【お酒】1625.よしのとも純 純米酒 アルミ缶 [16.富山県の酒]
吉乃友酒造有限会社
富山市婦中町下井沢3285-1
原材料 米(富山県産)米麹(富山県産米)
アルコール分15度
180ml詰
日本酒度 +5.0
酸度 1.6
原料米 富山県産米100%使用
精米歩合 65%
(以上、缶の印刷事項より転記)
きょうはね、どうしても冷酒を飲みたかったものですから、このお酒を選びましたよ。
「「よしのとも」は吉乃友をひらがなで表記したもので、吉は蔵元である吉田家の「吉」より、友は酒をくみかわす「友」を意味している。」(※1)という“よしのとも”。
あーあ、
オイラも親友と酒をくみかわしたいな。
でもオイラの親友は、酒には興味がないみたいだし・・・。
(友情出演)
ところでこのアルミ缶ですが、文献には蔵元さんの話として「「いやー、父が山に酒をもっていくというんで、じゃあ缶入りが便利だろうと作ったんですよ。」」(※2)と紹介されておりましたよ。
話のネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
冷やして飲めと書いてありましたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は少し茶色がかっているものの、透き通っておりました。
香りや風味はないですね。
フルーティーさもなければ、フレッシュさも感じません。
ただ、アルコールの香りをちょっとだけ感じますよ。
うまみはどちらかというとやや淡めでしょうか。
熟成感が穏やかに効いていて、角がありません。
米のうまみはほんのりと感じる程度でしょうか。
軽い苦みをごくかすかに感じます。
キレはよく、アル添酒みたいな透明感もありますね。
酸味はややはっきりかな。
すっぱさは弱めですが、弱めなりに鋭さを少し感じます。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。
甘みは、これはややひかえめでしょうか。
べとつかない甘みをわずかに感じますが、わずかながらに厚みがあることがわかります。
ちょい深さっぱり旨口のおいしいお酒でした。
穏やかな熟成感があって、深みはそれに由来するようでした。
それでいて角や重さ、それに枯れた感じがまったくなく、しかもキレがよくてさっぱりした口当たりに仕上がっておりました。
食事に合う、おいしい冷酒でごさいましたとさ。
(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.60(2002.3 橋本確文堂)
(※2)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.54(1996.7 能登印刷出版部)
【お酒】1624.皇国晴 特上生一本 カップ [16.富山県の酒]
皇国晴酒造株式会社
富山県黒部市生地296
アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml
(以上、フタより転記)
皇国晴酒造さんのお酒は、これまでに上撰 豪華生一本 カップ(普通酒)と、幻の瀧 タプロース樽熟成 限定純米吟醸原酒 300mlとをいただいております。
今日いただくこのお酒も、どうやら普通酒のようでした。
これさ、完全にルール違反ですね。
だって、原材料名に醸造アルコールの表示がありながらも、“生一本(きいっぽん)”を名乗っているわけですから。
公式ルールでは「生一本の用語は、単一の製造場のみで醸造した純米酒である場合に表示できるものとする。」(※1)と定められているわけですよ。
さらに純米酒は「白米、米こうじ及び水を原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好なもの」(※2)と定められているわけですから、醸造アルコールを用いたお酒を純米酒と評価することはできないわけです。
それ故、醸造アルコールが添加されたこのお酒(おそらく普通酒)が生一本を名乗ることは、上記のルールに違反するわけですよ。
なお、“生一本”の表示が設けられた経緯については、かつて上撰 豪華生一本 カップをいただいた際に触れておりますので、興味がおありの御仁は上記リンク先をご参照下さい。
話のネタが尽きたところで、いただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほぼ透明でした。
うまみは淡めというか、薄めだなこりゃ。
酒臭さ(ほめ言葉です)をごくかすかに感じる程度で、むしろアルコール香のほうが目立っておりますよ。
苦みがあって、弱めではあるもののうまみが薄いせいか少し目立ちます。
キレはとてもよく、透明感がばっちりです。
酸味は、ややひかえめかな。
すっぱさはほとんどわからない程度です。
でもスースー感がかなりはっきりしていますよ。
それに、ごくかすかにピリッとくるみたいです。
甘みはややはっきりでしょうか。
弱めですが、薄めのせいかその存在はよくわかります。
淡麗薄スーやや甘口のお酒でした。
うまみが薄めで、そのせいかアルコール香とスースー感とが目立ちました。
申し訳ないですけれど、これは薄いと評せざるを得ないね。
その薄さたるや、あたかも甲類焼酎レベルに近いのではないでしょうか。
またこれはあくまでも私の予想ですが、この味わいはかなり多めのアル添+多めの加水に因るものか、あるいはもしかしたら液化仕込みなのでしょうか?
