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【お酒】1262.志太泉 純米吟醸 にゃんかっぷ(五百万石) [22.静岡県の酒]

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株式会社志太泉酒造
静岡県藤枝市宮原423番地22の1

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合55%
使用米 五百万石100%
アルコール分16度
180ml詰
(以上、フタに貼られたラベルより転記)




”ワンカップ大関があるんだから、にゃんかっぷだってあってもいいだろ!“というような趣旨の記述が蔵元さんのWebsiteで紹介されている志太泉酒造さんのにゃんかっぷは、かつて一度、にゃんかっぷラスタ(梅酒)とともにいただいております。

ですが、今日いただくこのお酒を静岡駅前にあるデパートの酒コーナーで見つけて手にとってみたときに、使用されている酒米が五百万石に変わっていることに気づいたのです(かつては八反でした)。
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五百万石についてはかつてこちらで触れておりますが、淡麗ですっきりとした味わいに仕上がる傾向にあるのだとか。

一度飲んだ銘柄のお酒でも、品質表示の内容にちがいがあれば別のお酒として扱うというのがこのブログの方針ですので、今回は通し番号をつけて紹介させていただきます。


純米吟醸ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、薄い金色をしておりました。
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吟醸香はほとんど感じない程度でした。

うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
米のうまみが広がるものの、うまみに軽さがあるようです。
また、熟成感がちょっとあるみたいです。
軽い苦みがほんのかすかにあるみたいですが、気にはなりません。
キレはよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさが少しあるみたいですが、酸味自体に深みを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
かなりさらっとした甘みを弱めながらにちょっとだけ感じますが、その甘みには厚みを感じます。


軽いうまみに熟成感と酸味の深みがよく合って、甘みがコクを添えてキレのよい、軽快深旨口のおいしいお酒でした。
味わいに深みを感じますが、うまみの軽さとキレのよさとがあることから、重い感じはしませんね。
また、前回はややドライな感じがしたようでしたが(そう記録されておりました)、今回は甘みもちょっとあるみたいで、それがコクに影響しているようでした。
さっぱりしているのにしっかりしている、おいしいお酒だと思います。

【お酒】894.喜平 極醸純米 300ml [22.静岡県の酒]

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静岡平喜酒造株式会社
静岡県静岡市駿河区丸子新田1-1

アルコール度数 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
原料米 全量五百万石
精米歩合 65%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




静岡平喜酒造さんのお酒は、かつて喜平の純米酒300mlをいただいております。
今日いただくこのお酒も純米酒ですが、喜平の純米酒よりも精米歩合がやや低いようです。
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喜平の純米酒は香りがあったことから、飲んだ後で燗にしないほうがよかったと感じました。
そこで、このお酒は純米酒ですが、今回は冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、かすかに着いているのがわかる程度でした。
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やっぱり香りがありますね。
フルーティーというよりも、花の香りのようです。
でも、それほど強くはないみたいです。

うまみは淡めです。
やわらかいうまみととともに、香ばしさをちょっと感じます。
それに、軽い苦みも少しあるみたいです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさとさわやかさとがちょっとあるみたいです。
すっぱさは強くはないものの、少し鋭さを感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
べとつかない、さらっとした甘みです。


淡麗やや甘口のお酒でした。
苦みと香ばしさとがはっきりしているためか、喜平の純米酒よりも味が引き締まっていると思います。
ただね、私にはやっぱりちょっと・・・・。

【お酒】877.喜平 純米酒 300ml [22.静岡県の酒]

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静岡平喜酒造株式会社
静岡県静岡市駿河区丸子新田1-1

アルコール度数 15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
原料米 全量五百万石
精米歩合 60%
内容量 300ml詰
(以上、ラベルより転記)




静岡平喜酒造さんは、平成24年(2012年)に岡山県の平喜酒造さんが静岡で設立した、かなり新しい蔵元さんです。
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このことについて、文献では以下のように紹介しておりました。

掛川で創業したお酒の平喜グループ(㈱平喜/静岡の酒食品卸売業、平喜酒造㈱/岡山の日本酒製造業、㈱平喜屋/東京の業務用酒類卸売業)の新会社として平成24年(2012)設立。四季醸造の岡山とは別に、静岡酵母や誉富士等、静岡の地域資源を活かした純米酒の醸造を始めた。」(※1)

