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【お酒】770.梅錦 上撰 栄冠カップ [38.愛媛県の酒]

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梅錦山川株式会社
愛媛県四国中央市金田町金川14

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米・米こうじ・醸造アルコール
国産米100%使用
180ml詰
(以上、ラベルより転記)




昨日の梅錦 媛 栄照カップに引き続き、今日も梅錦山川さんのお酒をいただきます。

ラベルには“栄冠 梅錦”とだけ表記されておりますが、蔵元さんのWebsiteでは“上撰 栄冠 カップ”と紹介されておりました。
このブログでは、後者に従うことにいたします。


この上撰栄冠カップですが、お店では栄照カップよりも20円ほど高く販売されておりました。
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しかし、品質表示を見る限りでは、栄照カップとのちがいはわかりません。
(厳密には、内容量の表示方法に若干のちがいがあります)
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お酒の色も、ほとんど同じでしょう。
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では、栄照カップとはいったい何がちがうのでしょうか?
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。


あー、こりゃ濃いわ!

うまみは濃いめでしっかりしています。
やわらかさとともに、酒臭さ(←ほめ言葉です)もちょっと感じます。
苦みもあって、これはややはっきりしています。

酸味ははっきりしています。
スーッとした感じがあって、すっぱさもちょっとあります。
それに、こちらはちょいピリですね。

甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌触りをちょっと感じますが、クドさはありません。


濃いめのうまみと甘みとに、酸味と苦みとが味を引き締める、濃醇旨やや甘口のお酒でした。
栄照カップを濃くしたような味わいでした。
うまみがしっかりしているものの、そのぶん酸味や苦みも際立っているようです。
飲みごたえがありますが、私はキレのよい栄照カップのほうが好みでした。

【お酒】769.梅錦 媛 栄照カップ [38.愛媛県の酒]

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梅錦山川株式会社
愛媛県四国中央市金田町金川14

アルコール分15度以上16度未満
原材料名 米・米こうじ・醸造アルコール
国産米100%使用
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)




ラベルには“栄照 梅錦”とだけ表記されておりますが、蔵元さんのWebsiteでは“媛 栄照 カップ”という酒銘で紹介されておりました。
このブログでは、後者に従うことにいたします。

このお酒は、愛媛の東部で酒集めをした際に、一番最初に立ち寄ったスーパーで入手しました。
しかし、結果として、その後で立ち寄ったお店のほとんどでこのカップ酒を見ることができました。


梅錦山川さんのお酒について、文献では「切れ味のよさとソフトでまろやかな味で、多くの人に愛され飲まれてきた梅錦」(※1)と紹介されておりました。
その味わいは、果たしてこの普通酒からも感じとることができるでしょうか。
このことを考慮しつつ、そろそろいただいてみたいと思います。

普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、ほとんどわからないくらいでした。
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うまみは濃くはないものの、しっかりしています。
やわらかいうまみの中に、醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみを少し感じます。
熟成感はないものの、嫌味のない軽い苦みをちょっと感じます。
それでいてキレがよく、スッと引きます。

酸味はややはっきりしています。
スーッとさわやかで、すっぱさをちょっと感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
とろみのような舌触りがちょっとあるみたいですが、クドさはないですね。


うまみと甘みとを、酸味と苦みとが引き締める、旨やや甘口のおいしいお酒でした。
甘めの味わいですが、酸味と苦みとがあることで甘ったるさが引っ込んでいるように感じました。
人によっては、苦みがちょっと気になるかもしれません。
それでも、私としてはなかなかおいしいのではないかと思いました。
多くのお店で取り扱われていた理由がわかるような気がしましたよ。

(※1)見味舌聞会出版部『味めぐり愛媛 酒・宿・味』p.24(1995.12 星雲社)

【お酒】767.黒松石鎚 上撰 ゼットカップ [38.愛媛県の酒]

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石鎚酒造株式会社
愛媛県西条市氷見丙402-3

原材料名 米・米麹・醸造アルコール・糖類
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml
(以上、フタより転記)
(米の産地表示なし)