(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年11月22日国税庁告示第8号)5(7)
(※2)(※1)1
【お酒】1617.立山 純米吟醸酒 カップ [16.富山県の酒]
立山酒造株式会社
砺波市中野220
原材料 米(国産)米麹(国産米)
精米歩合 麹米55% 掛米55%
アルコール分15度以上16度未満
200ml
(以上、ラベルより転記)
立山酒造さんのお酒に関しては、かつて“立山 特別本醸造&普通酒 カップ飲み比べ”と題した記事を公表させていただいております。
今日いただくこのカップ酒は、富山県で見つけた純米吟醸のカップ酒でした。
こんなのがあるなんて、富山へ行くまでまったく知りませんでしたよ。
純米吟醸ですし、“保冷推奨”の文字がラベルにあったことから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
フルーティーな上立ち香をごくかすかに感じます。
口に含むと、それがかなりかすかではあるものの鼻へ抜けて行きます。
うまみはやや淡めでしょうか。
米のうまみがあって、やや淡めながらにも鋭さを感じますよ。
その鋭さが苦みにも通じていて、ややはっきりしています。
熟成感や重さはなく、また純米ですがキレはよいですね。
酸味はややひかえめでしょうか。
ややひかえめながらもすっぱさがあって、弱めですが弱めなりに鋭さを感じます。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。
甘みはひかえめです。
その存在はわかりますが、かなり弱めです。
やや淡麗でちょい苦ちょいすっぱ辛口のお酒でした。
吟醸にしては苦みや酸味が目立ち、鋭さを感じました。
甘みがひかえめであったことも、余計苦みや酸味を際立たせているように感じました。
それでも香りがひかえめであったことから、食事と合わせるには適しているのかもしれません。
ただ私としては、むしろ普通酒や特別本醸造のほうが穏やかで飲みやすいのではないかと思いましたとさ。
【お酒】1609.本醸造 おわら娘 カップ [16.富山県の酒]
玉旭酒造有限会社
富山市八尾町東町2111
内容量 180ml
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
アルコール分 15度
精米歩合 65%
(以上、カップの印刷事項より転記)
「神通川支流、井田川のそばに古い街並みが広がる八尾町。この町で二〇〇年以上にわたり、造り酒屋を営む」(※1)という玉旭酒造さん。
そのお酒の取り揃えには、どうやら毎年9月に執り行われる祭礼“風の盆”と、そこで歌われる“おわら節”とにちなんだ銘をそれぞれ付けていらっしゃるようですね。
その味わいは「酒の味わいは淡麗辛口が基本。富山湾の新鮮な魚介類、そして地元で採れる山菜、手打ちそばなど、どんな料理にも合う癖のない味わいだ。」(※1)とのこと。
果たして本当にそういった味わいなのでしょうか?
話のネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
ああ。
たしかにうまみは淡めです。
というか、酒臭さもこめのうまみもよくわからないくらいです。
一方で、熟成感が少しはっきりしていて、角も少し感じます。
苦みがあって、弱めではあるものの少し鋭いですね。
キレはよく、透明感を感じます。
酸味はややひかえめでしょうか。
すっぱさは弱めですが、弱めなりに鋭いことがわかります。
スースー感も少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。
甘みは、これはややはっきりかな。
これも弱めですがよくわかり、しかも少しべとつきますね。
淡麗ちょい苦ちょいっすっぱちょいスーやや甘口のお酒でした。
淡麗というよりも、うまみが薄めに感じました。
苦みやすっぱさ、スースー感、それに甘みはそれぞれ弱めでしたが、うまみが薄めであったが故にそれらが目立っていたのかもしれません。
飲み応えはなかったものの、魚とはよく合いましたよ。
私はししゃも(もちろんカラフトのほう)と合わせましたが、いい感じに魚の脂をサッと流してくれました。
ただね、これはあくまでも私の感想ですが、私が(勝手に)想定していた本醸造のあるべき味わいとは異なるように思いましたとさ。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.25(1996.7 能登印刷出版部)
【お酒】1608.三笑楽 カップ [16.富山県の酒]
三笑楽酒造株式会社
富山県南砺市上梨678番地
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15度
容量 180ml詰
(以上、ラベルより転記)
「合掌造り集落が世界遺産に指定され、俄に脚光を浴びている五箇山。その山また山に囲まれた平村(のちに合併により南砺市:ブログ筆者追記)に三笑楽酒造を訪れた。」(※1)
「平村に到る道路が整備され一連のトンネルができたのはわずか一二、三年前。それ以前の平村は、冬期になれば全く外部と遮断される秘境であった。そういう土地柄にある三笑楽が村人のためだけに造り続けられた酒であったことはいうまでもない。」(※1)
この記述からわかるとおり、今日いただくこの“三笑楽(さんしょうらく)”は、五箇山の酒としてそこに住む人たちに愛飲されてきたようでした。
その五箇山(ごかやま)は、平家の落人が隠れ住んだ“隠田集落(おんでんしゅうらく)”で、合掌造りの建物で養蚕(ようさん)が盛んに行われていたと、水曜どうでしょうで覚えましたね。
このことは
“雄三が、5人おんでん、5加山雄三
でもあなたは、洋さんでがしょ?”
という、大泉洋さんが造った語呂合わせで容易に覚えることができます。
(丁寧に書くと、面白くないね。)
その五箇山で愛され続けている三笑楽の酒銘には、「その昔、平家の落人が謡ったと伝えられる謡曲「三笑」に「酒は楽しく飲むもの」という、蔵の思いが「三笑楽」に込められている。」(※2)のだそうです。
このお酒の品質表示にはとくに示されてはおりませんでしたが、なんでも三笑楽さんの普通酒には「酛に山田錦100%を使用し、山廃をブレンド。」(※3)しており、そうして造られた普通酒が「生産量の七割を占めている。」(※2)のだとか。
さぞやおいしい普通酒であろうと期待しつつ、話のネタが尽きたところでそろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、
これじゃわかるわけないか。
ほぼ透明でした。
うまみはやや淡めですが、淡めなりにしっかりしています。
酒臭さ(ほめ言葉です)と米のうまみとが濃くはないもののじんわりと効いていて、淡めながらにも幅を感じます。
苦みがわずかにあって、鋭さはないものの重さを感じます。
キレはよく、透明感を少し感じます。
酸味はややひかえめでしょうか。
すっぱさは弱めですが、これは弱めなりに鋭くて、冷めるにつれて強くなってくるようです。
スースーは少し感じますが、ピリピリ感はありません。
甘みはひかえめです。
ゼロではないものの、かなり弱めです。
軽いのにズッシリな、やや淡麗でちょい苦ちょいすっぱ旨辛口のおいしいお酒でした。
淡めで透明感が少しあったことから、口当たりは軽く仕上がっておりました。
この透明感はアル添に由来するものでしょうか?
