dancyu 2021年3月号を読んで見ましたよ~だ! [雑感]
dancyuは、毎年3月号はいわゆる“日本酒”特集。
(あたしゃ日本酒って言葉は好きじゃないのですが、ここではしかたがなく使います。)
今年のdancyuは攻めているね。
伝統的な技術とともに、現代でのそれらの活かされ方を紹介していらっしゃる。
生酛やら山廃酛やら、それに菩提酛までその歴史を踏まえて解説してなさる。
蔵元さんと米作りとの関係も、顕著な例を紹介して下さっている。
酒米を紹介するページでは、四大酒米(山田錦・五百万石・美山錦・雄町)を独自の切り口でさらりと紹介していらっしゃる。
まるで日本酒の教科書みたい。
面白みはいささか失われても、酒の知識を限られた紙面上で網羅的に語ってやろうという気概を感じました。
これだけ読んでおけばひととおり知識が身に付くかも。
ただ私としては、酒造りの現場の人にしかわからないこと、他の本を読んでも書いていない現場の声なんかを紹介してほしかったところです。
過去のdancyuには、そういう切り口で構成されていた号もあったしね。
私がもっとも興味深かったことは、“酒ゴジラ”こと石川達也さんが長年杜氏を務められていた竹鶴(広島県竹原市)を離れて月の井(茨城県大洗町)へ移られたという話。
月の井さんのお酒は私はまだ未経験ですが、ぜひとも大洗へ行って入手してみたくなってまいりましたよ。
(あたしゃ日本酒って言葉は好きじゃないのですが、ここではしかたがなく使います。)
今年のdancyuは攻めているね。
伝統的な技術とともに、現代でのそれらの活かされ方を紹介していらっしゃる。
生酛やら山廃酛やら、それに菩提酛までその歴史を踏まえて解説してなさる。
蔵元さんと米作りとの関係も、顕著な例を紹介して下さっている。
酒米を紹介するページでは、四大酒米(山田錦・五百万石・美山錦・雄町)を独自の切り口でさらりと紹介していらっしゃる。
まるで日本酒の教科書みたい。
面白みはいささか失われても、酒の知識を限られた紙面上で網羅的に語ってやろうという気概を感じました。
これだけ読んでおけばひととおり知識が身に付くかも。
ただ私としては、酒造りの現場の人にしかわからないこと、他の本を読んでも書いていない現場の声なんかを紹介してほしかったところです。
過去のdancyuには、そういう切り口で構成されていた号もあったしね。
私がもっとも興味深かったことは、“酒ゴジラ”こと石川達也さんが長年杜氏を務められていた竹鶴(広島県竹原市)を離れて月の井(茨城県大洗町)へ移られたという話。
月の井さんのお酒は私はまだ未経験ですが、ぜひとも大洗へ行って入手してみたくなってまいりましたよ。
【お酒】1918.萬歳楽 本醸造 花伝 カップ [17.石川県の酒]
製造者 株式会社小堀酒造店
石川県白山市鶴来本町一丁目ワ47
アルコール分 15度
精米歩合70%
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
内容量200ml
(以上、ラベルより転記)
小堀酒造店さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
1903.萬歳楽 純米 金沢純金箔入 180ml
1916.萬歳楽 通 カップ
今日いただくこのお酒は、“家伝(かでん)”なる本醸造でした。
本醸造ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し茶色がかっておりました。
(レジで貼られたテープをはがすのを忘れておりました。)
うまみはやや濃いめでしょう。
どっしりとした熟成感で、枯れていますね。
酒臭さ(ほめ言葉です)がそれに続くようです。
渋みが少しあって、軽めではあるものの鋭さを感じます。
キレはよいですね。
酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさはかなり弱めです。
でもちょいスーですね。
ピリピリ感はありません。
甘みはややひかえめでしょうね。
かなり弱めですが、その存在はわかります。
やや濃醇で枯れちょい渋ちょいスー旨やや辛口のおいしいお酒でした。
枯れ具合がいい感じで、粗さを感じませんでした。
軽めの渋みがいい感じに引き締めておりました。
キレがよいのでしつこさがなく、後味はスッキリしておりました。
これ、うまいね!