石鎚酒造さんのお酒は、かつて石鎚の純米吟醸緑ラベル槽搾りカップと、糖添三増酒の石鎚媛カップとをいただいております。
今日いただくこのお酒には“黒松”やら“上撰”やらと銘打たれていますが、残念ながら媛カップと同じく糖類添加の三増酒でした。
しかし、酸味料は添加されていないみたいです。
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普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、媛カップとほぼ同じ程度でしょうか。
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うまみはやや濃いめで、けっこうしっかりしてます。
キレはそれほどでもないものの、透明感のある中に熟成感を感じます。
苦みがありますが、ちょっと感じるくらいです。


酸味はややはっきりしています。
すっぱさとさわやかさとをちょっと感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしています。
糖添ですが、とろみのような舌触りはわずかです。


しっかりしているものの透明感のあるうまみの、やや濃醇でやや甘口のお酒でした。
媛カップよりもうまみが濃く、それに苦みがやや抑えられているように感じました。
この点が、黒松やら上撰やらを名乗る所以なのかもしれませんが、あまり自信がありません。
飲み比べてみたほうがよかったかもしれませんが、両方とも糖添ですからねぇ。

【お酒】765.石鎚 媛カップ [38.愛媛県の酒]

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石鎚酒造株式会社
愛媛県西条市氷見丙402-3

原材料名 米・米麹・醸造アルコール・糖類
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml
(以上、フタより転記)
(米の産地表示なし)




まさか、あの石鎚がねぇ。
あの切れ味がよくてシャープな味わいの石鎚純米吟醸緑ラベル槽搾り カップを造る石鎚酒造さんが、糖添三増酒を造っているとは意外でした。
しかし、酸味料は添加されていないみたいです。
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このカップ酒のフタには““Z”CUP”と表記されています。
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しかし、スーパーの売り場では“媛カップ”(おそらくヒメカップと読むのでしょう。)という名で販売されておりました。
後日、“Z”CUPと明示されている別のお酒を紹介する予定ですので、ここではスーパーで使用されていた名称に従いたいと思います。


というわけで、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっと着いているのがわかる程度でした。
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うまみはけっして濃くはないですが、意外にもしっかりしています。
透明感がある中に熟成感が豊かで、それに苦みがはっきりしています。

酸味はややはっきりしています。
さわやかさを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはややはっきりしてます。
糖添だけあって、やっぱりとろみのような舌触りを少し感じますが、クドさはないみたいです。


渋みとさわやかさとが効いた、やや甘口のお酒でした。
甘みは予想していましたが、私としては渋みが気になるところでした。
西条では、こういう味わいのお酒が好まれているのでしょうか?

【お酒】763.仁喜多津(にきたつ) 上撰酒カップ [38.愛媛県の酒]

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水口酒造株式会社
愛媛県松山市道後喜多町3-23

アルコール分/15度以上、16度未満
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
内容量/180ml
(以上、ラベルより転記)




昨日の仁喜多津 純米酒カップ 伊予の薄墨桜に引き続き、今日も道後温泉の近くに蔵を構える水口酒造さんのお酒をいただきます。
今日いただくこのお酒は、普通酒です。


“仁喜多津(にきたつ)”という酒銘について、文献では以下のように紹介されておりました。
清酒「仁喜多津」の命名については、八世紀後半に詠まれた万葉集の中に「熟田津に船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ今は漕ぎ出な」という額田王の歌がある。この熟田津は道後地方を指し示しているという一説にちなんでのことである。当時の風雅な風情をそこはかとなく感じさせる銘柄である。」(※1)

このことは、今日いただくこのお酒のラベルにも紹介されておりました。
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そんな風雅な酒銘を与えられたお酒ですが、はたして味はどうなのでしょうか。
それを確かめるべく、そろそろいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ほんのちょっと着いている程度でした。
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うまみは濃くはないですが、けっこうしっかりしています。
やわらかいうまみに、酒臭さ(←ほめ言葉です)をちょっと感じます。
ほんの少し苦みもあるみたいですが、嫌味のない苦みです。

酸味はややはっきりしています。
すっぱさとさわやかさとをちょっと感じる程度です。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みははっきりしていますね。
とろみをちょっと感じますが、クドさはないみたいです。


味のバランスがよい、旨甘口のおいしいお酒でした。
甘みははっきりしているものの、軽い苦みと酸味とがよく合っていると思います。
昨日いただいた純米酒よりも、こっちのほうがまろやかで飲みやすいと感じました。
もしかしてこれは、アル添の為せる業なのでしょうか?


