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出かけてきます [雑感]

今夜はこのあと、東京駅から夜行バスに乗るのです。
それ故、お酒の記事を書くための時間的余裕がございません。


今日(5月31日)、九州南部が入梅しました。
ということは、まもなくするとこっちにも、お呼びでないのに梅雨の季節が来てしまうですよ。
その前に一度出かけておかないと、しばらくのあいだはどこにも行けなくなりそうですのでね。

雨なんか降ったってさ、オイラにとっては何一つとしていいことはないんだよな。

☂傘をさすことで手が塞がって邪魔だし、
☂私の狭い住処ではさした傘を乾かすときに場所をとってこれまた邪魔だし、
☂外を歩けば服もかばんもみな濡れちまうし、
☂インクジェットプリンタで出力した地図は濡れるとにじんで読めなくなるし、
☂電車に乗っても窓が濡れていて外がよく見えないし、
☂洗濯物が乾かないし、
☂布団が干せないし、
☂エアコンで部屋を除湿すると電気代がかさむし、
☂唯一の友だちである野良猫に外で遊んでもらえなくなるし(これ一番切実!)、
☂低気圧が来るとなぜか不思議なことに体調が悪くなるし、
  ・
  ・
  ・

雨の弊害ってのはさ、このように枚挙にいとまがないんだよ。
(あくまでも私個人の特殊事情に依拠する主観的な評価でございます。)


次回の更新(お酒の記事)は、6月3日(月)を予定しております。
また旅の報告は、記事としてまとめることが出来次第公開いたします。

ということで、
シャンソンを、歌うの誰や
チューリップと波平や
の、こころだ~!

【お酒】1587.谷川岳 純米大吟醸 180ml [10.群馬県の酒]

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永井酒造株式会社
群馬県利根郡川場村門前713

日本酒度:プラス3
精米歩合:50%
原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)
アルコール度:15%
内容量:180ml
(以上、ラベルより転記)




永井酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
366.谷川岳 源水仕込 心 180ml
368.谷川岳 超辛純米酒 180ml
1061.谷川岳 特別本醸造 アルミ缶
1551.尾瀬の酒 吟醸 アルミ缶
1577.谷川岳 超辛純米 180ml

今日いただくこのお酒は、満を持しての純米大吟醸でした。
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純米大吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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上立ち香少しだけありますね。
口に含むとフルーティーな香りを感じますが、しつこさはないですね。
それよりも、生酒みたいなフレッシュな風味を少し感じますよ。

うまみは濃くはないですね。
米のうまみが広がらず、少し鋭く舌を突く感じです。
苦みや雑味はありません。
純米ですが、キレはよいですね。

酸味はややはっきりしていますよ。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを感じますよ。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめでしょう。
ゼロではないものの、かなり弱めです。


爽快ちょいすっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
香りがあるもののひかえめで、むしろ生酒のようなフレッシュな風味のほうがはっきりしておりました。
その風味と酸味とが相俟って、爽やかさを作出しているように感じました。
うまみの鋭さも影響しているかも。

【お酒】1586.能登恋路海岸 カップ [17.石川県の酒]

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松波酒造株式会社
石川県鳳珠郡能登町松波30-114

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




今日は、“大江山”を主力製品の手印となさっている松波酒造さんのお酒をいただきます。
その意味を探るのは、後日“大江山”をいただく際までのお楽しみとさせていただきます。
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一方で今日いただくこのお酒は、“能登恋路海岸”という銘でした。
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“能登”はともかく、“恋路海岸”というのは、能登半島先端付近の南側内湾にある海岸の名称でしょう。
そういえば、かつてのと鉄道能登線(旧国鉄能登線:2005(平成17)年廃止)は、恋路海岸の近くに恋路駅を設けておりましたね。


話のネタが尽きたところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は少し着いていることがわかる程度でしたが、透き通った感じはしませんでした。
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うまみは濃いめでしょう。
熟成感が先に来ますが、酒臭さ(←ほめ言葉です)も負けてはおりませんよ。
熟成感には枯れた感じはないものの、重めです。
苦みがあって、やや強めで鋭さを感じます。
キレはよいですね。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほどんど感じません。
スースーはわずかです。
でも、けっこうピリッときますね。

甘みはややはっきりかな。
前には出てこないものの、幅を感じるとともに、少しべとつくみたいです。


濃醇苦ピリやや甘口のお酒でした。
苦みとピリとでけっこうガツンと来る感じの味わいでした。
それでも酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)を感じることから、刺激だけのスカスカな味わいではございませんでした。
たぶんこの味わいは、地元の魚と合わせてこそ映えるのでしょう。


今日は偶然にも、近所にあるスーパーでこれを買ってまいりました。
枝豆ととうもろこしとを、魚のすり身で合わせて揚げたもの。
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電子レンジで加熱したら、魚臭さがやや強めに出てまいりました。
しかし、“能登恋路海岸”と合わせてみたところ、お酒の苦みやピリピリ感が魚臭さをサッと流してくれたのみならず、苦みやピリピリ感自体もなんとなく和らいだようで、料理もお酒もおいしくいただくことができましたよ!

