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【お酒】2018.薫長 上撰 かんぴん 180ml [44.大分県の酒]

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クンチョウ酒造株式会社
大分県日田市豆田町6番31号

アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、瓶の印刷事項より転記)




古い街並みが保存されている、大分県日田市豆田町。
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クンチョウ酒造さんは、その豆田町の街中に蔵を構える蔵元さんです。
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“薫長(くんちょう)”の酒銘には、「香りが長く続くようにという蔵の思いが込められ」(※1)ているのだとか。
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今日いただくこのお酒は、上撰の小印が付された普通酒でした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
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燗をつけると、お酒の甘い香りをかすかに感じます。

うまみはやや濃いめでしょう。
酒臭さ(ほめ言葉です)が穏やかにじんわりとしておりますよ。
米のうまみもしっかりです。
熟成感はわかりません。
軽い渋みがちょっとだけあるみたいです。
キレはよく、スッと引くものの、透明感はありません。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんど感じません。
一方でスースー感は少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりでしょう。
べとつかないものの、幅があることがよくわかります。


やや濃醇でちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。

酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)はっきりで飲み応えバッチリなのに、角や粗さを全く感じませんでした。
渋みがちょっとだけありましたが、それもいい感じに味わいを引き締めているようでした。
甘みもけっしてくどくはなく、味わいを和らげておりました。
それでいてキレがよく、ちょいスーがスッキリ感を添えているようでした。

これはうまいね!
やや甘口ですが、食事とバッチリでした。



今日はどうしてもから揚げでしたが、
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薫長のしっかりしたうまみとスッキリ感とがよく合いましたとさ。
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(※1)『九州十色シリーズ 大分の酒蔵』p.119(2005.2 おおいたインフォメーションハウス)

【お酒】2008.老松 上撰 カップ [44.大分県の酒]

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製造者
老松酒造株式会社
大分県日田市大鶴町2912

原材料名 米(国産) 米麹(国産米) 醸造アルコール
アルコール分 15度
内容量 200ml
(以上、包装フィルムより転記)




老松酒造さんの製品は、かつて以下の麦焼酎をいただいております。
《焼酎》40.田吾作 20度 200ml

今日いただくこの清酒は、上撰の小印が付された普通酒でした。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は濃くはないもののきれいな金色で、透き通っておりました。
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うまみはちょい濃いめでしょう。
最初に熟成感が来ますが、穏やかな枯れ具合で角や粗さを感じません。
酒臭さ(ほめ言葉です)ほんのり、米のうまみも然りです。
苦みや雑味はありません。
キレはとてもよく、透明感がバッチリです。

酸味はひかえめでしょう。
すっぱさはほとんど感じません。
ちょいスーですが、ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりでしょう。
べとつかず、しつこさはないものの、幅をしっかりと感じます。


ちょい濃醇でちょい枯ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でhした。

枯れ具合が穏やかで、それとともに酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)や米のうまみがバランスよくまとまっているようでした。
甘みはしつこさがまったくなく、いい具合にコクを添えておりました。
ちょいスーでキレがよく、かつ透明感があるのは、おそらくアル添の効果でしょう。

焼酎が普及している地域では、辛口は焼酎に任せて、清酒はむしろ甘口になる傾向があると思います。
そんな大分県のおいしい甘口酒でした。

【お酒】1896.西の関 秋あがり 特別純米酒 300ml [44.大分県の酒]

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製造者 萱島酒造有限会社
大分県国東市国東町綱井392の1

原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 60%
アルコール分15度
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




こちらひさびさの、大分県の“西の関”。
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萱島酒造さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
291.西の関 純米だるまカップ
1207.西の関 花かすみ 純米酒 300ml
1307.西の関 上撰 カップ