(※1)見味舌聞会出版部『味めぐり愛媛 酒・宿・味』p.86(1995.12 星雲社)

【お酒】762.仁喜多津 純米酒カップ 伊予の薄墨桜 [38.愛媛県の酒]

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水口酒造株式会社
愛媛県松山市道後喜多町3-23

アルコール分/15度以上、16度未満
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合/70%
内容量/180ml
(以上、ラベルより転記)




道後温泉の近くに蔵を構える水口酒造さんのお酒をいただきます。

ラベルには、酒銘の由来が書かれておりました。
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純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
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お酒の色は、ちょっと着いている程度でした。
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うまみは濃くはないですね。
純米酒ですが、キレがよいせいか、むしろ淡さをちょっと感じます。
お米のうまみに、酒臭さ(←ほめ言葉です)も少しあるようです。
ですが、苦みがけっこうはっきりしています。

酸味ははっきりしています。
すっぱさが豊かで、さわやかさを少し感じます。
刺激やピリピリ感はありません。

甘みはひかえめです。
その存在はわかりますが、コクには結びついていないみたいです。


酸味が豊かでキレのよい、旨辛口のお酒でした。
苦みと酸味とがちょっと目立つようでした。
これね、冷やせばきっと苦みと酸味とが引いて、もっと軽快で飲みやすくなっていたと思いますよ。

やっぱり、能書きの最初に出てくる飲み方でいただくべきでした。
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これは私の判断ミスでした。

【お酒】757.雪雀 上撰 カップ [38.愛媛県の酒]

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雪雀酒造株式会社
愛媛県松山市柳原123

原材料名:米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
アルコール分15.0度以上16.0度未満
180ml詰
(以上、フタより転記)




カップには道後温泉の本館らしき建物が印刷されていますが、蔵元さんがあるのは旧北条市(平成17年に松山市と合併)の市域のようです。
かつては雀正宗の酒銘を用いていたようですが、「初代と親交の深かった首相犬養毅が「雪は豊年の瑞兆、酒のきよらかさにも通じる」とアドバイスをしたこと」(※1)によって雪雀と改銘したのだとか。


ということは、今日いただくこのお酒もきよらかな味わいのお酒なのでしょうか。
それを確かめるべく、さっそくいただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、ちょっとわかる程度でした。
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うまみはしっかりしてはいるものの、淡いというか薄い感じがします。
醸し出された酒臭い(←ほめ言葉です)うまみとともに、熟成感と香ばしさとがあるようですが、かなり淡いですね。
それに、ほんのわずかですが、苦みもあるみたいです。

酸味はややはっきりしています。
スーッとさわやかな酸味を感じます。
それに、ほんのかすかにピリッとするようです。

甘みもややはっきりでしょうか。
さらっとした甘みを少し感じます。


しっかりしているものの淡めの味わいの、淡麗旨薄口のお酒でした。
これは完全に私の予想ですが、もしかしたらアル添量と加水量とが共に多めなのでしょうか?
まあ、きよらかって言えないことはないかも。

(※1)見味舌聞会出版部『味めぐり愛媛 酒・宿・味』p.78(1995.12 星雲社)

【お酒】513.石鎚 純米吟醸 緑ラベル 槽搾り カップ [38.愛媛県の酒]

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石鎚酒造株式会社
愛媛県西条市氷見丙402-3

〔原材料〕米(国産)・米麹(国産米)
〔使用原料米〕兵庫県産山田錦21% 愛媛県産松山三井79%
〔精米歩合〕山田錦50%(麹米)松山三井60%(掛米)
〔日本酒度〕+5.0
〔酸度〕1.6
〔使用酵母〕蔵内自家培養酵母KA-1
〔醸造年度〕平成26Y
アルコール分16.0度以上17.0度未満
180ml詰
(以上、ラベルより転記)



比較的有名なお酒のようです。

ある雑誌では「山田錦と松山三井の酒造好適米で仕込んだ、さわやかでキレ味のよい一本初めシャープだが、徐々にフレーバーが豊かになってやわらかくなる。」と紹介されていました(※1)。


ところで、このお酒には、原料米として山田錦を21%、そして“松山三井”なるお米を79%使用しているとのこと。
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山田錦は有名なお米ですので、当然ながらその名を知っていました。
しかし、私は、この“松山三井”というお米の名を聞いたのは、今回が初めてでした。