濃いめの料理とかお肉、あるいはフライにも合うかも。
【お酒】1917.黒松白鹿 純米 カップ [28.兵庫県の酒]
辰馬本家酒造株式会社
兵庫県西宮市建石町2番10号
アルコール分 14度以上15度未満
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合 70%
270ml詰
(以上、ラベルより転記)
灘の名門である辰馬本家酒造さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
139.特撰 黒松白鹿 黒松 純米 もち四段仕込 300ml
145.上撰 黒松白鹿 クラシックス 本醸造生酒 300ml
174.超特撰 黒松白鹿 特別純米 山田錦 180ml
455.上撰 白鹿 アルミカン(普通酒)(二回目はこちら)
1258.上撰 黒松白鹿 本醸造 ペットカップ
1343.超特撰 黒松白鹿 豪華千年壽 純米大吟醸 300ml
1495.白鹿 しぼりたて 200ml
今日いただくこのお酒は、純米酒のカップ酒でした。
このブログを書き始めた当時からこの世に存在していたこの黒松白鹿純米カップ。
あたしゃネタがなくなった際の保険として、これまで手を出さずにとっておいたのです。
しかし先日、近所にあるスーパーの酒コーナーでこのカップ酒を見つけたとき、ふと思ったのです。
「いつまでも あると思うな カップ酒」
そういえば、キクマサの本醸造樽酒カップもいつの間にか消えちゃったし。
そろそろ手を出しておこうと思い、入手した次第でした。
ところでこのお酒、純米酒なのに270ml詰ですよ。
270ml詰のカップ酒なんて、他の大手蔵だったらまちがいなく糖類酸味料フル添加の三増酒でしょうに。
それに“黒松”は、たしか白鹿さんでは上撰クラス(かつての級別制度下における一級酒相当)よりも上級のお酒に付される小印のはず。
アルコール度数は14度台とやや低め。
“純米酒”の特定名称を名乗るためには、農産物検査法によって3等米以上に格付けされた米を使わなければいけないのですよ。(※1)
すなわち、どこの馬の骨かわからないような米や、くず米なんかを使って純米酒を造ることはできないのです。
それなのに、純米酒を270mlのカップ酒で、しかもわずか200円台前半のお値段で世に送り出すことができていらっしゃる辰馬本家酒造さんって、いったいどんなに太っ腹なのでしょうか。
それとも、常人には到底予想し得ない秘密のからくりがあっちゃったりなんかしちゃったりして。
そんな黒松白鹿純米カップ、
いただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
うまみはやや濃いめ、いやちょい濃いめくらいかな。
米のうまみそのもので、厚みを少し感じます。
酒臭さはなく、熟成感もありません。
苦みがあって、強くはないものの鋭さを感じます。
キレはそれほどでもないみたいです。
酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは少し強めで、鋭さを感じます。
スースー感も少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりです。
しつこくはないものの、幅をはっきりと感じる甘みがあります。
ちょい濃醇でちょい苦ちょいすっぱちょいスー旨やや甘口のおいしいお酒でした。
うまみは米のうまみそのもので、雑味がなくてきれいでした。
苦みや酸味、それにアルコール由来と思われるスースー感を、甘みがいい感じにまとめてくれているように感じました。
それ故に、荒々しさを感じたものの、味の要素のそれぞれが突出することなく調和しているようでした。
これ、うまいんじゃないの?
食中酒にはピッタリでしょうよ。
この味わいで、270ml詰で200円台前半だなんて、脱帽です。
その黒松白鹿純米カップ270mlに合わせた今日のエサはこちら。
やっぱり菜の花、
食べたいですよね。
今日はからし和え。
菜の花の風味に辛みがちょうどよくて、上出来でした。
そして、こんにゃく。
今日はどうしても食べたかったのでした。
鶏肉と冷蔵庫の残り物野菜とで、炒め煮にしました。
いったん冷ましてから再度加熱したことで、中まで味がしみておいしゅうございました。
ごちそうさまでした。
(※1)清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)1(2)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
“ゴロン”は「触れ!」のご命令。
あーあ、スーパーへ買い物に行こうと思ったのに。
ものすごく怖がりなのに、慣れてくれてありがとうね。
(友情出演)
【お酒】1916.萬歳楽 通 カップ [17.石川県の酒]
製造者 株式会社小堀酒造店
石川県白山市鶴来本町一丁目ワ47
アルコール分 15度
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
内容量200ml
(以上、ラベルより転記)
小堀酒造さんのお酒は、かつて1903.萬歳楽 純米 金沢純金箔入 180mlをいただいております。
今日いただくこのお酒は、“通(つう)”の名が付された普通酒でした。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、わずかに着いていることがわかる程度でした。
うまみはやや淡めでしょう。
酒臭さ(ほめ言葉です)をふんわりと感じます。
渋みがあって、弱めではあるもののちょっと重いね。
キレはとてもよく、透明感を少しだけ感じます。
酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めですが、弱めなりに鋭さを少し感じます。
一方でスースー感ははっきりしています。
ピリピリ感はありません。
甘みはややひかえめかな。
ゼロではなくて幅も少し感じるものの、かなり弱めです。
やや淡麗でちょい渋スースースッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
キレがとてもよくて後味がすっきりしておりました。
それなのに淡めなりに酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)をふんわりと感じたことから、物足りなくはありませんでした。
スースーとキレのよさとは、おそらくアル添に由来する味わいでしょう。
ちょい渋もいい感じに引き締めているようでした。
アル添酒らしさがよくわかるお酒。
それでいて物足りなさはなく、おいしくいただけました。
いいんじゃないの?
なーんてえらそうなことを言っておりますが、実はワタクシ、この“通”をいただくのは初めてではなかったのでした。
金沢の名店“黒百合”さんで、名代のおでんと共にいただいていたのでした。
【お酒】1915.菊姫 180ml [17.石川県の酒]
製造者 菊姫合資会社
石川県白山市鶴来新町タ-8
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
アルコール分 15度以上16度未満
内容量 180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)
昨日いただいた1914.菊姫 先一杯(まずいっぱい) 純米酒 300mlに引きつづき、今日も菊姫さんのお酒をいただきます。
なお、菊姫さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
【お酒】39.菊姫カップ 菊 (2回目はこちら)
【お酒】109.菊姫 にごり酒
【お酒】1914.菊姫 先一杯(まずいっぱい) 純米酒 300ml
今日いただくこのお酒は普通酒ですから、きっとカップ酒と同じ中身でしょう。
私は昨日、“先一杯(まずいっぱい)なる”純米酒をいただいた感想として、
「純米酒なのに普通酒の菊カップよりもさっぱりしているようでした。」
と評しました。
本当にそうだったのでしょうか?