それでもうまみがじんわりと効いていて、しかも弱めの苦みに重さを感じたことから、飲み応えがあってズッシリと感じました。
また酸味もひかえめなりに効いていていい感じでした。
これは食中酒でしょうね。
あくまでも私の感想ですが、濃いめの煮物や肉料理などにはよく合うのではないでしょうか。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.17(1996.7 能登印刷出版部)
(※2)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.63(2002.3 橋本確文堂)
(※3)(※1)p.19
【お酒】1007.銀盤 特撰 本醸造 カップ [16.富山県の酒]
銀盤酒造株式会社
富山県黒部市荻生4853-3
アルコール分15度
精米歩合60%
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
200ml詰
(以上、ラベルより転記)
この銀盤のカップ酒は、立ち寄ったスーパーでときどき見ることがあります。
それ故、このブログでは既出だと、勝手に思っていたのです。
しかしそれはうっかりで、実はまだいただいておりませんでした。
銀盤酒造さんのお酒は、これまでに銀盤のスマートボトル本醸造220ml瓶と、銀盤の特撰生吟醸300ml瓶とをいただいております。
今日いただくこのお酒も、スマートボトルと同じ本醸造です。
品質表示は同じですから、中身は同じお酒なのでしょうか?
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、かすかに着いてることがわかる程度でした。
うまみは淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをほんのりと感じる程度です。
かすかに軽い苦みがあるみたいです。
キレはよく、スッと引いていきます。
酸味はややひかえめです。
角のないすっぱさをわずかに感じる程度です。
かすかにピリッと感じますが、気にはなりません。
甘みはややひかえめです。
さらっとした甘みをわずかに感じます。
淡いものの酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)を感じる、淡麗やや辛口のお酒でした。
淡くてキレがよいので、スイスイと行けます。
でも、酒臭さ(←くどいようですが、ほめ言葉です)もあって、飲みごたえもありますね。
ただ、淡いが故に、魚や濃い味の料理には合いにくいように感じました。
そば前にはいいかも。
【お酒】637.638.立山 特別本醸造&普通酒 カップ飲み比べ [16.富山県の酒]
(2015/08/09追記:題名および【まとめ】に、特別本醸造を“特別純米酒”とする誤記がありましたので、訂正しました。)
立山酒造株式会社
砺波市中野220
今日は、立山(かつては銀嶺立山だったような?)のカップ酒のうち、特別本醸造と普通酒とを飲み比べてみたいと思います。
稲穂が茶色のもの(左)が特別本醸造で、緑色のもの(右)が普通酒です。
このカップ酒ですが、単にラベルが貼ってあるだけではなく、カップの上部までフィルムで覆ってあります。
これは遮光性を確保するための方策なのでしょうか?
お酒をいただく前に、立山酒造さんの酒造りへの考え方を確認しておきたいと思います。
ある文献では、杜氏さんの言葉として以下のとおり紹介していました。
「「私は、ひとりでに喉へスッと通る酒が一番と思っております。立山は辛口と言われますが、うちより辛いお酒はいくらでもあります。辛い酒を飲みたければ、極端なことを言えば焼酎でいいのです。私は醸造試験場におりました頃から“辛い酒”ではなく“甘くない酒”を提唱してまいりました。それが日本酒の日本酒たる由縁と思います。」」(※1)
立山酒造さんが目指すお酒の味は、“うまみは残しつつも甘みが少なく、しかも飲みやすい”ということでしょうか?
そういった考え方は、はたして今日いただくこのお酒にも反映されているのでしょうか?
