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【お酒】1602.金冠大江山 純米酒 つづらの波 カップ [17.石川県の酒]

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松波酒造株式会社
石川県鳳珠郡能登町松波30字114

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合 50%
アルコール分 14度以上15度未満
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




松波酒造さんのお酒は、これまでに普通酒の能登恋路海岸カップをいただいております。

今日いただくこの金冠大江山は、純米酒なのだとか。
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“金冠”(一級酒の小印かな?)はともかく、“大江山”の由来ですが、「丹波の大江山に住んでいたという伝説の鬼“酒呑童子”の如く、「豪快に酒を飲んで欲しい」との願いから命名された。」(※1)という、予想通りの結末でございましたとさ。


品質表示はこちらのとおり。
海洋深層水を使用しているんだってさ。
しょっぱくないのかな?
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品質表示を見てはじめて気がついたのですが、おいしい呑み方は“冷や・常温”だってね。
純米酒ということであたしゃてっきり燗でいただくつもりでしたが、今日は常温でいただいてみたいと思います(冷やしていなかったもので)。

お酒の色は少し金色ですが、透き通った感じはありませんでした。
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フタを開けると、フルーティーな上立ち香をかすかに感じます。
しかし口に含むと、それほどでもないね。

うまみはやや淡めでしょう。
米のうまみがふんわりとひろがりますが、厚みは感じません。
熟成感がごくかすかにあるみたいで、角がなくて穏やかです。
軽い苦みもかすかにありますが、これも角を感じません。
純米酒ですが、キレはよいみたいです。

酸味ははっきりですよ。
すっぱさがやや強めで、鋭さをバッチリ感じます。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめ。
かなり弱めですが、その存在はわかります。


やや淡麗で爽快すっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
味の要素の中でも酸味が突出していて、一口目で「すっぱいな!」と感じました。
それでもその酸味が弱めの香り、そしてやや辛口であることなどが相俟って、爽やかさを作り出しているようでした。

むしろこのくらいすっぱいほうが、冷やして飲んでも魚と合うのかな。

(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.66(2002.3 橋本確文堂)

【お酒】1601.竹葉(ちくは) カップ [17.石川県の酒]

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数馬酒造株式会社
石川県鳳珠郡能登町宇出津へ36

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
容量180ml
(以上、ラベルより転記)




数馬酒造さんのお酒は、これまでに竹葉(ちくは) 能登上撰 カップをいただいております。
今日いただくこのお酒も普通酒ですが、こちらには(一般的な普通酒と同じく)精米歩合の表示がありませんでした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
上撰カップよりも薄めですね。
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うまみはやや淡めかな。
やわらかさとともに苦みがあって、弱めながらに重さを少し感じます。
熟成感と酒臭さ(ほめ言葉です)もごくかすかではあるもののわかります。
キレはよいですが、透明感はありません。

酸味はややひかえめです。
すっぱさが少しだけあって、鋭さを感じません。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。

甘みは、ややはっきりかな。
しつこさやクドさはなく、弱めですが、不思議とべとつきます。


やや淡麗でちょい苦旨口のおいしいお酒でした。
苦みが弱めながらに少し重く、かつ甘みが前には出てこないものの少しべとつきました。
それでもクセなくいただくことができました。
それでいて、うまみに淡めながらも厚みを感じて、飲み応えがありました。
食事と合わせるための普通酒としては、なかなかいけるのではないでしょうか。

【お酒】1600.宗玄 剣山 カップ [17.石川県の酒]

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宗玄酒造株式会社
石川県珠洲市宝立町宗玄24-22

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15.0度
内容量 180ml
(以上、フタとカップの印刷事項とより転記)




昨日いただいた宗玄上撰カップに引き続き、今日も宗玄酒造さんのお酒をいただきます。

今日いただくこのカップ酒には“剣山(けんざん)”という小印が付されておりました。
それでも品質表示は同一で、共に普通酒のようですね。
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お値段は、上撰カップが260円だったのに対して、この剣山カップは210円と50円もお安く設定されておりましたよ。
ということは、こちらの剣山はかつての級別制度下における二級酒相当のお酒ということでしょうか?
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ですがね、この剣山という小印は、宗玄酒造さんにとってはどうやらとても大事な名称みたいですよ。

