SSブログ
17.石川県の酒 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

【お酒】1905.農口 大吟醸 磨き五割 山田錦 M-310 180ml [17.石川県の酒]

21423.JPG21424.JPG
農口酒造株式会社
石川県能美市末寺町イ42

原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
原料米/山田錦(兵庫県三木市吉川産)100%
精米歩合/50%
アルコール分/16度
180ml
(以上、ラベルより転記)




能登杜氏の巨匠農口尚彦さんに杜氏を要請して、東京の渡邊忠さん(73)が、現在地に残された休蔵を譲り受け、平成25(2103)年から酒造したのが始まりです。その後、農口さんは退任し、渡邊さんが、蔵元杜氏を務めています。渡邊蔵元によると、25年までに休蔵を手に入れ、25年12月、農口酒造株式会社として法人登記し、26年10月に「農口」で商標登録、28年6月現在、銘柄名、会社名もそのままにして、製造及び営業を続けているそうです。」(※1)という農口酒造さん。
“休蔵”というのは、どうやら“弁慶”を造っていた合資会社山本酒造本店さんだったみたいですね。
21425.JPG

農口尚彦さんは、菊姫(石川県白山市)で長年杜氏を務めていた人で、現代の名工として認定され、その功績が認められて受章(黄綬褒章)もなさっているエラいお方。
その農口尚彦さんはすでに農口酒造さんを去っていて、たしか今は同じ石川県内にある蔵元“農口尚彦研究所”に所属なさっているはずです。

それ故に、あたしゃこの“農口”なるお酒を発見した際に、農口尚彦さんが造った農口尚彦研究所のお酒かと思って買ってしまいましたよ。
まちがえる人って、オイラだけかな?


今日いただくこのお酒は、精米歩合50%のアル添大吟醸なんだってさ。
吉川(よかわ)産の山田錦を100%使用しているそうですが、特A地区産かどうかは記載がありませんでした。
21426.JPG

それなのに、お値段なんと、たったの280円!
どえりゃあこと安いがや!
21427.JPG

“M-310”ってのは、使用している酵母の名称みたいですね。
なんでもきょうかい10号酵母の派生酵母なのだとか。
21428.JPG

“M-310”については蔵元さんのWebsiteにも解説がありましたが、手元にあった文献にも以下の記述がありました。
また日本醸造協会から頒布される「10号」とは別に、同タイプの酵母を明利酒類も全国各地の酒蔵に供給しており、これらは「10号」と区別するために「小川酵母」「明利酵母」などと呼ばれています。最近になって香りの高い酒を生む「M-310」という酵母も開発され、県下(茨城県;ブログ筆者追記)の蔵だけでなく、全国でも使用する蔵が増えてきています。」(※2)


それではいただいてみたいと思います。
大吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、わずかに着いていることがわかる程度でした。
21429.JPG


上立ち香は、盃に鼻を近づけるとフルーティーさをかすかに感じる程度です。
一口含むとそれがパッと広がりますが、それほど強くはないみたいです。

うまみはやや濃いめです。
米のうまみがどっしりとしていて厚みを感じます。
酒臭さや熟成感はありません。
吟醸酒にありがちな苦みを少し感じて、鋭さもわかります。
キレはそれほどでもないかな。

酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさが少し強めで、これも鋭さを感じます。
スースー感はなく、ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりでしょう。
さらりとしているものの、幅を感じます。


ちょい芳香でやや濃醇のちょい苦ちょいすっぱ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
香りはありましたがプンプンではなく、ちょうどよい感じでした。
米のうまみがしっかりして、それをちょい苦とちょいすっぱとが引き締めているようでした。
また甘みも程よい程度に効いておりました。

いろいろな味の要素が絡み合っているものの、それぞれがバランスよく働いているみたいでした。
ただ、アル添の大吟醸ですが、やや濃いめだったり、あるいは香りがひかえめであったりキレはそれほどでもなかったりしたことから、むしろ純米大吟醸の味わいに似ているようにも感じました。
ですが、それがかえって食事と合わせるには好都合でした。

