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【お酒】2243.鏡花水月 純米吟醸 180ml [20.長野県の酒]

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製造者 岩波酒造合資会社
長野県松本市里山辺5159

清酒
内容量180ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 59%
アルコール分15語

分類 純米吟醸
原料米 長野県産ひとごこち100%
精米歩合 59%
醸造地 長野県松本市
採水地 長野県松本市
(以上、ラベルより転記)




岩波酒造さんのお酒はこれまでに以下の物をいただいております。
【お酒】239.岩波 アルミカップ
2回目はこちら

今日は、長野県酒類販売(株)さんが手掛ける楽國信州シリーズから、
岩波酒造さんの純米吟醸酒「鏡花水月」をいただきます。
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この「鏡花水月」について、手元にあった文献には面白い記述がありました。
いささか長めですが、引用させていただきます。
 蔵では創業以来、農閑期に新潟から来る出稼ぎ組が酒造りを担っていたが、20年ほど前から減ってきた。この時期、銀行員やコンピューターソフトのプログラマーなど他業種から30代の3人が相次いで入社した。
 その中心が、金融機関を辞め、職人を志した佐田直久さん(51)。醪を搾る「船頭」や、米をふかす「釜屋」を経て、5年前に杜氏を継いだ。
 転職組の若い力は、創業以来「岩波」の銘柄1本でやってきた蔵に新風を吹き込んだ。その象徴が、2003年に立ち上げた新ブランド「鏡花水月」だ。青く澄んだ瓶から、ラベルの意匠まで自分たちで仕上げた。
 当時、「淡麗辛口」の日本酒が流行していたが、佐田さんは「それだけでは面白くない。すっきりとした飲み口の中に、旨味がしっかりのっていないと酒として面白くない」と考えた。低温でじっくり仕込むことで、雑味がなく、キレがある味を志向。搾ったままの本来の味を残すため、無濾過蔵出しにこだわった。活性炭素(炭)による濾過は、雑味を除去して透明感を増してくれるが、半面(ママ)旨味などの長所まで削られてしまうのだ。
 この無濾過が評判を呼び、「鏡花水月」は今や定番の「岩波」に並ぶ存在に育った。(中略)顧客は全国に広がった、数年前には、全日本空輸(ANA)の国際線で機内酒として提供された。」(※1)

以下は、私の推測です。

明治5年(1872年)の創業以来、「岩波」一筋で頑張ってこられた蔵元さんにおかれましては、新ブランドを立ち上げる際にはきっと、ためらいがおありであったことでございましょう。
そして、蔵元さんによる新ブランド創設のご決断に至るまでの間には、われわれ外側の人間からは想像もできないほどの蔵元さんの葛藤と、新たな造り手さんとの間での丁々発止、侃々諤々の議論があったことと推察申し上げます。

結果として、岩波酒造さんは「鏡花水月」を世に送り出すことができ、かつ今日では岩波酒造さんの二大ブランドの一翼を担うようになったわけですよ。

こういう話、いいじゃありませんか!

なお、“活性炭素による濾過”が上記引用に出てまいりましたが、それにつきましてはかつてこちらでまとめておりますので、適宜ご参照ください。


品質表示はこちら。
長野県産の“ひとごこち”を100%使用しているんだってさ。
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“ひとごこち”というお米については、以下の説明がありました。
 1987年長野県農事試験場において,酒造好適米の品種および栽培特性の改善を目標として,「信交酒437号」(白妙錦)を母とし,「信交「444号」(トドロキワセ/愛知26号)を父として人工交配を行い,以後選抜固定を図り,1992年から「信交酒480号」の系統名で生産力および特性検定試験を重ねてきた.1995年種苗登録を行い,長野県食品工業試験場で酒造適性試験を行うとともに,長野県酒造組合による酒造会社での大量醸造試験を続けてきた.その結果,栽培特性,酒造適性とともに良好であったので1998年長野県の奨励品種に採用された.」(※2)
たしかに、「美山錦よりも耐倒伏性,耐冷性は強くて多収。大粒で心白発現率が高い」(※3)ため、栽培特性・酒造適性は良好であるようです。