平成24年(2012)に開業した『喜平』」は「蔵元は、「お酒の平喜グループ」として知られる酒造・酒卸・食品卸会社。明治初期、掛川で創業し、3代目重一郎が第六高等学校(現・岡山大学)に進学した縁で岡山人脈を活かし、岡山県鴨方町(現・浅口市)に醸造場を開いた。現在、『新婚』『喜平』『将軍』で知られる平喜酒造は、岡山県随一の規模を誇る四季醸造の蔵。新設の静岡蔵は高品質酒の研究開発醸場と位置づけ、オール純米酒でスタートした。」(※2)

上記(※2)の赤字部分に“平喜酒造さんは掛川で創業して、その後岡山へ移転した”と書いてありますが、その平喜酒造さんが岡山に本拠地を置きつつ再び静岡へ戻ってきたというわけです。
この点についてはかつて秀作新婚グイカップをいただいた際に考察いたしましたが、今回、文献の記述に当たることができました。


今日いただくこのお酒に使われているお米は、その全量が“五百万石”なのだとか。
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五百万石については、簡単にではありますがかつてこちらで触れております。


それでは、そろそろいただきます。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、わずかに着いているのがわかる程度でした。
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一口含むと、香りが豊かであることがわかります。
吟醸香というよりも、むしろ花のような香りです。

うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
お米のうまみに、香ばしさをわずかに感じます。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさとさわやかさとが少しあるみたいです。
すっぱさはけっして強くはないですが、鋭さをちょっと感じます。
しかし、燗が冷めてくるにつれて、徐々に強さが出てきました。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
おだやかな甘みをほんのりと感じます。


香り豊かな、旨やや甘口のお酒でした。
香りがあるので、燗にしないほうがよかったかもしれません。
あたしゃちょっと、こういうのはねぇ・・・。


(※1)鈴木真弓『杯が満ちるまで しずおか地酒手習帳』p.156(2015.10 静岡新聞社)
(※2)(※1)p.150

【お酒】871.若竹 鬼ころし 特別本醸造 300ml [22.静岡県の酒]

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株式会社大村屋酒造場
静岡県島田市本通一丁目1番の8

アルコール分 17度以上18度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合 60%
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




今日は“鬼ころし”と銘打たれた静岡県島田市のお酒をいただきます。
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これは私の意見ですが、“鬼ころし”という名前を聞くと、どうも安酒を思い出してしまうんですよね。
コンビニで売っている、一合で100円くらいの紙パックに入った糖添三増酒のことですよ。
ですので、私はこの“鬼ころし”という名前には、あまりよい印象を抱いておりません。

では、“鬼ころし”とは、いったいどういう意味なのでしょうか。
以下のうち一部はかつて紹介しておりますが、ここで文献の記述を再び確認しておきましょう。

雑味の多い辛い酒の通称で、飲めば鬼でも酔いつぶれるような強い酒を意味する。例えば日本酒度+10以上で寡糖・多酸の、その時代の酒の味とかけ離れた強くあらい酒をいう。」(※1)

アルコールがよく出た酒。もろみの中の糖分(米のでんぷんが麹の糖化力でつくられる)がほとんど残らずアルコールになったもの。甘みもうまみもごく少なく、アルコール度数が高いので、酒豪の鬼も死ぬだろうというので、このような酒を「鬼殺し」と呼んだ。
 はじめは蔑称だったと思われるが、市販の日本酒の甘口化が行き過ぎ、辛口酒が求めれられたとき、商標としてクローズアップされた。(以下略)」(※2)

一方、大村屋酒造場さんのことを紹介した文献には、以下のような記述がありました。

「鬼ころし」「鬼ごろし」を銘の一部に入れている蔵は少なくない。県内にもいくつか例があるし、全国を見るとかなりの数に上る。鬼ごろしというのは、本来は、鬼をも殺すきつい酒、粗悪な酒ということだが、言葉があまり悪い印象を与えないのは、きりっとした酒、こくの深い酒、辛口の酒というような雰囲気を持った言葉として受け取られているからだと思う。(以下略)」(※3)