そこで今日は、この普通酒をいただいて、この一文の当否を確かめたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、茶色がかっておりました。
先一杯よりもやや濃いみたいですね。
燗をつけると、酒臭い(ほめ言葉です)香りが立ってまいりました。
うまみはやっぱり濃いめです。
最初に酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)がズシリと来ます。
熟成感もはっきりしているものの、角や粗さは感じません。
それらに米のうまみが続くみたいです。
渋みがちょっとだけあるみたいです。
キレはよいですね。
酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは強くはないものの、鋭さを感じます。
スースー感もちょっとだけあるみたいです。
ピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりかな。
べとついた感じはないものの、甘みに幅を感じます。
それに存在はわかるものの、前には出てきませんね。
濃醇枯深ちょいすっぱ旨口のおいしいお酒でした。
熟成感がはっきりしているものの、とても穏やかでした。
酒臭くて(くどいようですがほめ言葉です)枯れていて深みがあるのに、角がなくてキレがよく、後味はスッキリしておりました。
やっぱり菊姫は普通酒がうまいね。
それに、純米酒の“先一杯”よりもこっちの普通酒のほうがまちがいなくしっかりした味わいでしたよ。
【お酒】1914.菊姫 先一杯(まずいっぱい) 純米酒 300ml [17.石川県の酒]
製造者/菊姫合資会社
石川県白山市鶴来新町タ8番地
原材料名/米(国産)・米こうじ(国産米)
精米歩合/65%
アルコール分/14度
内容量/300ml
純米仕込 K-9
原料米は兵庫県三木市吉川町(特A地区)産山田錦100%使用
(以上、ラベルより転記)
菊姫さんのお酒は、かつて以下のものをいただいております。
【お酒】39.菊姫カップ 菊 (2回目はこちら)
【お酒】109.菊姫 にごり酒
今日いただくこのお酒は、“先一杯(まずいっぱい)”なる純米酒でした。
“K-9”ってのは、熊本県酒造研究所で発見されたきょうかい9号酵母(熊本酵母)のことかな?
お米は吉川(よかわ)の特A地区産の山田錦を100%使用しているのだとか。
特A地区の山田錦を使い、きょうかい9号酵母を用いて仕込んだ純米酒。
いったいどんな味わいなのでしょうか?
きょうかい9号酵母使用ということは香りを特徴とするかもしれませんから、まずは常温でいただきます。
お酒の色は、少し茶色がかっておりました。
上立ち香は、鼻を近づけるとかすかにフルーティーさを感じる程度です。
含んでもそれほどはっきりしておりません。
うまみはやや濃いめでしょう。
最初に酒臭さ(ほめ言葉です)をしっかり感じ、山田錦らしい透明感のある厚みを少し感じます。
熟成感はわかるものの、弱めで穏やかです。
渋みがあって、ややはっきりしています。
キレはよいですね。
酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めで、深みもそれほどでもないみたいです。
スースー感はなく、ピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりでしょう。
べとついた感じはないものの、甘みに幅を少し感じます。
やや濃醇でちょい渋スッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
香りはかすかでちょうどよい感じでした。
うまみ、特に酒臭さ(あくまでもほめ言葉です)がしっかりでしたが、キレがよくて後味はスッキリしておりました。
あくまでも私の感想ですが、純米酒なのに普通酒の菊カップよりもさっぱりしているようでした。
もしかしたら、熟成期間が短いのかな?
また、うまみのメインが酒臭さ(くどいようですがほめ言葉です)であって、山田錦らしさはその背後に隠れてしまっているようにも思いました。
ここで、ぬる燗にしてみましたよ。
酸味が立ちました!
すっぱさよりも、酸味自体の深みが少しはっきりしてまいりましたよ。
それに渋みに鋭さが出ましたが、嫌味なく引き締まりました。
それにアル添酒みたいなちょいスーになりました。
ぬる燗にすると、やや濃醇でちょい渋ちょい深ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒になりました。
これはいいね!
燗のほうが深みがあって、しかもちょい渋やちょいスーでいい感じに引き締まっておりました。
このほうが、食事と合うと感じました。
その“先一杯”と合わせた今日のエサはこちら。
さんまの蒲焼缶を食べたかったので、
いつもはさんまざく(酢の物)にするところですが、今日はこのまま。
山椒多めでいただきました。
地元産の菜の花。
ごま和えでいただきました。
卵4個に、
ねぎの青いところを刻んで、
だし巻き卵(青ねぎ入り)。
そして〆は、炊き込みご飯。
冷蔵庫の残り物で作りました。
ごちそうさまでした。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
黒猫のダンナには、今日もいっぱい遊んでいただけましたとさ
(友情出演)
さてと、
惟任日向守様の最期、
見届けるとするか!