しかしその反面、「心白が大きく,高精白が困難。」(※3)なんだってさ。
それ故、(※2)の文献では、各県で育成された「精白度60%程度の大量用途向きの安定栽培品種」(※4)のうちの一つであると評されておりましたよ。


話のネタが尽きたところで、いただいてみたいと思います。
純米吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、ごくかすか。
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香りはなし。
含んでも、かすかにフレッシュさを感じる程度。

うまみはやや濃いめ。
米のうまみに厚みを少し感じます。
酒臭さ(ほめ言葉です)もかすかではあるもののわかります。
吟醸酒でありがちな苦みが少しあって、強くはないものの鋭さを感じます。
純米なのにキレはよく、スッと引きました。

酸味はややはっきり。
すっぱさはそれほどでもなく、鋭さも感じません。
でも、酸味自体の深みを少し感じますよ。
スーはなく、ピリもなし。

甘みはひかえめ。
ほとんど感じません。


やや濃醇でちょい苦ちょい深スッキリ旨辛口のおいしいお酒でした。

米のうまみに厚みを少し感じ、かつ酸味の深みもある、飲み応えバッチリのお酒でした。
それなのにキレがよく、後味はスッキリしておりました。
かつ辛口で、キリッと引き締まっていましたよ。
香りではなく、味で勝負する吟醸酒でした。

かなりうまいんじゃないの!
というか、長野県のお酒でこういう辛口でかつキレのよいものって、めずらしいんじゃないかな?
その味わいはあたかも、灘酒の如くでございました。






その鏡花水月と合わせた今日のエサはこちら。


にんじんときゅうり。
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今日は、ごまサラダ。
ごま油とすりごまとを使い、煮切った酢とみりん、淡口しょうゆと昆布だしとで味付けました。
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ごまの風味満載でおいしゅうございました。
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国産の豚ロース肉。
焼いた後の柔らかさが、外国産とは全然ちがいますね。
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しょうが焼き。
濃い味にしたかったので、大分県の甘口醤油と愛知県の赤みそとを合わせて使いました。
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まちがいない!
予想通りのおいしさでした。
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ごちそうさまでした。
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(※1)朝日新聞長野総局編著『信州の日本酒と人』p.126-127(2018.10 川辺書林)
(※2)前重道雅・小林信也編著『最新 日本の酒米と酒造り』p.96(2000.3 養賢堂)
(※3)副島顕子『酒米ハンドブック 改訂版』p.69(2017.7 文一総合出版)
(※4)(※2)p.141

WAPIRITS TUMUGI 40度 200ml [変わった酒]

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製造者 三和酒類株式会社
大分県宇佐市山本2231-1

品目 スピリッツ
原材料名 大麦麹(国内製造)、かぼす果皮、レモン果皮、みかん果皮、柚子果皮、ミント
内容量 200ml
アルコール分 40度
(以上、ラベルより転記)




 三和酒類の発足は昭和三三年九月のことである。宇佐市内および宇佐郡下の三つの酒蔵が集まって設立された。参加企業は赤松本家酒造株式会社、熊埜御堂酒造場、和田酒造場の三社である。いうまでもなく今日の社名三和酒類はこの三家の合同(和合)に由来する。そして共同の瓶詰め場をスタートさせる。それぞれ別につくっていた銘柄の酒を一本のビンにし、共通の銘柄を赤松の『和香牡丹』として出荷しはじめたのである。翌三四年には宇佐市の西酒造場がこのプロジェクトに参加する。現在もこの四社は対等な関係として三和酒類を支えている。実質的には四社連合であるが、創立時の社名三和酒類を踏襲し、いまに至っている。」(※1)という、三和酒類さん。
申すまでもないことですが、麦焼酎“いいちこ”の蔵元さんですね。

