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【お酒】971.いづみ橋 純米酒カップ [14.神奈川県の酒]

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泉橋酒造株式会社
神奈川県海老名市下今泉5-5-1

【原材料名】 米(国産)、米麹(国産米)
【アルコール分】 16度
【精米歩合】 70%
180ml詰
(以上、ラベルより転記)





泉橋酒造さんのお酒は、これまでにいづみ橋の特別純米酒プレミアムカップと、いづみ橋の純米吟醸 恵 青ラベル300mlいづみ橋の純米とんぼカップ、そしていづみ橋の辛口純米酒 いろどり 300mlをいただいております。
今日いただくこのお酒は、純米酒カップと銘打たれております。


裏のラベルには、いろいろと書かれておりました。
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【製造年月】と【蔵出年月】とが分けて表示されていますね。
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ご丁寧なことに、両者のちがいについてもちゃんと説明されておりましたよ。

しかし、公式ルールでは「特定名称の清酒であって、容器に充てんし冷蔵等特別な貯蔵をした上で販売するものについては、その貯蔵を終了し販売する目的をもって製品化した日を製造時期として取り扱う。」(※1)とされております。

このお酒の場合、蔵元さんが「瓶詰めから蔵出まで適正に管理しています。」と述べているわけですから、【蔵出年月】を製造年月として表示してもよいはずです。



そんな細かいことはこのくらいにしておきます。
それよりも、今日はどうしても触れておきたいことがあるのです。

同じく裏のラベルには、このお酒が“活性炭を使用した濾過”をしていない旨が表示されております。
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そもそも、活性炭を使用した濾過とはどういうもので、どういう意味があるのでしょうか?
これについて、手元の文献には以下の記述がありました。

 きき酒ではまず色を見ることになっているが、実は現在市販されている日本酒の大半は、ほとんど色がついていないといっていい。現在の日本酒は、上槽(じょうそう)・滓引き(おりびき)の後さらに濾過して、微細な固形物を完全に除去してから火入れ・貯蔵されるが、一般に、この濾過の際に活性炭を使用するため、もろみを搾った段階ではついていた色が脱色されてしまうからである。ちなみに、活性炭使用の目的は脱色だけではなく、香味の調整や着色の防止、火落ち防止、過熟防止などの意義もある。」(※2)


この活性炭による濾過については、どうやら功罪両面があるようです。
中には“罪”の面を重視して、濾過をいっさいしないという蔵元さんもあるくらいです。

 これに対して、高橋杜氏の酒は、生まれたままの酒本来の風味を大切にするために、濾過は行わない。酒の濾過には、功罪両面があって、雑味や異臭などの欠点を取り除くという功の面もあるが、同時にせっかく醸し出した酒の旨味や個性を消し去ってしまうこともあるからだ。
 高橋杜氏の矜持は、「濾過をしなくても、そもそもがきれいな酒質の酒、なおかつ米の旨味を生かした酒を醸す」ことにある。
 そのために、精米、洗米の段階からの徹底した原料処理を行い、微生物たちには十分な醗酵期間を与えているのだ。
 たとえていうなら、素肌の美しさを生み、保つために栄養をとる、十分な睡眠をとるなどの根本的な努力を重ねておいて、そのあとの化粧はしない、という健康な美人のような酒なのである。」(※3)


しかし、(※2)の記述のように、ほとんどのお酒が濾過されているというのが現実です。
ということは、やはり濾過をすることで得られる“功”の側面が大きいことから、多くの蔵元さんが濾過を取り入れているのでしょう。
その“功”の側面を紹介した雑誌の記事を、以下に紹介いたします。

「人の口に入るものですから」
(中略)
 「確かに炭を使うと、雑味や色と一緒に風味ももっていかれるというマイナス面はある。それは否定しません。それでも炭濾過をするのは、確実にプラスの効果があるからです。一番大きいのは、火落ち菌による腐敗を少なくできること。そして、色やにおいが過剰につくのを避けられること。特に天青は一定期間熟成させてから出荷する酒なので、熟成前の段階で変質しにくい状態にコントロールしておく必要がある。無濾過で個性を表現する以前に、安定したおいしさを届けるための酒質管理を優先したいという考え方です」。なぜならば、と言い添えたのが冒頭のひと言。」(※4)
(もっとも、この後では、使用する活性炭の量や使用する時間を必要最小限に抑えている旨が述べられておりました。)


濾過をしないとする見解ではお酒の個性を残すことを重視し、逆に濾過を肯定する見解は酒質管理の必要性を説いておりました。

ここからは、私の意見です。

双方の見解は、いずれも正論でしょう。
それ故、(純米至上主義≒アル添排斥主義のように)、正邪の評価をすべきではないと思います。

むしろ、無濾過のお酒をいただく際にはその個性に着目しながら味わい、逆に濾過されたお酒をいただくときはその酒質を感じながらいただくというように(あるいは逆に、個性あるお酒をいただいた際に無濾過ではないかと予想したり、きれいなお酒をいただいて濾過の効果を感じ取ったりと)、双方の意義や効果を理解することによって、お酒をいただくことがより楽しくなるのではないでしょうか。



大変長らくおまたせいたしました。
そろそろいただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

このお酒ですが、無濾過だけあってやはりはっきりと色づいておりましたよ。
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うまみはやや濃いめですが、とてもキレがよいですね。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみですが、まろやかさを感じます。
熟成感はほとんど感じません。
しかも、苦みや雑味をまったく感じません。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさは少しで、さわやかさをはっきり感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
かなりさらっとした、べとつかない甘みです。


しっかりしているものの、まろやかでキレのよい、やや濃醇で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
しっかりしているのにキレがよく、しかも角がなくてまろやかでした。
さらっとした甘みも、まろやかさとコクとを添えているように感じました。
純米とんぼカップの引き締まった味わいとは対極的でした。

でもね、燗が冷めてくると、軽い苦みと酸味とが少し目立ってきましたよ。
この変化は、もしかしたら無濾過がもたらした個性でしょうか?


(※1)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達86条の6 酒類の表示の基準2(3)ロ(イ)
(※2)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.133(2000.4 柴田書店)
(※3)藤田千恵子『美酒の設計 極上の純米酒を醸す杜氏・高橋藤一の仕事』p.35(2009.11 マガジンハウス)
(※4)dancyu 2014年3月号 p.56(堀越典子『ろ過×天青-熊澤酒造 五十嵐哲朗杜氏』p.56-59中)(プレジデント社)
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hatumi30331

只今、検診に向けて禁酒中。へへ;

麻疹・・・関空からアウトレットまで・・・
みんな、予防接種してないのかな?

私は、ここんとこ引きこもってたから、大丈夫!
それに子どもの頃、やってるし。
by hatumi30331 (2016-09-05 23:26) 

green_blue_sky

晴れていても雨が降ることが多いです。
そのため、虹がよく見えます(^_^;)
日本酒、1月以来、飲んでいないです・・・
by green_blue_sky (2016-09-06 06:34) 

skekhtehuacso

hatumi30331さん、そういえば私も来週、人間ドックでした。

by skekhtehuacso (2016-09-06 22:20) 

skekhtehuacso

green_blue_skyさん、飲みなはれ飲みなはれ。
にゃんこといっしょにじゃんじゃん飲みなはれ。
by skekhtehuacso (2016-09-06 22:21) 

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