“情けなさを凌ぐ悦び”を求めて [旅]
あーあ、
仕事なんかしたくないよ・・・
あたしゃ先週、仕事を一日休んでしまいました。
理由は、通院のため。
通院と言っても内科や外科ではなく、精神科。
うちのボスは、仕事以外のことにはとにかく“だらしない”。
入口のドアを開けっぱなしで出かけてしまうこともしばしば。
レターパックをまとめてある紙の帯を破ったまま捨てずにその場に放置しっぱなし。
極めつけは、私が朝、トイレ掃除をしようとすると、トイレを流していないこと。
それらを処理しなければならないのは、雇われの身であるこの私。
でもさ、これって仕事じゃないよね。
お金をもらって働いている以上、こんなことまでもやらなければいけないのかよ?
それともオイラはいわゆる“負け組”だから、こんなこともやらされて当然なのか?
あたしゃこれらを処理するたびに、
“生活のために金で魂を売り渡しているな。”
って思って、自分がつくづくイヤになる。
そのことを先日、まだドアを開けっぱなしで出かけたボスに言ってやったんだ。
そうしたら、いちおう謝罪はあったものの、ものすごく遠回しに、
「イヤならやめていいよ。」
だってさ。
10年以上もアンタのために働いてやってきたのにさ、よくもそんなことを平気で言い放つことができるよね。
あたしゃこの時、
“辞めないで、死を以って抗議しよう!”
と、心の底からそう思いましたよ。
なぜならば、私が職を失うのと同じ打撃をボスに受けさせるためには、職員が自殺したという評判が流れて仕事の依頼が来なくなることこそがもっとも効果的でしょうからね。
自殺願望って、こういうときに不意に生じるのね。
その日の夕方、
黒猫のダンナは、いつもの場所でオイラの帰りを待っていてくれた。
背を向けて黙っているダンナに、
「今日、こんなことがあったんだよ。」
「オイラは死んじゃうけれど、ダンナは元気でね。」
って話してみた。
(友情出演)
もちろんダンナは何も言いませんでした。
でもその時、
“死んだら黒猫のダンナに会えなくなっちゃう。”
“オイラ、頭がかなりイッちゃっているな。”
って気がついたのでした。
というか、これはきっとダンナからの無言のアドバイスだったのだろうね。
だから私はその翌日に仕事を休み、普段から通院している精神科へ行って、お医者さんに一部始終を話してアドバイスをいただいたのでした。
お医者さんがおっしゃるには、
「辞めれば楽になれるが、時期的にも年齢的にも再就職は難しいから、今の職場環境を受け容れる方向に心を持っていったほうがよい。」
とのこと。
そのために、普段服用しているものに追加して薬を処方していただいたのでした。
追加の薬を服用したら、たしかに心が落ち着いて、自殺しようという気持ちは消えました。
精神科に助けを求めたことは正解で、それを示唆してくれた黒猫のダンナには感謝してもしきれないほどです。
でも、自分が生活のために金で魂を売っていることの情けなさは消えずに残ったまま。
この“情けなさ”は、薬で取り除くことはできないみたいでした。
情けないという思いを積極的に否定しようとも考えました。
「あくまでも仕事の一環なんだから、情けないなんて考えちゃだめだ。」と自分に言い聞かせて。
しかし、開けっ放しの扉を閉めたり、放置された紙の帯を捨てたり、流していないトイレを掃除したりすることはどう考えても仕事とは無関係で、それらをするたびに“情けなさ”が心の底からこみあげてくるのです。
それ故、“情けなさ”を否定することはできませんでした。
ということは、オイラはこれからもこの“情けなさ”と付き合い続けなければいけないみたい。
だったら、
「たとえ情けないことをしていても、魂を売って得た金で “情けなさを凌ぐ悦び” が得られるのだ。」
と、自分を納得させるしか策はないのかも。
ではどうすれば、
“情けなさを凌ぐ悦び”
を得ることができるのか?
そうだ!
山形へ行こう!!
山形へ行って、
とびきりおいしいものを
食べてこよう!!!
こうして私は、“情けなさを凌ぐ悦び”を求めて、山形へ行くことを決めたのでした。
でもでもでも!
今は新型コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言が発せられている状況下。
そんなときに安易に山形を訪問することで、私自身がウィルスを山形へ運んでしまう恐れもあるわけですよ。
そこで私が決めたのが、PCR検査。
検体を採取して送付することで、メールで結果を知らせてくれるとのことでした。
その結果は、
ええ?
【低リスク】
だってさ。
陰性じゃないの?
箱をよく見てみたところ、
“陽性/陰性”じゃなくて、“高リスク/低リスク”で判定するんだってさ。
ということはほぼ陰性で、出かけても他の人にうつす可能性は低いってことでしょうね。
めでたしめでたし。
さあ!、山形へ行こう!
★☆2021年1月30日(土)★☆
千葉県民のワタクシが京葉線に乗ってやって来たのは、東京駅。
東京駅から乗ったのは、こちらひさびさの山形新幹線!