その三和酒類さんのお酒や焼酎は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】989.本醸造 わかぼたん ぼたんカップ (2回目はこちら
《焼酎》3.いいちこ 25度 200ml
《焼酎》18.西の星 20度 200ml (2回目はこちら
【お酒】1300.わかぼたん 福貴野 300ml
《焼酎》28.いいちこ 日田全麹 225ml (2回目はこちら
《焼酎》39.いいちこパーソン宇佐 30度 300ml
《焼酎》127.いいちこ 長期貯蔵 12度 200ml
《焼酎》150.いいちこ 12度 黄金の國、いわて。
《焼酎》262.西の星 25度 200ml

今日いただくこのお酒は、
“WARIPITS TUMUGI”
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全麹仕込の麦焼酎に、和の『天然ボタニカル』素材を使用した“スピリッツ”
天然“ボタニカル”素材ってとこが、ちょっとルーっぽい?
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スピリッツというのは、酒税法上では第七号から前号までに掲げる酒類以外の酒類でエキス分が二度未満のもの(※2)と定められています。
要するに、ウィスキーや焼酎など、様々なお酒の定義に当てはまらないお酒であって、かつエキス分温度十五度の時において原容量百立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数(※3))が2%以下の物ということでしょう。

このことを踏まえて品質表示を見てみると、大麦麹のほかに、柑橘類の果皮やミントが原材料として使用されていることがわかります。
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それにしても、このお酒、40度だってさ。
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話のネタが尽きたところで、いただきます。

まずはストレートでちょっとだけ。
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香りはアルコール香だけ。

うわ!
強烈なスース―ピリピリ。
だって40度だもんね。

スーピリが過ぎると、麦の香ばしさをふんわりと感じ、柑橘の香りもほんのりとわかります。
雑味はなく、キレイな口当たりです。


次に、ロックで試してみました。
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甘みが最初にわかります。
そして、トロリとした口当たり。
苦みも少しありました。

麦の風味はわずか、柑橘の香りも然り。


最後は、ソーダ割り。
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爽やかさわかるね。ミントかな?
苦みは出るものの、麦の風味も立ちました。
逆に甘みが引いて、香りも引くかな。


麦の風味ふんわりと柑橘の香りもふんわりの、おいしいスピリッツでした。

味のベースはいいちこ日田全麹とそっくりでした。
ただアルコール香が高いせいか、けっこうなスーピリでした。

ロックで甘みとトロリとした口当たりを、
そしてソーダ割りで爽やかさと麦の風味とを感じることができました。

ただね、40度にする必要があるのかね?
もしかしたら、外国向けの商品なのかな?

(※1)平林千春『奇蹟のブランド「いいちこ」』p.7(2005.6 ダイヤモンド社)
(※2)酒税法(昭和二十八年法律第六号)3条20号
(※3)同法3条2項





そのWARIPITS TUMUGIと合わせた今日のエサはこちら。

鶏肉と豆腐。
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煮物にしてみました。
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鶏を焼いてから煮たことで、香ばしさがいい感じでした。
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いったん冷ましたことで、豆腐に味がしみました。
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ごちそうさまでした。
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【お酒】2242.玉水(たまみず) カップ [40.福岡県の酒]

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玉水酒造合資会社
福岡県みやま市高田町舞鶴214-1

清酒
180ml
アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール・糖類
(以上、フタより転記)




今日は、玉水酒造さんの玉水カップをいただきます。

糖類添加の三増酒でした。
しかし、酸味料の表示はなし。
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話のネタが尽きたところで、いただきます。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は少し着いていて、透き通っておりました。
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アルコール香とともに、枯れた香りをかすかに感じます。

うまみは淡め。
枯れていて、ちょい渋。
うまみは弱め。米のうまみでもなく、酒臭くもなく、なんとなく画一的な感じがします。
キレはよく、透明感バッチリ。

酸味はややひかえめでしょう。
すっぱさは弱めですが、弱めなりに鋭さをちょっと感じます。
酸味の深みをかすかに感じます。
ちょいスーですが、ピリはなし。

甘みははっきり。
前に出ては来るものの、べとついた感じはなくサラリとしています。


淡麗ちょい枯ちょい渋ちょいスースッキリ甘口のお酒でした。

枯れており、ちょい渋でしたが、粗さは感じませんでした。
一方で淡くてキレがよく、アル添酒にありがちな透明感を感じました。
酸味がややひかえめながらに効いていたせいか、決してペラペラな感じはしませんでした。