能登の酒は、魚料理と合わせてこそ映えることがよくわかりましたよ。
でもさ、手元にはまだ能登の酒の在庫が少なからずあるのですが、これをいただくたびに毎回毎回魚料理を用意しなければならないのはいささか面倒くさいところですぞ!

休日はともかく、時間のない平日には今日みたいにスーパーで魚を使った惣菜を買って来て済ませるとするかな。

【お酒】1585.能登上撰 輪島朝市 カップ [17.石川県の酒]

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日吉酒造店 製造者 日吉謙一
石川県輪島市河井町二部27-1(朝市通り)

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米麹・(国産米)醸造アルコール
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




昨日いただいた普通酒の能登の酒 波のはな カップに引き続き、今日も日吉酒造店さんのお酒をいただきます。

今日いただくこのお酒も同じく普通酒でしたが、こちらには“能登上撰”なる小印が付されておりましたよ。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、波のはなカップよりも濃いというか、深いみたいですね。
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うまみはやや濃いめです。
やっぱり熟成感が先に来るようで、枯れていて、鋭さがちょっとだけあるかも。
それでいて、米のうまみらしき風味もじんわりと感じますよ。
苦みはあるものの、軽めです。
キレはよく、スッと引きますが、透明感はないみたいです。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんどなく、スースーをわずかに感じる程度です。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりでしょうか。
幅を感じるものの、前に出て来ることはなく、しかもべとついた感じがありません。


やや濃醇で枯旨やや甘口のおいしいお酒でした。
熟成感が効いていて、枯れた風味のお酒でした。
それでも米のうまみらしき風味を感じることができたことから、スカスカな感じはしませんでした。
甘みもあって、幅を感じたもののべとつきがなく穏やかに効いておりました。

波のはなカップよりも、こっちのほうがうまみがしっかりしていて、かつ甘みにべとつきがありませんでした。
どちらがうまいかと聞かれたら、あたしゃ断然、こっちだと答えますよ。
もしかしたら、こちらの能登上撰のほうがアル添量が少ないのでしょうか?
というか、これは邪推でしょうけれど、(品質表示には差はないものの)両者の味わいのちがいはあたかも糖添三増酒とそうでないお酒とのそれに似ていると感じてしまいましたとさ。

【お酒】1584.能登の酒 波のはな カップ [17.石川県の酒]

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日吉酒造店 製造者 日吉謙一
石川県輪島市河井町二部27-1(朝市通り)

アルコール分15度
原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




輪島の街の中心地。
日本海に面する輪島港に程近い場所にある“朝市通り”にて蔵を構える日吉酒造店さん。
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“金瓢白駒”という手印でお酒を世に送り出していらっしゃるようです。
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この由来については、「創業頃のある夜のこと、当主の夢に、金の瓢箪を付けた白い駿馬が踊り出て、酒造りを始めよとのお告げがあり、これに従ったのが始まりと伝わります。」(※1)とか、「明治に移築した地が、御馬出小路にあり、酒造りに最適な湧水に恵まれたことから、縁起の良い“瓢箪から駒”を酒銘に取り入れた。」(※2)などの記載がありましたよ。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は濃くはないものの、少し茶色がかっておりました。
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うまみは濃くはないですね。
最初に熟成感が来て、角はないものの枯れた感じがはっきりしています。
酒臭さ(ほめ言葉です)はわずかです。
苦みがすこしはっきりしていて、軽めではあるものの鋭さを少し感じます。
キレはよく、透明感を感じます。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんどないですね。
スースー感は少しありました。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりかな。
クドさはないものの、少しべとつくみたいです。


枯ちょい苦やや甘口のお酒でした。
枯れた感じの熟成感と苦みとがあることから、飲みやすくはないと思います。
ただ、熟成感に角はなく、苦みもどちらかというと軽めなので、どちらも雑味には感じませんでした。
おそらく輪島の港に水揚げされた海の幸と合わせれば、その味が映えるのではないでしょうか。