8:56発のつばさ129号山形行でした(福島まではやまびこ129号と併結)。
(  ̄っ ̄)怒っている顔のほう(E3系1000番台)でした。
ちなみに、(^―^)笑っている顔のほう(E3系2000番台)はこちら。
(2020年6月13日撮影:赤湯駅にて)
自由席の車内は、海外旅行かよ!と思うほどデカいキャリーバッグを引っ張ってきた若者グループが時節柄を弁えることなく大騒ぎ。
しかもこいつら、降りるときもタラタラ降りやがって、列車は結局遅延したのでした。
閑話休題。
埼玉県内からは、富士山を拝むことができましたよ。
あーダメ人間だダメ人間だ!
まだ朝の9時台だというのに新幹線に乗ると飲むクセがすっかりついたアル中ハイマー型ダメ人間だ!
飲んだら眠たくなるのがお約束。
目覚めたら、外は雪景色でした。
板谷峠(福島県と山形県との県境にある峠)は豪雪地帯と化しておりました。
その板谷峠を、つばさ129号は自慢のスノープラウで雪を跳ねのけながらぐんぐんと越えて行ったのでした。
板谷峠を越えて山形県内に入っても、一面の雪景色。
冬の東北へ来たなぁ!って感じだね。
カジョセンが見えてくると、そこはもう山形駅。
米沢駅や赤湯駅やらでキャリーバッグを引きずりながらタラタラと降りていやがった連中のせいで5分遅れでの到着となったのでした。
時刻はまもなく正午。
腹が減ってまいりました。
そこで、駅ビルの中にあるそば屋さんへ。
まずはビール。
付き出しは青菜(せいさい)のお漬物。
山形の郷土野菜です。
せいろそばをいただきました。
あたしゃおいしいそばをいただくときは、そばだけを食べたい派なのです。
噛み応えしっかり!
噛むたびにそばの香りがフワッと広がりました。
秋田はうどん文化ですが、山形はやっぱりそばだよね。
その山形駅からは、奥羽本線(山形線)に乗車。
12:50発の村山行普通1433Mでした。
1433Mに6駅乗って、天童南駅(山形県天童市)にて下車。
天童南駅から歩いてやってきたのは、イオンモール天童。
そのイオンモール天童で、初孫の酒王(普通酒)300ml瓶と霞城壽普通酒一合瓶とをGET!
カップ酒の取り揃えは豊富でしたが、どれも既出でしたよ(トホホ・・)。
雪道を歩いて、天童南駅へと戻りました。
その天童南駅からは、奥羽本線(山形線)の14:00発山形行普通1438Mに乗って、来た道を引き返しました。
標準軌の単線を100km/hでかっ飛ばす電車に乗ると、
山形へ来たなぁ!って実感するのって私だけ?
カジョセンが見えてくると、そこはもう山形駅再び。
山形駅の西口へやってまいりました。
目指したのは、金森酒店さん。
雅山流のスパークリング(なのに14度)を見つけてGET!
角打ちコーナーがあったので、山形正宗の純米吟醸雄町をいただきました。
これ、酒というよりも、ヨーグルトの上澄みみたいな味。
甘酸っぱくてスイスイ行けるけれど、これじゃ合わせる料理が限られるだろうな。
カジョセン(
なんか文句あるか?
24階の展望室へとやってまいりました。
山形城(
晴れていれば、月山がこちらに見えたのだとか。
がっさーん!〈月山〉
立て!ジョー!〈楯状火山〉
遊びでねえんだ!〈アスピーテ〉
(水曜どうでしょうより)
雪に覆われた山形駅も眼下に眺めることができました。
もっと眺めていたかったのですけれど、
“人の恋路を邪魔する奴は・・・・・、”
カジョセンの展望室から退散。
山形駅の駅ビルにある酒屋さんで、大吟醸2種(出羽桜/霞城壽)をGET!
外へ出たら、けっこう降っているわ積もっているわ!
スーパーで、霞城壽の本醸造300ml瓶をGET!
味マルジュウ(山形県民の皆さんが愛してやまないだし醤油)は、山形へ来たら必ず買おうと固く心に決めていたのでした。
この後ホテルにチェックイン。
いい時間になってまいりましたので、山形の夜の街へと繰り出したのでした。
目指すはもちろん、“居酒屋伝七”さんですよ。
ある!ある!ある!
お目当ての品がある!ある!ある!
晩酌コース(2,400円:税別)を頼んでおいたので、出されたものをいただくのみ。
まずはおひたし。
うるいとあかねほうれんそう、打豆が入っておりました。
塩漬けわらびの煮物。
わらびって塩漬け(塩蔵)にすることで、香ばしさが出るのね。
真子(マダラの卵)のしょうゆ漬け。
♪マコ、甘えてばかりで、ごめんね♪(古っ!)
真子、ものすごくまいう~!
臭みゼロ、うまみばっちり!
あたしゃイクラよりも、こっちのほうが好みだな。
あんきも。
きめが細かくて口の中でとろけました!
柚子が効いたあんかけダレもバッチリでしたよ。
これらに合わせたのは、羽前桜川の辛口。
居酒屋伝七さんでの最初の一杯はこの燗酒と決めておりますもので。
糖類酸味料フル添加なのになぜかおいしい不思議な酒なもので。
でも法人化されてからは口当たりが鋭くなり、かつセメダイン臭を少し纏うようになったかな。
本日のメインは、
寒鱈鍋。
(加熱前)
(加熱後)
岩ノリをかけていただくのが山形流なのだとか。
皮が付いている身がプルプル!
