SSブログ

どうしても食べたかったので、 [雑感]

今日はカレーライス。
レトルトですけれどね。
9275.JPG

カレーを食べるとお酒の味がわからなくなってしまうので、今日はチューハイをいただきましたとさ。
9276.JPG

【お酒】1614.能登路 本仕込み 本醸造辛口 カップ [17.石川県の酒]

9270.JPG
株式会社久世酒造店
石川県河北郡津幡町清水イ122

原料米/自社米(長生米)100%
原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
精米歩合/65%
仕込み水/硬水
アルコール分/15度
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




今日は、「天明元年(1781年:ブログ筆者追記)の創業以来、良い酒を造るため、自社の田にて独自の酒米“長生米”を作り、その米で酒造りを行っている。(中略)創業以来、米作りから酒造りまで一貫生産している日本唯一の酒造店である。」(※1)という久世酒造店さんのお酒をいただきます。

このことは、ラベルにも表示されておりましたよ。
9271.JPG9272.JPG


今日いただくこのお酒は本醸造ですが、純米酒や吟醸酒もブレンドしてあるとのこと。
このような異なる特定名称酒の“混和”は、公式ルールでも認められておりますね。(※2)
9273.JPG


本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
9274.JPG


うまみは、どちらかというとやや濃いめでしょうか。
最初に熟成感が来ますが、弱めで角のない熟成感です。
それとともに、米のうまみをやや厚めに感じます。
苦みがあって、弱めですが鋭さを感じます。
キレはとてもよく、スッと引いていきます。

酸味はややひかえめでしょうか。。
すっぱさは最初はほとんど感じませんでしたが、燗が冷めるにつれて少しずつ出て来るようです。
スースーは少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
かなり弱めですが、かなり弱めなりに厚みがあるみたいです。


しっかりしていながらもキリッと引き締まっている、やや濃醇でちょい枯ちょい苦ちょいスー旨辛口のおいしいお酒でした。

熟成感があって枯れた感じがしましたが、角やしつこさがまったくありませんでした。
それでいて米のうまみもよくわかり、味わい自体に幅を感じました。
苦みも強くはなかったことから、辛口であることと共にいい感じに味わいを引きしめているようでした。
しかもキレがよくて後味スッキリでしたが、これはアル添の効果でしょうか?

(※1)北陸電力企画『北陸酒紀行』p.70(2002.3 橋本確文堂)
(※2)酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達第86条の6 酒類の表示の基準 2(2)イ(ニ)

【お酒】1613.日榮 カップ [17.石川県の酒]

9264.JPG9265.JPG
中村酒造株式会社
本社/金沢市長土塀三丁目2-15
製造場/石川県野々市市清金二丁目1

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分14度
内容量 200ml
(以上、ラベルより転記)




中村酒造さんのお酒は、これまでに加賀の雪酒 純米酒 180mlと、加賀雪梅 純米酒 カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、普通酒でした。
9266.JPG

普通酒ですが山廃仕込で、しかも加賀の菊酒である旨の表示までありますね。
9267.JPG


ところで、“日榮(にちえい)”の由来については、文献に以下の記述がありました。
9268.JPG

酒は古来、災いを避け、飲めば“笑門福来”、家が栄えるとの故事より、さかえ(栄)と呼ばれた。日出る国、人々は酒を酌み交わし、日栄繁盛を祈り慶びを表した。そこから命名されたという永遠のブランド、日栄。」(※1)

そうか!
酒(さけ)は榮=栄(さかえ)に通じるのですね!
たしかに別の文献には、以下のような記述がありましたよ。

1 キ
 酒の古語は「キ」であった。このことばについては、江戸中期の儒者であり、幕政にも参与した新井白石は、古くは食べ物を「ケ」飲みものを「ケ」と言い、酒は飲みものの最高のものとして位置づけられていたがやはり「ケ」、転じて「キ」とも言ったと説明している。今でも「朝食(あさげ)」、「夕餉(ゆうげ)」と言うことばが残っているが、『記紀』はもちろん『万葉集』、『風土記』などから「御邇(みけ)」・「御飼(みけ)」などの用例を見ることができる。したがって、酒を「キ」というのは飲食物の総称「ケ」の転化語であることはほぼ間違いない。実際、『記紀』を見ると、「岐・枳・企・盞=キ」などと見え、これに尊称なり、美称を付したのが「御酒(みき)」・「神酒(みき)」・「豊御酒(とよみき)」、また宮中の大嘗祭や豊明(とよのあかり)の際に用いられた「白貴(しろき)・黒貴(くろき)=白酒・黒酒」の「キ」である。(以下略)」(※2)

2 サケ
 『万葉集仙覚抄』に、
 さかといふ詞はさかゆの辞なり、酒宴はみな人のさかへたのしむ故なり
と見えるところから、、「サケ」は「栄え楽しむ・の・キ」、略して「サカエ・の・キ」である。酒の古名は、1で述べたように「キ=ケ」とも言うので、「サカエ・ケ」となる。さらに簡略化して、冠辞の「サ」をとれば「サ・ケ」、すなわち「サケ」となる、という説である。」(※3)


お酒のおかげでまた一つおりこうになったところで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかる程度でした。
9269.JPG

うまみはやや濃いめですね。
酒臭さ(ほめ言葉です)がしっかりしておりますぞ。
苦みが少しはっきりしていて、鋭さがありますね。
熟成感はかすかかな?
キレはよく、透明感を少し感じます。

酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは弱めですが弱めなりに鋭さを感じます。
それよりも、スースーがはっきりしていますね。
それにちょいピリですわ。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。


やや濃醇でちょい苦ちょいスーちょいピリ辛口のお酒でした。
酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)がしっかりしていて、飲み応えがありました。
のみならず、苦みやスースー、ピリピリ感もちょっとずつ効いていて、飲みにくさを少し感じましたよ。
それでもアル添のおかげか、キレよくいただくことができましたとさ。


(※1)北陸の酒蔵編集委員会編『北陸の酒蔵 銘醸50選』p.152(1996.7 能登印刷出版部)
(※2)坂口謹一郎監修・加藤辨三郎編『日本の酒の歴史』p.92(加藤百一執筆『日本の酒造りの歩み』p.41-315中 1977.8 研成社)
(※3)(※2)p.93

【お酒】1612.宗玄 剣山 のトロ 隧道蔵 カップ [17.石川県の酒]

9258.JPG9259.JPG
宗玄酒造株式会社
石川県珠洲市宝立町宗玄24-22

原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15.0度
内容量 180ml
(以上、フタより転記)




宗玄酒造さんのお酒は、これまでに宗玄の上撰カップと、宗玄の剣山カップ(二級酒相当か?)とをいただいております。

今日いただくこのお酒にも、“剣山”の小印が付けられておりました。
9260.JPG

ですがこのカップ酒には、“奥のとトロッコ鉄道”のマスコットキャラクター“のトロ”とともに、“隧道蔵”のイメージが描かれておりましたよ。
9261.JPG9263.JPG

なんでも宗玄酒造さんでは、のと鉄道能登線(2005(平成17)年廃線)の廃線跡のうち、恋路駅-鵜島駅間の廃線跡のうち500mほどを先代の社長が買い取っていたのだとか。
11代社長の徳力暁さんはこの廃線跡に再び線路を敷き、2013(平成25)年に“奥のとトロッコ鉄道”と銘打って8人乗りの足こぎトロッコを走らせるとともに、途中にあった旧宗玄トンネルを熟成酒を保存する“隧道蔵”として活用しているのだそうです。

というのも、宗玄酒造さんとしては、鉄道無き後に能登半島の先端近くに位置する珠洲へ観光客を誘致するためには、珠洲に“奥能登の新名物”を作る必要があると考え、その試みが能登線の廃線跡を活用した“奥のとトロッコ鉄道”と“隧道蔵”とだったのだそうです。
このことについて、文献には以下のような記述がありました。

 社長となって間もなく、徳力はあるプロジェクトに取り組んだ。
 前任の大井からの引き継ぎ事項の一つに「酒蔵への観光客誘致」があった。とはいえ、具体的にはほとんど何も示されていない。徳力は、入社前の金沢コンベンションビューロー時代に、観光誘客ほど仕掛けの巧拙が成否を左右するものはないことをよく知っていた。
 就任してすぐ手掛けたのは、明和蔵の生産効率を念頭に置いた改造だった。(中略)それで気付いたことがあった。宗玄酒造裏手のやや高台に遺された、のと鉄道旧能登線(穴水-蛸島間)跡。レールは外され、鉄道敷に雑草は伸び放題だ。調べてみると、前社長の時、近傍の恋路駅から鵜島駅に至る約500メートルの廃線跡が、停車駅もろとも約200万円とそんなに高くはない価格で購入されていたのである。「これは上手に活用すれば、ひょっとして大化けする」。自蔵ひいては奥能登への誘客はまぎれもない地域貢献、と徳力は独自アイデアを膨らませた。(以下略)」(※1)

 もっとも、恋路海岸や見附島、旬も魚介類を盛った「能登丼」など、「『さいはて』に行ってみたい」との願望も依然、根強いはずである。そうしたニーズを観光客誘致につなげるには、珠洲に奥能登の新名所を創ることだ、と徳力は考えた。
 そこで編み出したのが、のと鉄道能登線の廃線跡を再利用したミニ鉄道である。走らせるのは電車でなく8人定員のトロッコ。足でこいで動かす人力車両だ。「恋路駅」の看板のある無人停車駅もそのまま活かせば、「ロマンの里」を演出してくれる。
 もうひとつ大事なのは「旧宗玄トンネル」だろう。ただ、トンネルを出入りするだけでは芸がない。これは「宗玄酒造としても利用すべきだ」。トンネルは四季を通じて冷暗な空間。酒造会社で活かすとするならこのクール感。そうだ!とひらめいたのが清酒の貯蔵庫だった。(以下略)」(※2)


そんな宗玄酒造さんの思いが込められた“奥のとトロッコ鉄道”のマスコットキャラクター“のトロ”をラベル(?)にいただくこのお酒をいただきますよ。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色はかすかに着いている程度でしたが、透き通った感じはしませんでした。
9262.JPG


ああ!
これは剣山カップと同じだ。
淡麗旨口ですが、いろいろな味の要素(苦・酸・甘・スー)が弱めながらにうまく働いているおいしいお酒でしたとさ。

これはいつか珠洲を訪れて宗玄酒造さんを訪問し、奥のとトロッコ鉄道を楽しんだり隧道蔵を見学したりしてみたくなってまいりましたよ。

(※1)北國新聞社出版局編集『宗玄の挑戦 能登杜氏を生んだ250年酒蔵』p.72-73(2019.2 北國新聞社)
(※2)(※1)p.74-75