【お酒】265.るみ子の酒 純米酒 るみかっぷ [24.三重県の酒]
合名会社森喜酒造場
三重県伊賀市千歳41-2
アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合60%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)
今日、平塚の酒屋さんで買ったばかりのお酒です。
このお酒ですが、6月製造の新鮮なお酒だと思って買ったら、実は去年の6月製造でした。
でも、酒屋さんでは、このお酒は冷蔵庫で保管されていました。
しかも、劣化防止のためか、冷蔵庫に蛍光灯を入れていなかったのです。
そもそもるみ子の酒は、「最低一年は酒を寝かしてから出荷している。」そうですので(※1)、おまけでもう一年余計に寝かせたものと前向きに考えたいと思います。
森喜酒造場さんは、かつて探偵!ナイトスクープで活性生原酒が紹介されて話題になりました。
しかし、決してバラエティー番組に出るようないい加減な造り酒屋さんではないようです。
森喜酒造場さんは、神亀酒造のオーナーの指導を受け、「奇をてらうのではなく、原則を守る。押さえるべきところは、きちっと押さえる。」という考え方の下で(※2)、純米酒のみを醸造しているようです。
先ほど、「最低一年は酒を寝かしてから出荷している。」と紹介しましたが、これもきっと神亀さんの影響によるものでしょう。
このお酒のラベルは、『夏子の酒』の原作者である尾瀬あきらさんが書いたそうです。
森喜酒造場さんの跡取りであった森喜るみ子さんが蔵を引き継いだときに、『夏子の酒』を読んで感銘を受け、その気持ちを手紙にしたためて尾瀬あきらさんへ送って以来、親交があるようです。
その後、るみ子の酒を完成させたときには、尾瀬さんは「無料でラベルの絵を描いてくれた」そうです(※3)。
そんなるみ子の酒を、今日もぬる燗でいただきます。
一口いただくと、酸味を感じます。
そんなに強くはありませんが、はっきりしています。
ヨーグルトの上澄みのようなすっぱさだと思います。
しかし、刺激やピリピリ感はまったくありません。
うまみはしっかりしてます。
濃厚ではないものの、深みというか、厚みを感じます。
酒臭さは思っていたほど感じません。
クセのないうまみです。
わずかに香ばしい風味を感じますが、これは熟成(1年+1年)による風味でしょうか。
甘みはわずかに感じます。
自然な感じの甘さです。
お酒の味にコクを出しています。
しっかりした酸味と、深みのあるうまみとを、自然な甘さが支えている、やや濃醇でやや辛口のおいしいお酒でした。
酸味がしっかりしているものの、刺激やピリピリ感がないのは、丁寧に造ってあることの証拠だと思います。
それに、1年前に製造されたお酒でしたが、古さは感じませんでした。
これはきっと、このお酒が丁寧に造ってあることと、酒屋さんの保管状態がよかったこととのおかげでしょう。
(※1)古川修『世界一旨い日本酒 熟成と燗で飲る本物の酒』p.101-102(2005.6 光文社新書)
(※2)同p.99
(※3)同p.100
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2017/04/06
また飲んでみました。
お酒の製造年月日というと、いつ?って言いたくなりますがぁ・・・。瓶入り商品、カップ酒という商品に加工された日付ですよね。搾って、タンク等で熟成させて(しぼりたて商品もありますがぁ・・・。)、瓶詰めされる。
それにしても、酒屋さんの冷蔵庫に1年あった酒、これは美味しそう!平塚まで探しに行きたいです。
by hanamura (2014-06-29 10:52)
hanamuraさん、私は、製造年月日は「蔵元さんの管理を離れて流通に乗せられた日」と考えています。
それ故、製造年月日から日が経っているものは、いい加減に扱われている期間が長い可能性があると思います。
もっとも、今回このお酒を買ったお店ではそんなことはなく、丁寧に保管されていました。
平塚駅近くの、久保の井酒店さんでした。
by skekhtehuacso (2014-06-29 21:02)