鱈ってさ、スーパーで買うと身がパッサパサで、しかもケミカルなニオイがするじゃないですか。
でも伝七さんでいただく鱈はぜんぜんちがう!
白子が口の中でうまみだけを残して行方不明に!
その鱈の出汁が出た汁もおいしいことこの上ない!
豆腐もねぎも、鱈の出汁が滲みてものすごくおいしいのでした。
その寒鱈鍋に合わせたのは、東北泉の雄町純米。
海の物には海の酒。
キリリと引き締まった辛口の東北泉が寒鱈とよく合うことよく合うこと!
さらに料理は続きます。
ローストビーフと生ほっき貝。
生ほっき貝は、ねっとりのコリコリでものすごくまいう~!
こんなのさ、たった2,400円(税別)のコースで出しちゃって大丈夫なの?
そして最後は、ホイル焼き。
宮城県産の牡蠣。
これも口の中でとろけましたよ。
鱈も入っておりました。
これはヒラタケ。
おいしいね!
これらに合わせたのは、黒魔斬(冷酒)。
初孫らしい透明感にキリッと引き締まった辛口で、海産物との相性ばっちりでした。
〆はスヰートポテト。
リンゴのコンポートが入っとりゃあしたがね。
(絶対に名古屋の人に刺されるわ。)
あー、
んめがった、んめがった!
私にとっては、
山形へ来て居酒屋伝七さんでおいしいものをいただくことこそ、
“情けなさを凌ぐ悦び”そのものである!
と実感した次第でございました。
お読みいただいている皆さまにおかれましては、新型コロナウィルスの蔓延が収束しているであろう来年の冬こそはぜひとも山形へお越しいただいて、絶品の寒鱈鍋をご賞味いただきたい!
山形が大好きなワタクシは、心の底からそう思う次第でございます。
こうして、山形の夜は更けて行ったのでした。
★☆2021年1月31日(日)★☆
早朝の山形駅。
この日は普通電車を乗り継いで、苦界へと帰るのみ。
山形駅からは6:30発の奥羽本線(山形線)福島行普通420Mに乗車。
♪さ~ら~ば山形よ、また来るま~で~は~♪
♪し~ば~し~別れの、涙がに~じ~む~♪
(これも古っ!)
420Mに終点の福島駅まで乗って、東北本線に乗りかえ。
8:12発の新白河行普通2132Mでした。
福島県まで来ると、空は晴れておりました。
2132Mに終点の新白河駅まで乗車。
そして、9:53発の黒磯行普通4130Mに乗りかえ。
4130Mの終点である黒磯駅で、10:23発宇都宮行普通640Mに乗りかえ。
あーダメ人間だダメ人間だ!
黒磯駅の売店がコロナ禍で休業中だと知っていて新白河駅で買いこんできたアル中ハイマー型ダメ人間だ!
640Mに終点まで乗って、宇都宮駅(栃木県宇都宮市)で下車。
お こ と わ り。
(♪ド・ミ・ソ・ド~♪)
ここからは、いつもどおりのパターンのやつが展開されます。
お読みいただいているみなさまにおかれましては、
またかよ!と思いつつも、
鼻でクスリと笑っていただければ幸甚です。
まずは、餃子像様に最敬礼!
<(_ _)>
バスに乗って、東武駅前を目指します。
お目当てはもちろん“三平食堂”さんですよ。
まずはビール。
(オマエさっき飲んだばっかりじゃないか!)
お通しは、春日井のうすピーかな?
そして注文したのは、野菜サラダ!
野菜がねぇ~、
どれもみんなおいしいのよぉ~
(なんでオネエやねん。)
もちろん餃子もいただきましたよ。
こちらは普通の餃子。
野菜たっぷりの餡が、肉よりも魚よりも野菜が大好きな私を魅了してやまないのです。
こちらはしそ餃子。
餡をしそで巻いてあることがおわかりでしょうか。
これらの餃子を、酢とこしょう、ラー油でいただきました。
野菜たっぷりの餃子には、やっぱり十一正宗でしょう!
きれいで甘口の十一正宗が、野菜たっぷりの餃子の味を引き立ててくれたのでした。
三平食堂さん、毎度のことながら堪能させていただきました。
東北からの帰りに立ち寄る宇都宮の三平食堂さんでいただく野菜サラダと餃子、それに十一正宗もまた、私にとっては“情けなさを凌ぐ悦び”でしたよ。
お腹も心も満たされたところで、酔っぱらいはオリオン通りを歩いて帰って、
途中、二荒山神社に参拝し、
95段の階段を駆け上がって酔いがいっそう回ってしまって、
拝殿にて二礼二拍手一礼。
今回の旅も、無事楽しませていただいてありがとうございました。
私にとっての“情けなさを凌ぐ悦び”に気づかせてくださってありがとうございました。
95段の石段を下りて宇都宮駅へと戻って、
宇都宮駅の駅ビルにあるスーパーで、旭興のカップ酒をGET!
悲しいかな、プリントから紙ラベルへと変わっちゃったのね。
上野東京ラインのグリーン車に乗って、
ビールを飲みながら帰ったとさ。
(まだ飲むのかよ。)
明るいうちに帰宅することができたので、黒猫のダンナには2日分をたっぷりと遊んでいただきましたとさ。
(友情出演)
今回の旅では、私には“情けなさを凌ぐ悦び”があることを確認させていただきました。
それはどれも、かけがえのないものばかり。
もちろん、黒猫のダンナもです!
