【お酒】1309.白牡丹 純米酒 300ml [34.広島県の酒]
白牡丹酒造株式会社K
広島県東広島市西条本町15番5号
アルコール分14度
原材料名 米・米麹
国産米100%
精米歩合 70%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
白牡丹酒造さんのお酒は、これまでに金紋白牡丹 広島上撰 ライトカップと、白牡丹 広島の酒 ライトカップ、そして金紋白牡丹 広島上撰 300mlをいただいております。
いずれも普通酒でしたが、今日いただくこのお酒は純米酒です。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
うまみは濃くはなく、むしろやや淡めかもしれません。
米のうまみが少しあって、酒臭さ(←ほめ言葉です)も少し感じます。
また、軽い渋みがほんのかすかにあるみたいです。
純米酒ですがキレはよく、スッと引きます。
酸味はややひかえめです。
すっぱさがちょっとだけありますが、ちょっとだけなりに鋭さを感じます
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりしています。
厚みを少し感じるものの、かなりさらっとしています。
やや淡麗で旨やや甘口のおいしいお酒でした。
純米なのに角がなく、さらっとしていて飲みやすい味わいでした。
それに甘めですけれど、べとついた感じはありませんでした。
酸味もいい具合に効いていると思います。
これまでにいただいた普通酒よりも甘くないですね。
これはもしかしたら、冷酒でもいけるような気がいたしました。
【お酒】1306.千福 激熱 300ml [34.広島県の酒]
株式会社三宅本店
広島県呉市本通七丁目9番10号
アルコール分/15.5度
酒質/本醸造酒
原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合/70%
内容量300ml
(以上、ラベルより転記)
三宅本店さんのお酒は、これまでに千福 精撰Vパック赤と、千福 上撰Vパック青、そして千福 上撰 純米Vパックとをいただいております。
久々の千福ですが、今日いただくこのお酒は激熱(ゲキアツ)と銘打たれた本醸造なのだとか。
蔵元さんのWebsiteによれば、このお酒は「アツく温めると激烈にうまい酒」なのだとか。
ラベルには、燗酒がおすすめである旨が表示されておりましたよ。
そういうことでしたら、今日は熱めの燗でいただきますよ。
お酒の色は、ほぼ透明でした。
燗をつけると、お酒の甘い香りがふわっと漂ってまいりましたよ。
しつこくはなく、奥ゆかしい香りが口から鼻へと抜けていきます。
最初に酸味を感じました。
すっぱさが強くはないものの、鋭さを少し感じます。
しかも酸味自体に深みを感じますよ。
それでいて、刺激やピリピリ感はありません。
うまみはやや淡めです。
かもし出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみと米のうまみとをほんのりと感じます。
苦みや雑味はまったくなく、キレがとてもよいですね。
甘みはややひかえめです。
ゼロではなく、その存在はわかります。
香りが奥ゆかしくて酸味がほどよく効いている、やや淡麗で旨やや辛口のおいしいお酒でした。
これは絶妙な酸味を味わうお酒でしょう。
鋭さがあるもののすっぱくはなく、ちょうどよい酸味です。
それに酸味自体に深みがあって、それがお酒の味わいにコクを添えているようです。
それでいてキレがよく、スッと引いていきますよ。
しかもその酸味とともに、お酒の甘い香りがこれまたいい塩梅です。
たしかにこの香りと酸味とは、燗酒でいただいてこそでしょうね。
これさ、かなりうまいんじゃないの!