今日いただくこのお酒は、果たして鬼をも殺すきつい粗悪な酒なのでしょうか?
それとも、きりっとしたこくの深い辛口の酒なのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
特別本醸造ですし、特に冷やして飲めとの指示もないみたいですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっと着いているのがわかりました。
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燗をつけると、酒臭い(←ほめ言葉です。)香りが漂ってまいりました。

うまみはやや濃いめです。
これね、かなり酒臭い(←あくまでもほめ言葉です。)ですよ。
それに、熟成感もほんのちょっとだけあるかもしれません。
それでいて、苦みや雑味はないですね。

酸味はかなりはっきりしています。
けっこうなレベルのピリピリ感がありますね。
すっぱさは、最初はそれほどでもないと思ったのですが、燗が冷めるにつれて感じるようになりました。
また、さわやかさもありますが、これはアルコールに由来するものかもしれません。

“鬼ころし”を名乗るだけあって、甘みはやっぱりひかえめです。
でもゼロではなくて、ほんのわずかに感じます。


醸し出された酒臭い(←くどいようですが、ほめ言葉です。)うまみにピリピリ感満載の、やや濃醇で旨辛口のおいしいお酒でした。
たしかに“辛口=甘くない”ですが、うまみがしっかりしているためか、ドライな感じはしませんね。
そのことよりも、酒臭さ(←何度も言うようですが、ほめ言葉です。)が豊かで、とても飲み応えがありました。
ピリピリ感はあるものの、それでいて苦みや雑味はないので、それほど飲みにくくはないと思います。

このお酒の“鬼ころし”という酒銘は、鬼をも殺すきつい粗悪な酒ではなく、きりっとしたこくの深い辛口の酒という意味なのだということがわかりました。
私は、“鬼ころし”という酒銘に対する印象を改めねばならないと思いました。


(※1)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.425(1997.10 灘酒研究会)
(※2)篠田次郎『日本酒ことば入門』p.108(2008.7 無明舎出版)
(※3高橋清隆『新・静岡県の地酒 名酒蔵めぐり』p.168-169(1996.7 静岡新聞社) )

【お酒】866.開運 祝酒 特別本醸造 生酒 300ml [22.静岡県の酒]

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株式会社土井酒造場
静岡県掛川市小貫633

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米・米こうじ・醸造アルコール
精米歩合60%
全量国産米使用
300ml詰
(以上、ラベルより転記)




高天神城の湧水等を使用している。その水は、軟水にもかかわらず発酵力が強いという不思議なものである。」(※1)という土井酒造場さんのお酒は、かつて開運 祝酒 特別本醸造のカップ酒をいただいております。
今日いただくこのお酒も開運の祝酒で特別本醸造ですが、こちらは生酒なのだとか。
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生酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、透明でした。
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一口含むと、フレッシュな風味とともに、吟醸香のような香りをややはっきりと感じます。
アルコールの香りもちょっとあるみたいです。

うまみは淡めです。
お米のうまみをほんのりと感じます。
キレはよく、スッと引きます。
苦みや雑味はまったくありません。

酸味はややひかえめです。
すっぱさをちょっと感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
さらっとした甘みをちょっと感じます。


風味豊かでとてもきれいな味わいの、淡麗やや甘口のお酒でした。
きれいでやや甘口な味わいは、“発酵力が強い軟水”という高天神城の湧水を使用した成果でしょうか?
これは味わいよりも、フレッシュな風味と香り、それに喉越しを楽しむお酒ではないかと思います。
私はこういうお酒を飲み慣れていないせいか、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。
蔵元さんだって、オマエなんかに飲んでもらいたくないだろうに。


(※1)高橋清隆『新・静岡県の地酒 名酒蔵めぐり』p.185(1996.7 静岡新聞社)

【お酒】864.花の舞 純米酒 180ml [22.静岡県の酒]

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花の舞酒造株式会社
静岡県浜松市浜北区宮口632

原材料名/米(静岡県産)・米こうじ(静岡県産米)
精米歩合/60%
アルコール分/15度以上16度未満
内容量/180ml
日本酒度/+3(淡麗辛口)
(以上、ラベルより転記)