かたや野菜好きのワタクシにとっては、このお酒の良さを理解することは難しいのかもしれません。

(※1)石川県酒造組合連合会監修 北國新聞社出版局編集『石川の地酒はうまい。』p.43(2016.6 北國新聞社)
(※2)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.67(2002.3 橋本確文堂)

【お酒】1583.大盃 にごり酒 原酒 300ml [10.群馬県の酒]

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牧野酒造株式会社
群馬県高崎市倉渕町権田2625の1

アルコール分18度以上19度未満
原材料名 米・米こうじ・醸造アルコール
原料米は日本国産100%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




牧野酒造さんのお酒は、かつて榛名山 本醸造 カップをいただいております。
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今日いただくこの大盃(おおさかずき)なるお酒は、原酒のにごり酒でした。
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原酒ということで、アルコール度数は18度台と高めでした。
ですがどうやら普通酒のようですね。
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滓の量は、范文雀、
じゃなくて、半分弱でした。
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にごり酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色はわずかに象牙色がかっておりました。
それに注いでいてとろみを感じましたよ。
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量の割には、滓のざらつきはそれほど気にはなりませんでしたよ。
ただ、アル添普通酒の原酒だけあって、アルコール香がわかります。

うまみはもちろん濃いめです。
米のうまみそのものでしょうよ。
とろみはやっぱりはっきりしております。
苦みが少しあって、強くはないものの鋭さをちょっとだけ感じます。
もちろんキレはよくありませんが、後味は意外にもさっぱりしておりますね。

酸味はややはっきりです。
すっぱさに角がなく、ヨーグルトのような風味を少し感じます。
スースー感は少しあるみたいですが、とろみに隠されているようです。
ピリピリ感はありません。

甘みは、これも意外にもややひかえめですぞ。
弱めの甘みですが、その存在はわかります。
けっしてべとつかない、クドさのない甘みをわずかに感じる程度です。


濃醇ちょい苦ちょいちょいスー旨やや辛口のおいしいにごり酒でした。
意外にもやや辛口で、私としてはうれしいところでした。
しかし甘みはゼロではなく、わずかにあって味わいをまとめているようでした。
ちょい苦とちょいスー(アルコールに由来か?)とを感じましたが、これも原酒ならではの飲み応えでしょう。

どっしりとしているものの後味は重くない、おいしいにごり酒でございましたとさ。



今日のおつまみ。

昨日の残りのなすを再び焼かなすにし、愛知県の赤味噌(豆味噌)で味噌田楽に仕上げました。
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これも昨日の残りの小松菜。
サッとゆでてしょうゆ洗いし、みょうがとともに出し汁に浸しておひたしにいたしました。
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そして出し巻(ねぎ入り)。
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ごちそうさまでした。
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【お酒】1582.小雪 生貯蔵酒 300ml [10.群馬県の酒]

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貴娘酒造株式会社
群馬県吾妻郡中之条町大字大塚1768-2

原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール
アルコール分15度
300ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)




貴娘酒造さんのお酒は、これまでに普通酒の貴娘カップをいただております。
今日いただくこのお酒も普通酒(特定名称の表示がないお酒)でしたが、生貯蔵酒でした。
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すりガラスのシュッとした形の瓶には、たった一言“小雪”と書かれておりましたよ。
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♪な~ぜ死~んだ~
ああ~あこ~ゆき~♪
(舟木一夫『絶唱』(作詞:西條八十/作曲:市川昭介)より)
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舟木一夫の歌と、それを主題歌とした映画とを思い起こして買ってしまったこのお酒。
生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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生貯蔵酒らしいフレッシュな風味はありますが、しつこくないですね。

うまみはやや淡めですが、淡めなりによくわかります。
やわらかいうまみをふんわりと感じますよ。
苦みがあって、弱めですが鋭さを感じます。
キレはそれほどでもないみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少しはっきりしていて、鋭さを感じます。
スースーはなく、ピリピリ感もありません。

甘みはひかえめです。
ゼロではなくて、かなり弱めですが、弱めなりに幅がありますね。


やや淡麗で爽快ちょい苦ちょいすっぱ旨辛口のおいしいお酒でした。
生貯らしいフレッシュな風味がしつこくなくてちょうどいいですね。
苦みと酸味とに鋭さを感じますが、それが味わいをバランスよく引き締めてくれておりました。

だらけていなくてキリッとしているものの、それでいてやわらかさも感じる味わいのお酒。
気風(きっぷ)のよい味わいだと思いましたよ。
これはもしかして、出征した順吉を待つ小雪の気概を表現したものでしょうか?
たぶんちがうだろうな。

