【お酒】1042.一本義 上撰 本醸造 カップ [18.福井県の酒]
株式会社一本義久保本店
福井県勝山市沢町一丁目3番1号
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15.0度以上16.0度未満
精米歩合 68%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
昨日いただいた一本義の金印カップ(普通酒)に引きつづき、今日も一本義久保本店さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒は、上撰の小印が付けられた本醸造です。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、金印よりもちょっとだけはっきりしているようでした。
うまみはやや淡めです。
一応ですが、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じますね。
それに、軽い苦みがすこしあるみたいです。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさがやや強めで、しかも鋭さをちょっと感じます。
それにちょっとだけピリッときますね。
甘みはややひかえめです。
かなり弱めですがその存在はわかります。
やや淡麗でちょいすっぱやや辛口のお酒でした。
金印(普通酒)に味わいは似ていますが、本醸造のほうがうまみがはっきりしていて、薄さを感じません。
また甘みは強くはないものの、コクに影響していることがわかりました。
これは私の予想ですが、金印(普通酒)とのちがいは、単に醸造アルコールの添加量の差だけではないかと思いました。
本醸造のほうがアル添量が少ないことから、うまみがややはっきりしていたのではないでしょうか?
また、本醸造のほうがピリピリ感がやや少なかったことから、このピリはアルコールが生じさせている刺激に由来するものではないかと推察いたしました。
この本醸造も、金印と同じくらい、敦賀では頻繁に見かけました。
しかし、敦賀で一本義が広く普及している理由は、金印とこのお酒とをいただいただけでは、まだわかりませんでしたよ。
(要するに、自分の好みの味じゃなかったって言いたいんだろ?)
【お酒】1041.一本義 金印 カップ [18.福井県の酒]
株式会社一本義久保本店
福井県勝山市沢町一丁目3番1号
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
「 一本義とは「最高の真理、優れた悟りと智慧を究めた境地の意」の禅語に由来する。「一」にはじまり、原点であり、本流を貫く造りと品質への精神を追求する言葉でもある。」(※1)というお酒です。
私はまだ、福井県では敦賀駅の周辺でしか酒集めをしたことがありません。
しかしその際に、立ち寄ったスーパーやコンビニでこの一本義を見なかったところはないくらい、このお酒に頻繁に出会うことができました。
かといって、この蔵元さんがある勝山市は福井県の北東部、石川県との県境に近い場所であって、南西部に位置する敦賀市とは決して近くはないみたいですね。
ということは、もしかしたらこのお酒は、福井県内の他所でも広く普及しているのでしょうか?
そんな敦賀市内で頻繁に見かけたこのお酒をいただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色でした。
うまみは淡めです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをかすかに感じます。
軽い苦みもかすかにあるみたいですが、ほとんどわからないくらいです。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないですが、鋭さがありますね。
それに、ちょっとピリッと感じます。
甘みはややひかえめです。
かなり弱めですが、ゼロではないみたいです。
淡麗ちょいピリやや辛口のお酒でした。
よくよく味わえば、酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)もあるし、酸味もしっかりしています。
でも、これはあくまでも私の感想ですが、味わい自体が薄いように感じました。
それでいて、ピリピリ感だけ目だっておりました。
でもそれが、地元の食べ物と合うのかもしれません。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.245(1996.7 能登印刷出版部)
2020/02/17
また飲んでみました。
【お酒】1034.花垣 本醸造 カップ [18.福井県の酒]
有限会社南部酒造場
福井県大野市本町6の10
アルコール分 14度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合60%
180ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)
「酒を愛でる宴が繰り広げられた時に、謡曲『花筺』の謡の中の言葉「花垣」を銘柄に選んだ。」(※1)という、わかったようなわからないような名前のこのお酒をいただきます。
(わからないのは、オマエに教養がないからだろ!)
精米歩合60%の本醸造ですが、アルコール度数は14度とやや低めです。
加水が多めなのでしょうか?
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少しハッキリしておりました。
度数のわりには、アルコールの香りが少しはっきりしています。
うまみは淡くもなく、かといって濃くもないですね。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、熟成感をちょっと感じます。
でもね、うまみに深みがないですね。
それに苦みがややはっきりしています。
キレはよいみたいです。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさは、強くはないものの、鋭いですね。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。
しっかりしているがキレのよい、ちょい苦ちょいすっぱ辛口のお酒でした。
キレのよさとアルコールのかおり、それに深みのないところから、本醸造なのにアル添量が多めのお酒のように感じました。
この苦みは、もしかして劣化に因るものでしょうか?