花の舞酒造さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
花の舞 本醸造カップ
花の舞 純米吟醸 世界遺産富士山と共にカップ
花の舞 山田錦純米吟醸 300ml
花の舞 純米吟醸&吟醸酒 飲み比べ
花の舞 出世大名家康くんカップ
今日いただくこのお酒は、純米酒です。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほぼ透明でした。
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うまみは濃いめです。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみがとても豊かで、喉にグッと迫ってきます。
ですが、苦みや雑味はないみたいです。

酸味はかなりはっきりしています。
すっぱさが際立っています。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほとんど感じないくらいです。


酒臭い(←あくまでもほめ言葉です)うまみとすっぱさとが強烈な、濃醇辛口のお酒でした。
ラベルには“淡麗辛口”と書いてありましたが、私はむしろ、濃醇であると判断しました。
角のある味わいで、けっして飲みやすくはないと思います。
もしかしたら、浜名湖のうなぎと合わせるべきだったかもしれません。
そのくらいしっかりした濃い味の食べ物であれば、きっとこのお酒の良さを引き出してくれることでしょう。

これまでにいただいた花の舞シリーズの味わいとは、ちょっとちがうように感じました。

【お酒】845.白糸の原酒 カップ [22.静岡県の酒]

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牧野酒造合資会社
静岡県富士宮市下条1037

アルコール分20度
原材料名 米・米こうじ(国産米100%使用)醸造アルコール
180ml
(以上、ラベルより転記)




牧野酒造さんのお酒は、かつて本醸造の富士山カップと、これも本醸造の清水港次郎長カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒は、普通酒の原酒です。
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アル添普通酒の原酒だからでしょうか、アルコール度数が20度とかなり高めです。
なお、原酒についてはこちらをご覧ください。


普通酒ですが原酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、わずかに着いているのがわかる程度でした。
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おおっ!
こりゃ辛いわ!!
刺激がかなりピリピリときます。
すっぱさもけっこうはっきりしています。

うまみはやや濃いめです。
お米のうまみを感じますね。
でも、それ以上に、苦みがかなりはっきりしています。

甘みはややはっきりしているみたいです。
でも、刺激と苦みとに隠れてしまっていますね。


やや濃醇で苦ピリ辛口のお酒でした。
かなり荒々しい味わいでしたよ。
こちらひさびさの~!(←桂三枝風に)、開華の原酒をいただいたとき以来のピリピリといった感じでした。

【お酒】843.富士正 カップ [22.静岡県の酒]

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富士正酒造合資会社
静岡県富士宮市根原450-1

原材料名 米・米麹・醸造アルコール
国産米100%使用
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml
(以上、ラベルより転記)




手元の文献を開いてみたところ、富士正酒造さんについて以下のように紹介されておりました。

一八八六年(慶応二年)創業。この蔵で特筆すべきは、一九七〇年頃に、天然醸造という名で純米酒を世に出したということであろう。当時は三増酒全盛の時代であった。三増酒とは、アルコールを多く添加し糖類なども添加して、同じ量の原料米で純米酒の約三倍の量の酒が出来ることからいう(正しくは三倍増醸酒)。こくも味わいもなく、べたついて後味も良くないのが三増酒の特徴であるが、そうしたまがいものの酒に飽き足りなくて、難しい条件下で純米酒に挑戦したのである。しかし、良い物を造ったからといって、いきなり売り出せるとは限らない。良いものが圧力をかけられることさえある。(以下略)」(※1)


私はこれを読んで、この当時に純米酒製造に対してかけられていた圧力について紹介している記述をかつて読んだことを思いだしました。
これを全て引用すると冗長ですし、それに固有名詞を含むことから問題が生じかねないと思いますので、要点と思われる部分だけを抽出して引用します。

「(これより前は略)一九七二(昭和四十七)年、政府奨励米割り当ての関係でそれまで仕込みの三五パーセントは三増酒でなければならない、と決められていた規制がなくなった(以下略)」(※2)

三増酒をやめた時、税務署に税収が減るじゃないかとさんざんしぼられたのですが、これが後々まで尾を引きました。一番きつかったのは純米酒の生産量が半分くらいに増えた昭和五十年代で、うちは酒を寝かせて熟成させる必要があることを全く理解してもらえなかった」」(※3)