あたしゃこの香りと酸味、大好きですわ。
【お酒】1305.亀齢 キレイカップ [34.広島県の酒]
亀齢酒造株式会社
広島県東広島市西条本町8番18号
アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
180ml
(以上、ラベルより転記)
酒銘に亀齢(きれい)と名付けている蔵元さんはたしか長野県上田市にありましたが、、今日いただくこのお酒は広島県東広島市にある銘醸地“西条”に蔵を置く蔵元さんのものでした。
残念ながら、糖類添加の三増酒でした。
しかし、酸味料は添加されていないみたいです。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほとんどわからない程度でした。
燗をつけると、お酒の甘い香りがふわっと漂ってまいりました。
うまみは淡めです。
ですが、米のうまみを淡いなりに感じますよ。
苦みや雑味はありません。
キレもよいですね。
酸味ははっきりしています。
すっぱさが少し強めで、鋭さを感じます。
しかもちょいピリです。
甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌触りやべとついた感じはありませんが、甘みに厚みを感じます。
淡麗すっぱやや甘口のお酒でした。
亀齢だけに、クドさや雑味がなくてきれいな味わいでした。
また糖添三増酒にありがちな甘口でしたが、その甘みにべとついた感じはありませんでした。
酸味の鋭さが突出していて気になるかもしれませんが、魚や濃い味の料理には合うのではないでしょうか。
【お酒】1298.賀茂泉 純米吟醸 ひとくち銘醸蔵 カップ [34.広島県の酒]
賀茂泉酒造株式会社
広島県東広島市西条上市町2-4
原材料名:米・米こうじ(国産米100%使用)
アルコール度数:15度
精米歩合:60%
容量130ml
(以上、フタに貼られたラベルより転記)
賀茂泉酒造さんのお酒は、かつて普通酒の賀茂泉 朱泉 イズミカップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、精米歩合60%の純米吟醸酒でした。
このカップには、かつて梅錦の純米大吟醸カップをいただいた際に出会っております。
純米吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、きれいな金色をしておりました。
蔵元さんのWebsiteを参照したところ、どうやら無濾過のようでした。
吟醸香は感じませんでした。
うまみは濃いめです。
熟成感と酒臭さ(←ほめ言葉です)がはっきりしていて、深みを感じます。
軽い苦味が少し合って、少し重めです。
キレはよいみたいです。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。
うまみしっかりでキリッと引き締まった、濃醇ちょい苦旨辛口のおいしいお酒でした。
吟醸造りのお酒にしては苦味と酸味とがはっきりしているものの、それがいい具合に味を引き締めているようでした。
甘味が少なくてドライな口当たりであることも、よりいっそう引き締まった感じを作出しているようでした。
口当たりのよい吟醸酒とはまったく異なった味わいでしたが、これはこれで飲み応えのあるおいしいお酒でした。
【お酒】1154.金紋白牡丹 広島上撰 300ml [34.広島県の酒]
白牡丹酒造株式会社K
広島県東広島市西条本町15番5号
原材料名 米・米麹・醸造アルコール
国産米100%
アルコール分15.0度以上16.0度未満
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
白牡丹酒造さんのお酒は、かつて金紋白牡丹 広島上撰 ライトカップと、白牡丹 広島の酒 ライトカップとをいただいております。
今日いただくこのお酒ですが、上撰の小印と品質表示とから判断するに、金紋白牡丹 広島上撰 ライトカップと同じお酒でしょう。
その金紋白牡丹 広島上撰 ライトカップの記事でも引用しましたが、白牡丹酒造さんのお酒は以下の通り甘口なのだそうです。
「「終戦後、みんなが甘みに飢えていたとき、甘い酒を作って喜んでもらった。それ以来の伝統です」。ただ「甘口という呼び方はどうも…。うま口と言ってほしい。飲んだ後にベタッとした甘みが残らず、後切れがいい酒」。」(※1)
その甘口のお酒を、久しぶりに味わってみようと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、透明でした。
燗をつけると、お酒の甘い香りがフワッと漂ってきましたよ。
やっぱり甘いですわ。
甘みに厚みがありますね。
でもべとつかず、けっこうさらっとしています。
うまみはやや淡めです。
やわらかいうまみをほんのりと感じます。
また、香ばしさと軽い苦みとを、かすかに感じます。
キレはよく、スッと引きます。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少しあって、鋭さを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
厚みはあるもののさらっとした甘みとやわらかいうまみとを、酸味が引き締める、やや淡麗で甘口のおいしいお酒でした。
たしかに甘いお酒でしたが、甘み自体がさらっとしていて、しかも酸味がちょうどよく効いているので、甘ったるくはないですね。
上記の文献にあったように、「飲んだ後にベタッとした甘みが残らず、後切れがいい酒」(※1)でした。
クセがなくてのみやすく、しかも食事とも合わせやすいと思います。
(※1)中国新聞社メディア開発局出版部編『広島の酒蔵』p.86(1995.2 中国新聞社)
【お酒】1110.醉心 サケカップ 軟水仕込み [34.広島県の酒]
株式会社醉心山根本店
広島県三原市東町1-5-58
アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
180ml
(以上、カップの印刷事項より転記)
醉心山根本店さんのお酒は、これまでに普通酒の上撰醉心カップと、醉心の純米吟醸醉心稲穂180ml、そして醉心の純吟カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、上撰醉心カップと同じ普通酒です。
こちらのお酒には小印がつけられていないことから推察するに、もしかしたら佳撰クラス(級別制度下における二級酒相当)のお酒でしょうか?