なかなかいけるお酒でしたよ。
でもこの味わいで280円ってのは、安すぎるんじゃないの。

(※1)石川県酒造組合連合会監修 北國新聞社出版局編集『石川の地酒はうまい。』p.127(2016.6 北國新聞社)
(※2)松崎晴雄『日本酒のテキスト 2 産地の特徴と造り手たち』p.49(2003.11 同友館)

【お酒】1903.萬歳楽 純米 金沢純金箔入 180ml [17.石川県の酒]

21399.JPG
製造者 株式会社小堀酒造店
石川県白山市鶴来本町一丁目ワ47

内容量180ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)/金箔
精米歩合 70%
アルコール分 13度
(以上、ラベルより転記)




北陸鉄道石川線の終点、鶴来駅。
gaga023.JPG
gaga022.JPG

その鶴来の街中に蔵を置くのが、“萬歳楽”を造る小堀酒造店さんです。
gaga046.JPG

“萬歳楽(まんざいらく)”という酒銘は、「世阿弥清作の謡曲「高砂」より「万歳楽」と命名。“高砂やこの浦舟に帆を上げて・・”の三節目、最後の一節に“千秋楽は民を撫で万歳楽には命を延ぶ”とあるように、長寿延命、よろずの祝い事にふさわしい名である。」(※1)のだとか。


今日いただくこの萬歳楽は純米で、金沢の純金箔入りなのだとか。
21400.JPG

アルコール度数は13度と、やや低めでした。
21401.JPG

あたしゃ金箔入りのお酒をいただくたびに思うことがあるのです。

そもそも金箔をお酒の原材料として認めた規定はどこにもありませんよね。
だったら、金箔を原材料として使ったものは、そもそも清酒(いわゆる日本酒)を名乗ることはできないのではないでしょうか?

もっとも、「原材料ではなく、清酒が完成したあとで混ぜているだけです」という論理は成り立つことでしょう。
でもそうであれば、原材料名の中に含めて表示するのではなく、別途“金箔入”と書いておけばいいだけではないでしょうか?

新年早々からこんな重箱の隅をつつくような話をするのは野暮ってもんでしょうから、この程度でやめておこうと思います。
(でも金箔入りのお酒をいただくのって、新年早々くらいしかないんですけれどね。)


純米酒ですが、今日は冷酒をいただきたい気分ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからないね。
21402.JPG


香りはないですね。
金箔入りですが、金気は感じません。

うまみはやや淡めでしょう。
淡めながらも米のうまみに厚みを感じます。
酒臭さ(ほめ言葉です)もわずかにあるみたいです。
ですがさっぱりしていて、水の味も感じます。
苦みや雑味はなく、キレはよいですね。

酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めですが、弱めながらにわかります。
スースーかななく、ピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じません。


やや淡麗でちょいすっぱさっぱり旨辛口のおいしいお酒でした。
味の基本はしっかりしているものの、うすさというか、水っぽさを少し感じました。
これはもしかしたら、多めの加水で口当たりをよくしているのでしょうか?

いろいろと飲みたい正月であれば、こういう味わいのお酒もありかなと思いましたとさ。

(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.72(2002.3 橋本確文堂)



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

訳あって、今年は新年早々からお酒の記事を更新しました。

今年からのこのブログの方針は、今後まとめることができ次第公開するつもりです。

まあでも、あくまでも趣味ですから、楽しめる程度に書き続けていくつもりです。

どうか今年もくだらない記事にお付き合いいただき、ときどき鼻でクスリと笑ってやってくださいな。
2020siso164.jpg
(友情出演)

【お酒】1895.福正宗 しぼりたて 生・原酒 200mlアルミ缶 [17.石川県の酒]