文章で表現することは簡単かもしれませんが、三増酒全盛のこの時期に蔵元さんが受けた純米酒製造に対する制度的・行政的な圧力は、きっと相当ひどいものだったことでしょう。
そんな中でいち早く純米酒製造に踏み切った富士正酒造さんのご苦労は、並大抵のものではなかったと思います。


今日は、そんないち早く純米酒製造を再開なさった蔵元さんの普通酒をいただきます。
ここまで引っぱっておいて、純米酒じゃないのかよ!
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、きれいな金色でした。
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うまみはやや淡めですが、けっこうしっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみに、苦みと香ばしさとがはっきりしています。
キレはよいみたいで、透明感すら感じます。

酸味はややひかえめです。
さわやかさを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややひかえめです。
わずかに感じる程度です。


やや淡麗で香ばしいお酒でした。
苦みと香ばしさとがちょっと目立つようですが、それでもキレがよくて後味はすっきりしています。
そういえば、同じ富士宮市で造られた高砂も、苦みがはっきりしていました。
どのような食べ物と合うように造られているのか、気になるところです。

(※1)高橋清隆『新・静岡県の地酒 名酒蔵めぐり』p.59-60(1996.7 静岡新聞社)
(※2)上野敏彦『闘う純米酒 神亀ひこ孫物語』p.30(2006.12 平凡社)
(※3)(※2)p.35

【お酒】749.静ごころ 上撰 サンカップ [22.静岡県の酒]

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三和酒造株式会社
静岡県静岡市清水区西久保501-10

原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール
アルコール分 15度
180ml
(以上、フタに貼られたラベルより転記)




三和酒造さんのお酒は、かつて臥龍梅の純米吟醸カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、上撰と銘打たれた普通酒です。
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臥龍梅の純米吟醸カップをいただいた際には、清酒製造業構造改善計画を今後の研究課題とする旨宣言いたしました。
しかし、未だ全く手をつけておりません。
大変申し訳ございませんが、またの機会に報告させていただきたく存じます。
ムズカシくてまとめられなかったんだろ!


というわけで、さっさといただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっと着いているのがわかる程度でした。
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うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、香ばしさを感じます。
でもキレはよく、スッと引いていきます。
それとともに、苦みが少しはっきりしているようです。

酸味はひかえめです。
さわやかさを少し感じる程度です。
刺激やピリピリ感は全くありません。

甘みはややはっきりしています。
ですが、とてもさらっとしていて、べとついた感じは全くありません。


キレのよいうまみとさらっとした甘みとに、香ばしさと苦みとが味を引き締める、やや淡麗でやや甘口のお酒でした。
キレがよいためでしょうか、澄んだ味わいに仕上がっています。
でも、こういう味わいのお酒には、香ばしさや苦みはいらないのではないかと思いました。

【お酒】741.正雪 上撰 日本酒カップ [22.静岡県の酒]

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株式会社神沢川酒造場
静岡県静岡市清水区由比181

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
180ml詰
(以上、ラベルより転記)



神沢川(かんざわがわ)酒造場さんのお酒は、かつて正雪の純米吟醸カップと、普通酒の正雪日本酒カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒も普通酒のようですが、こちらには“上撰”(旧制度下における一級酒か?)である旨が表示されています。
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ということは、かつていただいた日本酒カップは、おそらく佳撰クラス(旧二級酒か?)なのでしょう。


佳撰クラスとのちがいを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は濃くはないですが、きれいな色をしています。
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うまみは濃くはないですが、しっかりしています。
お米のうまみとともに、熟成感(なのかな?)をちょっと感じます。
でも、キレがよくて、スッと引いていきます。
それに、軽い苦みがあるみたいです。

酸味ははっきりしています。
角のないすっぱさが豊かです。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
ほんのわずかにあって、コクを添えています。


キレのよいうまみに、酸味と苦味とが味を引き締める、旨やや辛口のお酒でした。
しっかりした味わいですが、キレがよいのでさっぱりした感じがしました。
苦みがちょっと気になるかもしれません。
私としては、かつていただいた日本酒カップ(佳撰クラスか?)のほうが好みでした。
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