このお酒は、“軟水仕込み”なのだとか。
かつて紹介したことがありましたが、水に含まれるミネラル分は酵母のえさとなるので、それが少ない軟水でお酒を仕込むと酵母の働きが弱くなり、甘口のお酒に仕上がるそうです。
そして、「ところが広島の水はおおむね3-6度の軟水である。酵母がなかなか元気にならない。そこで工夫されたのが「しっかりした麹」である。これは軟水の弱点をカバーして、なおかつ灘とは違う広島酒の特徴、つまりキメの細かさを生んだ。この軟水醸造法を開発したのは、明治年間の安芸津の醸造家、三浦仙三郎である。」(※1)
「しっかり作った麹は、かぐわしい香りを出し、世に「女酒」と呼ばれるようなふくらみやキメの細かさをもたらす。」(※2)
とのこと。
このお酒をいただいてから軟水仕込みの小さい表示に気がついたのですが、三浦仙三郎さんが発明したという軟水醸造法について、もう少し詳しく調べておけばよかったと後悔しております。
今日いただくこの広島のお酒も、はたしてキメの細かい味わいなのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
うまみはやや淡めです。
それでも、やわらかいうまみが淡いなりにしっかりしています。
ほんのかすかに軽い苦みがあるみたいですが、まったく気にはなりません。
それに、雑味はまったくないみたいです。
それでいてキレがよく、スッと引いていきます。
酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少ししっかりしていますが、鋭くはないみたいです。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりしています。
でもけっしてべとつかない、さらっとした甘みです。
やわらかいうまみと甘みとを、酸味が引き締める、やや淡麗でやや甘口のおいしいお酒でした。
たしかに雑味がなくてきれいな、キメの細かいお酒だと思いました。
でも、酸味がいい塩梅に効いているようでした。
酸味がないと、薄っぺらく感じてしまうかもしれません。
なかなかいける普通酒だと思います。
(※1)中国新聞社メディア開発局出版部編『広島の酒蔵』p.6(1995.2 中国新聞社)
(※2)(※1)p.7
【お酒】764.白牡丹 広島の酒 ライトカップ [34.広島県の酒]
白牡丹酒造株式会社K
広島県東広島市西条本町15番5号
原材料名 米・米麹・醸造アルコール・糖類
国産米100%使用
アルコール分15.0度以上16.0度未満
200ml詰
(以上、カップの印刷事項より転記)
白牡丹酒造さんのお酒は、かつて金紋白牡丹 広島上撰 ライトカップをいただいております。
今日いただくこのお酒も普通酒ですが、残念ながら糖類添加の三増酒でした。
しかし、酸味料は添加されていないみたいです。
かつて金紋白牡丹 広島上撰 ライトカップをいただいた際に紹介しましたが、甘いお酒を造るというのが白牡丹酒造さんの伝統なのだとか。
しかもこのお酒は糖類添加の三増酒ですから、きっとアルコール発酵しきれずに残存した糖類の影響で甘みがよりいっそう強くなっているのではないかと推測し得ると思います。
果たして、いったいどれほど甘いのでしょうか。
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほとんど目立たないくらいでした。
あー、こりゃたしかに甘いわ!
