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05.秋田県の酒 ブログトップ
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【お酒】1412.秀よし 純米酒 180ml [05.秋田県の酒]

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合名会社鈴木酒造店
秋田県大仙市長野字二日町九

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
アルコール分 15度
精米歩合 60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




鈴木酒造店さんのお酒は、これまでに秀よしの本醸造カップと、秀よしの本醸造生貯蔵酒300ml、そして賢人 本醸造酒 濁り酒 180mlをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米酒です。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し黄色がかっておりました。
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うまみはやや淡めでしょうね。
酒臭さ(←ほめ言葉です)は感じるものの弱めです。
一方で熟成感は少しはっきりしています。
苦みや雑味はありません。
キレはよいみたいです。

酸味ははっきりしていますよ。
すっぱさが少し強めで、鋭さがはっきりしています。
それでいて、酸味自体に深みを少し感します。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりかな。
弱めですけれど、厚みを少し感じますよ。


ほどよい熟成感と酸味とが効いている、すっぱ旨口のおいしいお酒でした。
これは完全に食中酒でしょう。
この鋭さのある酸味が、脂っぽさや魚臭さをサッと流してくれそうですよ。
もっとも鋭さを感じるものの、けっして飲みにくいお酒ではないと思います。

しかし、繊細な味わいの食べ物と合わせると、食べ物の味が酸味に負けてしまうかもしれませんね。

【お酒】1411.賢人 本醸造酒 濁り酒 180ml [05.秋田県の酒]

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合名会社鈴木酒造店
秋田県大仙市長野字二日町九番地

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合65%
アルコール分15度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




鈴木酒造店さんのお酒は、かつて秀よしの本醸造カップと、秀よしの本醸造生貯蔵酒300mlとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、本醸造の“さらりとした飲み口のにごり酒”でした。
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ラベルには、“賢人”たる酒銘の由来が記載されておりました。
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“さらりとした飲み口のにごり酒”だからでしょうか、滓の量は全体の一割未満といったところでした。
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にごり酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに象牙色がかっている程度でした。
トロッとした感じはありませんね。
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うまみはやや濃いめですが、にごり酒にしては薄めでしょう。
米のうまみがしっかりしておりますが、重さや雑な感じはまったくありません。
滓のざらつきはかすかにあるみたいですが、苦みはありません。
それににごり酒にしてはキレがよく、スッと引きます。

酸味ははっきりしています。
すっぱさがやや強めで、鋭さがありますね。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
でも、べとついた感じはまったくなく、かなりさらっとしています。


さらっとしていてほんのり甘いところを酸味が引き締める、やや濃醇ですっぱやや甘口のおいしいお酒でした。
滓のざらつきはちょっとだけあったものの、にごり酒にありがちなとろみや重さはまったく感じませんでした。
また酸味が効いていて、味わいを引き締めておりましたよ。

これは酸味の効いた“うすにごり”ってやつでしょうよ。
あるいは“甘さひかえめのカルピス”といったところでしょうか?
しかしこちらのカルピスは、酔いが回ってきますけれどね。

【お酒】1408.十五代彦兵衛 純米酒 300ml [05.秋田県の酒]

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福禄寿酒造株式会社
秋田県南秋田郡五城目町字下夕町四十八番地

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合 58%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




福禄寿酒造さんのお酒は、福禄壽の精撰カップと、昨日福禄壽ブラック(普通酒)とをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米酒です。
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文献によれば「16代当主渡邉康衛が東京農大醸造学科を卒業し、地元に戻ってきたのは、2001年(平成13)のこと。」(※1)とありました。
ということは、もしかしたらこの“十五代彦兵衛”なるお酒は、ご先代のときに商品化された銘柄なのでしょうか?