文献にあたってみたところ、どうやらこの“松山三井(まつやまみい)”というお米は、もともとは食用米として育成されたものの、近年では敬遠されていたようです。
しかし、その後、酒米に適していることがわかり、最近では酒米としての需要が増えているらしいのです。

このことについて、私があたった文献では以下のように紹介していました。
松山三井’は1953年に愛媛県農業試験場で育成された伝統ある品種で、かつては‘日本晴’とともに本県の中心品種として、中予及び東予平坦部で広く栽培されていた
しかし、消費者の食味嗜好は粘りの強い米に変化したこと、流通業者から大粒で腹白粒や心白粒の多い品種は混米に不向きで敬遠されたことなどから、消費量ならびに作付面積が減少した。
現在は、‘松山三井’が大粒で玄米タンパク質含有率が低い特徴を有することから、流通量の大半が酒造用となっている。」(※2)


上記の文献では、酒米として優れている理由の一つとして、タンパク質含有率が低いことを挙げています。

お米に含まれるタンパク質が酒質に与える影響ついて、別の文献では「米にはたんぱく質や脂質、灰分が含まれている。これらの成分は酒造りに必要(たとえば、日本酒独特の旨みは、麹カビがたんぱく質を分解してつくるアミノ酸に由来する)だが、多すぎるとかえって、味や香りを損なってしまう。これらの成分の多くは米の表層部に含まれているため、酒造りでは必ず米を精白するわけだが、米の内部にも少ないほうが酒の質への影響がより小さくなるわけである。」と記されています(※3)。

また、先の文献では、山田錦の玄米蛋白質含有率を7.5%、雄町のそれを7.9%、五百万石を7.8%、美山錦を7.6%とそれぞれ示した上で、松山三井の玄米蛋白質含有率を6.8%と表示し、「‘松山三井’は蛋白質含有率の低いことがわかる。」と評しています(※4)。


松山三井が酒米に向いていることは、タンパク質が少ないことだけではないようです。
これについて先の文献では、以下のように紹介していました。

県農えひめでは、愛媛県および高知県の酒造組合と‘松山三井’の販売契約を交わしており、両県の造り酒屋からは‘松山三井’100%の酒も販売され、あっさりとした辛口で品質のよい酒に仕上がると好評である。
山田錦よりも精白米の吸水速度が遅いこと、米は硬いが精米に対しては柔軟性があり砕けにくく麹米には硬めに蒸してもやや柔らかく、出来上がりが早い特徴も報告されている。」(※5)


今日は、そんな松山三井を使って造られたこのお酒をいただきたいと思います。
純米吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。


吟醸香は、ほんの少し感じる程度です。
それもあまり華やかさのない、穏やかな風味です。

うまみはやや濃いめで、しっかりしています。
お米のうまみが凝縮されたようなうまみです。
それに、吟醸酒にありがちな苦みはそれほど感じません。

吟醸酒らしく、酸味はひかえめです。
ほんのわずかにさわやかさを感じる程度です。
刺激やピリピリ感はまったくありません。

甘みはかなりひかえめです。
というか、ほとんど感じないくらいです。


しっかりしたうまみを、さわやかな酸味が引き立てる、旨辛口のおいしいお酒でした。
うまみは濃いめですが、甘みがかなりひかえめですので、ややドライな口当たりに仕上がっています。
でも、そのおかげでうまみとわずかな酸味とが際立っているように思います。
最初に紹介した雑誌に書いてあったとおり、たしかにさわやかで切れ味よい、シャープな味わいでした。
甘みで味をごまかさない、繊細な辛口酒だと思います。



(※1)dancyu 2012年4月号 p.38(プレジデント社)
(※2)鳥生誠二『水稲品種‘松山三井’について』p.60(愛媛県農業試験場研究報告 第39号 2005.12)
(※3)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.97(2000.4 柴田書店)
(※4)(※2)p.61および表2
(※5)(※2)p.66

【お酒】116.山丹正宗 本醸造 バリィさんの寝ざけ [38.愛媛県の酒]

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株式会社八木酒造部
愛媛県今治市旭町三丁目3番地の8

[原材料名]米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
精米歩合70%
[アルコール分]14度以上15度未満
300ml詰
(以上、ラベルより転記)