宗玄酒造さんは江戸時代中期の明和五年(1768年)に初代宗玄忠五郎さんが創業なさったそうですが、その後四代目の忠五郎さんは酒質の改良を図るべく天保一五年(1844年)に珠洲を離れ、当時の酒造先進地域であった知多半島(愛知県)や伊丹(兵庫県)へ赴いて美酒醸造の妙を習得なさったそうです。

四代目忠五郎さんは弘化四年(1847年)に帰郷したそうですが、その後修得した技法を活用して純良の清酒を醸し、これに“剣山”と名付けて販売なさったとのこと。
このことは、かつて宗玄本醸造上撰お燗瓶をいただいた際に文献を引用して紹介しておりますので、適宜ご参照ください。

その剣山の味は評判を呼び、「海の向こうから黒船が来航した1853(嘉永6)年、加賀藩十三代藩主前田斉泰公が、海防巡検のため奥能登を訪れた際、宗玄家を本陣として一泊した。宗玄家主人から「剣山」を献上され、賞味して大いに称賛し、藩庫への納入を命ぜられたと伝わる。加えて、斉泰公は見山(歴代ご当主が称した号か?:ブログ筆者注記)当主の酒造の努力を称え、しばしば賞を贈ることもあって、吟醸「剣山」の名声は藩内に着実に広まった。」(※1)のだとか。

“剣山”はそんな宗玄酒造さんの歴史そのものを表していると言っても過言ではないほどの銘であるわけですが、今日ではそれを二級酒相当のお酒の小印として用いていらっしゃるわけですよ。
ということは、この剣山の小印には、たとえ安いお酒であっても、決して手を抜くことなく精いっぱいの努力のたまものとして自信を持って世に送り出しているという意味が込められているのでしょうか?


語り尽くして気が済んだところで、いただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、上撰と変わらないみたいでした。
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ああ、そうか!

うまみは淡めです。上撰よりも淡いかも。
ですが、やわらかさとともに、酒臭さ(ほめ言葉です)もかすかに感じます。
苦みもありますがごくかすかで、しかも鋭さを感じません。
キレはよく、透明感はあるもののかすかです。

酸味はややひかえめでしょうか。
すっぱさがあって、これもやはりかすかですが、効いていることがわかります。
スースーはややはっきりかな。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりかな。
これも弱めでしつこさがないものの、弱めなりに幅を感じます。
ただ、ちょっとだけべとつくかな。


淡麗旨口のおいしいお酒でした。
上撰よりも淡めで透明感をかすかに感じたということは、こちらの方がアル添量が多めなのでしょうか。
しかしこちらのほうが味の要素(苦・酸・甘・スー)が複雑で、どれも弱めではあるものの顕かでうまく働いていたためか、上撰よりも飲み応えを感じました。
というか、これらの要素がこれ以上強いと、クドさや飲みにくさが出てしまうのではないでしょうか。

飲みやすさは上撰のほうが勝っていると思いますが、私としてはこちらの剣山のほうが好みでした。
二級クラスの定番酒ながらも、四代目ご当主の名をけっして汚すことのないおいしいお酒だと思いましたとさ。


(※1)北國新聞社出版局編集『宗玄の挑戦 能登杜氏を生んだ250年酒蔵』p.163-164(2019.2 北國新聞社)

【お酒】1599.宗玄 上撰 カップ [17.石川県の酒]

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宗玄酒造株式会社
石川県珠洲市宝立町宗玄24-22

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15.0度
内容量 180ml
(以上、フタとカップの印刷事項とより転記)




宗玄酒造さんのお酒は、これまでに宗玄 本醸造 上撰 お燗瓶 180mlをいただいております。
今日いただくこのお酒にも上撰の小印が付けられておりましたが、こちらには特定名称や精米歩合の表示がなかったことから、お燗瓶とは異なってこちらは普通酒なのでしょう。
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この絵は、珠洲市で見られる見附島(軍艦島)でしょうね。
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能登鵜飼に入る手前でで見付島がのぞめる。松をかぶった島の形は正面から見ると軍艦にそっくりのところから、一名「軍艦島」とも呼ばれ、奥能登路の景勝のひとつにあげられている。」(※1)とあるとおり、この奥能登内浦のシンボルはかつてののと鉄道能登線(旧国鉄能登線:2005年4月廃止)の車窓から眺めることができたそうです。
ああ、能登線に乗って珠洲や蛸島まで行ってみたかったなぁ。


話のネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はかすかに着いている程度でしたが、透き通った感じはしませんでした。
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うまみは淡めですが、淡めなりにしっかりしています。
米のうまみがうっすらかつじんわりと広がるようです。
苦みがわずかにあって、わずかながらにちょっとだけ重さを感じます。
キレはよいですが、透明感はないですね。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんど感じません。
スースーを少しだけ感じます。
ですがかすかにピリピリ感がありますね。

甘みはひかえめです。
弱めですが、幅を少しだけ感じます。


淡麗旨辛口のおいしいお酒でした。
これはあくまでも私の感想ですが、うまみがじんわりと広がっていたことと、わずかな苦みを感じたこととが、上撰お燗瓶(本醸造)とのちがいではないでしょうか。
それでも十分においしいお酒でした。
これは地魚と合わせてこそ映える味わいだろうと思いましたとさ。

(※1)檀上完爾/南正時『エアリアガイド67 全国ローカル線の旅』p.60(1985.9第3版 昭文社)

《焼酎》136.能登ちょんがりぶし 20度 180ml [9917.石川県の焼酎]

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日本醗酵化成株式会社
石川県珠洲市野々江町ア部58番地

本格焼酎
アルコール分20度
原材料名 麦・麦こうじ
国産大麦100%使用
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




今日は、能登半島は珠洲市の蔵元さんが造った麦焼酎をいただきます。
なんでもこの蔵元さんは、戦後まもなくから珠洲で麦焼酎を専門に製造なさっているのだとか。
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麦100%ということは、大分麦焼酎と同じ製法ですね。
大分県で麦100%の焼酎が開発されて普及したのはたしか昭和40年代だったはずですが、この蔵元さんではいつから麦麹を用いて製造されているのでしょうかね。
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何やら民謡の歌詞らしきものが記載されておりました。
もしかして、これがいわゆるひとつの“ちょんがりぶし”ってやつなのでしょうか?
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話のネタが尽きたところで、いただいてみたいと思います。

まずは、生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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上立ち香ありますね。
麦のふんわりした香ばしさを鼻から感じますよ。
そして一口含むと、そのふんわりが口の中に広がって鼻へ抜けていきますよ。
甘みもあって、けっこうはっきりしています。
ただ少しピリッときて、しかも口当たりはさっぱりしています。
焦げ臭さは感じません。


これはロックでしょうよ!
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麦の風味がとてもよくわかりますよ!
甘みも残ります。
ロックでありがちな苦みは少し出て、重さも少し感じます。


最後は、ソーダ割りで。
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シュワシュワ感とともに麦の風味が際立ちますね。
甘みは薄まるものの、残っておりますよ。
ロックのような苦みは出ませんね。


麦のふんわりとした香ばしさがとても豊かなおいしい麦焼酎でした。
口当たりはさっぱりとしておりましたが、ロックでキリッと、ソーダ割りで爽やかに、そして生(き)だとちょいぴりながらにもまろやかにいただくことができましたよ。

焦げ臭さがなかったことから、おそらく減圧蒸留でしょう。
それに口当たりもさっぱりしておりました。
でも、麦の風味がとてもしっかりしていたことから、飲み応えを感じました。

私はそれほど経験が豊富ではないのですが、これまでにいただいた大分や宮崎の麦焼酎(減圧蒸留のもの)のどれよりも麦の風味がはっきりしていたのではないでしょうか。
日本醗酵化成さんの麦焼酎はかつて七尾にあった居酒屋“灘”さんで“のムし”なる常圧蒸留のとてもおいしいやつをいただいておりますが、おそらく減圧蒸留でかつ普及版であろうこのちょんがりぶしも、十分においしい麦焼酎でございましたとさ。



今日はどうしても肉!
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こしょうは多めに、そして塩はちょっとだけ振り、小麦粉を軽くつけておきます。
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あわせる野菜はこちら。
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玉ねぎとしいたけとは櫛切り。
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しょうがはすりおろして、調味料(しょうゆ、みりん、酒、砂糖)と合わせておきます。
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肉と玉ねぎ、しいたけを焼いて、
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火が通ったら調味料を絡めて煮詰め、
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しょうが焼のできあがり。
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肉をたれに漬け込まずに作りましたが、こっちのほうが焦げにくいのです。
それでいて小麦粉を付けたことで、たれがよく絡むのです。
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ちょんがりぶしと合いましたとさ。