今日いただくこのお酒は、“秋あがり”。
“ひやおろし”とほぼ同義で、「昔の酒は一般に、春先に火入れを行なって貯蔵し、秋になってから火入れをせずに樽詰で出荷された。(中略)ひと夏熟成させることで新酒の荒々しさが消え、丸みのある酒質になる。このように、夏を越すことで酒質が向上する酒を、昔は「秋上がり」とか「秋晴れ」と呼んだ。」(※1)という意味でしょう。
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精米歩合60%の特別純米酒でした。
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それではいただきます。

特別純米酒には香りを特徴とするものもありましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
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上立ち香はないですね。
含んでもありません。

うまみは濃くはないですが、淡くもないですね。
米のうまみに幅を少し感じます。
また軽い苦みをかすかに感じます。
熟成感はなく、酒臭さも感じません。
キレはとてもよいですね。

酸味はややひかえめです。
すっぱさはわかるものの、弱めで鋭さを感じません。
でも酸味自体に深みがちょっとだけあるかな。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みははっきりです。
べとつかずしつこくもないものの、甘みに幅がありますよ。


スッキリ旨甘口のおいしいお酒でした。
米のうまみとともにわずかな酸味の深みとで、味に厚みがありました。
それでいてスッキリしていて、スイスイと行けてしまいます。
甘みもしつこくなくていい感じでした。



次に、燗にしてみましたよ。
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うまみに酒臭さ(ほめ言葉です)がちょっとだけ出ますね。
でもキレのよさはそのままです。
それに酸味の深みがいい感じに立ちましたよ。

燗のほうが、酸味の深みが際立って飲み応えがありました。
それでいてスッキリしており、甘口でした。
私としては、燗のほうが好みだな。







その秋あがりと合わせた今日のエサはこちら。


大根。
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切って、下茹で。
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鶏もも肉のひき肉。
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しょうがはみじん切り。
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冷蔵庫の残り物もみじん切り。
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酒、みりん、淡口しょうゆ、砂糖の中にひき肉としょうがとを投入。
ひと煮立ちさせて、調味料の中に肉のうまみとしょうがの風味とを引き出します。
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そこへ大根と出し汁とを投入。
ひと煮立ちさせたのち、放置して冷まします。
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冷めたら強火で一気に加熱!
いったん冷ましてから一気に加熱することで、大根の中心まで味がしみるのです。
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最後は片栗粉でとろみをつけて、
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大根のそぼろ煮の完成です。
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大根の中心まで味がしみて、おいしゅうございましたとさ。
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(※1)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.184(2000.4 柴田書店)

【お酒】1764.鷹来屋五代目(たかきやごだいめ) 特別純米酒 カップ [44.大分県の酒]

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浜島酒造合資会社
大分県豊後大野市緒方町下自在381番地

原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
アルコール分 15度
精米歩合 55%
日本酒度 +5
酸度 1.5
酒質 旨口
杜氏 五代目 浜嶋弘文
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




大阪にある“山中酒の店”で入手したこのカップ酒。
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“鷹来屋”の文字は、“たかきや”と読むそうです。
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このことについては、「同社は創業明治22年、屋号を「鷹来屋(たかきや)」とする老舗の蔵元」(※1)で、「現在の母屋の棟上げのとき大黒柱に鷹がとまり、その後も鷹が蔵元によく飛来していたことから。地元では「鷹来屋」と呼ばれていた。この呼び名が、後に屋号となる。」(※1)という記述がありました。


そしてこのお酒は、“鷹来屋五代目(たかきやごだいめ)”という銘なのだとか。
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また裏のラベルの“酒歴書”には、杜氏として“五代目 浜嶋弘文”と書かれておりました。
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浜嶋酒造さんは、四代目のときにいったん休造し、桶買いでお酒を販売していたそうです。
それを今の五代目が復活させて酒造りを再開したのだとか。
このことについて、以下のような記述がありました。