21268.JPG
製造者 株式会社福光屋
金沢市石引二丁目8-3

原材料名/米、米麹(国産米100%使用)
精米歩合/70%
アルコール分/17度
内容量/200ml
保存方法/要冷蔵
(以上、缶の印刷事項より転記)




福光屋さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
加賀鳶(かがとび) 純米&純米吟醸 飲み比べ
福正宗 純米 黒ラベル フクカップ
加賀鳶 山廃純米 超辛口
黒帯 悠々 特別純米
福正宗 純米 ひゃくまんカップ 辛口&旨口 飲み比べ
福正宗 純米にごり酒 しろき 300ml
駅弁屋 純米吟醸 夢の旅 アルミ缶
福正宗 特別純米 銀ラベル 180ml
加賀鳶 極寒純米 辛口 アルミ缶
福正宗 純米酒 金色のしずく カップ

今日いただくこのお酒は、“しぼりたて”生酒原酒なんだってさ。
21271.JPG

福光屋さんは全量純米蔵ですから、このお酒も純米酒でした。
21269.JPG
21270.JPG


冷やして飲めと書いてありましたので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
21272.JPG

お酒の色は、少し着いておりました。
21273.JPG


上立ち香は、ごくかすかです。
でも含むとフレッシュな風味がよくわかります。

うまみは濃いめでしょう
酒臭さ(ほめ言葉です)がじんわりで、米のうまみは広がらずに舌の上に乗っかってくる感じです。
しぼりたてだけあって、熟成感はないですね。
苦みがあって、弱めですが鋭さを少し感じます。
香ばしさもかすかに感じます。
キレはそれほどでもないでしょう。

酸味はややはっきりです。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを感じます。
スースー感をかすかに感じるものの、ピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめかな。
かなり弱めですが、その存在はわかります。


濃醇爽快ちょい苦ちょいすっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
フレッシュさがはっきりしていて爽やかでしたが、クドさは感じませんでした。
うまみがしっかりしていて飲み応えがあり、苦みと酸味とがいい感じに引き締めておりました。
また生酒でしたがやや辛口で、いわゆる“甘ダレ”とは無縁のようでした。

スイスイとは行けないものの、爽やかさと飲み応えとを兼ね備えたおいしいお酒でした。

【お酒】1743.日榮 加賀百万石 カップ [17.石川県の酒]

10536.JPG10537.JPG
中村酒造株式会社
本社/金沢市長土塀三丁目2-15
製造場/石川県野々市市清金二丁目1

アルコール分14度
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
内容量 200ml
(以上、ラベルより転記)




中村酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
1606.加賀の雪酒 純米酒 180ml
1610.加賀雪梅 純米酒 カップ
1613.日榮 カップ

今日いただくこのお酒は普通酒ですので、日榮カップと同じ中身でしょうか?
10538.JPG

このキャラはたしか、“ひゃくまんさん”でしたね。
10539.JPG


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少しはっきりしておりました。
10540.JPG


燗をつけると、酒臭い(ほめ言葉です)香りが少し立ってまいりました。

うまみは濃いめです。
酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)がグッと来て、熟成感もかすかに感じます。
渋みがあって、強くはないもののややはっきりしています。
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややひかえめです。
すっぱさは弱めですが、スースー感がはっきりしています。
ピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
その存在はわかるものの、弱めです。


濃醇ちょい渋スー旨やや辛口のお酒でした。
うまみがしっかりして、飲み応えを感じました。
ただ、渋みが少し目立つようでした。
アル添由来と思われるスースー感が渋みを和らげてくれているようでしたが、逆にそのスースー感が目立ってしまっているように感じました。

これはあくまでも私の感想ですが、飲み応えがあってキレのよさも感じたものの、味わいのバランスはイマイチではないかと思いました。
それでも、味の濃い食べ物とは合うのではないでしょうか。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


衝撃のニュース!

