冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、わずかに着いているのがわかる程度でした。
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目だった香りはないみたいでした。

やっぱりうまみは淡めですが、けっこうしっかりしています。
お米のうまみとともに、醸し出された酒臭いうまみをちょっと感じます。
それに、わずかですが熟成感もあるみたいです。
それらが口の中に広がったあと、キレよくスッとひいていきます。
苦みや雑味はないみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさはほとんどなく、さわやかさを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめで、ほとんど感じません。


淡麗旨辛口のおいしいお酒でした。
淡くてキレがよいものの、うまみはしっかりしています。
それに、甘くなくてややドライな感じがしますが、決して物足りなさはないですね。
香りはそれほどでもないものの、たしかに端麗なのに味わいがある酒、蒼天のような爽やかなお酒だと思います。

でもね、ケチをつけるようかもしれませんが、なんか上品すぎるように感じました。
それはオマエが下品だからだろ。

(※1)酒蔵環境研究会編『挑戦する酒蔵-本物の日本酒を求めて』p.178-179(2007.11 農文協)
(※2)永野邦明・千葉文弥・黒田倫子・早坂浩志・松永和久『酒造好適米新品種「蔵の華」の特性』p.31(東北農業研究 第50号 p.31-32 1997.12 東北農業試験研究協議会)
(※3)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.81(2000.3 養賢堂)
(※4)(※3)p.85

【お酒】925.森乃菊川 本醸造 300ml [04.宮城県の酒]

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森民酒造本家 森さち
仙台市若林区荒町53番地

容量 300ml
原材料 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
アルコール度 15度以上16度未満
精米歩合70%
(以上、ラベルより転記)




「仙台で醸す、仙台の酒」は、今や数少ない。仙台市内に蔵を構える森民酒造本家はそんな貴重な造り酒屋の一軒。」(※1)と紹介されていた蔵元さんですが、どうやら本当に仙台市内の中心地近くに蔵を構えているようです。


広瀬川の近くのようですね。

ここに蔵を置いたのには、理由があったようです。
別の文献には、以下のような記述がありました。
嘉永二年(一八四九)、仙台城下の職人町であった荒町には、多くの麹屋が軒を連ねていた。清流広瀬川が満々と水を湛えて流れる河畔のこの地に、若冠(原文ママ)十八歳ながら青雲の志を抱いて岩手の紫波町から移り住んだ若者、谷地館民蔵がいた。彼こそが森民酒造本家の創業者である。」(※2)

創業当時は周囲にたくさんあった麹屋から良質の麹を入手することができ、また広瀬川の伏流水が湧くことから水の確保にも事欠かなかったのしょうね。
それでも、都市化が進んだ今日において、この場所で酒造りを続けていくことはとても大変なことであろうと思います。


そんな都会派の蔵元さんが造るこのお酒を、そろそろいただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、わずかに着いているのがわかる程度でした。
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うまみはやや淡めですが、かなりしっかりしています。
お米のうまみがはっきりしていて、コクを感じます。
それに、軽い苦みをほんの少し感じます。

酸味はややひかえめです。
角がなくておだやかなすっぱさをわずかに感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
しかしゼロではなく、さらっとした甘みをちょっとだけ感じます。


軽い苦みとおだやかな酸味とがわずかにあって、それがうまみを引き立てる、やや淡麗で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
やや淡めでさっぱりしていますが、それでいてうまみがしっかりしていて、コクすら感じます。
また、余計な香りや風味がないので、食事にも合わせやすいと思います。
これはうまいね。
今度仙台へ行ったら、純米や吟醸を探してみようと思います。


(※1)『宮城の蔵元訪ね歩き』p.80(2009.4 エーシークリエイティヴ)
(※2)『みやぎ地酒の旅』p.42(2000.3 河北新報社)

【お酒】921.勝山 特別純米 縁 180ml [04.宮城県の酒]

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仙台伊澤家 勝山酒造株式会社
宮城県仙台市泉区福岡字二又25-1

原材料名:米(仙台産)、米麹(仙台産米)
精米歩合:55%
アルコール分:15度
容量:180ml
杜氏:後藤光昭
(以上、ラベルより転記)




仙台伊澤家 勝山酒造さんは、“勝山企業グループ”を構成する子会社の一つなのだとか。
勝山企業は、結婚式場やレストラン、不動産業、それに調理学校などを運営する仙台の財閥で、勝山酒造さんもかつてはその本体企業の一部門だったようです。

勝山の創業は約三百年前の元禄年間。安政四年(一八五七)には仙台藩の「御酒御用酒屋」として名字帯刀を許され」(※1)たという由緒正しき老舗で、もともとは仙台市の中心地である青葉区で酒造りをしていたそうです。

現在では仙台市の北部、泉区の郊外で酒造りをなさっているようですが、「創業から仙台市中心部で酒造りを続けてきたが、急激な都市化に伴い2005(平成17)年に移転した。」(※2)とのこと。




