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〔泡盛〕35.於茂登 30度 100ml [9947.沖縄県の泡盛]

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製造者 (有)髙嶺酒造所
沖縄県石垣市川平930-2

琉球泡盛
アルコール分 30度
内容量 100ml
原材料名 米こうじ(タイ産米)
(以上、ラベルより転記)




今日もまた、石垣島空港にあったお店で入手した、
“石垣島の泡盛ミニチュアセット”の中からいただきます。
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今日いただくのは“於茂登(おもと)”
川平湾かびらわん於茂登連山おもとれんざんを一望できる眺望の地で、今では数少ない全工程手作業による泡盛造りをおこなっているのが髙嶺酒造所です。」(※1)とあるとおり、“於茂登”の名は石垣島にある山に由来するようです。
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品質表示はこちら。
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ところで、髙嶺酒造所さんについて、文献では以下のように紹介されておりました。
現在では循環式蒸留機という機械の蒸留法が主流の中、髙嶺酒造所は大正時代には主流であった直火式釜での蒸留法を守る数少ない酒造所。」(※2)
1949年の創業以来、高嶺酒造所は一貫して全工程手造りにこだわって来たが、(中略)今でも直火式地釜で蒸留するなど、創業者であり父である高嶺英之氏が造っていた昔の味そのままの味である。」(※3)

現在の泡盛製造過程における蒸留方法は、「昔ながらの「常圧蒸留」がスタンダード」(※4)で、減圧蒸留は少数派とのこと。
常圧蒸留と減圧蒸留とのちがいについては、こちらを適宜ご確認ください。

ですが泡盛の蒸留方法には、主流である常圧蒸留であっても、さらに2通りの異なった手法があるのだとか。

このことについて、下記の記述をご覧ください。
 常圧蒸留は、通常の大気圧(1気圧)の条件下で蒸留することです。
 この常圧蒸留には、直接火を釜に当て蒸留する直火地釜蒸留と、現代の主流になっているボイラー蒸留機を使って安定した品質で大量に生産できるボイラー蒸留の2種類があります。」(※5)

ここで言うボイラー蒸留とは、要するにボイラーで発生させた100度の蒸気(過熱水蒸気ならばそれ以上の温度か?)を蒸留機の中へ設けた配管で循環させて熱源とする方法(上記の“循環式蒸留機”と同義)でしょうから、適切な温度を任意に選択しつつ安定した環境下で蒸留ができるわけでしょう。

一方で直火地釜蒸留は「昔から伝わる技法で、もろみが入った釜に直接火を当て、杜氏が常に攪拌しながら加熱するので、とても時間がかかり重労働な蒸留法」(※5)ですから、どうしても火力や加熱が一定にはならず、複雑な環境下で蒸留されるのでしょう。
それ故か、「泡盛の持つ本来の旨みを引き出し、風味豊かな泡盛を造ることができる」(※5)、「蒸留機は直火地釜蒸留(機)と昔ながらの横型蒸留機を使うと、力強い味わいの泡盛が生まれます。」(※6)とのことでした。


直火地釜蒸留で造られたこの於茂登。
はたして本当に、風味豊かで力強い味わいの泡盛となっているのでしょうか?
それを確かめるべく、いただいてみたいと思います。


まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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香りは、米由来と思われる香りと華やかさとを、共にごくかすかに感じる程度です。

含むと、まずスース―のピリピリ!
でも米の風味がものすごくどっしり!としています。
それに甘みが厚みをしっかりと伴いながら続きます。
黒麹の香ばしさはかなり弱めです。

一方で重さやクセ、焦げ臭などは一切感じません。


次に、ちょい水足しの水割り(泡盛:水=8:2)で。
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スーとピリとは引きました。

米の風味は厚みが少し引いて、透明感を伴うようになりました。
甘みも少し引くみたい。
それらのせいか、けっこうさっぱりした口当たりになりましたよ。

逆に黒麹の香ばしさは少しはっきりしてまいりました。
でもやっぱり重さやクセ、焦げ臭などは一切感じません。


生でどっしり、ちょい水足しの水割りでしっかりだけれど透明感があってスッキリの、おいしい泡盛でした。

生と水割り(濃いめ)とで、これほどまでに味わいが異なるとは意外でした。
両方ともおいしくいただけましたが、ワタクシといたしましては、生のほうが好みかな。
チェイサーを添えつつ、ストレートでいただきたいところでございました。

それにしても、生で確かにどっしりとした力強さを感じましたが、クセや重さは皆無でした。
むしろ同じ直火蒸留であっても、請福30度のほうが香ばしさや独特の老ねたような風味を感じましたよ。

この直火地釜蒸留ですが、現在、直火地釜蒸留機を使用しているのは、宮古島、八重山列島(石垣、波照間、与那国)だけになりました。(※5)とのこと。

予備知識なしで石垣島へ出かけたワタクシでしたが、こんな伝統的な造りの泡盛に出会うことが叶って幸いでした。
それに、いつかは宮古島や与那国島を徘徊して泡盛を集めてみたくなってまいりました。



これでは当分の間は、この趣味はやめられそうにはありません罠。


(※1)日本酒類研究会編著『知識ゼロからの泡盛入門』p.168(2008.6 幻冬舎)
(※2)沖縄県酒造組合連合会監修『決定版 泡盛大全』p.80(2000.12 株式会社主婦の友社)
(※3)田崎聡『泡盛王国』p.104(2006.8 有限会社食の王国社)
(※4)ファンファーレ・ジャパン編集部編『泡盛マイスターの編集長と酒好きにすすめたい泡盛の香り』p.62(2018.8 有限会社ボーダーインク)
(※5)(※1)p.25
(※6)(※1)p.29



2024/04/22
また飲んでみました。
あ~酒臭かった!(31)  酒くさコメント(2) 
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あ~酒臭かった! 31

酒くさコメント 2

johncomeback

拙ブログへコメントありがとうございます。
沖縄は本島しか行ったことがありません。
石垣島・宮古島・与那国島に行ってみたいです。
by johncomeback (2024-03-13 19:42) 

skekhtehuacso

johncomebackさん、新しいお酒に出会う旅に、さらに方々へ行ってみたくなってしまう瘋癲なのでした。
by skekhtehuacso (2024-03-13 22:04) 

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