立山 特別本醸造カップ
アルコール分15度以上16度未満
原材料 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール(メルシャン他)
精米歩合 麹米57% 掛米59%
200ml
このカップ酒の品質表示には、醸造アルコールの製造者まで記載されています。
しかも、フタに記載されたロットナンバーを立山酒造さんのWebsiteで参照すると、もっと詳しい品質を確認することができます。
情報公開を徹底なさっているようですね。
そんな立山の特別本醸造を、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ごくわずかに着いているかどうかといった感じでした。
うまみはどちらかというと淡めですが、しっかりしていています。
お米のうまみが一筋通っていて、それが口の中に広がります。
それに、少しコクもあるようです。
でも、苦みや雑味は感じませんでした。
酸味はややひかえめです。
すっぱさをちょっと感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありませんね。
“甘くない酒”を提唱なさっていらっしゃるだけあって、甘みはひかえめでした。
その存在は、ごくわずかにわかる程度です。
淡めではあるものの、お米のうまみが豊かな、やや淡麗で旨辛口のおいしいお酒でした。
淡めで辛口でも、決して物足りなさはないですね。
それに甘くないので、食事とも合わせやすいと思います。
立山 普通酒カップ
アルコール分15度以上16度未満
原材料 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール(メルシャン他)
精米歩合 麹米59% 掛米63%
200ml
普通酒なのに麹米59%、掛米63%の精米歩合とは、かなりの高規格ではないでしょうか。
それにこの普通酒も、フタに記載されたロットナンバーをWebsiteで参照して、詳しい品質を確認することができるようになっています。
特別本醸造のほうは全て一等米でしたが、普通酒のほうは二等米を使用しているようですね。
というわけで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、これもぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色のようです。
こっちのほうがうまみがより淡めです。
お米のうまみは感じるものの、淡めでスッキリしています。
わずかに苦みを感じましたが、他に雑味はないみたいです。
酸味もひかえめです。
すっぱさをわずかに感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありませんでした。
甘みは、特別本醸造よりもさらにひかえめのようでした。
特別本醸造よりもスッキリさっぱりしている、淡麗辛口のおいしいお酒でした。
けっこうスイスイと行けてしまうお酒でした。
これは完全に食中酒でしょう。
【まとめ】
両方とも淡めで辛口のお酒でしたが、特別本醸造のほうがお米のうまみがはっきりしていてコクを感じました。
普通酒はすっきりしていて、料理の味をより引き立ててくれるお酒だと思います。
いずれにせよ、両方とも丁寧に造ってあることがわかるおいしいお酒でした。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.21(1996.7 能登印刷出版部)
立山酒造株式会社
砺波市中野220
今日は、立山(かつては銀嶺立山だったような?)のカップ酒のうち、特別本醸造と普通酒とを飲み比べてみたいと思います。
稲穂が茶色のもの(左)が特別本醸造で、緑色のもの(右)が普通酒です。
このカップ酒ですが、単にラベルが貼ってあるだけではなく、カップの上部までフィルムで覆ってあります。
これは遮光性を確保するための方策なのでしょうか?
お酒をいただく前に、立山酒造さんの酒造りへの考え方を確認しておきたいと思います。
ある文献では、杜氏さんの言葉として以下のとおり紹介していました。
「「私は、ひとりでに喉へスッと通る酒が一番と思っております。立山は辛口と言われますが、うちより辛いお酒はいくらでもあります。辛い酒を飲みたければ、極端なことを言えば焼酎でいいのです。私は醸造試験場におりました頃から“辛い酒”ではなく“甘くない酒”を提唱してまいりました。それが日本酒の日本酒たる由縁と思います。」」(※1)
立山酒造さんが目指すお酒の味は、“うまみは残しつつも甘みが少なく、しかも飲みやすい”ということでしょうか?
そういった考え方は、はたして今日いただくこのお酒にも反映されているのでしょうか?