昭和54年に訳あって酒造りを停止。平成9年にサラリーマンだった浜嶋弘文氏が、7年間の模索期間を経て自ら五代目の杜氏となり、酒造りを復活させ、“情熱”と“愛情”で丁寧な酒造りを続けている。」(※1)
5代目の浜嶋弘文さんは、蔵元に生まれながら酒造りがかなわず都会で会社勤めをしていたが、子供の頃に経験した蒸米の熱気や搾りたての酒の香りが忘れられず、90年に蔵に戻り酒造再開を試みる、醸造試験所で学び、他の酒蔵で蔵人の経験を積み、7年後に自ら杜氏として酒造りを開始した。」(※2)

上記にある“他の酒蔵”の中には、どうやら“多満自慢”の石川酒造さんが含まれているみたいですね。
また休造の理由ですが、「1970年代後半に弘文さんの母親が病に倒れて以降、1996年まで濱島酒造では酒を造らず近隣の蔵に造りを委託してい」(※3)て、「小さな蔵元で、賄い方の女将が欠けることは大きな痛手であった」(※4)のだそうです。


そんな浜嶋酒造さんですが、今では“完全手造り”にこだわっていらっしゃるのだとか。
このことについて、以下のような記述がありました。

同社の蔵には、酒造りを止めた当時の道具がそのまま残っていた。それを活用できる伝統的な製法である“完全手造り”を特徴とした酒造りで復活することを決めた。」(※4)
酒造りでは、昔ながらの木の甑で米を蒸し、放冷は全て布に打ち上げ自然放冷する。室は籾殻室で麹はすべて箱麹、仕込みは500~1,200キロまでの仕込み量を竹の櫂棒でまぜていく。しぼりは普通酒、本醸造、純米酒にわたる全量を槽で搾っている。この全ての工程で、同社は杜氏をはじめ蔵人の視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、いわゆる人間の持つ五感を活用している。目で見て、鼻で香りを嗅いで、手で触って、耳で音を聞いて、口に入れて味をみる。研ぎ澄まされた全ての感覚によって、手造りならではの地酒が造られている。そして「鷹来屋の酒は心で醸す」そんな蔵元の熱い思いや心意気も込められている」(※5)


さらには「顔の見える酒造り」(※6)の信条の下、米作りもなさっているのだそうです。

酒は太古の昔から人類と関わり続け、その地方の風土や文化と密接に結びついたものであると言われている。同社は「地元で育まれた原料で造られた酒が真の地酒である」というこだわりから、平成18年から米作りにも挑戦している。
(中略)
同社は地元の農家から約2.5haを借り受け、米作りを始めている。米作りをするに当たり、トラクターをはじめとする農機具すべてを買い揃え、育苗、田植え、成育管理、稲刈り、籾摺り、精米など、米作りの全ての工程を同社で担っている。費用も手間も厭わず、良いと思うことは全て試しながら米作りを行っている。」(※6)

トラクターが出てくるということは、お酒は手造りでも米作りはそうではないのね。
イヤミな奴だよオマエは。


そうして造られたお酒の味については、「日本酒を醗酵させるスターターの役目を果たす酒母づくりに、時間をかけることで濃厚な風味を出している。すっきりしているのでもたつかずに飲めるが味に厚みもある。」(※7)とか、「目標の酒質が決まった2003年はまったく違う「旨味ははあるが控えめな食中酒」を目指すことにした。いわく「食べながらだらだら飲んでも、飲み飽きない淡麗旨口の酒」だ。」(※8)といった記述がありました。

果たしてそのような味わいなのでしょうか?
それを確かめるべく、いただいてみたいと思います。


特別純米酒には香りを特徴とするものもございましたので、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色はかすかに金色がかっておりましたが、透き通ってはおりませんでした。
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香りにフルーティーさはありませんね。
でも、上等な接着剤みたいな香りを少し感じます。
“上等な接着剤”なんてものが存在するのかよ。