八木酒造部さんのお酒は、かつて山丹正宗のバリィさんカップをいただいております。

バリィさんカップは普通酒でしたが、今日いただいたこのお酒は本醸造です。
本醸造については、かつてこちらにまとめておりますので、ご参照ください。


このお酒には、このお酒を使って作るカクテルのレシピが付いていました。
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カクテルって、どちらかというと、フルーツの甘みや酸っぱさなどを楽しむ飲み物ですよね。
はたして、そういう味に、日本のお酒の味、とくに普通酒や本醸造にありがちな酒臭い味(←褒め言葉です)は合うのでしょうか。

いちいち詮索するのは止めにして、とりあえずこのお酒を、今日はまず冷や(常温)でいただきます。


アルコールの香りは弱めです。

うまみはやわらかくて、淡い感じです。
クセがなくてスッキリしていますが、ちょっと薄めかもしれません。

甘みはかなり弱めです。
それでも、うまみがやわらかいので、ちょうどよく合っているようです。

酸味も弱めです。
刺激やピリピリ感はありません。


やわらかくてスッキリしたうまみの、淡麗で辛口のお酒でした。
うまみにクセがなくてスッキリしているので、カクテルのベースとして使用することも可能かと思います。


ここで、ちょっとぬる燗にしてみました。

うまみは冷やよりも後退して、さらにスッキリしたようです。
酸味は刺激のないままでしたので、よりいっそう淡麗になって、飲みやすくなりました。

しかし、酒臭い味のお好きな方には、ちょっと物足りないかもしれません。

【お酒】88.山丹正宗 バリィさんカップ [38.愛媛県の酒]

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株式会社八木酒造部
愛媛県今治市旭町3-3-8

内容量/180ml
アルコール分/14度
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
(以上、カップの印刷事項より転記)

今治市のゆるキャラである“バリィさん”をその名にいただくお酒です。
地域のゆるキャラの名を背負うわけですから、これでおいしくなかったら、一蔵元だけの問題では済まされません。
はたして蔵元さんは、そのくらいの覚悟をもって商品化されているのでしょうか。

きっとおいしいお酒が入っているものと予想して、今日もぬる燗でいただきます。


アルコールのつんとくるような香りはしません。

酸味が強めです。
刺激はありませんが、ちょっとすっぱい味がします。
それがお酒の味を引き締めています。

うまみはひかえめであるものの、けっこうはっきりしています。
醸し出された、酒臭い(←褒め言葉です)うまみです。

甘みはほとんど感じないくらいです。


強めの酸味によって仕上げられた、やや淡麗で辛口のお酒でした。
もう少し酸味を抑えてあれば、うまみがもっと際立ってよかったのではないかと思います。


このところ、酸味の強い普通酒に当たることがよくあります。

最近読んだ文献には「総破精麹の問題点としては、(中略)タンパク質も核酸もビタミンも各種の代謝産物も皆多くなるということですね。ですから、総破精麹では酸の出方が多くなるし、酒の味が濃く、くどくなりがちだ、ということです。」という記述がありました(※1)。

一般に、吟醸酒を造るときに使う麹は、突き破精型の麹(お米の内部へ突き進んでいく麹)がよく、総破精型の麹(お米の表面にびっしりと生える麹)ではダメだと言われているようです。
理由はいくつかあるようですが、その一つに、上記文献で示されているとおり「酸の出方が多くなる」ということがあるようです。

もっとも、総破精型の麹は「糖化力が強い」ので、「普通酒には総破精型の麹が使われる」ようです(※2)。

ということは、私がいただいた酸味の強い普通酒は、総破精型の麹を使用して酸が出たことで、酸味が強くなったものだったのかもしれません。

普通酒であっても、酸味がなくて淡麗なものもあったり、まろやかな味わいのものや、甘みが豊かなものもありました。
ですから、たとえ総破精型の麹を使っても、きちんと管理して造れば酸味の出過ぎを防ぐことはできると思います。


(※1)大内弘造『なるほど!吟醸酒造り-杜氏さんと話す』p.25(2000.10 技報堂出版)
(※2)小泉武夫監修『日本酒百味百題』p.127(2000.4 柴田書店)
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