高石太さん、亡くなっちゃったんだってさ。

私の小学生の頃は、土曜日の授業は半日だけでした。
家に帰って昼食をとるときには、いつも午後1時から始まる吉本新喜劇を観ておりました。

高石太さんは、同級生の間でも大人気でした。
休み時間(私が暮らした場所では休み時間のことをなぜか“放課”と言っておりました)になると学校の廊下へ出て、高石太さんのギャグを真似て遊んでおりましたよ。
腹ばいになって廊下をザーッと滑った後で、お腹を出してさすって「あつあつあつあつ!」ってやるやつ!

あーあ。
昭和は遠くなりにけり。
ご冥福をお祈りいたします。

【お酒】1623.すえひろ カップ [17.石川県の酒]

9331.JPG
合名会社中島酒造店
石川県輪島市鳳至町稲荷町8

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
アルコール分14度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




中島酒造店さんのお酒は、これまでに末廣 能登上撰 本醸造 カップをいただいております。

今日いただくこのお酒は、どうやら普通酒のようでした。
また特に小印は付されていなかったことから、佳撰クラスではないかと推察いたします。
9332.JPG


普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、薄めの金色でした。
9333.JPG


うまみは、どちらかというとやや濃いめでしょうか。
酒臭さ(ほめ言葉です)が少しはっきりしていて、角のない熟成感も少し感じます。
苦みがちょっとあって、冷めると鋭さが少し出てくるみたいです。
キレはよく、透明感も少し感じます。

酸味はひかえめです。
すっぱさはほとんど感じません。
スースーは少しはっきりしています。
かすかにピリかな。

甘みはややはっきりしています。
べとつかずさらっとしていますが、幅を感じる甘みを少し感じます。


やや濃醇でちょい深旨やや甘口のおいしいお酒でした。
これまでにいただいた各蔵元さんの“能登上撰”の味わい(穏やかな熟成感とさらっとした甘みとがあって、酸味が少なく、かつ弱めの苦みが引き締める味)と基本的には似ておりましたが、こちらのほうがキレがよくて濃醇さがややひかえめでした。
それでもね、私としてはしっかりした中に軽さを感じるておいしいお酒だと思いました。

これも能登上撰と同じく、きっと輪島で水揚げされる地魚と合うのではないでしょうか。



ということで、輪島の地魚を用意することはできないものの、今日は魚との相性を確かめるべく、さば缶(さばの水煮缶)を用意しましたよ。
だれにも迷惑をかけずに生きていくために“労働”という名の“時間と魂との切り売り”にしかたがなく従事せざるを得ない独身中年男性にとってはね、さば缶は魚そのものの味を手間をかけることなく楽しませてくれるありがたい存在なのですよ。
9334.JPG

あたしゃさば缶には断然、レモンの爽やかな酸味が合うと思いますよ。
カボスやすだち、それにライムなどでは爽やかさが弱くてダメなのです。
9335.JPG

そのレモンをベースにしてドレッシング(玉ねぎ+ピーマン+レモン汁+オリーブオイル+こしょう+マジックソルト+砂糖少々)を作り、さば缶にかけます。
(玉ねぎとピーマンとはあらかじめ水にさらしてあります)
9336.JPG

レモンの爽やかな酸味と玉ねぎの辛み、そしてピーマンの青みとがね、それはそれはさば缶とよく合うことよく合うこと!
その味をお酒が引き立てつつ、さっぱりと流してくれたのでした。
9337.JPG

ああ、
この瞬間のためだけに生きているって、つくづく思うわ。




そうそう、猫もだ。
9338.JPG
(友情出演)

【お酒】1622.奥能登の白菊 能登上撰 本醸造 カップ [17.石川県の酒]

9326.JPG
株式会社白藤酒造店
石川県輪島市鳳至上町24

アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 65%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