冷やして販売されておりましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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香りは立ちませんね。
口に含むと、ごくかすかにわかるかわからないかといった程度です。

うまみはやや濃いめかな。
米のうまみに厚みを感じます。
軽い苦みも少しわかります。
純米ですが、キレはよいですね。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さも感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ごくかすかに感じる程度です。


米のうまみがしっかりで、キリッと引き締まっている、やや濃醇でちょいすっぱ旨辛口のおいしいお酒でした。
甘みが少ないせいか、ややドライで引き締まっておりました。
でもけっしてうすっぺらくはなく、うまみ自体にコクを感じました。


ここで、燗にしてみましたよ。
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うまみの厚みがとれて、鋭くなりましたよ。
それが酸味とともに舌の上をピンと突くようです。
ただね、冷めるにつれて鋭さが引いて、厚みが戻ってくるみたいです。
それに、酒臭さ(←ほめ言葉です)もちょっとだけ出てきましたよ。
甘みは引いたままです。

燗だとキリッと辛口のおいしいお酒でした。
燗にしたことで、かなりシャープな口当たりになりました。
これはあたかも灘の生一本のようですよ。

これさ、かなりうまいんじゃないの!
食中酒としてピッタリですよ。
私としては、熱めの燗でいただくのがもっともおいしいのではないかと思った次第でございましたとさ。


(※1)一志治夫『五城目の米と水にこだわり再興に奔走 福禄寿酒造』p.20(地域人 第30号 p.20-25 2018.3 大正大学出版会)

【お酒】1407.福禄寿 ブラック 300ml [05.秋田県の酒]

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福禄寿酒造株式会社
秋田県南秋田郡五城目町字下夕町48番地

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15度
300ml詰
(以上、瓶の印刷事項より転記)




福禄寿酒造さんのお酒は、3日前に福禄寿の精撰カップ(普通酒)をいただいております。
今日いただくこのお酒は、蔵元さんのWebsiteで“ブラック”と紹介されていた普通酒でした。
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冷やして販売されておりましたが、普通酒ですのでまずはぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめかな。
酒臭さ(←ほめ言葉です)は弱めですが、米のうまみがしっかりしています。
熟成感はごくかすかに感じる程度です。
それでいて苦みや雑味はまったくありません。
キレはよく、スッとひきますよ。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさそれほど強くはないものの、その酸味に深みを感じますよ。
さわやかさもちょっとあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりかな。
けっしてべとつかない甘みを少し感じる程度ですが、甘み自体に厚みを感じます。


うまみがしっかりしていて酸味に深みがあるものの、キレがよくてさっぱりしている、やや濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
しっかりしていて深みすら感じるのに、後味がさっぱりしていてクセがありませんでした。
私としては、酸味に深みを感じることができたところが、私の好みの味わいでうれしいところでした。
甘みも厚みがあるものの、べとつかずにいい塩梅にコクを添えておりました。

これさ、かなりうまいんじゃないの!
けっして辛口ではないものの、これは食事と合うお酒ですよ。
とくに塩気のある食べ物とは合うんじゃないかな。


ここで、残っているお酒を冷たいままいただいてみました。
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燗ほどうまみがひろがりませんね。
甘みも少し引くかな。
酸味も、深みが引いてすっぱさが前に出てくるようです。

冷たくてもバランスがよくておいしいお酒でしたが、やはりこのお酒は燗のほうが味わいが映えると思いますよ。
それにこれはあくまでも私の感想ですが、カップ酒(精撰カップ)よりもこちらのほうが味わいに角がなくてまろやかで、かつ深みがあるようでした。
カップ酒は精撰の小印が付けられた普通酒でしたが、もしかしたらこちらのブラックは上撰クラスのお酒なのでしょうか?

【お酒】1406.福禄壽 精撰カップ [05.秋田県の酒]

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福禄寿酒造株式会社
秋田県南秋田郡五城目町字下夕町48

原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール度:15.0度以上16.0度未満
200ml詰
(以上、フタより転記)




今日はね、元禄元年(1688年)に創業し、秋田県の五城目町に蔵を置く福禄寿酒造さんのカップ酒をいただきますよ。
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その福禄寿酒造さんですが、文献では以下のように紹介されておりました。
 渡邊家は安土桃山時代に織田信長の一向一揆攻めにより石川県松任から落ち延びてきた。初代彦兵衛が五十目村(現在の五城目町)で酒造りを始めたのが1688年である。徳川五代将軍綱吉の頃と伝えられ、以来三百有余年にのぼる歴史は秋田県の酒造史の上で大変貴重な存在となっている。代表銘柄でもある「福禄寿」は七福神の中の1つで瑞祥のしるしとされ、「福」は多くの子や孫に恵まれ「禄」は子々孫々まで栄えること、「寿」は元気で長生きすることを願って命名された。」(※1)