立山 特別本醸造カップ
アルコール分15度以上16度未満
原材料 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール(メルシャン他)
精米歩合 麹米57% 掛米59%
200ml
このカップ酒の品質表示には、醸造アルコールの製造者まで記載されています。
しかも、フタに記載されたロットナンバーを立山酒造さんのWebsiteで参照すると、もっと詳しい品質を確認することができます。
情報公開を徹底なさっているようですね。
そんな立山の特別本醸造を、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ごくわずかに着いているかどうかといった感じでした。
うまみはどちらかというと淡めですが、しっかりしていています。
お米のうまみが一筋通っていて、それが口の中に広がります。
それに、少しコクもあるようです。
でも、苦みや雑味は感じませんでした。
酸味はややひかえめです。
すっぱさをちょっと感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありませんね。
“甘くない酒”を提唱なさっていらっしゃるだけあって、甘みはひかえめでした。
その存在は、ごくわずかにわかる程度です。
淡めではあるものの、お米のうまみが豊かな、やや淡麗で旨辛口のおいしいお酒でした。
淡めで辛口でも、決して物足りなさはないですね。
それに甘くないので、食事とも合わせやすいと思います。
立山 普通酒カップ
アルコール分15度以上16度未満
原材料 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール(メルシャン他)
精米歩合 麹米59% 掛米63%
200ml
普通酒なのに麹米59%、掛米63%の精米歩合とは、かなりの高規格ではないでしょうか。
それにこの普通酒も、フタに記載されたロットナンバーをWebsiteで参照して、詳しい品質を確認することができるようになっています。
特別本醸造のほうは全て一等米でしたが、普通酒のほうは二等米を使用しているようですね。
というわけで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、これもぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色のようです。
こっちのほうがうまみがより淡めです。
お米のうまみは感じるものの、淡めでスッキリしています。
わずかに苦みを感じましたが、他に雑味はないみたいです。
酸味もひかえめです。
すっぱさをわずかに感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありませんでした。
甘みは、特別本醸造よりもさらにひかえめのようでした。
特別本醸造よりもスッキリさっぱりしている、淡麗辛口のおいしいお酒でした。
けっこうスイスイと行けてしまうお酒でした。
これは完全に食中酒でしょう。
【まとめ】
両方とも淡めで辛口のお酒でしたが、特別本醸造のほうがお米のうまみがはっきりしていてコクを感じました。
普通酒はすっきりしていて、料理の味をより引き立ててくれるお酒だと思います。
いずれにせよ、両方とも丁寧に造ってあることがわかるおいしいお酒でした。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.21(1996.7 能登印刷出版部)
【お酒】625.幻の瀧 タプロース樽熟成 限定純米吟醸原酒 300ml [16.富山県の酒]
皇国晴酒造株式会社
富山県黒部市生地296
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合60%
アルコール分 18度
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
折原商店で一杯やっていた際に見つけたお酒です。
皇国晴酒造さんのお酒は、かつて疑惑の豪華生一本カップ(生一本なのに普通酒)をいただいております。
今日いただくこのお酒は、ウィスキーの樽で熟成された純米吟醸酒とのこと。
それにしてもこのお酒、ラベルが能書きだらけですよ。
いただく前から能書きだらけでは、お酒の味を素直に味わえなくなってしまいそうですわ。
(オマエのブログのほうがもっと能書きだらけじゃないか!)
ウィスキーの知識もないことですし、能書きにひととおり目を通したところで、さっそくいただいてみたいと思います。
純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ちょっと着いているくらいです。
もっと濃いのかと思ったのですが、意外でした。
たしかにウィスキーのような香りはします。
ですが、それほどはっきりはしておらず、かすかに感じるくらいです。
うまみはけっこう淡めです。
お米のうまみを感じます。
それとともに、香ばしさを感じます。
苦みや雑味はないですね。
酸味はややひかえめです。
すっぱさを少し感じる程度です。
甘みはひかえめですが、少し感じます。
淡めのうまみに、ウィスキーの風味がほんのりと薫る、淡麗やや辛口のお酒でした。
もっとウィスキーっぽいのかと思ったのですが、それほどでもありませんでした。
一年の熟成では、この程度が限界なのでしょうか?