【お酒】1598.四季桜 特別本醸造 はつはな 300ml [09.栃木県の酒]

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宇都宮酒造株式会社
宇都宮市柳田町248

300ml詰
アルコール分15度
原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合60%
(以上、ラベルより転記)




こちらひさびさの宇都宮酒造さんのお酒。
かつて以下のものをいただいております。
四季桜 特別本醸造 黄ぶな アロマぼとる 180ml
四季桜 純米生貯蔵酒 300ml
四季桜 特別本醸造 生の酒 冬のかおり 300ml

今日いただくこの特別本醸造は、花盛りの4月に入手して今日まで冷蔵庫の中に置き忘れていたものでした。
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花の季節はとうに過ぎ去ってしまいましたが、宇都宮で咲いていた桜を思い出しながらいただきたいと思います。(宇都宮タワーより:2019年4月)
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特別本醸造には香りを特徴とするものもございましたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
宇都宮のお酒ですからね、二荒山神社にて拝受した盃でいただきますよ。
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お酒の色は、透明でした。
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上立ち香はないですね。
でも、一口含むとフルーティーな風味がふんわりと鼻へ抜けて行きますよ。
生貯っぽいフレッシュな風味もちょっとだけあるみたいです。
さらに、上等な接着剤みたいな香りもかすかに感じます。
上等な接着剤ってどんなのだよ!

うまみはやや淡めですが、淡めなりにしっかりしています。
米のうまみが、どちらかというと舌をピンと突く感じですが、それでも幅を少し感じます。
苦みがかすかにあって、かすかながらに重さも感じます。
それでも雑味はなく、熟成感も感じません。
キレはよいですね。

酸味はややはっきりでしょうか。
すっぱさは弱めですが、弱めなりに鋭さを感じます。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめでしょうね。
それでも弱めながらに幅があって、その存在はよくわかります。


やや淡麗で爽快旨やや辛口のおといしいお酒でした。
香り(フルーティーさとフレッシュさ)と酸味とで、とても爽やかに仕上がっているようでした。
それでも香りにはしつこさはなく、ちょうどよい感じでした。
うまみは淡めながらにしっかりしていて、飲み応えを感じました。
またかすかな苦みが引き締めておりましたが、キレイな口当たりでした。

これはもしかしたら、いわゆるひとつの“しぼりたて”ってやつでしょうか?
爽やかですので、花見酒には最適ではないでしょうか。

来年は、宇都宮で花見をしてみようかな。
もちろん、一人で。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

一人暮らしの場合、野菜を買っても、一度に使う量が少ないのです。
それ故に、気がつくと、冷蔵庫の中にいろいろな野菜がちょっとずつ残っちゃったりなんかしちゃったりして。
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今日はこれを全部使い切りますよ。
全てを細かく刻んで耐熱容器に入れ、電子レンジで2分加熱。
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卵5個。
殻座は取り除いてあります。
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卵を溶いたところへ、刻んだ野菜を投入。
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塩コショウにみりんで味を付けたものを、フライパンで焼きますよ。
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このままかき混ぜることなく、フタをして弱火でじっくりと焼いていきます。
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20分経ったものがこちら。
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しまったしまった、島倉千代子!(島木譲二より)
20分間が長すぎたせいか、焦げてしまいました。
でも黒焦げじゃないから大丈夫だろ。
負け惜しみだな。
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反対側を3分間焼いて出来上がり。
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カットしてみました。
下面の焦げ以外はいい感じ。
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トマトケチャップをかけていただきます。
(残りの半分は、明日の昼のおかずとなりますよ。)
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混ぜずにゆっくりと焼いたことで、ふっくらと仕上がりましたよ。
焦げもパンの耳みたいに香ばしくて、おいしく食べることができましたよ。
負け惜しみだな。
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【お酒】1597.三年古酒 鬼ころし 七尾城 カップ [17.石川県の酒]

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合資会社布施酒造店
石川県七尾市三島町52-2

アルコール分14.0度以上14.9度以下
容量:180ml詰
原材料名:米・米麹・醸造用アルコール
(以上、ラベルより転記)
(精米歩合および米の産地表示はなし)