(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.82(2002.3 橋本確文堂)
【お酒】1032.福壽杯 上撰カップ [18.福井県の酒]
敦賀酒造有限会社
福井県敦賀市相生町21-10
アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
このお酒の蔵元さんは、「那須家は屋号を「備前屋」といい、初代は慶長元年(一五九六年)より酒造業を営み寛永元年に敦賀で初めて清酒を造るようになった。」(※1)という、かなりの老舗でした。
ところでこのお酒ですが、ラベルには特に小印は表示されておりませんでした。
しかし、バーコードに上撰である旨が付記されておりましたので、ここではそれに従うことといたします。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを感じます。
ですが、それよりも苦みがはっきりしていて、しかも鋭さを感じます。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさに鋭さがありますが、それほど強くはないみたいです。
しかし、ちょっとピリッときますね。
甘みはややはっきりしています。
べとつかない、さらっとした甘みを少し感じます。
苦ちょいピリ旨やや甘口のお酒でした。
うまみはしっかりしているものの、苦みやピリピリ感が際立っていて、荒々しさを感じました。
ひかえめの甘みがこの荒々しさを幾分和らげてくれているようでしたが、それでもやはり目立ちました。
もしかしたら、燗にしたのがいけなかったのでしょうか?
それとも、7月製造分であったことから、劣化が生じたのでしょうか?
(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.87(2002.3 橋本確文堂)
【お酒】1026.雲乃井 純米 カップ [18.福井県の酒]
株式会社吉田金右衛門商店
福井県福井市佐野町21-81
福井県産米100%使用
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 68%
アルコール分15度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
今日は木枯らし一号が吹いて、昨日と比べてめっきり寒くなってしまいました。
それに外を歩いているとそこらじゅうで枯葉が舞っていて、もう冬の陽気そのものでしたよ。
こんな日は、燗酒にかぎります罠。
ということで、このお酒を選びました。
これで“雲乃井(くものい)”と読むそうです。
あたしゃ読めませんでしたよ。
吉田金右衛門商店さんのことについて、手元の文献では以下のように紹介されておりました。
「代々、地域の小地主であった吉田家の七代目が明治四年に自家年貢米をもって酒造りを開始。敷地内の深井戸から湧き出る地下水と、自家精米による地元酒造好適米とにより仕込まれた純米酒は芳醇な旨さを醸し出しており、古武士的風格がある。」(※1)
今日いただくこのお酒も福井県産米100%使用の純米酒ですが、はたしてこのお酒からも古武士的風格を感じとることが出来るのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、きれいな金色をしておりました。
見た目どおり、うまみは濃いめで、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、熟成感が豊かです。
ほんのわずかに苦みもあるみたいですが、気にはなりません。
それでいてキレはよいみたいです。
酸味ははっきりしています。
すっぱさが豊かで、しかも鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいですね。
しっかりしたうまみに酸味が効いた、濃醇旨辛口のおいしいお酒でした。
酸味が強めで鋭さを少し感じますが、しっかりしたうまみとのバランスはよいと思います。
それでいてキレがよいので、クドさは感じませんでした。
もしかしたら、ガツンと一撃を与えてサッと身を引くようなところが、古武士的風格たる所以でしょうか?
いただいている最中に気づいたのですが、ラベルの裏側には、熊本を激励するコメントが記載されておりました。
(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.78(2002.3 橋本確文堂)
【お酒】987.越前岬 本醸造 カップ [18.福井県の酒]
田邊酒造有限会社
福井県吉田郡永平寺町松岡芝原2-24
アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 65%
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
酒銘とされている越前岬は、福井県の海岸沿いにある景勝地のようです。
しかし、このお酒の蔵元さんは内陸部の、むしろ永平寺に近いところに位置しているようです。
ちょっとわかりづらいですが、右下の拡大縮小ボタンのところに永平寺が隠れています。
今日いただくこのお酒については、文献で以下のように紹介されておりました。
「越前岬の名に恥じない酒をと、蔵の良心を込めて造る本醸造で、くせのない味わいが飲みあきさせない。」(※1)
蔵の良心を込めて造られたこのお酒、そろそろいただいてみたいと思います。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少しはっきりしておりました。
燗をつけると、お酒らしいいい香りが漂ってきました。
うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみですが、それほど強くはないみたいです。
香ばしさがちょっとだけあるみたいですが、麹由来でしょうか?