でもね、うまみ自体に複雑さのない、画一的な風味を感じました。
この風味は醸されたものなのか?、それとも・・・。
酸味料の表示がない以上、醸されたうまみと捉えるしかありません罠。

まあでも、クセがそれほどなくてキレがよいので、飲みにくくはないと思いました。

【お酒】2241.菊美人 カップ [40.福岡県の酒]

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菊美人酒造株式会社
福岡県瀬高町大字上庄183

清酒
アルコール分15.0度以上16.0度未満
原材料名:米・米麹・醸造アルコール
180ml詰
(以上、フタより転記)




菊美人酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】2238.菊美人 上撰 180ml お燗瓶
【お酒】2239.菊美人 本醸造 冷酒 300ml

今日いただくこのお酒ですが、【お酒】2238.菊美人 上撰 180ml お燗瓶と異なり、小印はなし。
それに品質表示に米の産地が表示されていないのみならず、製造所の所在地が2007(平成19)年の町村合併前の表記のままでした。
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普通酒でしょうから、今日もぬる燗でいただきます。

お酒の色は、少し茶色がかっておりました。
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ああ、そういうことね。

枯れた感じの香りがいたします。

うまみは濃くはないし、淡くもない。
熟成感満載で、苦みはっきり。
でも、うまみ自体はかなり弱め。
それにキレがよく、透明感バッチリ。

酸味はひかえめ。
すっぱさはほぼゼロ。
でも結構なスース―で、かつピリあり。

甘みはややはっきりかな。
前には出てこず、かつ熟成感に隠されているようですが、一応わかります。


枯苦スース―ピリピリやや甘口のお酒でした。

うまみがわからないくらい。
そのせいか、熟成感と苦みとが目立つように感じました。
しかもスース―かつピリピリで、透明感バッチリ。

あくまでも私の個人的見解ですけれど、要するにスカスカ・ペラペラでした。
ま、こういう出会いも、たまにはあります罠。

【お酒】2240.北雪 純米酒 カップ [15.新潟県の酒]

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製造者 株式会社北雪酒造
新潟県佐渡市徳和2377番地2

日本酒
内容量 180ml
アルコール分 15度
原材料名 米(新潟県産)、米麹(新潟県産米)
原料米 五百万石100%使用
精米歩合 60%
(以上、ラベルより転記)




佐渡に蔵を置く北雪酒造さん。
そのお酒は、かつて以下の物をいただいております。
【お酒】153.北雪 金星 ホクセツカップ
【お酒】167.北雪 純米酒 カップ
【お酒】301.北雪 佐渡の鬼ころし 300ml
【お酒】1559.北雪 吟醸生貯蔵酒 カップ
【お酒】1626.北雪 純米にごり酒 300ml
【お酒】2136.北雪 ニックちゃんの佐渡旅情 カップ

今日いただくこのお酒は、純米酒のカップ酒。
ラベルが変わっていたので、再度試して見ることにいたしました。
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品質表示にも変更(使用米・精米歩合)があるみたい。
それにしても、精米歩合60%でかつ酒造好適米である五百万石100%使用なのに、安易に特別純米酒を名乗らないところが奥ゆかしいと思うのは私だけでしょうか?
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それではいただきましょう。

お酒の色は・・・、
わかるわけないか。
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かすかに着いていることがわかる程度でした。
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まずはひや(常温)でいただきましたよ。

香りはなし。
うまみはやや淡めであるものの、しっかりしています。
やや淡めで厚みはないものの、米のうまみがふわりと舌の上を包むように乗っかる感じがいたします。
熟成感をごくかすかに感じ、苦みや酒臭さも然り。
キレはよく、スッと引きました。

酸味はややひかえめ。
すっぱさは鋭さを感じはするものの弱めです。
ちょいスーですが、ピリはなし。

甘みはややひかえめ。
前に出て来ず、喉を通った後で舌の付け根辺りで少し感じる程度です。


ちょい爽快のやや淡麗でちょいスースッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。

ちょい爽快は、酸味が弱めながらも働いていてもたらしてくれたもの。
米のうまみが淡めながらにしっかりで、それでいて純米酒なのにキレがよくて後味スッキリでした。
甘みはあとから追いかけて来て、コクを添えてくれておりました。

うまいね!
純米なのに軽くてキレがよいのは、五百万石を使用している故か?、それとも杜氏さんをはじめとした造り手の皆さんの為せる技でしょうか?