七尾の街中にて歴史を感じる蔵を構える布施酒造店さん。
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なんでもこの蔵元さんは、「長期貯蔵酒専門」(※1)の蔵元さんなのだとか。
このことのついて、文献では以下のように紹介されておりました。
明治9(1876)年に港町七尾で酒造を始めた、古色蒼然とした蔵で醸す、3年、5年、7年、10年の古酒が布施酒造店の「売り」です。(中略)当代蔵元の布施明さん(80)が古酒を前面に打ち出しました。醸造酒は全て熟成を経て、本来の風味を増大させると考えての決断でした。」(※2)
4000㍑のタンクに酒を仕込み、3年後にその半分くらいを熟成させて3年酒として売っています。さらに残り半分(最初の量でいうと4分の1)を5年酒として、そして残りを10年酒として販売しています。」(※3)

一方で今日いただくこのカップ酒は、本醸造の3年古酒でした。
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それではいただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、金色というよりも山吹色でしたよ。
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鼻を近づけると、枯れた感じの香りがかすかに上立っていることがわかりますよ。

うまみは濃いめです。
熟成感がどっしりとしておりますよ。
枯れていて深みを感じますが、それでいて角やクセのない深みです。
苦みはごくかすかに感じますが、ほとんど気にはなりません。
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりかな。
すっぱさは弱めですが、一点を刺すような鋭さを少し感じます。
スースーは弱めで、ピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ゼロではないものの、かなり弱めです。
べとついた感じもありません。


濃醇枯深辛口の美味しいお酒でした。
これは熟成感そのものを味わうお酒でしょう。
それでいて角やクセがなく、雑味もほとんどなくてきれいな味わいでした。
酸味が少しはたらいているようでしたが、これもいい感じに味わいをまとめてくれているようでした。
弱めの甘みも然りでしょう。

これはきっと、ただ単に3年間放ったらかしているだけではなくて、徹底した品質管理の下で熟成させているのではないでしょうか。
それにこの3年熟成のカップ酒でおいしいということは、5年や10年モノはきっと極上の味わいなのでしょうね。


今日は、さば缶に玉ねぎドレッシング(レモン果汁仕立て)を乗せていただきましたよ。
あたしゃさば缶には、酢や和の柑橘よりもレモンの酸味こそが一番合うと思いますものでね。
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レモンの爽やかさと玉ねぎの風味とが、さば缶とよく合うことよく合うこと!
ただね、この時期の玉ねぎは新玉ばかりで、いささか水っぽくて味がさば缶に負けておりましたとさ。
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(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.69(2002.3 橋本確文堂)
(※2)石川県酒造組合連合会監修 北國新聞社出版局編集『石川の地酒はうまい。』p.60(2016.6 北國新聞社)
(※3)(※2)p.61-62

【お酒】1596.大盃 特別純米酒 180ml [10.群馬県の酒]

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牧野酒造株式会社
群馬県高崎市倉渕町権田2625-1

精米歩合 60%
原材料名 米・米こうじ
原料米は日本国産100%
アルコール分 15度
180ml
(以上、ラベルより転記)




牧野酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
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榛名山 本醸造 カップ
大盃 にごり酒 原酒 300ml
榛名山 ぐんまちゃんカップ 本醸造

今日いただくこの大盃(おおさかずき)は、精米歩合60%の特別純米酒でした。
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これまでの経験からして特別純米酒には香りを特徴とするものもありましたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに茶色がかっておりました。
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上立ち香は、鼻を近づけて嗅いでみるとかすかにわかる程度でした。
含み香もほとんどわからないくらいでしたよ。

うまみはやや濃いめでしょう。
米のうまみが厚めでしっかりしておりますよ。
吟醸酒みたいな苦みがかすかにあって弱めですが、弱めなりに鋭さも感じます。
熟成感はなく、雑味も感じません。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややひかえめかな。
すっぱさが弱めですが、これも弱めなりに鋭さがありますね。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめでしょう。
けっしてべとつかず、かなりさらっとしているものの、弱めなりに幅を感じる甘みです。


しっかりしているのに飲みやすい、やや濃醇で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
厚めの米のうまみを、苦みと酸味、そして甘みとのそれぞれが弱めながらに効いてうまくまとめているようでした。
それでいて飲みにくさがなく、飲み応えを感じながら飲みやすいお酒でした。


冷酒で半分飲んだところで、残りをぬる燗にしてみましたよ。
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味の基本は同じですが、酸味が少し際立ちますね。
それでいて突出することなく、いい感じに味わいを引き締めるとともに、酸味自体に深みを少し感じるようになりましたよ。
これは魚料理や濃い味の料理と合うのではないでしょうか。


冷酒だと穏やかでお酒の味を楽しめて、燗にすれば酸味が出て食事と合う、いずれでもおいしいお酒でしたとさ。
いやー、面白いね!

