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会津坂下の蔵元見学と、全国新酒鑑評会に思うこと [旅]

福島県の会津坂下町(あいづばんげまち)へ行きました。
会津若松市の北西部、会津若松駅前からバスで約30分の距離にあります。

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この日、ある蔵元さんにあらかじめお願いして、仕事場を見学させていただきました。
(念のため、お名前は伏せさせていただきます。)

創業は江戸時代末期とのこと。
訪問すると、まず居間に通していただきました。
歴史を感じる造りの居間には、さまざまな賞状と共に、明治時代にご先祖がしたためたと思われる「家訓」が掲げられていました。
その家訓の中には、「質素倹約」「自主独立を旨とし、保証をしたりされたりするな」という趣旨の条がありました。
難しいことではありますが、大事なことですね。
私も気をつけたいものです。

蔵元さんにご説明いただきながら、仕事場を拝見させていただきました。
かなり年季の入った仕事場でしたが、清掃がきちんとなされているようでした。
酒造りで使用する器具も、大切に使い続けていらっしゃるようです。
今年の酒造りは春にすでに終了しているため、作業自体はなされていませんでしたが、実際に使用する器具を拝見したり、その器具をつかった作業の工程について細かく説明していただきました。

しぼりは槽(佐瀬式)を使い、自動圧搾はしないとのこと。
寒い時期にしぼるため、もろみを入れる袋を洗浄する作業が大変であるとのことでした。
そして、すべてのお酒を一台の槽でしぼるため、仕込み桶ごとにもろみの状態を見極めてしぼる順番を決める必要があり、そのためには、毎日、すべての桶について、もろみの状態をきちんと分析して把握しておかなければならないことをお話いただきました。

見学を終えた後、ひやおろしのお酒を販売し始めたということで、その配送をお願いして、失礼いたしました。
帰りは、会津坂下駅から、一日7本しかない只見線に乗りました。
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今回見学させていただいた蔵元さんは、今年の春の全国新酒鑑評会で、6年続けての金賞取得を達成なされました。

お酒には、毎年春に実施される、「全国新酒鑑評会」というものがあります。(※1)。
この鑑評会では、全国レベルでのお酒の品質向上を目的として、そこで審査されたお酒のうち成績が優秀なものを“入賞”、そしてその中でも特に成績が優秀と認められたものを“金賞”として認定します。

この春(平成24酒造年度)の全国新酒鑑評会では、福島県からは26の蔵元さんが金賞を取得しました。
これは、同じく酒どころである兵庫県(金賞17)、新潟県(金賞15)を抜いて第一位の数です。 しかも、福島県の中でも、会津地方だけで17(筆者が独自に算出)もの蔵元さんが金賞を取得しました。 会津のお酒は、確実に良くなっているようです。

全国新酒鑑評会の功罪についてはいろいろと議論のあるところではあります。
しかし、素人的な発想かもしれませんが、私は、学生の定期テストと同じような意味があるのではないかと思います。
蔵元さんにとって金賞を取るということは、これまで続けてきた酒造りの方法の正しさを確認し、かつそれに自信を持つきっかけとなるのではないでしょうか。
しかし、鑑評会は毎年実施されますから、努力を怠ると次の年は金賞を逃してしまうかもしれません。
来年も金賞を取るために、蔵元さんはさらに真面目に努力し続けることでしょう。
また、金賞を取れなかった蔵元さんは、金賞を取ることを目標にして精進することでしょう。
その結果、蔵元さんの実力は、確実に向上していくのではないでしょうか。

会津の蔵元さんの金賞取得が多いのは、会津の人たちが真面目だからだと、私は勝手にそう思っています。


(※1)独立行政法人酒類総合研究所Website

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あ~酒臭かった! 5

酒くさコメント 1

hanamura

栃木県は金賞7/13蔵入賞でした。節操の無い拙ブログに御訪問とnice!をいただき、ありがとうございます。栃木県酒造組合「酒々楽」では、6月の鑑評会シーズンに入賞・・・というか、出品酒(市販されていない気合い酒)を、試飲することができました。(感激!)9月13日(金)には、「ささらガーデン」第二弾も開催されます!栃木と静岡のお酒もよろしくお願いします。
by hanamura (2013-09-09 20:43) 

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