うまみはやや淡めですが、淡めなりにしっかりしています。
米のうまみに幅があるものの厚みはなく、口の中でスッと散るようです。
苦みや雑味はまったくなく、熟成感もありません。
純米ですがキレはよいですね。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが弱めですが、鋭さを少し感じます。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはひかえめです。
ゼロではないものの、かなり弱めです。

やや淡麗でちょいすっぱスッキリ旨辛口のおいしいお酒でした。
うまみはやや淡めでしたが、けっして薄くはなく、淡めなりにしっかりしていて飲み応えがありました。
酸味がいい感じに効いていて、それが食べ物の臭みや脂っぽさをサッと流してくれました。
食べ物の味を引き立ててくれるものの、けっして脇役に徹することなくお酒自体の味も楽しめる、おいしい食中酒でした。


ここで、あらかじめ取り分けておいたものをぬるめの燗にしてみましたよ。
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これはキリッと引き締まるね!

スッキリ感が際立って、キレのよさが増しました。
酸味はすっぱさは引くものの、鋭さが増してかなりシャープになりました。

燗だと、淡麗スッキリ旨辛口のおいしいお酒になりました。
燗にしたことで、かなり引き締まりましたよ。
それ故か、かえって米のうまみが前に出てくるみたいでした。

感のほうが、よりいっそう食中酒らしくなりましたよ。
あたしゃ燗のほうが好みだな。


鷹来屋五代目は、たしかに“旨味ははあるが控えめな食中酒”(※8)であり、かつ“食べながらだらだら飲んでも、飲み飽きない淡麗旨口の酒”(※8)でした。


(※1)佐藤有香『The Challenger 浜嶋酒造合資会社 屋号 鷹来屋 ~手造りにこだわり、究極の地酒造りに挑戦~』p.12(おおいたの経営と経済 No.223 p.12-15 2009.4 大銀経済経営研究所)
(※2)山本洋子『新日本酒紀行 地域を醸すもの Number 116 醸すのは地域の未来をつなぐ酒 鷹来屋 大分県豊後大野市緒方町』p.105(週刊ダイヤモンド 107巻23号 p.105 2019.06.15 ダイヤモンド社)
(※3)木村克己監修『幻の地酒尽くし きき酒師が選ぶ蔵元の美酒』p.119(2003.8 青春出版社)
(※4)(※1)p.13
(※5)(※1)p.14
(※6)(※1)p.15
(※7)(※3)p.112
(※8)(※3)p.119

【お酒】1312.八鹿 おんせん県おおいた おけちゃん吟醸 300ml [44.大分県の酒]

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八鹿酒造株式会社
大分県玖珠郡九重町大字右田3364番地

原材料名:米、米麹、醸造アルコール
【原料米は全て国産】
精米歩合:60%
アルコール分:14度
内容量:300ml
(以上、ラベルより転記)




八鹿酒造さんのお酒は、これまでに八鹿の生貯蔵酒300ml八鹿 笑門(お地蔵さん)カップ、そして麦焼酎のなしか! 20度 200mlとをいただいております。
今日いただくこのお酒はアル添吟醸酒ですが、どうやらみやげ物向けの商品のようですね。
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この鉢形の盃が付いているアルミ缶ボトルには、かつて八重垣 純米酒 姫路城本丸 300mlや、純米原酒 千曲錦 300mlで出会ったことがありましたよ。
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吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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吟醸香あるね。
フルーティーな香りがしますが、かなりかすかです。

うまみはやや濃いめです。
米うまみに厚みを感じますよ。
軽い苦みがほんのかすかにあるみたいです。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさがちょっとだけあるみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしていますよ。
かなりさらっとした甘みですが、あまみに幅がありますね。


米のうまみがしっかりしていて甘みがコクをもたらすものの、弱めの酸味とかすかな苦みとが味を引き締める、やや濃醇で甘口のおいしいお酒でした。
香りがほんのりとありますが、クドくはなくて食事と合わせやすいと思いました。
それに甘めではあるものの、キレがよいせいか、べとついた感じはまったくないですね。
それでいてうまみがしっかりしていて、飲み応えを感じました。