苦みや雑味はありません。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさも少しありますが、むしろさわやかさのほうがはっきりしています。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりしています。
でも、かなりさらっとしていて、ほんのりと感じる程度です。
さわやかな酸味が穏やかに効いた、旨ちょい甘口のお酒でした。
アル添の影響もあるのかもしれませんが、スーッとさわやかな口当たりを感じます。
濃すぎず、甘すぎず、それに角がなくて穏やかですが、飲みごたえもそこそこあります。
たしかにクセがなくて、飲み飽きしないような味わいでした。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.253(1996.7 能登印刷出版部)
【お酒】985.上撰わかさ ニューカップ [18.福井県の酒]
株式会社わかさ富士
福井県小浜市木崎13-7
アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
このお酒のカップは、かつていただいた岩手県の廣喜と同じものですね。
おそらく、酒屋向けの既製品なのでしょう。
“上撰わかさ”というお酒については、手元の文献で以下のように紹介されておりました。
「「若狭」と「若さ」をかけたその名の通り、若い活力を感じさせるやや辛口の酒。さまざまな料理にあう飲みやすさで、地元の支持を一身に受けている。」(※1)
はたしてそのとおりの味わいなのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、かすかに茶色がかっていることがわかる程度でした。
おお!
うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
こちら久々の~!(←パンチDEデートより)、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみをしっかりと感じます。
それでいて苦みや雑味は一切感じません。
キレもよいですね。
酸味はややはっきりしています。
軽めではあるものの、すっぱさに鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややひかえめです。
かなりさらっとした甘みを、かすかに感じる程度です。
しっかりしているもののキレがよく、酸味が効いている、やや濃醇でやや辛口のおいしいお酒でした。
キレがよく、雑味やら熟成感やらがなくて、しかも酸味がすがすがしく感じました。
この味わいは、たしかに若い活力を感じさせてくれるかもしれません。
初老の私でも、おいしくいただくことができました。
(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.327(1996.7 能登印刷出版部)
【お酒】963.関西 カップ [18.福井県の酒]
片山酒造株式会社
福井県越前市余田町51-18
アルコール分 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)
片山酒造さんのお酒は、かつて関西の本醸造ひやおろしカップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、普通酒のカップ酒です。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、わずかに茶色がかっておりました。
一口含むと、アルコールの香りが花へ抜けていくのがわかります。
うまみはやや淡めです。
うまみよりも、香ばしさと苦みとのほうがはっきりしているようです。
苦みは強くはないものの、鋭さを感じます。
酸味はややはっきりしています。
これも強くはないものの、少し角のあるすっぱさのようです。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりしています。
べとつかない、さらっとした甘みをちょっとだけ感じます。
やや淡麗で苦やや甘口のお酒でした。
軽めだがしっかりしている味わいでした。
それに、アルコールの香りが少し気になりました。
これはあくまでも私の予想ですが、しっかり造ってアル添の量を多めに設定しているのでしょうか?
【お酒】805.純米酒 観音裏 300ml [18.福井県の酒]
蔵元 真名鶴酒造合資会社
福井県大野市明倫町11-3
販売元 酒の大枡
東京都台東区浅草5-10-3
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
アルコール分 14.8度
日本酒度 +4.5
精米歩合 60%
酸度 1.4
使用酵母 金沢酵母(協会1401号)
杜氏名 泉恵介
300ml
(以上、ラベルより転記)
浅草は観音裏をうろついていた際に、酒の大桝さんで見つけたお酒です。
どうやら大桝さんが企画して、福井県の蔵元さんが造ったお酒のようです。
蔵元の真名鶴酒造さんですが、「製造石数三百石足らずの小さな酒蔵だが、全製品吟醸規格の高級酒専門蔵として専門の先生からも高い評価をいただいている。」(※1)とのこと。
しかし、今日いただくこのお酒は吟醸造りではない純米酒です。
ということは、全商品が吟醸造りというわけではなくて、造りはともかく全商品を吟醸酒の“規格”である精米歩合60%以下にしているということでしょうか?
(もちろん、吟醸酒には特定名称酒共通の規格として、他に、(1)農産物検査法における3等米以上の米のみ使用、(2)麹米を白米全体の15%以上使用、(3)アルコールの添加量が白米重量の10%以下、(4)当然ながら糖類・酸味料などの副原料は使用不可、などが適用されます。)
ラベルには、お酒の規格が詳しく表示されています。
たしかに精米歩合は60%となっていますね。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ちょっと着いているのがわかります。
最初に酸味を感じました。
けっこうはっきりした酸味です。
やや鋭さのあるすっぱさが豊かです。
それでいて、酸味に深みもありますね。
刺激やピリピリ感はありません。
うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
かもし出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、熟成感を少し感じます。
苦みや雑味はありません。
甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。
深みのある酸味が豊かな、やや濃醇で辛口のお酒でした。
これは酸味の深みを味わうお酒でしょう。
酸味の深みと熟成感とで、やや濃醇な味わいに仕上がっていると思います。
一方で雑味やピリピリ感がないのは、もしかして吟醸規格の成果でしょうか?