おいしくて、あっちゅう間でございましたとさ。
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今日のおつまみ。

焼かなすのごま酢和え。
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小松菜の煮びたし。
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“草(そう)の八杯豆腐”
八杯汁(だし6:しょうゆ1:酒1)にとろみをつけ、豆腐を入れて温めたもの。
紹介されていたレシピでは大根おろしだけを乗せておりましたが、ワタクシの独断でおろししょうがも乗せてみました。
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“草の八杯豆腐”は、天明二年(1782年)に刊行された江戸時代の料理書『豆腐百珍』に“尋常品”(「どこの家庭でも常に料理するもの」(※1))として掲載されている料理で、「「草の八杯豆腐」も惣菜の中で最も重宝された料理で、江戸後期に盛んに刷られた料理番付で常に最高位を張っている。」(※1)のだとか。
“草(そう)”という言葉には、どうやら「粗末。簡単。」(※2)という意味があるみたいですね。
そのためか、(※1)の文献には、“真の八杯豆腐”なる料理も紹介されておりましたよ。

ただね、豆腐を細切りにしたら崩れてしまったのが残念だったところ。
もっとしっかりした豆腐を使うべきでした。
それでも、おいしくいだだけましたとさ。
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渋茶で〆。
ごちそうさまでした。
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(※1)福田浩・杉本伸子・松藤庄平『豆腐百珍』p.9(2008.1 新潮社とんぼの本)
(※2)広辞苑 第五版 電子辞書

【お酒】1581.群馬泉 吟醸 180ml [10.群馬県の酒]

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島岡酒造株式会社
群馬県太田市由良町375の2

アルコール分 15度
原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール
精米歩合 60%
内容量 180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)




いやー、あついあつい。
ヒューヒューだよ!(ちがうか)

こう暑いとね、冷酒やねん冷酒!
ということで、今日は冷蔵庫で保管してあったこのお酒を選びました。

島岡酒造さんのお酒は、かつて群馬泉 山廃本醸造 300mlをいただいております。
今日いただくこのお酒はアル添吟醸でしたが、これも山廃酛を用いているんだってさ。
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山廃酛を使用したアル添吟醸酒って、どんな味なのでしょうね。
アル添の効果で香りを特徴とするお酒に仕上がっているのでしょうか?
それとも、山廃酛によって作り出された乳酸由来の酸味を特徴とするのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。

もちろん冷蔵庫で冷やしたものをそのままいただきますよ。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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香りはありますね。
フルーティーさを感じますが、かなり弱めです。

味わいは、最初に酸味を感じましたよ。
すっぱさがやや強めで、鋭さを感じます。
深みもわずかに感じるかな。
ピリピリ感はありません。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
米のうまみに厚みを感じますよ。
苦みがわずかにあって、わずかながらにも重さを感じます。
キレはよいとは思いますが、酸味だけは残るみたいです。

甘みはややひかえめです。
前に出てこない甘みですが、ひかえめながらに幅を感じます。


すっぱちょい重旨やや辛口のおいしいお酒でした。
吟醸酒にしては、すっぱさが強めではないでしょうか。
酸味にはわずかですが深みもありましたが、燗にすれば(雑味はともかく)深みがもっと出たかもしれませんね。
でもうまみがしっかりしており、わずかな甘味がコクを添えて、わずかな苦みが引き締めているようでした。

これは香りではなくて、味で勝負する吟醸酒でしょう。
おいしいお酒でしたけれども、私としては本醸造のほうが好みでした。



明日は今日よりもさらに暑くなるみたいですね。
ということは、明日もまた冷酒だな。

ひさしぶりに“杉勇カップ”を飲んでみましたよ~だ! [また飲んでみました]

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合資会社杉勇蕨岡酒造場
山形県飽海郡遊佐町上蕨岡字御備田47-1

原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造用アルコール
アルコール分15度
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)




《初回記事はこちら》
【お酒】709.杉勇 カップ


今日は、日本海に面した山形県最北の町“遊佐町(ゆざまち)”に蔵を置く杉勇蕨岡酒造場さんの普通酒カップ酒“杉勇(すぎいさみ)”をおよそ3年半ぶりにいただいてみましたよ。


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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燗をつけると、酒臭い(←ほめ言葉です)香りがかすかに立ってまいりました。

うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)とともに、米のうまみがピンと効いています。
苦みが少しあって、弱めなりに鋭さを少し感じます。
熟成感はなく、雑味も感じません。
キレはよく、透明感をちょっとだけ感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは少し強めで鋭さも少し感じますが、深みもあるみたいです。
ピリピリもちょっとありますね。