【お酒】1310.八鹿 笑門(お地蔵さん)カップ [44.大分県の酒]

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八鹿酒造株式会社
大分県玖珠郡九重町大字右田3364

原材料名 米、米麹、醸造アルコール
原材料米はすべて国産
アルコール分 15度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




八鹿酒造さんのお酒は、八鹿の生貯蔵酒300mlと、焼酎のなしか!20度 200mlとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、普通酒のカップ酒です。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はかすかに着いていることがわかる程度ですが、透き通った感じがありますね。
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うまみはやや濃いめです。
ウィスキーのような独特の風味を少し感じます。
軽い酸味も少しあるみたいです。
キレはよく、透明感を感じます。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんどなく、アルコール由来と思われるさわやかさをちょっとだけ感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしています。
とろみのような舌触りはちょっとあるみたいですが、べとついた感じはしませんね。


独特の風味があって甘めではあるものの、キレのよい、やや濃醇で甘口のお酒でした。
透明感があってキレがよいことから推察するに、醸造アルコールの添加量が多めなのではないでしょうか。
でもそれが、独特の風味のしつこさを消してくれているようでした。

このウィスキーのような風味は、かつて島根県や九州で入手した普通酒で何度か経験したことがありましたよ。
これはあくまでも私の感想ですが、この風味を活かすには、やはりアル添によってもたらされるキレのよさを必要とするのではないでしょうか。

【お酒】1307.西の関 上撰 カップ [44.大分県の酒]

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萱島酒造有限会社
大分県国東市国東町綱井392-1

原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
アルコール分15度
180ml詰
(以上、フタより転記)




萱島酒造さんのお酒は、かつて西の関 純米だるまカップと、西の関 花かすみ 純米酒 300mlとをいただいております。
今日いただくこのお酒は上撰の小印が付けられた普通酒ですが、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
ただし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はほとんどわからない程度で、透き通った感じが少しありました。
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最初に酸味が来ましたよ。
やや強めで、しかも鋭さを少し感じます。
アルコール由来と思われるさわやかさも感じます。

うまみは淡めです。
酒臭さではないようで、しかも米のうまみともちがうようなうまみをかすかに感じます。
キレはよく、透明感すら感じます。

甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌触りはかすかに感じる程度で、べとついた感じはありません。


酸味が効いていて甘みが少しある、淡麗ちょいすっぱやや甘口のお酒でした。
うまみがよくわかりませんでした。
酸味に負けているのか、あるいはうまみ自体がわかりにくいのでしょうか?
クドさはないものの、ちょっとすっぱめでした。
でも甘みがあることで、そのすっぱさが緩和されているように感じましたとさ。

【お酒】1300.わかぼたん 福貴野 300ml [44.大分県の酒]

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三和酒類株式会社
大分県宇佐市山本2231-1

原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール
アルコール分15度以上16度未満
300ml
(以上、ラベルより転記)




三和酒類さんのお酒や焼酎は、以下のものをいただいております。
本醸造 わかぼたん ぼたんカップ (2回目はこちら
いいちこ 25度 200ml
西の星 200ml
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今日いただくこのお酒は、“福貴野(ふきの)”と銘打たれた普通酒です。
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なお、“わかぼたん”については、かつてこちらで触れております。
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上記のラベルには「高い香りを生む酵母で丹念に醸成した、華やかでさらりと旨い清酒です。」とありました。
そこで、香りがあることを予想して、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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香りありますね。
フルーティーな風味がほんのりと広がります。
クドさがなくていい感じです。

うまみはやや濃いめです。
米のうまみがしっかりしていて、厚みを感じます。
わかぼたんカップで感じたような苦みもあるみたいですが、こちらは軽めです。
それにキレがよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとしてはいるものの、厚みを感じます。