このことは、このお酒のカップにも記載されておりましたよ。
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今日いただくこのお酒は、精撰の小印が付けられた普通酒でした。
秋田県では幅を利かせている200mlカップですが、糖類や酸味料は添加されておらず、しかも度数は15-16台でした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は濃くはないものの、きれいな金色でした。
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うまみは、やや濃いめでしょうか。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを少しと、熟成感を少し感じます。
苦みがありますが、軽めでそれほど強くはありません。
キレはとてもよく、透明感をちょっと感じます。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんど感じません。
アルコール由来と思われるさわやかさをちょっとだけ感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
けっしてべとつかず、とろみのような舌触りもありませんが、それでも厚みを少し感じる甘みです。


しっかりしているもののキレがよく、さらっとした甘みがコクを添える、やや濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
熟成感や苦みがあるものの、角がないですね。
これは、アル添によってもたらされたキレのよさが効いているのかもしれません。
甘みもしつこさがまったくなく、穏やかに効いている程度です。

濃いめなのにクセなくスッキリといただくことができる、おいしいお酒でした。
さすが300年以上の歴史を誇る蔵元さん。
たとえ普通酒であっても、けっして手を抜かないようですね。

(※1)「美酒王国秋田」編集委員会編『美酒王国秋田』p.16(2015.09 無明舎出版)

【お酒】1402.飛良泉(ひらいづみ) 冷酒 本醸造 300ml [05.秋田県の酒]

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株式会社飛良泉本舗
秋田県にかほ市平沢字中町59

精米歩合 60%
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 14度
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




飛良泉本舗さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
飛良泉 ヒライヅミカップ二回目はこちら
飛良泉 山廃本醸造 カップ
飛良泉 山廃純米酒 180ml

今日いただくこのお酒は、“冷酒”と銘打たれた本醸造でした。
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冷酒というからには、もしかしたら生貯蔵酒なのかと思ったわけですよ(“要冷蔵”の表示がなかったことから、生酒ではないと思います)。
しかし飛良泉シリーズでは、この冷酒の他に“生貯蔵酒”が別に販売されているのですよ。
ということは、これはあくまでも私の推測ですが、このお酒は生貯蔵酒ではない(=貯蔵前と出荷前と2回火入れをしている)ものの、しぼった後の貯蔵期間を短くすることでフレッシュさを残しているのでしょうか?


そんなことを思いながら、いただいてみたいと思います。
本醸造ですが“冷酒”ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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一口含むと、フレッシュな風味を感じます。
けっこうはっきりしていますね。

うまみは淡めですが、淡めなりにしっかりしています。
米のうまみをほんのりと感じますが、ほんのりであるものの厚みがありますね。
苦みや雑味はありません。
キレもよく、スッと引きます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさがわずかですが、わずかながらに鋭さがあるようです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりかな。
けっしてべとつかない、かなりさらっとした甘みをちょっとだけ感じる程度です。


フレッシュさが豊かで米のうまみをほんのりと感じる、淡麗爽快旨口のおいしいお酒でした。
フレッシュさがはっきりしているものの、クドさは感じませんでした。
淡めで軽い口当たりでしたが、それでいて米のうまみをしっかりと感じることができました。

さすが15世紀後半創業の伝統を誇る飛良泉本舗さん!
口当たりのよさを売りにする冷酒でも、うまみをしっかりと感じることができるお酒でしたよ。

【お酒】1400.小粋な奴 180ml [05.秋田県の酒]

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株式会社那波商店
秋田市土崎港中央一丁目16の41

原材料名=米(国産)米麹(国産米)
アルコール分=11度以上12度未満
精米歩合65%
180ml
(以上、封緘紙より転記)