次に、あらかじめ取り分けておいたものを燗ににしてみました。
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米のうまみが前に出て来て厚みを少し感じます。
熟成感や苦み、酒臭さは消えました。

酸味も出ますが、すっぱくはなく、むしろ深みを少し感じます。

ちょいスーは維持されていて、甘味も同じ。
キレのよさも維持されています。


燗にすると、やや淡麗でちょい深ちょいスー旨やや辛口のおいしいお酒になりました。

やや淡麗は維持しつつも、味に厚みと深みとが出ましたよ。
しかも熟成感や苦み、酒臭さが消えて、うまみが洗練されたようでした。
それでいてスイスイと行けてしまうキレのよさ。

これはまちがいなく燗のほうがうまい!
アル添酒支持派のオイラですが、この純米酒はおいしくいただけました。

《焼酎》269.豊後清明 25度 300ml(追記あり) [9944.大分県の焼酎]

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製造者 萱島酒類株式会社
大分県竹田市大字竹田398番地

品目 本格焼酎
原材料名 麦(国産、豪州産)、米麹(国産米)
アルコール分 25度
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)




土井晩翠作詞・滝廉太郎作曲の『荒城の月』。
その舞台として有力候補の一つに挙げられるのが、岡城(大分県竹田市)。

岡城の麓にある竹田の街中で蔵を構えるのが、
萱島酒類さんの岡城蒸留所。
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そこで入手したのが、この麦焼酎。
“豊後清明(ぶんごせいめい)”です。
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蔵元さんのWebsiteでは、「「清明」という商品名は、二十四節季の一つ「天地が澄み、明るく躍動を始める」という意味から名付けられました。」と紹介されておりましたよ。
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ところで、
同じWebsiteでは、「平成21年創業の萱島酒類は、まだまだ歴史の浅い焼酎蔵です。」とも書かれておりました。

一方で、手元にあった文献には、同一の所在地で、熊谷酒造株式会社という蔵元さんが紹介されておりました。
その手印は、“岡城”(金羊社発行『焼酎楽園 Vol.15』p.47(2004年11月 星雲社)より)。
ではその熊谷酒造さんは、いったいどうなったのでしょうか?

ここで関係があると思われるのが、萱島酒造有限会社さん。
萱島酒造さんは、大分県国東市に蔵を置く清酒(いわゆる日本酒)の蔵元さん。
代表的な手印は“西の関”

萱島酒造さんの2020年10月29日付ニュースリリースには、「弊社関連会社の萱島酒類より米焼酎「萱島米三郎」新発売」と明記されています。

萱島酒類さんと萱島酒造さんとは、それぞれのWebsiteを相互にリンクさせてありました。
さらには、両社の代表者のお名前は同一
(2024/01/08それぞれのWebsite“企業情報”“萱島酒類について”の各ページにて確認)

以上のことから察するに、
(1)平成中期に熊谷酒造さんが休蔵・廃業を考え、
(2)清酒蔵である萱島酒造さんが蔵ごと買い取る旨進言し、
(3)両者の合意が整い、萱島酒造さんが出資して萱島酒類(株)を新設し、
(4)平成21年から熊谷酒造さんの蔵があった場所で萱島酒類さんが焼酎造りを開始し、
今日に至る。

ということではないでしょうか?
あくまでも、推測ですけれどね。


そんな豊後清明ですが、大分県産の麦焼酎なのに、
麹は麦ではなく、米麹でしたよ!
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米麹を使用する麦焼酎は、我が国における麦焼酎発祥の地である壱岐で造られている麦焼酎(壱岐焼酎)の例と同じですね。
それを真似たのか?
それとも、「“大分麦焼酎”であっても、清酒蔵が受け継いだ以上、麹は米麹で行こう!」という決意の表れなのか?
あるいは、熊谷酒造さんの頃からの伝統なのでしょうか?