輪島のメインストリート“朝市通り”とは河原田川を挟んだ対岸に蔵をおく白藤(はくとう)酒造店さん。
9327.JPG
notonishi045.JPG

“奥能登の白菊”という銘の由来については、文献に以下のような記述がありました。
 もとは北前船の廻船問屋で、質屋を経て藩政期末から清酒を醸すようになりました。廻船問屋時代の屋号「白壁屋」より白を、旧暦9月9日の「重陽の節句」にちなむ「菊酒」より菊をいただき、「白菊」と命名、後に「白菊」の名は全国に多いことから、「奥能登の白菊」と改名しました。」(※1)

今日いただくこのお酒は、“能登上撰”の小印が付された本醸造でした。
9328.JPG9329.JPG


本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は淡めの金色で、かすかに濁った感がありました。
9330.JPG


うまみはやや濃いめでしょう。
酒臭さ(ほめ言葉です)がしっかりしています。
熟成感もちょっとあって、角がなくて穏やかです。
苦みが弱めではあるものの、冷めるにつれて鋭さが出てくるようです。
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はひかえめです。
すっぱさは、最初はほとんど感じませんでしたが、これも冷めるにつれて弱めながらに鋭さが出てくるみたいです。
スースー感は少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりでしょうか。
べとつかないですしくどさも感じませんが、幅を感じる甘みです。


やや濃醇でちょい苦ちょいスー旨やや甘口のおいしいお酒でした。
しっかりしているのにキレがよくて、後味はスッキリしておりました。
スースー感があることから察するに、このキレのよさはアル添の影響でしょうか?
またちょい苦でしたが、それが嫌味なくいい感じに引き締めてくれているように感じました。

“能登上撰”を名乗るお酒はこれまでにもいくつかいただきましたが、こういうしっかりしていて飲み応えがあるのに後味がスッキリしているものが多かったように思います。
きっとこの味が、地元で普段の食卓に上がる料理に合うのでしょうね。
私としても、結構好きな味わいでした。

(※1)石川県酒造組合連合会監修 北國新聞社出版局編集『石川の地酒はうまい。』p.48(2016.6 北國新聞社)

【お酒】1621.池月 カップ [17.石川県の酒]

9322.JPG
鳥屋酒造株式会社
石川県鹿島郡中能登町一青ヶ部96番地

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15度
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)




元歴元年(一一八四年)、宇治川の先陣争いで名を馳せた名馬「池月」が、能登国能登島牧山産との記歴があり、その名声にあやかるべく命名された。」(※1)という鳥屋酒造さんの“池月”。
9323.JPG

あー知らなんだ知らなんだ!

池月の出自については、あたしゃかつて島根県のお酒東京にある公園とで知ったことがありましたが、能登半島にもあったのですね。
ま、伝説ですからね、そりゃ各地にあることでしょうよ。

それにしてもさ、宇治川の戦いから千年も経っていないというのに、池月の出自についての伝説が全国各地に散在するなんて、面白いですね。
というか、こういう例を見聞すると、原発で出た高レベル放射性廃棄物を地中深くに埋めて処分し、その場所を何万年もの後の人々にもはっきりとわかるようにしておくなんてことは、到底無理だろうなって思いますよあたしゃ。
世の中には、数十年前に埋めたタイムカプセルの在り処すらさっぱりわからなくなってしまう例も散見されるというのにね。
どんなに記録を明確に残したとしても、世代が変わるにつれてそれを維持管理する責任が希薄化し、いつか忘れ去られてしまうものなのですよ。


いかんいかんいかん!
お酒の席で政治的な話題を扱ってはいけません。
おいしいお酒であろうと願いつつ、いただいてみたいと思います。

普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
9324.JPG

お酒の色は、薄めの金色というか、真鍮色かな。
9325.JPG


うまみは濃いめです。
酒臭さ(ほめ言葉です)がしっかりしていて、米のうまみが後に続きます。
熟成感も深みがしっかりしていますが、角がなくて穏やかです。
渋みが少しあるみたいですが、軽めです。
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はひかえめです。
すっぱさはかなり弱めです。
スースーはちょっとだけ。
ピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
やや厚めですが、クドさやべとつきはなく、さらっとしています。