これらのことを心の支えとしつつ、これからも金で魂を売り渡しつつも、それを甘受しながらなんとか生きていこうと思いましたとさ。
そしてまた生きることが辛くなったら、山形へ行こうと思います。
以上、
カップ酒1個
一合瓶1本
300ml瓶5本
の旅でした。
“美酒爛漫 本醸造原酒 熟成酒 200ml缶”をまた飲んでみましたよ~だ! [また飲んでみました]
製造者
秋田銘醸株式会社
秋田県湯沢市大工町4番23号
品目 日本酒
内容量 200ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
精米歩合 麹米65%・掛米70%
アルコール分 19度以上20度未満
(以上、缶の印刷事項より転記)
《初回記事はこちら》
【お酒】416.美酒爛漫 本醸造原酒 熟成酒 200ml缶
今日は、およそ6年ぶりに“美酒爛漫 本醸造原酒 熟成酒 200ml缶”をいただいてみましたよ。
品質表示に変化はないみたいでした。
前回と同様に、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、かすかに着いているかいないかといった程度でした。
鼻を近づけると、フレッシュな上立ち香をかすかに感じます。
含むとトロリとした口当たりの後に、そのフレッシュな風味が鼻へ抜けて行きます。
うまみは濃いめです。
酒臭さ(ほめ言葉です)が穏やかながらにしっかりで、米のうまみがそれに続きます。
熟成感は一応わかるものの、弱めでかなり穏やかです。
苦みや雑味はまったく感じません。
キレはかなりよいですね。
酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは少しはっきりで少し鋭いくらいかな。
むしろアルコール香に由来すると思わるスースー感がはっきりです。
ピリピリ感はありません。
甘みはひかえめです。
ゼロではないものの、幅を感じません。
濃醇爽快ちょいスースッキリ旨辛口のおいしいお酒でした。
生貯蔵酒みたいなフレッシュな風味があって爽やかでした。
口当たりにとろみを感じ、うまみがしっかりでしたが、味に角がなくてキレイでした。
またアル添酒らしいキレのよさが効いていて、後味がスッキリしておりました。
これはうまいわ!
しっかりしているのに、スッと引く。
私の好みの味わいでした。
今日はどうしてもアジフライを食べたかったので、スーパーで買ってまいりました。
揚げたてのおいしさにはほど遠いものでしたが、お酒との相性はバッチリでした。
ただね、やっぱり19-20度で200ml詰。
飲み終わって立ち上がろうとしたら、いささかふらつきましたとさ。
缶ビールを飲みながら夕食を作っていたせいかもしれませんけれどね。
【お酒】1913.宗玄 純米酒 石川門 180ml [17.石川県の酒]
宗玄酒造株式会社
石川県珠洲市寶立町宗玄24-22
アルコール分 15度
原材料名 米(国産米)米こうじ(国産米)
石川県産米 石川門100使用
精米歩合 65%
内容量 180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)
こちらひさびさの宗玄。
これまでに、以下のものをいただいております。
1599.宗玄 上撰 カップ
1600.宗玄 剣山 カップ
1612.宗玄 剣山 のトロ 隧道蔵 カップ
今日いただくこのお酒は、“石川門”なる酒造好適米を100%使用した純米酒なのだとか。
石川門は、2007年に石川県で「石川酒52号」として育成された酒米のようです。
その育成は「「予236(五百万石/フクヒカリ)」を母本(種子親;ブログ筆者追記),「新潟酒28号(後の「一本〆」)を父本」(花粉親;ブログ筆者追記)とする交配組合せから育成した.」(※1)のだとか。
夏が短く秋が早く到来する石川県の気候には、早生の五百万石が適していたみたいでした。
しかし五百万石は「石川県において安定的な収量と品質を確保できるが,酒造適性評価は「山田錦」には及ばない.」(※1)とのこと。
たしかかつて、昭和五十年代に吟醸造りを復活させようとしたある蔵元さんのお話として「『五百万石』という酒米を五十パーセント以下に磨いて造ったんですが、うすっぺらな味でとても吟醸酒と言えるものではなかった」(※2)という記述に出会ったことがありました。
一方、酒米の王様であって「他の追従を許さない酒米」(※3)といえばやはり山田錦でしょうけれど、「長稈で倒れやすく」(※1)、また秋の到来が早い石川県では「山田錦」は熟期が晩生で,登熟期の気温が低く安定した収量・品質が得られない」(※1)とのこと。
そこで、「石川県酒造組合連合会により、「五百万石」並に安定生産が可能で,「山田錦」並の酒造適性をもつ,石川県独自のブランドの酒造好適米品種」(※1)として、石川酒52号、すなわち石川門が育成されたのだそうです。
その特性ですが、「稈長は「山田錦」よりも20cm短く、「五百万石」並」(※4)であって、「耐倒伏性は「山田錦」よりも強く、「五百万石」よりもやや強い」(※5)のだとか。
また「出穂期と成熟期は「五百万石」とほぼ同等の早生である」(※5)とのことで、山田錦の育成上の問題点はクリアできているようです。
一方で酒造適性ですが、「試験醸造は,酒造適性における目標と位置付けている「山田錦」を比較対象品種賭して,吟醸酒の酒質を評価するきき酒検討会を行った.その総合品質評価は、4ヵ年で「山田錦」と概ね同等の評価が得られ,特に2007年の実規模の醸造試験で「山田錦」と同等の高評価が得られ(中略),評価員からは,「きれいな味わい」「酸味がさわやか」などのコメントも得られた.」(※6)とあるとおり、良好みたいでした。
果たして本当に「きれいな味わい」「酸味がさわやか」なのでしょうか?