でも、ちょっとすっぱいですね。
もしアル添された場合に味わいがどう変わるのか、興味深いところです。
(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.83(2002.3 橋本確文堂)
【お酒】680.雲乃井 純米酒 ひやおろし カップ【追記あり】 [18.福井県の酒]
【2015/09/30追記】
この記事は、“生詰には“要冷蔵”の表示をしなければならない”という、私の誤った認識に基づくものでした。
しかしその後、生詰については、「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」には該当しないということに気づきました。
それ故、このお酒のラベルに記載されていた“加熱処理済み”の文字は、もしかしたら生詰で実施される上槽後の火入れ(いわゆる一回目の火入れ)のことを指している可能性も出てきました。
こう判断するに至った理由については、この記事のコメント欄におけるやりとりをご覧ください。
株式会社吉田金右衛門商店
福井県福井市佐野町21-81
アルコール分 17度
原材料名 米(国産)米麹(国産米)
精米歩合 68%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
先日いただいた関西の本醸造ひやおろしカップとともに、福井県のアンテナショップ“食の國 福井館”で入手したものです。
このお酒のカップは、ちょっと変わった形をしています。
このカップには、かつて越の寒中梅をいただいた際に出会ておりました。
なんでも、“TGカップ”なる名前なのだとか。
どういう意味なのかわからなかったのですが、“TGカップ”というのは、どうやら容器のメーカーさんがつけた、このカップの製品名だったようです。
ところで、このカップ酒には、ひやおろしと銘打たれています。
ひやおろしの意味については、先日、関西の本醸造ひやおろしカップをいただいた際に、文献の記述をもとに検討いたしました。
その結果、以下の条件を満たしたお酒が、ひやおろしと名乗ることができるのだと結論づけました。
(1)冬に仕込んで春にしぼり(寒造りであること)、ひと夏のあいだ貯蔵していること
(2)秋の、それも貯蔵している酒の温度と外気温とが同じになった頃に出荷すること
(3)生詰(出荷前に火入れをせずに瓶詰めすること)であること
ところが、このお酒のラベルには、“加熱処理済み”の表示がなされていたのです。
加熱処理済みということは、上記(3)の条件を満たしていないということですよね。
そのようなお酒がひやおろしと名乗ることは、はたして許されるのでしょうか?
ここからは、完全に私の推測です。
ひやおろしの本質的特徴は、春に搾ったお酒をひと夏越して秋まで貯蔵することで、いわゆる“秋上がり”や“秋晴れ”といったまろやかさを楽しむことができることにあると思います。
一方、上記(3)の生詰については、なんらかの目的をもって敢えて生詰にしているのではなくて、涼しくなった頃に製品化することから製成後に火入れをしなくても保存が可能であるという便宜的理由によるのではないかと思うのです。
それ故、上記(1)(2)の条件を満たしていればひやおろしの特徴を出すことが出来るのであって、(3)は結果として生詰のものが多いという程度のことに過ぎないのではないでしょうか。
よって、たとえ出荷前に火入れ(加熱処理)をしてあっても、秋上がりの味わいがそのお酒に現れていれば、ひやおろしを名乗ってもかまわないのではないかと考えます。
実際のところ、今の時期、酒屋さんの店頭では、多くのひやおろしのお酒が冷蔵保存することなくそのまま陳列されていますよね。
これらはきっと、生詰ではなくて、火入れしてあるものなのでしょう。
(その理由については、こちらで触れております。)
この結論は文献等の根拠に基づくものではなく、完全に私の推測です。
それ故、これが正しいかどうかはわかりません。
これについては、その当否について皆様のご意見をいただければ幸甚です。
そんなひやおろしについて考えさせてくれたこのお酒をいただきます。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、なかなかよい色をしています。
うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがしっかりしています。
それとともに、わずかですが熟成感を感じます。
一方で、苦みや雑味はないみたいです。
酸味はけっこうはっきりしています。
さわやかさとともに、すっぱさがちょっとあるようです。
それに、この酸味には深みを感じます。
しかし、刺激やピリピリ感はありませんでした。
甘みはひかえめでした。
酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみとともに、深みのある酸味を感じることができる、やや濃醇で旨辛口のおいしいお酒でした。