濃醇深旨やや甘口のおいしいお酒でした。
酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)と熟成感とに由来する深みがしっかりしているものの、角がなくて穏やかでした。
キレのよさも、角を消してくれているように思いますよ。
また甘みもしつこくなくていい感じでした。

これ、なかなかいけますね。
この深いのに穏やかな口当たりは、造りによるものでしょうか?
それとも、アル添の効果でしょうか?
純米酒もぜひとも試してみたいところでした。

(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.69(2002.3 橋本確文堂)

【お酒】1619.若緑 ヤングカップ [17.石川県の酒]

9307.JPG
中納酒造株式会社
石川県輪島市町野町寺山3字42

アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール・糖類・酸味料
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




このカップ酒は、今年の4月に輪島で徘徊した際に入手したもののうちの一つです。

その時の成果はカップ酒26個、一合瓶3本、300ml瓶2本に焼酎カップ1個だったわけですが、その中でこのカップ酒が唯一の糖類酸味料添加の三増酒でした。
9308.JPG

察するに能登地方では糖添廃止がかなり進んでいるようでしたが、その中で三増酒を造り続ける意義はいったいどこにあるのでしょうか?
そのことを考えながら、このお酒を試してみようと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
9309.JPG


うまみはやや淡めです。
これは醸されたうまみというよりも、添加された画一的な味ですわ。
苦みがあって、弱めではあるものの重さと鋭さとを感じます。
キレはよいみたいで、透明感を少し感じます。

酸味はややひかえめでしょうか?
すっぱさは弱めですが、弱めながらに鋭いですね。
スースーは少しはっきりしています。
それに軽いピリピリ感がありますね。

甘みはややはっきりかな。
厚みはなく、くどくもないものの、べとついています。


薄苦すっぱちょいすーやや甘口のお酒でした。
この画一的な味わいは、おそらく添加された酸味料に由来するものでしょうね。
また苦みや酸味はそれほど強くはないものの、うまみが薄いというか弱いので目立つみたいでした。

この味は、果たして地元の食べ物と合うのでしょうか?
わからんなぁ。
まあでも、わからんからこそ、面白いんですけれどね。

【お酒】1618.福正宗 純米酒 金色のしずく カップ [17.石川県の酒]

9302.JPG9303.JPG
株式会社福光屋
金沢市石引二丁目8-3

原材料名:米、米麹(国産米100%使用)
精米歩合:75%
アルコール分:14度
200ml
(以上、ラベルより転記)




福光屋さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
加賀鳶(かがとび) 純米&純米吟醸 飲み比べ
福正宗 純米 黒ラベル フクカップ
加賀鳶 山廃純米 超辛口
黒帯 悠々 特別純米
福正宗 純米 ひゃくまんカップ 辛口&旨口 飲み比べ
福正宗 純米にごり酒 しろき 300ml
駅弁屋 純米吟醸 夢の旅 アルミ缶
福正宗 特別純米 銀ラベル 180ml
加賀鳶 極寒純米 辛口 アルミ缶

また、お酒ではございませんが、“零の雫(ゼロのしずく)”なるノンアルコール飲料もいただいております。


今日いただくこのお酒は、精米歩合75%でアルコール度数14度かつ200ml詰の純米酒でした。
9304.JPG

でもね、この純米酒カップ、お値段たったの150円でしたよ。
9305.JPG

純米酒を名乗るためには、使用するお米の規格に制限があるのです。
すなわち、農産物検査法によって3等米以上に格付けされたお米を使わなければならず(※1)、いわゆるくず米や米粉などを用いることはできないのですよ(このことは、精米歩合の表示が義務付けられていること(※2)からもわかりますね)。

それなのに、けっしてお安くないお米を用いているはずの純米酒の200mlカップ酒に150円というお値段を設定できるなんて、いったいどうしてなのでしょうね?
これは私の予想ですが、方々で余ってしまった古米・古々米を安く買い集めて用いているのでしょうか?
それとも、特殊な技法でアルコール発酵の精度を高めて(アル添なしで)20度超まで持っていって、それを多めの割り水で14度台に下げて量を稼いでいるのでしょうか?