那波商店さんのお酒は、かつて普通酒の銀鱗精撰カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米の原酒なのだとか。
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この瓶は、たしか北鹿の本醸造生貯蔵酒 雪オーロラと同じものですね。
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ところで、このお酒は原酒なのに、アルコール度数が11-12度台なんだってさ。
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通常の仕込であれば、酵母によるアルコール発酵(糖→アルコール)が終了する時点でのアルコール度数は18度くらいではないでしょうか。
それにこのお酒は原酒、すなわち「製成後、加水調整(アルコール分1%未満の範囲内の加水調整を除く。)をしない清酒」(※1)ですから、加水によって薄めて11度台まで下げているわけではないはずです。

ということは、このお酒の場合には、もしかしたらアルコール発酵をなんらかの方法によって途中で意図的に止めているのでしょうか?
とすれば、発酵しきれなかった糖(添加されたものではなくて、麹が出した糖化酵素によって米のでんぷん質から作られたもの)が残存しているはずでしょうから、きっと甘めの味わいに仕上がっているのではないでしょうか?


それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
純米原酒ですが、冷して販売されておりましたし、それに蔵元さんのWebsiteでは生貯蔵酒として紹介されておりましたので、冷蔵庫で冷したものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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上立ち香はありません。
口に含むと、生貯蔵酒らしいフレッシュな風味が漂います。
フルーティーさもちょっとだけあるかな?

うまみは濃くはないですね。
やわらかいうまみをほんのりと感じる程度です。
それに、香ばしさがかすかにあるみたいです。
苦みや雑味はありません。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭いですね。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはやっぱりはっきりしています。
甘みに厚みを感じるものの、べとつきやクドさはまったくありません。


爽快すっぱ甘口のお酒でした。
生貯の風味はありましたが、軽快さは感じませんでした。
また純米にしてはうまみのしっかり感がなく、むしろ酸味や甘みが際立っておりました。

これさ、食事の前に“食前酒”としてちょっとだけいただくにはいいんじゃないの?
この酸味と甘みとが、食欲を増進させてくれそうですよ。
まるで温泉旅館へ行くと夕食の前にちょっとだけ飲ませられる、甘酸っぱいリキュールのような味わいだなと思いましたとさ。

(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)5(4)

【お酒】1393.美酒爛漫 普通酒 お燗瓶 180ml [05.秋田県の酒]

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秋田銘醸株式会社
秋田県湯沢市大工町4番23号
180ml(正一合詰)
(ここまで、瓶の印刷事項より転記)

原材料名・米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類・酸味料
アルコール分 15度
(以上、王冠より転記)




大正7年には仙台税務監督局技師花岡正庸氏が本県技師兼務となり、氏の指導により全県の酒質は愈々向上し、同11年、本県酒造家全員の出資により東京市場進出を目的として秋田銘醸(株)「爛漫」を創立、伊藤忠吉、花岡正庸両氏が技術担当となって指導にあたった。」(※1)
大正期に、いわば秋田のお酒を東京へ売り出すためのtask force(特殊部隊)として設立された秋田銘醸さん。
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そのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
298.純米原酒ふなおろし 200ml缶
348.らんまんカップ(糖類・酸味料添加)
355.生貯カップ(糖類添加・酸味料添加なし)
408.本醸造 飛切カップ
416.美酒爛漫 本醸造原酒 熟成酒 200ml缶

今日いただくこのお燗瓶は普通酒ですが、残念ながら糖類酸味料フル添加の三増酒でした。
ということは、かつていただいたらんまんカップと同じ中身でしょうか?
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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うまみはやや濃いめです。
でも、これはかもし出された酒臭い(←ほめ言葉です)ではなくて、添加された画一的な味わいですね。
それに、クドさもちょっとだけあるみたいです。
また、軽い苦みも少し感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさがやや強めで、鋭さを少し感じます。
それに、ちょっとだけピリッと感じます。

甘みはややはっきりしています。
べとついた感じはしないものの、とろみのような舌触りがあって、しかも厚みを感じます。


やや濃醇でちょい苦ちょいすっぱちょいピリやや甘口のお酒でした。
あくまでも私の感想ですが、これはきっと糖類や酸味料で作り上げられた味わいでしょうね。
味わいの要素が突出せずに全体的にまとまっているようでしたが、それでも味わいに深みを感じませんでした。

