【お酒】464.東薫(とうくん) 金紋 あやめカップ [12.千葉県の酒]
東薫酒造株式会社
千葉県香取市佐原イの627
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml詰
(以上、フタより転記)
蔵元さんがある佐原(サワラ)は、利根川の水運で栄えた街です。
東薫酒造さんも「水利と良質の早場米を得て、酒造りの好適地として歴史と伝統を積み重ねてきた。」とのこと(※1)。
また、別の文献では、佐原の町と東薫酒造さんのこととを、以下のように紹介していました。
「“お江戸見たけりゃ、佐原へおじゃれ、佐原本町江戸まさり”の唄が残る程、川を利用した交通の要衝として商人の町は繁栄していた。この町づくりの中心になったのが伊能家と永沢家と伝えられている。伊能家は“日本地図づくり”の伊能忠敬で有名だが、両家とも今で言う“総合商社”だった。佐原で最初に酒造りの株を持ったのが、この伊能家だった。寛文年間のことだった。」
「この伊能家の酒造りの株の流れをくんで、文政八年(1825年)に現在の旭市出身の日野家卯兵衛(石毛姓)が、東薫酒造を創業している。当時の酒は「日の出」名で売られ、講談“天保水滸伝”に登場する平手造酒も愛飲したものだと言い伝えられている。」(※2)
『大日本沿海輿地全図』を作り上げた偉人である伊能忠敬の一族が造り始めた酒を、千葉道場を破門されてやくざの用心棒になり下がった平手造酒(←音が出ます)が愛飲していたなんて、なかなか面白いと思います。
私もどちらかというと、西の空をまともに見ることができない身分ですので。
そんなこと、どうでもいいことです。
それよりもこのお酒ですが、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
しかし、酸味料は添加されていないようです。
私は三増酒でもいただくという方針ですので、ありがたくいただきたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
その前に、このお酒ですが、色はなかなかおいしそうな感じです。
糖添だけあって、やはりうまみは淡めです。
しかし、弱いながらも、醸し出された酒臭さ(←ほめ言葉です)を感じることができます。
それに、苦みや雑味はありません。
酸味はけっこうはっきりしています。
スーッとしていて、かなりさわやかです。
ほんのわずかにピリっと感じます。
糖添であるにもかかわらず、甘みはひかえめです。
べとつかないさらっとした甘みをほんの少しだけ感じます。
さわやかな酸味の効いた、淡麗辛口のお酒でした。
酒臭さ(←あくまでもほめ言葉です)は感じるものの、やはり糖添酒らしい淡い味わいでした。
糖添なのに甘みが少ないのは、きっと添加した糖類がアルコール発酵しきっているからでしょう。
これは糖類の添加量が少ないからでしょうか。
それとも、蔵元さんがアルコール発酵の管理を徹底なさっているからでしょうか。
(※1)安藤三佐夫編著『千葉の地酒とうまい肴』p.20(2013.4 彩流社)
(※2)う沢喜久雄『房総酒蔵めぐり』p.101-102(2005.8 崙書房出版)
色のついた酒、私も時々飲んでいます。
平手造酒の話、面白いですね。
by toshi (2015-02-07 04:22)
静岡出身なので、清水次郎長伝、森の石松が好きですがぁ・・・。
平手造酒の「飲酒」「吐血」でも強いのは、かっこ良かった!
by hanamura (2015-02-07 08:09)
toshiさん、コメントありがとうございます。
色がついているとおいしそうに見える酒も、飲んでみるとちがったりして、難しいところです。
by skekhtehuacso (2015-02-07 21:55)
hanamuraさん、私も平手造酒みたいに散りたいものです。
by skekhtehuacso (2015-02-07 21:58)