【お酒】1595.千枚田 純米酒 カップ [17.石川県の酒]

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株式会社清水酒造店
石川県輪島市河井町一部18

原材料名/米(国産)米こうじ(国産米)
精米歩合60%
アルコール分15度以上16度未満
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




一昨日、昨日と、輪島の中心地に蔵を置く清水酒造店さんのお酒をいただきました。
のとほまれ 銀撰 本醸造 ノトカップ
のとほまれ 上撰 本醸造 ノトカップ

今日いただくこのお酒は、白米千枚田(しろよねせんまいだ)をその名にいただく純米酒でした。
昨日までの本醸造よりも精米歩合がやや低めですね。
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あー知らなんだ知らなんだ!
輪島の中心地では何丁目や何番地ではなくて、“部”って数えるのですね。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は茶色がかっておりましたが、それでも透き通った感じがありました。
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うまみは濃いめでしょう。
これは熟成感そのものですね。
枯れていて、少し重めで、ウィスキーのような風味がごくかすかにあるみたいです。
苦みが少しあって、鋭さを少し感じます。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はひかえめです。
すっぱさはゼロではないもののかなり弱めです。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめでしょうか。
ゼロではなくて弱めですが、不思議とべとつきます。


やや濃醇でちょい苦枯やや辛口のお酒でした。
これは熟成感で攻めてくる味でした。
枯れていて少し重めでしたが、しつこさは出ておりませんでした。
ただ、それ故か、純米酒ではあるもののうまみにスカスカ感を覚えてしまいました。
それでも(不思議とべとつく)甘みが弱めながらにもコクを添えているようでした。

【お酒】1594.のとほまれ 上撰 本醸造 ノトカップ [17.石川県の酒]

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株式会社清水酒造店
石川県輪島市河井町1-18-1

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合65%
アルコール分15度
180ml
(以上、ラベルより転記)




昨日いただいたのとほまれ 銀撰 本醸造 ノトカップに引き続き、今日も輪島に蔵を置く清水酒造店さんのお酒をいただきます。

今日いただくこのお酒には“上撰”の小印が付けられておりました。
ですが品質表示も特定名称(本醸造)も、銀撰と同じでした。
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ちなみに、ラベルがこんなひどいことになってしまったのは、このお酒と一緒にビニール袋に入れて運んでいたためでした。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は金色でしたが、銀撰よりも茶色がかっていて深みがありました。
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ああ、なるほど!
うまみはやや濃いめですが、なぜか不思議なことに濃くは感じません。
どっちなんだよ!
熟成感が最初に来ますね。
かなり枯れた感じがして深みもありますが、角や重さがまったくありませんよ。
その後で、米のうまみが追いかけてくるみたいです。
苦みや雑味はまったく感じません。
それにキレはよく、透明感をちょっと感じます。

酸味はひかえめです。
すっぱさはゼロで、スースーを少し。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりでしょうか。
弱めではあるものの弱めなりに幅があって、しかもちょっとべとつくみたいです。


やや濃醇で深旨口のおいしいお酒でした。
枯れた感じの熟成感がはっきりしているのに角や重さがありませんね。
しかもキレがよくて、濃いめの味わいであるはずなのに濃さを感じることなく、むしろ軽さすら感じますよ。
これはアル添の作用でしょうか?、それとも造りの丁寧さに由来する味でしょうか?

これ、なかなかおいしいね。
きのういただいた銀撰は魚料理に合うお酒でしたけれど、こちらの上撰はむしろ食材ではなくて、みそやしょうゆ、それに酢といった、熟成の過程を経て製造された調味料とうまく調和する味わいではないでしょうか。
すなわち、そういった調味料を用いた料理であれば、魚や肉、それに野菜を問わずどのような食材とも相性よく味が調和し、料理の味を引き立ててくれるように感じました。
あくまでも、私個人の主観に基づく感想ですけれどね。