そんな勝山酒造さんの酒造りについて、文献では以下のように紹介しておりました。
仙台一の老舗としての誇りだろうか、目指したのは「食中酒として完璧な純米酒」。35品目あった製品を4種類に絞って一新し、全量純米化した。」(※3)

今日いただくこのお酒は特別純米酒ですが、はたしてこれも食中酒として完璧な特別純米酒なのでしょうか?
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それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
特別純米酒ですし、冷やして販売されておりましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、わずかにわかる程度でした。
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あ、これすっぱいね!。
酸味が効いており、すっぱさが際立っております。
でもね、すっぱさに角はないみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
お米のうまみが出ており、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみも少し感じます。
ですが、苦みや雑味はありません。

甘みは、どちらかというとややはっきりしています。
かなりさらっとしていて、べとつかない甘みをほんのりと感じます。


酸味が効いた、やや濃醇で旨口のおいしいお酒でした
かなりしっかりした味わいだと思います。
これはお酒の味そのものを味わうというよりも、むしろ食事と合わせるためでしょう。
この酸味が魚の臭みや油っぽさをサッと流してくれそうです。



ここで、お酒を燗にしてみました。

アタリマエですが、燗にしても色は変わりませんね。
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あーこりゃかなりすっぱいね!
燗にすると、すっぱさに鋭さが出てきました。
わずかではありますが、耳の下あたりに刺激を感じるようなすっぱさです。
またそのせいか、甘みが引いてやや辛口になってきました。

でもね、それがまた海のものに合いそうで、なかなかいけるのではないでしょうか。
燗にすると、さらにいっそう食中酒らしさが出てきたと思います。


(※1)『みやぎ地酒の旅』p.36(2000.3 河北新報社)
(※2)『宮城の蔵元訪ね歩き』p.76(2009.4 エーシークリエイティヴ)
(※3)(※2)p.76-77

【お酒】919.蔵王 本醸造 カップ [04.宮城県の酒]

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蔵王酒造株式会社
宮城県白石市東小路120の1
(以上、カップの印刷事項より転記)

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 65%
アルコール分15.0度以上16.0度未満
内容量180ml
(以上、フタより転記)




蔵王酒造さんのお酒は、かつて蔵王のミニザオー 本醸造カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、あれ?
これも本醸造じゃん。

しかし、こちらのほうは精米歩合が65%と、ミニザオーよりわずかに高めに設定されているようです。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、なかなかよい色をしています。
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うまみは濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、やわらかさも感じます。
ですがこのお酒、苦みが軽めではあるものの、けっこうはっきりしています。

酸味はややはっきりしています。
さわやかさがありますね。
すっぱさは弱めですが、鋭さがあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
ほんの少し感じます。


濃醇ちょい苦やや辛口のお酒でした。
苦みが少し気になるところでした。
ミニザオーと飲み比べたほうがよかったかもしれません。

【お酒】915.わしが國 辛口本醸造 300ml [04.宮城県の酒]

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株式会社山和酒造店
宮城県加美郡加美町字南町109-1

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合65%
内容量300ml詰
(以上、ラベルより転記)




山和酒造店さんのお酒は、かつて糖添三増酒のわしが國カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、辛口と銘打たれた本醸造です。
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“わしが國”という酒銘について、文献には以下のような記述がありました。
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 「わしが國」という銘柄は。仙台藩の愛唱歌わしが國さで見せたいものは、むかし谷風、いま伊達模様」に由来する。」(※1)
 銘柄名はこの仙台藩出身の第4代横綱・谷風(たにかぜ)をたたえた藩制時代の民謡の冒頭にちなむ。」(※2)


本醸造ですが、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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うまみは淡めです。
お米のうまみをほんのりと感じます。
ですが、苦みが軽いものの、ちょっとはっきりしています。

酸味ははっきりしています。
強くはないですが、鋭さのあるすっぱさを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

辛口本醸造を名乗るだけあって、甘みはひかえめです。
でも、ゼロではなく、ほんの少し感じます。


酸味と軽い苦みとが効いた、淡麗辛口のお酒でした。
うまみが淡いせいか、酸味と苦みとがちょっと目立ちすぎているようでした。



ここで、燗にして見ました。

色は同じです。
(燗のほうが杯が深いため、ちょっと濃く見えています。)
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燗にすると、酸味に幅が出て、深みのある味わいになりました。
これは燗のほうがおいしいわ。


(※1)『みやぎ地酒の旅』p.76(2000.3 河北新報社)
(※2)『宮城の蔵元訪ね歩き』p.8(2009.4 エーシークリエイティヴ)

【お酒】914.墨廼江(すみのえ) 辛口本醸造 300ml [04.宮城県の酒]

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墨廼江酒造株式会社
宮城県石巻市千石町8-43

アルコール分/15度
原材料名/米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール
精米歩合/70%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)



宮城県石巻市の蔵元さんが造った、辛口を名乗る本醸造のお酒です。
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旧北上川の河口に開けた石巻。蔵がある西岸一帯は、かつて墨廼江(すみのえ)と呼ばれ、また水の神様を祭る墨廼江神社もある。」(※1)との記述のとおり、“墨廼江”は、石巻の土地に由来する酒銘のようです。
実際の場所は、こんなところでした。



海の近くですから、やはり震災の影響は避けられなかったようです。
その被害をを直接に伝える文献に出会うことはできませんでしたが、蔵元さんを紹介する地元誌の記事に「津波による冠水」(※2)や「津波で1m浸水した酒蔵」(※3)という表現が使われていたことから推察するに、被害は決して少なくはなかったことと思われます。

そこから見事に復活なさってこのお酒を世に出してくださったことには、本当に頭が下がります。
いつも以上に、よくよく味わっていただきたいと思います。
じゃ、いつもはいいかげんに味わっているのかよ!