もし花岡正庸先生がこのお酒をお試しになったとしたらどうお感じになられるのか、興味深いところではございました。

(※1)深味春輝『藩政時代に始まる秋田県酒造業と酒造政策』p.109(日本醸造協会雑誌第82巻第2号 1987)

【お酒】1391.銀鱗 精撰 カップ [05.秋田県の酒]

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株式会社那波商店
秋田市土崎港中央1-16-41

原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml
(以上、フタに貼られたラベルより転記)




その土崎の地で蔵元が創業したのは1871年。創業者の那波三郎右衛門は元々江戸時代に秋田藩主、佐竹候について京都から秋田に移住してきた室町の両替商で、秋田藩では御用聞町人として出入りする豪商であった。藩内中徳望の高い那波家は藩の酒造吟味役も務めていたが、酒造業の育成による藩財政の進展を献言し、1807年に藩命により、現在の醸造試験場のような「酒造方御試所」を設立し清酒の試験を行なった。このことがきっかけとなって、那波家が酒造業に携わることになる。」(※1)という那波商店さん。

酒銘の“銀鱗”は、「〓踊る銀鱗かもめの港 お浜大漁の日が昇る…と歌うソーラン節。港に近いこの蔵の酒の愛飲家は、かつて多くの漁師たちであったことから、その大漁と安全を祈って酒銘とした。」(※2)のだとか。

そんな由緒正しき蔵元さんが造り、酒銘に大漁祈願の意味が込められたこのお酒ですが、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
しかし酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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燗をつけると、お酒の甘い香りがふわっと漂ってまいりました。

うまみはやや淡めです。
ですが、淡めながらにもかもし出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じますよ。
また苦みもあって、軽めで弱めではあるものの、鋭さを感じます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めですが、鋭さをちょっとだけ感じます。
それに、かすかにピリッと来るようです。

甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌触りがかすかにあって、甘みに厚みも感じます。
ですが、べとついた感じはいたしません。


やや淡麗でちょい苦やや甘口のお酒でした。
酸味料が使われていないためか、クセやクドさは感じませんでした。
それどころか、かもし出された酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみを弱めながらに感じることができましたよ。
甘みはよくわかりましたが、それでもべとついた感じがなく、甘ったるさは感じませんでした。
それに軽めの苦みが海産物と合いそうに思いましたが、これは港に近いこの蔵のお酒らしさなのでしょうか。


(※1)「美酒王国秋田」編集委員会編『美酒王国秋田』p.26(2015.09 無明舎出版)
(※2)秋田魁新報社事業局出版部編『あきた地酒の旅』p.48(1995.9 秋田魁新報社)

【お酒】1390.天の戸 のんびり カップ [05.秋田県の酒]

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浅舞酒造株式会社
秋田県横手氏平鹿町浅舞字浅舞388

原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合/65%
アルコール分/15度
180ml詰
(以上、フタに貼られたラベルより転記)




浅舞酒造さんのお酒は、勾玉がデザインされたラベルの“天の戸 純米酒 カップ”をいただいております。
今日いただくこのお酒も純米酒でしたが、勾玉ラベルのほうは秋田県産米使用と表示されていたものの、こちらは国産米としか表示されておりませんね。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し茶色がかっていて、透明感がありました。
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うまみは濃いめです。
かもし出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみに、熟成感を少し感じます。
純米酒ですが、アル添酒のような透明感も少しありますよ。
苦みや雑味はありません。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが鋭いようですが、酸味自体に深みは感じません。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
ちょっとべとつくみたいですよ。


濃醇ちょいすっぱやや甘口のお酒でした。
勾玉ラベルの天の戸純米カップで感じたような深みは、私にはわかりませんでした。
それに、純米のはずなのに、アル添酒のような透明感があったり、あるいは甘みもちょっとべとつくようでした。

これはあくまでも私の感想ですが、勾玉ラベルの純米酒カップとは中身が異なるように思いました。
でも、実は同じ中身だったりなんかしちゃったりして。
飲み比べてみたほうがよかったかも。
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