それをたしかめるべく、いただいてみたいと思います。
純米酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し茶色がかっておりました。
それにわずかに濁っているようでした。
うまみは濃いめです。
米のうまみに厚みをしっかりと感じます。
でも酒臭さや熟成感は感じません。
渋みがあって、弱めですが鋭さを少し感じます。
純米酒ですがキレはよいですね。
酸味ははっきりでしょう。
すっぱさは少し強めですが、鋭さよりもむしろ深みを感じます。
スースー感も少しはっきりしています。
ピリピリ感はありません。
甘みはややはっきりでしょう。
べとついた感じはないものの、甘みに幅を感じます。
濃醇ちょい渋ちょい深ちょいスー旨やや甘口のおいしいお酒でした。
けっこうしっかりした味わいですが、酒臭さや熟成感はなく、米のうまみそのものでした。
そういう意味ではたしかに「きれいな味わい」でした
酸味が効いておりましたが、鋭さではなくて深みを出す方向に働いているようでした。
「酸味がさわやか」とありましたが、私にはむしろ深みに感じました。
ちょい渋も嫌味なく、いい感じに味わいを引き締めているように感じました。
それでいてキレがよく、アル添酒みたいなスースー感がありました。
これ、かなりうまいんじゃないの!
食事と合う、おいしい純米酒でした。
(※1)中村啓二・松本範裕・黒田晃・小牧正子・野村央文・大西良祐・高瀬裕章・松村洋一・永畠秀樹・橋本良一・武田康一・小林大樹『酒造好適米品種「石川酒52号」の育成』p.7(北陸作物学会報 45号 p.7-10 2010)
(※2)石原信一『会津地酒紀行』p.18(2004.7 歴史春秋出版)
(※3)副島顕子『酒米ハンドブック 改訂版』p.5(2017.7 文一総合出版)
(※4)(※1)p.8
(※5)(※1)p.9
(※6)(※1)p.9-10
【お酒】1912.ごぞう 舞 純米吟醸 180ml [17.石川県の酒]
製造者 株式会社久世酒造店
石川県河北郡津幡町清水イ122
内容量180ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 60%
原料米 五百万石100%(石川県金沢産)使用
アルコール分 16度
(以上、ラベルより転記)
久世酒造店さんのお酒は、これまでに以下のものをいただいております。
1590.長生舞 大吟 山田錦 カップ
1614.能登路 本仕込み 本醸造辛口 カップ
1615.能登路 特別純米酒 カップ
今日いただくこのお酒は、“ごぞう 舞”なる純米吟醸でした。
なんでも金沢酒造組合を構成する5蔵では、“ごぞう”(=5蔵)なる共同ブランドを企画したのだとか。
“ごぞう”は金沢の米と金沢の酵母とを使用するというルールがあるものの、各蔵が独自の仕込みで個性的な純米吟醸酒を造ることを狙っているのだそうです。
その個性の印として、各蔵の銘柄にちなんだ文字が付されているのだとか。
この“ごぞう”を造った久世酒造店さんの主力銘柄は“長生舞”ですから、それ故に“ごぞう 舞”なのだそうです。
話のネタが切れたところで、いただいてみたいと思います。
純米吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
上立ち香は、かすかに花っぽいかな。
含んでもほんの少しだけ感じる程度です。
うまみはやや濃いめでしょう。
米のうまみに厚みを少し感じます。
苦みがあって、強くはなく鋭くもないものの、重さを少し感じます。
またナッツのような香ばしさも少し感じます。
キレはかなりよく、スッと引いて行きますよ。
酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めですが、弱めなりに鋭さを少し感じます。
またスースー感がちょっとだけあるみたいです。
甘みはややはっきりですね。
べとついた感じはなくてさらりとしていますが、幅のある甘みの存在を確認できます。
やや濃醇でちょい重スッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
うまみの厚みと苦みの重さとをズシリと感じるものの、キレがよくて後味はスッキリしておりました。
また甘さはややひかえめでしつこさを感じませんでした。
あくまでも当方独自の感想ですが、手の込んだ和食との相性がよいように思いましたよ。
ズシリと来てスッと引くお酒の味わいが、手の込んだ和食の複雑な味わいとうまく絡むように感じました。
★☆ 予告 ★☆
先週末は、出かけておりました。
PCR検査の結果は陰性ならぬ、【低リスク】だったもので。
列車に乗って、富士山を眺めたリ、
雪の中を歩いたり、
城跡や駅を一望できる高いところへ上がったり、
このブログでは恒例となったあの神社に参拝したりしておりました。
もちろん、おいしいものもたくさんいただきましたよ。
その顛末は、今週末に報告させていただく予定です。