【お酒】1955.男山 特別純米 生貯蔵 アルミ缶 [01.北海道の酒]
製造者 男山株式会社
北海道旭川市永山2条7丁目1番33号
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合 58%
アルコール分 13度
内容量 180ml
(以上、缶の印刷事項より転記)
「明治の末、伊丹ではやった歌に「銘酒の歌」というものがあった。伊予節のメロディーで歌う一種の替え歌である。今昔、有名な伊丹酒の銘柄を歌い込んだもので、かならずしも明治の酒とは限らない。すでにほろびてしまった銘柄もある。
「伊丹銘酒は無比なもの
会社ははつ菊、男山
丸に老松、名高き剣菱
鳳吟、福升、大手柄
都鳥に鬼笑
天下に輝く静風に旭鶴
白雪をのましゃんせ」
この中に見える「老松」「剣菱」「男山」の三銘柄が江戸時代とくに有名だった。」(※1)
「将軍ご膳酒の「男山」は正徳年間(一七一一)から約一世紀、その名声を保持しつづけた。」(※2)
という記述からわかるとおり、江戸時代には丹醸(伊丹の銘酒)の一つだった“男山”。
しかもその銘は、石清水八幡宮(京都府八幡市)がその山頂に鎮座する山の名に由来する、由緒正しい銘なのです。
その男山、
江戸中期以降に衰退し、一説には男山を名乗る権利を方々へ切り売りしたことで、今では全国各地に“●●男山”を名乗る蔵が出現しているのだとか。
しかし、数ある“●●男山”のうち、もっとも嫡流に近いのが、北海道旭川市に蔵を置く男山さんなのだそうです。
今日はその、男山嫡流の“男山”をいただきたいと思います。
男山さんのお酒は、これまでに以下のものをいただきます。
58.男山 特別純米 カップ
374.男山 生酛純米酒 180ml
今日いただくこのお酒は、特別純米酒の生貯蔵酒でした。
アルコール度数は13度なんだってさ。
ということは、淡麗なのかな?
生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度でした。
上立ち香は、鼻を近づけるとかすかにフレッシュな風味を感じる程度です。
でも含むと、それが穏やかに口の中に広がります。
うまみは、意外にもやや濃いめです。
米のうまみに厚みを少し感じるとともに、酒臭さ(ほめ言葉です)も弱めながらにわかります。
軽い渋みもありますが、弱めです。
純米ですが、キレはよいですね。
酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めで、鋭さははっきりしておりません。
スースー感はなく、ピリピリ感もありません。
甘みはややひかえめでしょう。
弱めながらにも、幅があることはわかります。
やや濃醇でちょい爽快のちょい渋スッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
生貯ですが、フレッシュな風味が穏やかでしつこさを感じませんでした。
米のうまみがしっかりで、酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)も弱めながらにあって、飲み応えがありました。
それに甘ダレなく、むしろやや辛口でキリッとしており、しかもキレがよくてスッキリしておりました。
さすが!、男山の嫡流。
13度なので淡いのかと思ったのですが、しっかりしていてスッキリキリリのおいしいお酒でございました。
(※1)読売新聞阪神支局編『宮水物語-灘五郷の歴史』p.31(1966.12 中外書房)
(※2)(※1)p.32