邪推はこのくらいにして、いただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
9306.JPG


うまみはやや濃いめでしょうか。
酒臭さ(ほめ言葉です)が最初に来て、そのあとで米のうまみをじんわりと感じます。
苦みがあって、強くはないものの重さを感じます。
キレはそれほどでもないものの、不思議とアル添酒みたいな透明感を少し感じます。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭いですね。
スースはなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめでしょうか。
かなり弱めですがゼロではなく、存在はかすかにわかります。


やや濃醇でちょい苦すっぱやや辛口のお酒でした。
重めの苦みと鋭いすっぱさとで、荒々しさをけっこうはっきりと感じましたよ。
でもその荒々しさが、魚や濃いめの味付けの料理とよく合うように思いました。
またアル添酒みたいな透明感を少し感じたことから察するに、やはり加水は多めなのでしょうか?

(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1(2)
(※2)(※1)3(1)

【お酒】1616.唐戸山 純米酒 300ml [17.石川県の酒]

9283.JPG9284.JPG
御祖酒造株式会社
石川県羽咋市大町イ8

アルコール分 16度
原材料名 米・米麹
精米歩合 60%
原料米 石川県産こしひかり100%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




御祖(みおや)酒造さんのお酒は、かつて普通酒のほまれ 佳撰 Hana Cupをいただいております。
今日いただくこのお酒は、石川県産こしひかりを100%使用したという純米酒でした。
9285.JPG

“唐戸山(からとやま)”という銘は、どうやら羽咋神社の例大祭で奉納される唐戸山相撲神事に由来するみたいですね。
9286.JPG

ところで、このお酒は道の駅のと千里浜(石川県羽咋市)にて入手いたしました。
notonishi132.JPG
notonishi133.JPG

これは私の予想ですが、このお酒はこの道の駅で企画された商品ではないでしょうか。
だって、ラベルが道の駅のパンフレットにそっくりなんだもん。
9287.JPG9288.JPG
9289.JPG

しかもこのお酒、吟醸造りでもないのに、300ml詰でお値段なんと1,000円でしたよ。
道の駅サイドの取り分やいかに。
9290.JPG


冷やして販売されておりましたので、香りがあることを予想して冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
9291.JPG


香りはないですね。
でも、フレッシュな風味を少し感じます。

うまみはやや濃いめでしょうか。
米のうまみがどっしりとしていて、舌の上にベタっと乗っかってくるみたいです。
苦みがすこしはっきりしていて、鋭さも少し感じます。
熟成感はありません。
純米酒ですが、キレはよいですね。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。

甘みはややひかえめです。
かなり弱めですが、弱めながらにも厚みがありますよ。


やや濃醇で爽快ちょい苦ちょいすっぱ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
フレッシュな風味がしつこくなくてちょうどいい感じでした。
もしかして生貯でしょうか?
そのフレッシュさが酸味とともに爽やかさを作り出してくれているようでした。
米のうまみはどっしりとしていて、苦みもあって荒々しく感じましたよ。
酒造好適米ではなくて飯米で作るとこういう味わいになるのでしょうか?

飲み応えを感じつつも爽やかなお酒でした。
これは冷やしてこその味わいでしょうよ。



安物のひき肉。
9292.JPG

ハンバーグでごじゃりま~すよ~!(ハクション大魔王より)
9293.JPG

ジューシーさはイマイチでしたが、おいしくいただけましたよ。
というか、肉の味がお酒のどっしり感とよく合うことよく合うこと!
9294.JPG

アっちゅう間でございましたとさ。
9295.JPG
前の10件 | 次の10件 17.石川県の酒 ブログトップ