甘みがかなりはっきりしています。
でもね、糖添三増酒にありがちなとろみのような舌触りはほとんど感じず、甘さの割にはさらりとしています。
それに、不思議とクドさも感じませんね。
うまみはやや淡めです。
酒臭さはなくて、むしろやわらかいうまみです。
苦みや雑味はないですね。
酸味はややひかえめといったところでしょうか。
すっぱさをちょっと感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みがはっきりしているもののおだやかな味わいの、やや淡麗で甘口のおいしいお酒でした。
うまみは淡めですが、甘みのせいかコクはありました。
それでいてクドさがないのは、酸味料の添加がないためでしょうか。
なんとなくではありますが、これは白鹿の上撰を淡くして甘みを強くしたような味わいではないかと感じました。
甘いので何杯もとはいかないものの、糖添三増酒にしてはおいしいのではないかと思いました。
2020/03/05
また飲んでみました。
【お酒】714.西條鶴 純米酒 大地の風 300ml [34.広島県の酒]
西條鶴醸造株式会社
東広島市西条本町9番17号
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合 70%
アルコール分 15度以上16度未満
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
今日は、広島の酒処西条で造られたお酒をいただきます。
西条には一度行ってみたいと思っているのですが、まだ叶っておりません。
今日いただくこのお酒は、純米酒です。
西條鶴醸造さんの純米酒造りについて、文献では以下のように紹介していました。
「 「酒づくりは半分は趣味を求めるようなものですよ。私とおやじの好みに合わせた酒を作ろうと思っている」と伊野本孝允社長(56)が言う。それはサラリとした酒。純米であっても、軽く飲める酒だ。言い換えれば、米を余り溶かさないで作る酒である。
米をよく溶かすと、発酵も進み、たくさんのアルコールがとれる。蔵元とすれば、経済的な作り方だ。しかし、その分、よけいな雑味が溶け出す。麹菌が処理しきれないでんぷんも残ってしまう。それが酒の「くどさ」「重さ」となって現れるのだ。特に秋口からはっきり出てくる。」(※1)
ということは、今日いただくこの純米酒も軽く飲める純米酒なのでしょうか。
私としては、軽く飲めるお酒よりも、ガツンと来るお酒のほうが好きなのですが・・・。
まあ、軽かろうが重かろうが、おいしければいいのです。
上記の考え方が反映されているのかどうか確認しながらいただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ややはっきりしていました。
おおっ!
予想に反してうまみは濃いめで、かなりしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみが口の中に広がります。
ほんのわずかですが、香ばしい風味もあるみたいです。
しかし、それでいて苦みや雑味がなく、澄んだ感じがします。
酸味はけっこうはっきりしています。
すっぱさがかなり豊かです。
それにこの酸味には、深みがありますね。
これは私の好きなやつですぞ。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みはひかえめです。
ほんのわずかに感じる程度です。
しっかりしたうまみと深みのある酸味との、濃醇旨辛口のおいしいお酒でした。
濃いですが、雑味がなくて澄んだ味わいに仕上がっていると思います。
コクはそれほどないものの、味わいに深みを感じました。
決して軽く飲めるお酒ではないと思いますが、これだけ濃いにもかかわらず、たしかに雑味がなくてきれいな味わいでした。
もしかしてこれが、米をあまり溶かさない造りの成果なのでしょうか?
(※1)中国新聞社メディア開発局出版部編『広島の酒蔵』p.88-89(1995.2 中国新聞社)
【お酒】703.うっぷんばらし 冷酒 300ml [34.広島県の酒]
向原酒造株式会社
広島県安芸高田市向原町坂238-1
アルコール分 15.0度以上16.0度未満
原材料名 米、米麹、醸造アルコール
(国産米)
正味300ml詰
(以上、ラベルより転記)
向原酒造さんのWebsiteによれば、この蔵元さんは「明治42年「我が町にも酒屋を」と地元の有志らが出資し造られた蔵。」なのだとか。
町民有志によって設立されたその蔵元さんも、戦後になって存亡の危機を迎えたそうです。
このことについて、文献では以下のように紹介していました。
「一度は、つぶれそうになった。昭和五十七年、日本酒全体の不振のなかで、おけ売りに頼っていたこの蔵は経営が行き詰まり、「解散やむなし」に傾いた。しかし歴史をさかのぼれば、町民有志が資金を出し合って設立された会社。町民株主の間から「何とか残してほしい。これという特徴もない町で、造り酒屋まで消えたら・・・」との声が沸き上がった。曲折の末に、同町出身で、広島市で運送業などを営んでいる渋川玉司(70)さんの企業グループの傘下に入ることになる。」(※1)
そんな町の象徴のような蔵元さんが造ったこのお酒は、“うっぷんばらし”という名前なのだとか。