本醸造ですが、今日は蒸し暑いので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほんの少し着いているのがわかる程度でした。
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うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
お米のうまみがピンと舌を突きます。
それに、はっきりしてはいるものの、軽い苦みを感じます。
また、ほんのわずかですが香ばしさもあるみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさに、強くはないものの鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
でもゼロではなく、その存在はわかります。


お米のうまみに、軽い苦みと酸味とが引き締める、やや淡麗で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
クドさがなくて軽快でキリッとしているのに、しっかりしていて飲みごたえも感じます。
それに軽い苦みと酸味とが、食べ物の臭みや油っぽさを流してくれそうです。



ここで、燗にしてみました。

お酒の色は、そりゃ変わりません罠。
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燗にすると酸味がより際立って、さわやかさも出てきました。
そのせいか、甘みが引っ込んでより辛口になりましたよ。


冷たくても、また燗でもおいしいお酒でした。


(※1)『みやぎ地酒の旅』p.102(2000.3 河北新報社)
(※2)Kappo 仙台闊歩 2011年7月号 p.19(株式会社プレスアート)
(※3)Kappo 仙台闊歩 2013年3月号 p.41(株式会社プレスアート)

【お酒】631.本醸造 からくち 浦霞 300ml [04.宮城県の酒]

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株式会社佐浦
宮城県塩釜市本町2番19号

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合65%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




浦霞は酒屋さんで頻繁に見かけるくらい珍しくはなかったので、これまで特にいただこうとは思っていませんでした。
でも、話のネタにはなるのではないかと思い、今回初めてこのお酒を入手してみました。


浦霞を造っている佐浦さんについて、文献では以下のように紹介していました。
株式会社佐浦は、江戸時代中期の享保九年(一七二四年)に宮城県塩竈市で創業した酒造メーカー。藩政期より鹽竈神社の御神酒酒屋としての地位を持ち、明治以降も三陸沿岸地方へ販路を拡大するなど発展を続けてきた。
もともとは「八雲」「富正宗」「宮城一」の三銘柄を並酒、上級酒、特級酒として使用していたが、大正年間に行われた東北大演習の際に、当時摂政宮であった昭和天皇に酒を献上する栄誉を賜り、それを機に「浦霞」を超特級酒の銘柄として追加。戦時下の級別制度開始より銘柄を「浦霞」に統一し、現在に至っている。」(※1)

今ではかなり手広くやっていらっしゃるようですが、なかなか古い蔵元さんだったのですね。


ということで、わたしにとっては初めての浦霞をいただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからないくらいでした。
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うまみはやや淡めです。
酒臭さはなくて、やわらかいうまみを感じます。
苦みや雑味はないみたいです。

酸味はちょっとだけはっきりしているみたいです。
すっぱさを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

辛口と銘打たれただけあって、甘みはひかえめです。


やわらかいうまみをおだやかに感じる、やや淡麗で辛口のお酒でした。
甘みが少ないので、ややドライな感じでしょうか。
酸味もおだやかで、雑味もないので、きれいな味わいに仕上がっていると思います。
食事とあわせやすく、しかもスイスイと行けてしまいます。

ですが、私としては、もうちょっと飲みごたえがほしいかな・・・。


(※1)『四季彩 東北の造り酒屋 浦霞』p.13(りびる 2巻1号(通号5) 2009.3 建設新聞社)

【お酒】603.澤乃泉 特別純米酒 カップ [04.宮城県の酒]

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石越醸造株式会社
宮城県登米市石越町北郷字中沢108-1

アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 60%
180ml詰
(以上、フタより転記)




石越酒造さんのお酒は、かつて澤乃泉の上撰カップ(糖添普通酒)伊豆沼白鳥をいただいております。
今日いただくこのお酒は、特別純米酒です。

カップのデザインは、上撰カップ(糖添普通酒)と同じみたいです。


特別純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、普通酒よりもはっきりしているようです。
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うまみはやや淡めですが、けっこうしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがしますが、淡めでスッキリしています。
苦みや雑味は感じませんでした。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少しあって、さわやかさもちょっと感じました。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめですが、その存在はわかります。


しっかりしているが全体的にきれいな味わいの、やや淡麗でやや辛口のおいしいお酒でした。
酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)を感じましたが、それでいてスッキリした味わいに仕上がっていると思います。
私は上撰(糖添普通酒)よりもこっちのほうがおいしいと感じました。
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