その米麹を使用した麦焼酎“豊後清明”。
購入時にお店の方に伺ったところ、減圧蒸留なのだとか。
このことは、Websiteでも明示されておりました。

減圧蒸留であることを念頭に置きつつ、いただいてみたいと思います。

まずは生(き)、すなわちストレートでちょっとだけ。
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スース―のピリピリ!
上立ち香はないものの、含むとかすかに香ばしかな。
麦の風味は弱め。でも一応わかるみたい。
重さやクセ、焦げ臭はなし。
甘みは弱めでしょう。


次に、風味が開くことを期待しつつ、お湯割りで試してみました。
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開いた!
甘みが最初に来るね。生よりもはっきりしています。
香ばしい香りがほんのりと分かるようになりました。
ちょいスーに麦の風味ほんのり。
お湯割りだけあって、口当たりはさっぱりしておりました。


最後に、水割りでいただきました。
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香りはなし。
でも麦の風味に厚みを少しだけ感じるようになりました。
甘みもよくわかります。
それでいて雑味はなし。
苦みも出ませんでした。


割ってこそ風味がよくわかる、おいしい麦焼酎でした。

減圧蒸留ということで、いわゆる焼酎臭さは全く感じませんでした。
お湯割りで甘みを、そして水割りで甘みとともに麦の風味を感じることができました。

これ、面白いですね。
減圧蒸留だからお湯割りは(薄まるだけだから)避けようかと思ったのですが、お湯割りにしたほうが生よりも風味がよくなりましたよ。
寒い日にはお湯割りもよろしいと思いますが、私としては水割りが好みでした。




その豊後清明と合わせた今日のエサはこちら。


大根。
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おろして、なめ茸とわさびとを乗せて、
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大分県産の甘いしょうゆをかけていただきました。
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わさびが効き過ぎでしたが、甘いしょうゆが和らげてくれました。
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冷蔵庫の残り物。
明日が賞味期限の油揚げと、ねぎ、しめじ。
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ねぎとしめじとをごま油でサッと炒めて、
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油揚げとともに、だし汁、しょうゆ、みりんを入れて炒め煮にして、
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卵でとじて、
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できあがり。
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予想通り!
ごま油の香ばしさと出汁のうまみ、そして炒めたねぎの甘みがおいしゅうございました。
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ごちそうさまでした。
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(追記)


あーあ、取れちゃった。
歯の詰め物。
18金だったのに。
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この詰め物を装着したのは、今からおよそ40年前の中学生の時。
母が歯医者から、
保険適用の詰め物だと高校受験の時に取れてしまう可能性がある。
と脅されて、一本15,000円の金歯を入れたのでした。

まあでも、それから40年間も問題なく経過したのでしたよ。
それ故、この歯医者さんは名医と言ってもよいのではないでしょうか?

それにしても、タイミングが悪い。
二週間後には、出かけようとしているのにさ。

【お酒】2239.菊美人 本醸造 冷酒 300ml [40.福岡県の酒]

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製造者 菊美人酒造株式会社
福岡県みやま市瀬高町上庄一八三

品目 日本酒
アルコール分 14度
内容量 300ml
原材料名 米(福岡県産)、米こうじ(福岡県産米)、醸造アルコール
原料米 夢一献100%使用
精米歩合70%
(以上、ラベルより転記)




一昨日いただいた【お酒】2238.菊美人 上撰 180ml お燗瓶に引き続き、今日も菊美人酒造さんのお酒をいただきます。

今日いただくこのお酒も“菊美人”ですが、
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こちらは本醸造で、
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かつ、冷酒でした。
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品質表示はこちら。
福岡県に蔵を置く蔵元さんが福岡県産米を100%使用して造った、正真正銘の福岡の地酒なのでした。
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冷やして飲めと書いてあるので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。

お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
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香りは、鼻を近づけるとかすかにフレッシュな香りがあります。
含むとそれがふわりと広がります。