こんなに濃いのに、雑味がなく、しかも酸味にトゲトゲしさがありません。
これはまさに、ひと夏を越えて熟成されたことで生じた“秋上がり”、“秋晴れ”の味わいではないでしょうか。
この味わいは、たとえ生詰でなくても出せるのですね。
この記事は、“生詰には“要冷蔵”の表示をしなければならない”という、私の誤った認識に基づくものでした。
しかしその後、生詰については、「製成後一切加熱処理をしないで製造場から移出する清酒」には該当しないということに気づきました。
それ故、このお酒のラベルに記載されていた“加熱処理済み”の文字は、もしかしたら生詰で実施される上槽後の火入れ(いわゆる一回目の火入れ)のことを指している可能性も出てきました。
こう判断するに至った理由については、この記事のコメント欄におけるやりとりをご覧ください。
株式会社吉田金右衛門商店
福井県福井市佐野町21-81
アルコール分 17度
原材料名 米(国産)米麹(国産米)
精米歩合 68%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
先日いただいた関西の本醸造ひやおろしカップとともに、福井県のアンテナショップ“食の國 福井館”で入手したものです。
このお酒のカップは、ちょっと変わった形をしています。
このカップには、かつて越の寒中梅をいただいた際に出会ておりました。
なんでも、“TGカップ”なる名前なのだとか。
どういう意味なのかわからなかったのですが、“TGカップ”というのは、どうやら容器のメーカーさんがつけた、このカップの製品名だったようです。
ところで、このカップ酒には、ひやおろしと銘打たれています。
ひやおろしの意味については、先日、関西の本醸造ひやおろしカップをいただいた際に、文献の記述をもとに検討いたしました。
その結果、以下の条件を満たしたお酒が、ひやおろしと名乗ることができるのだと結論づけました。
(1)冬に仕込んで春にしぼり(寒造りであること)、ひと夏のあいだ貯蔵していること
(2)秋の、それも貯蔵している酒の温度と外気温とが同じになった頃に出荷すること
(3)生詰(出荷前に火入れをせずに瓶詰めすること)であること
ところが、このお酒のラベルには、“加熱処理済み”の表示がなされていたのです。
加熱処理済みということは、上記(3)の条件を満たしていないということですよね。
そのようなお酒がひやおろしと名乗ることは、はたして許されるのでしょうか?
ここからは、完全に私の推測です。
ひやおろしの本質的特徴は、春に搾ったお酒をひと夏越して秋まで貯蔵することで、いわゆる“秋上がり”や“秋晴れ”といったまろやかさを楽しむことができることにあると思います。
一方、上記(3)の生詰については、なんらかの目的をもって敢えて生詰にしているのではなくて、涼しくなった頃に製品化することから製成後に火入れをしなくても保存が可能であるという便宜的理由によるのではないかと思うのです。
それ故、上記(1)(2)の条件を満たしていればひやおろしの特徴を出すことが出来るのであって、(3)は結果として生詰のものが多いという程度のことに過ぎないのではないでしょうか。
よって、たとえ出荷前に火入れ(加熱処理)をしてあっても、秋上がりの味わいがそのお酒に現れていれば、ひやおろしを名乗ってもかまわないのではないかと考えます。
実際のところ、今の時期、酒屋さんの店頭では、多くのひやおろしのお酒が冷蔵保存することなくそのまま陳列されていますよね。
これらはきっと、生詰ではなくて、火入れしてあるものなのでしょう。
(その理由については、こちらで触れております。)
この結論は文献等の根拠に基づくものではなく、完全に私の推測です。
それ故、これが正しいかどうかはわかりません。
これについては、その当否について皆様のご意見をいただければ幸甚です。
そんなひやおろしについて考えさせてくれたこのお酒をいただきます。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、なかなかよい色をしています。
うまみはやや濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがしっかりしています。
それとともに、わずかですが熟成感を感じます。
一方で、苦みや雑味はないみたいです。
酸味はけっこうはっきりしています。
さわやかさとともに、すっぱさがちょっとあるようです。
それに、この酸味には深みを感じます。
しかし、刺激やピリピリ感はありませんでした。
甘みはひかえめでした。
酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみとともに、深みのある酸味を感じることができる、やや濃醇で旨辛口のおいしいお酒でした。
こんなに濃いのに、雑味がなく、しかも酸味にトゲトゲしさがありません。
これはまさに、ひと夏を越えて熟成されたことで生じた“秋上がり”、“秋晴れ”の味わいではないでしょうか。
この味わいは、たとえ生詰でなくても出せるのですね。