そういえば、かつて“人生フルスイング”だとか、“一生幸福”だとかいった名前のお酒をいただいたことがありました。
私としては、そういったスローガンのような名前よりも、むしろこの“うっぷんばらし”のほうが、なんとなく飲んでみたくなるような気がします。
酒を飲んでいるときまで、気を張っていたくはありませんから。
ということで、そろそろその“うっぷんばらし”をいただいてみたいと思います。
品質表示を見る限り普通酒ですが、冷酒と表記されていますので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色でした。
うまみは淡めでした。
酒臭さはなくて、お米由来でしょうか、やわらかいうまみを感じます。
ごくわずかですが、吟醸酒のような苦みを感じました。
酸味はややひかえめです。
おだやかなすっぱさをちょっと感じます。
刺激やピリピリ感はありません。
甘みは少しあるようです。
さらっとした甘みをほんのりと感じます。
おだやかな味わいの、淡麗やや甘口のお酒でした。
薄くはないものの、とてもおだやかで飲みやすく感じました。
逆に言えば、面白さがないかもしれません。
これは私の意見ですが、うっぷんばらしのためにはもう少しガツンと来るような味わいのほうがよいのではないかと思いました。
(マゾだな。)
(※1)中国新聞社メディア開発局出版部編『広島の酒蔵』p.77(1995.2 中国新聞社)
【お酒】675.菱正宗 超辛口純米酒 300ml [34.広島県の酒]
久保田酒造株式会社
広島県安佐北区可部2-34-24
原材料 米・米麹
原料米 中生新千本 国産(広島県産米)100%使用
精米歩合 8割
アルコール分 17度以上18度未満
日本酒度 プラス12
300ml詰
(以上、ラベルより転記)
今日は、広島の“超辛口”と銘打たれたお酒をいただきます。
このお酒ですが、原料米に中生新千本(なかてしんせんぼん)なるお米を使っているようです。
この中生新千本について、文献では以下のように紹介していました。
「中生、耐倒伏性に強い短稈である。食味の良い多収のの品種として昭和40年代に普及したが、作付品種の早生化などにともない減少している。心白はほとんどでないが、低タンパク質で酒米としての需要がある。」(※1)
そういえば、米に「タンパク質が多いと、酒になった際にアミノ酸が多すぎて、味が重くなってしまう。」(※2)という文献の記述をかつて紹介したことがありました。
しかし、心白がほとんど出ないということは、酒米としてはどうなのでしょうか?
一方、別のある文献では、この中生新千本について「掛米としての適性が高い」(※3)と紹介していました。
これは私の推測ですが、この文献の記述は、心白がないと麹の破精込みがうまく行きにくいが故に、麹米ではなくて掛米として使用することに向いているという意味なのでしょうか?
結論を出せないまま、この点についてはこれで終わらせていただきます。
このお酒の日本酒度は、プラス12度なのだとか。
これは完全に私の感想ですが、日本酒度って、マイナスの表示については概ね信用できる(マイナスが大きければほぼ甘いと考えてよい)ものの、プラスの表示についてはたとえプラスが大きくても辛く感じない場合が多々あって、あまり信用できないと思うんです。
日本酒度のプラス側のことについては、かつてこちらで紹介した文献の記述にも書いてありましたので、合わせてご参照ください。
恐竜ほどの脳みそしかない私の頭の中でいろいろと考えていても、下手の考え休むに似たりです。
そろそろ実際にいただいてみて、味を確認してみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色でした。
一口含んで、アルコールの香りが強めであるように感じました。
純米酒で17-18度ということは、原酒なのでしょうか?
このお酒ですが、酸味が強烈でした。
かなりすっぱいですし、それに少しピリッと感じました。
これは口の中に残る酸味ですよ。
うまみは濃くはないですが、しっかりしていました。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみが口の中に広がります。
ですが、キレはよく、スッと引いていきます。
それに、苦みや雑味はないみたいです。
ほんのかすかですが、木香があるかもしれません。
甘みはひかえめでした。
でも、ドライな感じはしませんね。
ほんのわずかに存在するみたいです。
酸味が強烈な、たしかに辛口のお酒でした。
こちら以来の、ひさびさかもしれません。
タンパク質の少ないお米を使っているはずなのですが、いったいどういうことなのでしょうか?
それに、この酸味に合わせるには、いったいどんな料理がよいのでしょうか?
謎だらけのお酒でした。
(※1)副島顕子『酒米ハンドブック』p.51(2011.7 文一総合出版)
(※2)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.21(2007.1 新風舎)
(※3)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.134(2000.3 養賢堂)