うまみはやや淡め、いや、ちょい濃いめだろ。
米のうまみに厚みはないものの、舌の上に覆いかぶさるね。
普通酒で感じた香ばしさも少し感じます。
ちょい苦もありますね。
キレはよく、スッキリしています。

酸味はややはっきりでしょう。
すっぱさは弱めですが、それでも鋭さを感じます。
スーはかすか、ピリはなし。

甘みはややはっきりかな。
存在はわかるものの、前には出て来ません。


ちょい爽快のやや濃醇でちょい苦ちょいすっぱスッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。

味自体は、香ばしさやちょい苦でやや重い感じがしました。
しかしその重さを、爽やかさとキレのよさとがうまく和らげてくれているようでした。
それ故に、飲み応えがあるのに爽やかで後味スッキリでした。

いけると思います。
冷酒や生貯と聞くと、軽くてスイスイ行けるけれどうまみはイマイチというものが多いように思います。
でもこれは、飲み応えがあるのに重さを感じない冷酒でした。




その菊美人冷酒と合わせた今日のエサはこちら。


厚揚げを食べたかったので、
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煮物にしてみました。
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煮る/冷ますを繰り返したことで、味がしみておいしゅうございました。
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おとといの残りのちくわに、きゅうりとネギ。
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チューブ入りわさび。
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わさびドレッシングを作って、
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わさび和え。
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オリーブオイルと合わせたことで、わさびの辛みは飛んでしまいました。
爽やかさだけが残って、おいしゅうございました。
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ごちそうさまでした。
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【お酒】2238.菊美人 上撰 180ml お燗瓶 [40.福岡県の酒]

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製造者 菊美人酒造株式会社
福岡県みやま市瀬高町上庄183

品目 清酒
アルコール分 15度
原材料名 米(国産)・米麹(国産米)・醸造アルコール
内容量 180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)




JR鹿児島本線瀬高駅。
その西側を流れる矢部川のほとりに蔵を構える菊美人酒造さん。
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“菊美人”は北原白秋による揮毫。
なんでも、6代目の奥さんが白秋の実姉だったそうです。
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品質表示はこちら。
いわゆる普通酒ですね。
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バーコードラベルに、かろうじて上撰の文字を発見。
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それではいただきましょう。

まずはひや(常温)でいただきます。
お酒には、色がかすかに着いておりました。
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香りはなし。
うまみはやや・・・、否、ちょい濃いめ。
独特の香ばしい風味がどっしりとしており、米の風味がそれに続きます。
軽い苦みを少しだけ。
それでいてキレがよく、スッと引いて透明感を少し感じます。

酸味はひかえめ。
ほとんど感じません。
スーはないものの、かすかにピリ。

甘みはややはっきり。
変えに出て来ないけれど、じんわりと効いていることがわかります。


ちょい濃醇でちょい苦スッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。

風味が独特の香ばしさでしたが、これはもしかしたら麹に由来するものでしょうか?
それでもクセはなく、嫌味を感じません。
しかもキレがよく、後味がスッキリしておりました。
甘みは脇役ですね。


次に、燗にしてみました。
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アルコール香が少し立ちました。

うまみは同じ。
でも、独特の香ばしさが立って角が出たかな。
苦みも同じですが、香ばしさの角が出たことでよくわかるようになったみたい。
キレはかなり良くなり、スッと引いて透明感を感じました。

酸味はひかえめ。
でもスーが出て、逆にピリは引きました。

甘味も引く。
というか、わからなくなったようです。


燗にすると、ちょい濃醇でちょい苦ちょいスースッキリ旨口のおいしいお酒になりました。

燗のほうが香ばしい風味がよくわかりました。
それでいてキレが一層よくなり、スッと引いてさっぱりしておりました。

燗のほうがスッキリしていておいしいと思いました。



その菊美人とあわせたのは、

きゅうり、ねぎ、ちくわのごま酢和えと、
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いつもの具だくさん味噌汁。
具で酒を飲み、汁で飯を食うという寸法なのでした。
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ごちそうさまでした。
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