甘みはややひかえめです。
前には出てこないものの、厚みを感じる甘みを少し感じます。
ただ、ちょっとべとつくね。


ちょい苦ちょいすっぱ深旨口のおいしいお酒でした。
弱めの苦みと深みのある酸味とが味わいを引き締めておりました。
それでいて、うまみはしっかりしていて、しかも甘みがコクを添えているように感じました。
ただ、唇にべとついた感じが残るところが気になりました。

これは海のお酒でしょうね。
魚の脂や臭みをサッと流してくれそうですよ。

手元には杉勇の在庫が他に2種類ございますので、次は海のものと合わせてみたいところです。

【お酒】1580.宗玄 本醸造 上撰 お燗瓶 180ml [17.石川県の酒]

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宗玄酒造株式会社
石川県珠洲市宝立町宗玄24-22

内容量 180ml
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分/15度
精米歩合/65%
(以上、瓶の印刷事項と肩に貼られたラベルとより転記)




今日は能登半島は先端近く、珠洲市の飯田湾に面した“宗玄”なる場所に蔵を置く宗玄酒造さんのお酒をいただきます。
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宗玄酒造の先祖は戦国時代、七尾城主を務めた畠山義春の一族。天正五年(一五七七)、上杉謙信の城攻めに遭い、珠洲に逃れ、宗玄と改姓してこの地に移住した。その後、興した酒蔵が永く繁栄し、地元の人々に親しまれたため、この一帯を宗玄村と呼ぶようになつたという。」(※1)とのこと。
そしてその宗玄さんが酒造りを開始した時期は、「古記録によると明和五年(1768年:ブログ筆者追記)に宗玄家は酒造業を始めており、売り出された酒を里人は宗玄酒と呼んだとある。」(※2)のだとか。

そんな江戸時代中期に酒造業を開始なさった宗玄さんですが、酒造りが発展したのは江戸時代後期になってからなのだとか。
なんでも宗玄さんの四代目であった忠五郎さんが、当時の酒造先進地域であった知多半島(尾張)や伊丹(摂津)で酒造技術を学び、それを持ち帰ってきたのだそうです。
このことについて、以下のような記述がありました。

 見山と号した四代目主人の忠五郎は、当時、珠洲地区で飲まれていた酒がいわゆる「どぶろく」であり、酒の味も香りもあまり問題にされず、ただ酔いを得るだけのために飲酒されているのに飽き足らず、自ら酒蔵に入り苦心研究、数年にわたったが、良酒を得ることができなかった、このため、決然志を立てて、酒造先進地に、その秘法を求めることにし、家郷をあとにしたのは1844(天保15)年の春だった。
 まず、尾張国亀崎に赴き、ついで当時日本一の美酒醸造地として知られていた「清酒発祥の地」摂津国伊丹へ足をのばし、たまたま知った郷土出身の松谷与兵衛方に身を寄せ、心魂を打ち込むひたむきな修行の末、ようやく美酒づくりの秘伝を習得するに至ったのだという。
 1847(弘化4)年春、帰郷した忠五郎は、研究成果を基に、純良の清酒を醸し、「剣山(けんざん)」と名付けて売り出した。この地方では初めての清酒であり、忠五郎の苦心譚も評判となって、近郷近在に名声を博した。」(※3)

そんな能登の清酒発祥蔵とも言うべき宗玄さんのこのお酒ですが、上撰の小印が付された本醸造でした。
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本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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うまみは淡めですが、淡めなりにしっかりしています。
米のうまみが広がらずに舌の上にピンと乗っかってくるみたいです。
苦みや雑味はまったくありません。
キレはよいですが、透明感はありません。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めで、スースー感を少しだけ感じる程度です。
ただ、かすかにピリッとくるみたいです。

甘みはややひかえめです。
弱めですが、その存在はよくわかります。


淡麗旨やや辛口のおいしいお酒でした。
この舌を突くようなうまみから察するに、もしかしたら五百万石を使用しているのでしょうか?
またかすかにピリッとくるようですが、それ以外に雑味は一切感じませんでした。

このうまみとかすかなピリとから予想するに、おそらく魚との相性がバッチリでしょうよ。
手元の在庫には宗玄のカップ酒が3種類あるので、それらをいただく際には魚料理と合わせてみようと思います。


(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.123(1996.7 能登印刷出版部)
(※2)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.66(2002.3 橋本確文堂)
(※3)北國新聞社出版局編集『宗玄の挑戦 能登杜氏を生んだ250年酒蔵』p.162-163(2019.2 北國新聞社)