それにウィスキーの香りを着けるならば、もっと味がしっかりしたお酒のほうが合うのではないかと思いました。
【お酒】465.銀盤 特撰 生吟醸 300ml【追記あり】 [16.富山県の酒]
銀盤酒造株式会社
富山県黒部市荻生4853の3
アルコール分14度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合50%
容量 300ml詰
(以上、ラベルより転記)
銀盤酒造さんのお酒は、かつて銀盤のスマートボトル本醸造をいただいております。
今日いただくこのお酒は、生酒の吟醸酒です。
生酒であること自体は、それを表示するかどうかは蔵元さんの任意です。
なぜならば、生酒である旨の表示は「製成後、一切加熱処理をしない清酒である場合に表示できるものとする。」と定められているからです(※1)。
それ故、生酒であっても、ラベルに“生”と表示する必要は、必ずしもありません。
しかし、「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒には、保存若しくは飲用上の注意事項を表示する。」と定められています(※2)。
それ故、生酒
このことを踏まえて、このお酒のラベルには“要冷蔵”である旨の表示がなされております。
*******************************************
【2015/09/30追記】
生詰について「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」に該当すると書きましたが、これは誤りでした。(これに該当するのは生酒のみでした。)
生詰の場合は、「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」に該当せず、よって「要冷蔵」などの「保存若しくは飲用上の注意事項」を表示する必要はないと考えます。
清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)5(6)の生貯蔵酒の定義には、「生貯蔵酒の用語は、製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、製造場から移出する際に加熱処理した清酒である場合に表示できるものとする。」とあります。
これから判断するに、製成後とは完成後(私は勝手にそう思っていました。)ではなくて、上槽後(お酒をしぼった後)という意味であろうと考えられます。
ということは、生詰は製成後に一回火入れをしていますので、この「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」には該当しないことになります。
私の認識が誤っていたことをお詫びして、ここで訂正させていただきます。
申し訳ございませんでした。
*******************************************
申し訳ございません。
そんな細かいことばかり考えていては、お酒の味がまずくなってしまいます。
おいしいお酒が詰められていることを期待しつつ、生酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
吟醸香はしませんね。
いや、ほんの少しするかも。
(どっちなんだよ!)
それよりも、生酒のフレッシュな風味がはっきりしています。
うまみは淡めです。
それも、かなり淡い感じです。
やわらかいうまみに、吟醸酒らしい苦みをほんのわずかに感じます。
酸味はほどんど、いや、まったく感じません。
さわやかさをほんのわずかに感じる程度です。
すっぱさもなければ、ピリピリ感もありません。
甘みはひかえめです。
全体として淡い味わいに、フレッシュな風味が際立つ、淡麗やや辛口のおいしいお酒でした。
うまみも酸味も淡いので、その分、生酒のフレッシュさが際立っています。
もしかしてこれこそが、このお酒の吟味して醸造した成果なのでしょうか。
(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)5(5)
(※2)同3(3)
(※3)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準 2(3)ハ
【お酒】434.銀盤 スマートボトル 本醸造 220ml [16.富山県の酒]
銀盤酒造株式会社
富山県黒部市荻生4853-3
アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合60%
容量 220ml詰
(以上、ラベルより転記)
このお酒ですが、面白いかたちをした瓶に詰められていますね。
青いキャップをとると、中には金属製のスクリューキャップが付けられていました。
この青いキャップは、きっとお猪口代わりにして飲めということでしょうね。
確証はないのですが、おそらく月桂冠キャップエースと同じ発想のもとで、持ち運んだ先で手軽に飲めるように設計されているのでしょう。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
うまみは淡めですが、ピンと筋が通っています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じます。
それでいて、苦みや雑味を感じません。
酸味はややはっきりしています。
弱めのすっぱさを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはかなりひかえめですが、その存在はわかります。
全体としては淡いものの、その味はしっかりしている、淡麗旨口のおいしいお酒でした。
スイスイといけるのに、味に物足りなさを感じませんでした。
これはきっと、ひや(常温)でもおいしいはずです。
列車に乗りながら、駅弁のおかずを肴に一杯やるには最適かもしれません。
細長いボトルがちょっと不安定で、揺れる列車内では取扱に注意を要するかもしれませんが。