香りがあって米のうまみが豊かではあるものの、軽めの苦みと酸味とが引き締めて、甘みがコクを添える、やや濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
香りがキツくなくてちょうどよいですね。
それに、苦みや酸味もいい具合に効いているように思いました。
それでいて米のうまみがしっかりとわかって、味の芯ができているようでしたよ。
なかなかいける普通酒だと感じました。



次に、ぬる燗にしてみました。
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苦みが少しはっきりしてきましたが、鋭さはないですね。
酸味も立ってきて、すっぱめではあるものの深みも出てまいりましたよ。
香りと甘みとは引っ込んだみたいです。

燗にすると、ちょい苦ちょいすっぱ旨口のおいしいお酒でした。
燗だと苦みと酸味とが立ってきましたが、その味が冷酒よりも食事と合うように感じました。
煮魚やお肉なんかには、むしろ燗のほうが合うのではないでしょうか。

【お酒】1294.亀の井 上撰 カップ [44.大分県の酒]

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亀の井酒造合資会社
大分県玖珠郡玖珠町大字小田777

アルコール分/15度
原材料名/米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール、糖類
180ml
(以上、ラベルより転記)




このお酒ですが、上撰の小印が付けられているものの、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
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話のネタもないことですので、さっそくいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
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うまみはやや濃いめです。
かもし出された酒臭さ(←ほめ言葉です)もありますが、それよりも独特の重い風味を感じます。
それに渋みもあって、これも重めです。
しかし、キレはよいみたいです。

酸味はややひかえめです。
すっぱさはほとんどなく、さわやかさを少し感じる程度です。
ですが、ちょいピリでした。

甘みはやっぱりはっきりしています。
とろみのような舌触りがあって、それに少しべとつくようです。


やや濃醇でちょい渋甘口のお酒でした。
独特の重い風味があって、渋みにも重さがありました。
甘めであることも、重さを増している要因かもしれません。
ですが、キレがよいせいか、後味はすっきりしていてクドさを感じませんでした。

かつて熊本県のことについて書かれた文献の記述を引用して同じようなことを紹介しましたが、麦焼酎が盛んに造られている大分県では、その焼酎がさっぱりした辛口酒の役割を担っていて、清酒には濃くて甘口であることが求められているのかもしれませんね。
そう考えると、この味もさもありなんといったところでしょうか。

【お酒】1293.八鹿(やつしか) 生貯蔵酒 300ml [44.大分県の酒]

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八鹿酒造株式会社
大分県玖珠郡九重町右田3364番地

アルコール分:14度以上15度未満
原材料名:米・米麹・醸造アルコール(原料米はすべて国産)
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




1864(元治元)年、「舟来屋(ふなこや)」の名で創業した『八鹿酒造』は、業績を立て直した三代目、麻生観八氏と杜氏・仲摩鹿太郎氏の名を記念して名付けられた。」(※1)という八鹿酒造さん。
内陸部にある蔵元さんなんですね。




今日いただくこのお酒は、生貯蔵酒です。
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生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
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生貯蔵酒らしいフレッシュな風味はありますが、クドくはないですね。
ですが、ウィスキーのような風味をかすかに感じます。

うまみはやや濃いめです。
米のうまみがしっかりしていて、広がります。
苦味や雑味はありません。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが強くはないものの、ちょっと鋭さがあって、それに深みを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
幅のある甘みですが、べとついた感じはありません。


うまみが豊かで、酸味と甘味とがコクを添える、やや濃醇でちょいすっぱ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
うまみはともかく、酸味がいい具合に効いています。
風味が少し独特ですが、これも深みに一役買っているようです。
飲みやすくはないものの、飲み応えがあるおいしい生貯蔵酒だと思いましたとさ。

(※1)『九州十色シリーズ 大分の酒蔵』p.101(2005.2 おおいたインフォメーションハウス)
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